面接の終わりに、園長が「最後に何か質問はありますか」と言う。喉まで出かかった「お給料のことなんですが」を飲み込んで、「特にありません。ありがとうございました」と頭を下げる。帰りの電車では、「賞与って何か月分なんだろう」「処遇改善の手当は月給に入っているのかな」と、聞けなかったことばかりが浮かんできます。
給料の話を切り出せないのは、お金にこだわる人だと思われたくない、子どもより条件を見ていると受け取られたくない、という気持ちがあるからだと思います。保育の仕事を選んだ人ほど、その遠慮は強くなりがちです。けれど給料や待遇は、これから何年も暮らしを支える条件です。聞かないまま入職して、最初の給与明細で「思っていた額と違う」と気づいても、そこから取り戻すのは簡単ではありません。
この記事では、面接で給料や待遇を聞いてもよいのか、どう聞けば印象を下げないのか、いつ聞くのがよいのかを、そのまま使える言い回しと一緒にまとめました。
この記事でわかること
- 面接で給料や待遇を聞いてもよい理由と、園が示すべき条件の範囲
- 面接の前に、求人票で確かめておく10の項目
- 見学・面接・内定後のどの段階で、何を聞くとよいか
- 印象を下げない聞き方と、項目別の質問の例文
- 答えがあいまいだったとき、入職後に違いが分かったときの確かめ方
結論
保育士が面接で給料や待遇を聞くことは、失礼でも非常識でもありません。求人を出す園や法人は、賃金や時間外労働の有無などを、原則として最初の面接までに明示することになっています[1]。気をつけたいのは聞き方と順番です。求人票で分かることは事前に読み、面接では「求人票の手当について確認させてください」のように、確認の形で短く聞きます。賞与の実績や昇給の仕組みなどの細かい数字は、二次面接の終わりや内定後の条件確認で聞けば十分です。保育への関心を先に伝えたうえで条件を一つずつ確かめれば、印象を下げずに必要な答えを得られます。
01給料を聞くのは失礼ではない。印象を分けるのは「どう聞くか」
要点:給料や待遇は、園が求職者に示すべき労働条件の一つです。聞くこと自体ではなく、質問の順番と言い方で受け取られ方が決まります。
求人を出す側には、働く人に示さなければならない条件が決められています。業務の内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間と休憩・休日、時間外労働の有無、賃金、加入する保険などです。固定残業代がある場合は、その内訳も示す必要があります。しかも、これらは原則として最初の面接などまでにすべて明示し、条件を変える場合は変更の内容を示すことになっています[1]。2024年4月からは、仕事の内容や働く場所が将来変わる可能性がある場合の「変更の範囲」も、求人のときに示す項目に加わりました[2]。
つまり、面接で給料について確認するのは、もともと示されるはずの情報を確かめる行為です。遠慮して黙っている必要はありません。
給料を気にするのは、あなただけではない
給料のことを考えるのは後ろめたい、と感じる人もいるかもしれません。ですが、東京都が保育士を対象に行った調査では、今の職場で改善してほしい項目として最も多かったのが「給与・賞与等の改善」で、62.7%でした[3]。保育士として復職を考える人が重視する条件でも、「給与等(年収)」を挙げた人は69.0%にのぼります[4]。待遇を確かめたいという気持ちは、多くの保育士に共通するものです。
印象が下がるのは、聞いたからではない
採用する側が気にするのは、「給料を聞いた人」ではなく、次のような進め方です。
- 面接の最初の質問が給料や休みのことだった
- 求人票にはっきり書いてあることを、そのまま聞き直した
- 「もう少し上がりませんか」と、確認ではなく交渉の口調になった
- 保育や園への関心を一言も伝えないまま、条件の話だけで終わった
逆に言えば、この4つを避けるだけで、給料の質問はぐっと自然になります。面接官を務めることの多い園長や主任にとっても、条件を確かめたうえで入職してくれる人のほうが、入ってから「聞いていた話と違う」と言われる心配が少なく、安心できる相手です。
02面接の前に、求人票で確かめておく10の項目
要点:求人票に書いてあることを面接で聞き直すと、「読んでいない」と受け取られかねません。事前に読み込み、書かれていない点だけを質問のメモにします。
給料の質問で印象を下げないいちばんの近道は、聞く前に調べておくことです。求人票、募集要項、園や法人の採用ページを手元にそろえ、次の項目に印をつけていきます。書いてあったものは丸、書いていないものやあいまいなものは三角にします。三角がついたものが、面接で聞く候補です。
図1
- 基本給と手当の内訳月給の総額だけでなく、基本給がいくらで、どの手当が含まれているかを見ます。賞与を基本給で計算する園では、内訳で年収が変わります
- 処遇改善の手当の払い方毎月の給料に入るのか、年に数回まとめて払われるのかで、毎月の手取りが変わります
- 賞与の実績「年2回」だけでなく、昨年度に何か月分が支給されたかが書かれているかを見ます
- 昇給の有無と決まり方「昇給あり」の一言だけか、経験年数や評価で決まる仕組みが示されているかを見ます
- 固定残業代の有無含まれている場合は、何時間分でいくらかの内訳が書かれているかを確かめます
- 時間外労働の有無残業があるか、行事前の準備や会議が勤務時間内かどうかの手がかりになります
- 住宅手当・宿舎の借り上げ対象になる条件と、何年目まで使えるかを確かめます
- 通勤手当上限額や、車・自転車通勤の扱いを見ます
- 試用期間中の条件試用期間の長さと、その間の給料が本採用後と違うかを確かめます
- 加入保険と退職金社会保険・雇用保険の加入と、退職金の制度があるかを見ます
このうち、固定残業代の内訳、試用期間、加入保険などは、求人の段階で示すべき項目に含まれています[1]。書かれていない場合は、聞いてよい項目だと考えてかまいません。
住宅の支援は、とくに確認しておきたい項目です。国の保育士宿舎借り上げ支援事業は、対象が「保育士として採用された日から5年以内の常勤の保育士」で、一人1回限りとされています[5]。転職を何度か経験している人や、保育士になって年数がたっている人は、求人票に「借り上げ社宅あり」と書かれていても、自分が対象になるとは限りません。
質問は3つまでに絞っておく
三角がついた項目を全部面接で聞こうとすると、質問が10個近くになることもあります。面接の場で聞くのは、多くても3つまでにしておくと、話の流れを止めずに済みます。絞るときは、次の順番で考えると決めやすくなります。
- 毎月の手取りに直結するもの(基本給と手当の内訳、処遇改善の手当の払い方)
- 1年目の年収に関わるもの(賞与の実績、試用期間中の条件)
- 長く働いたときに関わるもの(昇給の仕組み、退職金)
残りの項目は、内定後に書面で確かめれば十分です。「面接で聞くこと」と「書面で確かめること」を分けておくと、面接の緊張もかなり軽くなります。給料の仕組みそのものがよく分からない場合は、先に給与明細の見方と手当の読み解き方で、基本給と手当の関係を整理しておくと質問を作りやすくなります。
03いつ聞く?見学から内定後までのタイミング
要点:給料の基本的なことは一次面接の終わりに1〜2点だけ、細かい数字は二次面接や内定後の条件確認で聞くのが自然です。見学の場で給料の話を中心にするのは避けたほうが無難です。
図2
- 応募前求人票と募集要項を読み、書かれていない点を質問のメモにする
- 園見学給料の話は控えめにする。保育の様子、職員の人数、休憩の取り方や持ち帰りの有無を見る
- 一次面接の終わり「最後に条件面を一点だけ」と断り、最も知りたいことを1〜2点聞く
- 二次面接・最終面接賞与の実績、昇給の仕組み、経験年数の扱いなど、具体的な数字を確かめる
- 内定の連絡提示された給与額を書面で受け取りたいと伝える
- 入職の前書面の内容と求人票、面接での説明に違いがないかを照らし合わせる
見学では、給料より働き方を見る
園見学は、保育の様子や職員の雰囲気を自分の目で確かめる場です。案内してくれるのは担任の先生や主任であることが多く、給料の細かい数字は答えにくい立場の人もいます。見学の場では、午睡中に連絡帳を書く時間があるか、休憩室があるか、壁面や制作物をどの時間に作っているかなど、働き方に関わることを見ておくと、あとで給料の話をするときの材料にもなります。
面接が1回だけの園では
小規模保育や少人数の園では、面接が1回で終わることもあります。その場合は、面接の最後に「条件面を2点だけ確認させてください」と断って、基本給と手当の内訳、賞与の実績を聞きます。残りは「内定をいただけた場合に、書面で確認させてください」と添えておけば、聞けなかった項目も後から確かめられます。
オンラインや電話での面接では
最近は、一次面接をオンラインで行う法人もあります。画面越しだと表情が伝わりにくく、同じ質問でも少し硬く聞こえがちです。前置きを対面のときより一文多めにし、聞き取った数字は「基本給が◯円、処遇改善の手当が別に◯円ですね」と復唱して確かめます。復唱しておくと、聞き間違いを防げるうえに、真剣に聞いている姿勢も伝わります。通信が途切れて聞き逃した場合は、遠慮せずにもう一度お願いしてかまいません。
内定後は、遠慮せずに書面で確かめる
内定が出たあとは、給料の話をするのにいちばん適した時期です。労働契約を結ぶときには、働く場所や業務の内容、その変更の範囲などを明示することになっており[6]、ほかの条件も書面で確かめやすい段階です。「生活の準備のために、給与の内訳を書面でいただけますか」とお願いすれば、断られることはまずありません。電話で伝えられた金額は、聞き間違いや記憶違いが起きやすいので、必ず文字で残しておきます。
04印象を下げない聞き方と、そのまま使える言い回し
要点:前置きで保育への関心を伝え、確認の形で短く聞くのが基本です。「いくらもらえますか」ではなく、「求人票の◯◯について確認させてください」と切り出します。
同じことを聞いていても、言い方ひとつで受け取られ方は大きく変わります。次の表は、よくある聞き方を言い換えた例です。
図3
| 聞きたいこと | 印象を下げやすい言い方 | 印象を下げにくい言い方 |
|---|---|---|
| 給料の内訳 | 結局、お給料はいくらもらえますか | 求人票の月給について、基本給と手当の内訳を教えていただけますか |
| 賞与 | ボーナスは何か月出ますか | 賞与について、昨年度の実績を差し支えない範囲で伺えますか |
| 昇給 | 給料は上がりますか | 長く働きたいと考えているので、昇給の仕組みを教えていただけますか |
| 残業代 | 残業代はちゃんと出ますか | 行事前などに時間外の勤務があった場合、どのように扱われていますか |
| 経験年数 | 前の園の経験は給料に関係ありますか | これまでの保育経験は、給与を決めるときにどのように考慮されますか |
右の列の言い方には、共通点があります。「求人票」「長く働きたい」「差し支えない範囲で」のように、相手の立場を考えた言葉が入っていることです。質問の中身は同じでも、確かめたい理由が伝わると、面接官も答えやすくなります。
前置きのひと言で、受け取られ方が変わる
給料の質問に入る前に、短い前置きを入れておくと、条件だけを見ている人だという印象を避けられます。たとえば次のような言い方です。
「こちらの園の、異年齢で過ごす時間を大切にしている保育に魅力を感じていて、長く働きたいと考えています。そのうえで、条件面を一点だけ確認させてください。」
前置きは、見学や説明で実際に感じたことを一つ入れるのがこつです。どの園にも当てはまる言葉より、「ホールの壁面が子どもの絵でいっぱいだった」「2歳児クラスの先生が一人ひとりに声をかけていた」のように具体的なほど、本気で考えていることが伝わります。
項目別・そのまま使える質問の例
図4
- 1
基本給と手当
「求人票の月給には、処遇改善の手当も含まれていますか。毎月の支給か、まとめての支給かも教えてください」
- 2
賞与
「賞与は年2回と拝見しました。昨年度の実績は、基本給の何か月分くらいでしたか」
- 3
昇給
「昇給は毎年ありますか。経験年数や評価など、どのように決まるのでしょうか」
- 4
時間外の勤務
「行事の準備や職員会議が勤務時間外になった場合、どのように扱われていますか」
- 5
住宅の支援
「宿舎の借り上げ制度について、私の場合は対象になるかどうかを伺えますか」
- 6
1年目の年収
「入職1年目の場合、賞与を含めた年収の目安はどのくらいになりますか」
とくに役立つのが、最後の「1年目の年収」の質問です。賞与の算定期間の関係で、入職1年目の夏の賞与が少なくなる園もあります。月給だけで計算した年収と、実際の1年目の年収がずれることがあるため、「1年目」と区切って聞くと、生活の見通しが立てやすくなります。
退職金や有給休暇は、もう一段やわらかく聞く
退職金や有給休暇は、「辞めるときのことを考えている」「休むことばかり気にしている」と受け取られないか、とくに聞きにくい項目です。退職金は「長く勤めたいと考えているので、退職金の制度があるか伺えますか」と、長く働く前提で聞くと自然です。
有給休暇の日数そのものは、法律で決まっています。雇い入れから6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤すれば10日が付与され、その後は勤続に応じて増えていきます[7]。年に10日以上付与される人には、園が年5日を取らせる義務もあります[8]。ですから面接で聞きたいのは日数ではなく、取りやすさです。「有給休暇は、皆さんどのような時期に取られていますか」と聞くと、行事の前後は取りにくい、平日にクラスで交代して取っている、といった実際の様子が返ってきやすくなります。
答えてもらったあとの受け答え
答えを聞いたら、「ありがとうございます。よく分かりました」と区切り、次の質問に移ります。数字はその場でメモしてかまいませんが、「メモを取らせていただいてもよいですか」と一言断ると丁寧です。
ここで気をつけたいのは、答えを聞いてすぐに「もう少し上がりませんか」と続けないことです。面接での質問は、あくまで条件の確認です。金額の相談をしたい場合は、内定が出たあとに、材料をそろえて別の場で行うほうがうまくいきます。進め方は給料や条件の交渉ができる場面と例文にまとめています。残業の実態を聞きたいときは、面接で残業について聞くときの聞き方も参考になります。
05相談事例:前の転職で聞けなかったことを、今回は確かめられた
要点:給料を聞けないまま入職して後悔した人が、質問を絞り、聞く場面を決めて面接に臨んだモデルケースです。何を面接で聞き、何を書面に回したかに注目してください。
「聞いたら失礼」から「確かめるのは当たり前」へ
相談事例(モデルケース)
- お名前
- くにこさん(仮名)・34歳
- 保育士歴
- 11年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約70名)、3歳児クラス担任。2回目の転職活動中
- 変化
- 確認できた待遇の項目 0 → 7、入職後に分かった月の手取りの差 約2万円 → なし
編集部前回の転職では、何があったんですか。
面接で、お金のことを一つも聞けなかったんです。求人票の月給だけ見て決めて、最初の明細を開いたら、手取りが思っていたより2万円くらい少なくて。処遇改善の分が、年2回の一時金だったんですよね。月給に入っていると思い込んでいました。
編集部今回の転職活動では、何を変えましたか。
まず求人票を読み込んで、書いていないことだけをメモにしました。最初は10個くらいあったんです。相談のときに「面接で聞くのは3つまでにして、残りは内定後に書面で」と言われて、基本給と手当の内訳、処遇改善の払い方、賞与の実績の3つに絞りました。保育園の手当の話を、いちいち説明しなくても分かってもらえたのが助かりました。
編集部実際に面接で聞いたときは、どうでしたか。
二次面接の最後に「長く働きたいので、条件面を3点だけ確認させてください」と前置きして聞きました。手が震えていたと思います。でも園長先生は、手元の資料を見ながら普通に答えてくださって。拍子抜けするくらいでした。
編集部内定のあとには、何をしましたか。
提示された金額を書面でいただいて、残りの4つ、昇給の仕組み、住宅手当、時間外の扱い、試用期間中の給料をメールで確認しました。2つの園から内定をもらっていたので、同じ7項目で並べてみたんです。年収はほとんど同じなのに、片方は処遇改善の分が月給に入っていて、もう片方は年2回の一時金でした。前の失敗があったので、毎月の手取りが読めるほうにしようと、その場で決められました。
聞いたら落とされると思っていました。でも本当は、落とされるような聞き方をしなければいいだけだったんです。
くにこさん(仮名)
くにこさんは7項目で比べた結果、処遇改善の手当が毎月の給料に含まれ、昇給の仕組みもはっきりしている園を選びました。入職して半年がたった今、最初の明細は内定時の書面のとおりで、「次の昇給がいつ、どのくらいか」まで分かったうえで働けていると話しています。
このケースで持ち帰りたいのは、質問の数を絞ったことと、面接で聞くことと書面で確かめることを分けたことです。全部を面接の場で聞こうとすると、時間も気持ちも足りなくなります。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
面接と書面で確認した待遇の項目
同じ基準で比べた園の数
入職後に分かった月の手取りの差
くにこさんの例で分かるのは、質問の上手さよりも、準備と順番のほうが結果を左右するということです。求人票で分かることは先に読み、面接では3つだけ、残りは書面で。この形にしておくだけで、聞けなかった後悔はかなり減らせます。
06聞き方を整えても残る、2つの限界
要点:面接でどれだけ上手に聞いても、分からないことは残ります。一つは数字で答えてもらえない場合、もう一つは入職後の実際の働き方です。この2つには、別の備えが必要です。
1. あいまいな答えが返ってきたとき
「それは入ってから相談しましょう」「頑張り次第ですね」と、数字の入らない答えが返ってくることがあります。その場でしつこく食い下がる必要はありません。「では、内定をいただけた場合に、書面で確認させてください」と伝えて、いったん引き取ります。
内定後にお願いしても書面が出てこない、出てきた書面が求人票と大きく違う、という場合は、それ自体が判断材料になります。求人の段階で示すべき条件や、変更があるときに変更の内容を示すことは、園の側に求められていることです[1]。そこを丁寧に扱わない職場は、入職後の働き方の約束も守られにくいかもしれません。
2. 入職してから「話が違う」と分かったとき
書面で確かめていても、入職後に違いが見つかることはあります。明示された労働条件が事実と違う場合、働く人はすぐに労働契約を解除できるとされています[9]。ただ、実際には、すぐに辞めるよりも、まず園や法人に違いを伝えて直してもらうほうが現実的な場面が多いはずです。そのためにも、求人票の写し、面接のメモ、内定時の書面は、入職後もしばらく保管しておきます。
園の中で話がまとまらないときは、外の相談先も使えます。各都道府県の労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーでは、賃金を含む労働問題について、無料・予約不要で相談できます[10]。平日の夜や土日に電話で相談したい場合は、労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)も利用できます[11]。
面接で何をどの順番で聞くか、一人で決めきれないときは、質問のメモを誰かに見てもらうだけでも頭が整います。ほいくの相談室では、転職するかどうかをまだ決めていない段階でも、求人票の読み方や面接での聞き方を一緒に考えています。そもそも今の給料のどこに不満があるのかがはっきりしない場合は、保育士の給料が安い理由と手取りを増やす方法から読むと、面接で何を確かめるべきかが見えやすくなります。
よくある質問
面接で給料のことを聞いたら、不採用になりますか?
給料を聞いたことだけを理由に不採用になることは考えにくいです。気をつけたいのは、面接の冒頭で聞く、求人票に書いてあることを聞き直す、条件の話ばかりになる、といった進め方です。保育への関心を伝えたうえで、確認の形で短く聞けば問題になりにくいです。
園長面接と法人の人事面接があります。どちらで聞くのがよいですか?
法人の人事担当者がいる場合は、給与や手当の細かい数字はそちらのほうが正確に答えられることが多いです。園長には、残業や持ち帰りの実態、行事の分担など、現場の働き方を聞くと話がかみ合います。
転職エージェントを通して応募しています。自分で聞かないほうがいいですか?
担当者に代わりに確認してもらうこともできます。ただし、伝言の途中で内容がずれることもあるため、大事な数字は内定後に書面で受け取り、自分の目で確かめてください。
今の園の給料を聞かれたら、正直に答えるべきですか?
事実と違うことを言う必要はありませんが、答え方は選べます。月給と賞与の実績を伝えたうえで、「経験年数を考慮していただけるとうれしいです」と添える程度にとどめると、交渉の色が強くなりすぎません。
面接の質問の時間に、給料以外も聞いたほうがいいですか?
給料の質問だけで終わるより、保育の内容や働き方の質問を一つ入れておくと、条件だけを見ている印象を避けられます。面接でよく聞かれることと逆質問の考え方は、保育士の面接でよく聞かれる質問も参考にしてください。
参考にした資料
- 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
- 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
- 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
- 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
- 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。