保育士の給料交渉はできる?交渉しやすい場面と例文

内定の電話を切ったあと、メモを見返して手が止まる。提示された月給が、求人票の幅のいちばん下だった。15年近く保育をしてきて、乳児クラスもリーダーも経験してきたのに、この金額は新卒に近いのではないか。でも、せっかくもらえた内定です。「交渉なんてしたら、取り消されるかもしれない」と思うと、喉の奥がきゅっと縮こまります。

保育の世界では、給料は「園の規程で決まっているもの」と考えている人が多く、自分から金額の話をするのは珍しいことのように感じられます。周りに交渉した人がいなければ、なおさらです。けれど実際には、経験年数の数え方や手当のつき方など、話し合いで変わる部分は思っているより残っています。

この記事では、保育士が給料や条件を交渉できるのはどんな場面か、何を材料にすればよいか、どんな言葉で切り出せばよいかを、転職のときと今の園で働きながらの場合に分けてまとめました。

この記事でわかること

  • 保育士の給料交渉ができる場面と、できにくい場面の見分け方
  • 交渉の前にそろえておく4つの材料
  • 月給以外に交渉できる条件と、通りやすい順番
  • 内定後・在職中にそのまま使える交渉の例文
  • 交渉がうまくいかなかったときの考え方

結論

保育士でも給料や条件の交渉はできます。ただし、交渉しやすい場面は限られていて、最も現実的なのは内定が出たあとと、今の園で昇給や役割の見直しがある時期の二つです。交渉の材料になるのは、経験年数とその数え方、担任やリーダーなどの役割の経験、今の給与明細、他の園の条件といった、数字や書類で示せる事実です。「上げてほしい」と気持ちを伝えるより、「経験年数の算定を確認させてください」のように確認から入るほうが、相手も検討しやすくなります。私立の認可保育園では給与規程の枠があるため、金額が大きく動かない場合もありますが、経験の数え方や手当、入職日などは話し合いで変わることがあります。

01保育士の給料交渉は「場面」で通りやすさが変わる

要点:交渉できるかどうかは、園の方針よりも、交渉するタイミングで大きく変わります。内定後と、昇給や役割が変わる前が、もっとも話を聞いてもらいやすい場面です。

保育士の給料は、多くの園で給与規程や給料表に沿って決まります。そのため、「交渉しても無駄」と思われがちです。たしかに、規程そのものを一人のために変えてもらうのは難しいことです。ただ、規程の中には、前職の経験を何年として数えるか、どの手当をつけるか、どの等級から始めるかといった、判断の余地がある部分があります。交渉とは、その判断を自分に合ったものにしてもらうための話し合いだと考えると、ハードルが少し下がります。

保育士を求める園は多く、保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています[1]。東京都では4.04倍です[2]。採用したい人材に対して、園の側も条件を検討する余地を持っていることは少なくありません。

図1

いま、どんな場面にいるか

  1. 内定が出たあと最も交渉しやすい場面です。提示額を書面で受け取り、経験年数の数え方などを確認する形で始めます
  2. 複数の園から内定がある他の園の条件を、比べる材料として冷静に伝えられます。金額で競わせる言い方は避けます
  3. 在職中で、昇給や年度替わりの前来年度の給与や役割が決まる前に、面談の場で相談します。冬から年度末が目安です
  4. 担任外の役割が増えるときリーダーや主任などを打診されたときは、手当や業務量を確かめる絶好の機会です
  5. 面接の途中条件を確かめる場であり、交渉には向きません。金額の相談は内定後に回します
  6. 入職してすぐ規程どおりに決まった直後なので動きにくい時期です。1年働いてからの面談を待ちます
図1 給料交渉がしやすい場面かを見分ける

図のうち上の4つは、相手があなたの話を聞く理由を持っている場面です。内定を出した園は入職してほしいと考えていますし、役割を打診した園長は引き受けてほしいと考えています。交渉が通りやすいかどうかは、こちらの言い方以上に、相手が「この人に来てほしい、続けてほしい」と思っている時期かどうかで決まります。

面接の途中で金額の話を持ち出すと、「条件しか見ていない人」という印象を与えかねません。面接では確認にとどめ、相談は内定後にと分けておくのが安全です。面接での聞き方は面接で給料を聞くときの聞き方とタイミングにまとめています。

02交渉の前にそろえる4つの材料

要点:交渉の材料は「気持ち」ではなく「事実」です。経験年数、役割の経験、今の給与、他の条件の4つを、紙に書き出せる形にしてから話を始めます。

「生活が苦しいので上げてほしい」という気持ちは本当でも、それだけでは相手は判断できません。給与を決める立場の人が知りたいのは、この人にこの金額を払う理由です。次の4つを書き出しておくと、話す内容に筋が通ります。

図2

経験年数とその中身

保育士として何年働いたか。乳児・幼児のどのクラスを何年担任したか。園種や雇用形態の内訳も

最も強い材料

役割と実績

クラスリーダー、行事の責任者、実習生の指導、後輩の育成、書類の様式づくりなど

金額の根拠を補う

今の給与明細

基本給、手当、賞与の実績。下がる場合は差額を具体的に示せる

比べる基準になる

他の条件

他の園の提示額、求人票の幅、通勤や住宅の支援の違い

伝え方に注意が必要

図2 給料交渉で使える4つの材料

経験年数は、数え方まで確かめる

経験年数は、交渉の中で最も影響の大きい材料です。私立の認可保育園などの運営費のもとになる公定価格には、職員の平均経験年数に応じて加算率が2〜12%となる「処遇改善等加算」の区分1があります[3]。また、1歳児の配置を手厚くする加算でも、職員の平均経験年数10年以上が要件の一つになっています[4]。経験を積んだ保育士が加わることは、園にとっても意味のあることです。

一方で、前の職場での経験をどう数えるかは、園や法人によって違います。認可外保育施設や企業主導型保育、パートでの勤務などを、正規の経験と同じに数えるか、一部だけ数えるかで、初任の格付けが変わることがあります。提示額が想定より低いときは、まず「経験年数を何年として計算されたか」を確かめます。ここに食い違いがあれば、それは交渉というより確認の話になり、相手も応じやすくなります。経験を転職でどう伝えるかは経験年数を転職で活かす伝え方も参考になります。

今の給与明細は「年収」に直して持っていく

今の給与を材料にするときは、月の明細1枚ではなく、年収に直した数字を用意します。基本給と毎月の手当を12か月分、そこに昨年度の賞与と、年に数回まとめて支給される処遇改善の一時金などを足します。月給だけを比べると、提示額が高く見えたり低く見えたりして、話の前提がずれてしまうからです。

年収に直した数字があれば、「月給は同じくらいですが、賞与を含めると年で20万円ほど下がります」のように、差を具体的に伝えられます。相手にとっても、どこを調整すれば差が埋まるのかを考えやすくなります。源泉徴収票が手元にあれば、それがいちばん確かな資料です。

他の園の条件は「比べる材料」として使う

他の園から内定をもらっている場合、その条件は大きな材料になります。ただし、「あちらは月給が高いので、合わせてください」という言い方は、競わせているように聞こえます。「どちらの園にも魅力を感じていて迷っています。条件の面でご相談できることがあれば伺いたいです」と、迷っている理由として伝えるほうが角が立ちません。複数の内定を比べる手順は複数内定を比べて決める方法にまとめています。

03月給だけが交渉の対象ではない

要点:給与規程で基本給が動かしにくくても、経験の数え方、手当、入職日、勤務の条件など、話し合いで変わる項目はほかにもあります。何を交渉するかを先に決めておくと、話がまとまりやすくなります。

給料交渉というと月給の額だけを思い浮かべがちですが、年収や働きやすさに関わる項目はたくさんあります。そして、項目によって交渉の通りやすさが違います。

図3

項目通りやすさの目安伝え方のこつ
経験年数の数え方確認の形なら通りやすい「何年として計算されたか」を聞き、職務経歴書で中身を示す
入職日比較的通りやすい今の園の引き継ぎや有給休暇の消化を理由に、具体的な日付で相談する
勤務時間・シフト園の体制次第早番・遅番の回数など、具体的な希望を一つに絞る
担当クラス園の体制次第経験を活かせるクラスとして、理由を添えて希望を伝える
資格や役割の手当規程にあれば通りやすい規程にある手当の対象になるかを確認する形で聞く
基本給そのもの規程の枠内なら可能性あり経験と実績を示したうえで、幅のある希望を伝える
図3 交渉できる主な項目と、通りやすさの目安

この表の目安は、あくまで一般的な傾向です。小規模な園で園長が給与を決めている場合は、基本給の相談が意外とすんなり通ることもあります。反対に、大きな法人で給料表が細かく決まっている場合は、経験年数の数え方が交渉のほとんどすべてになることもあります。

交渉する項目は一つか二つに絞る

あれもこれもと希望を並べると、相手は「この人は何を最も大事にしているのか」が分からなくなります。毎月の手取りを上げたいなら経験年数の数え方、通勤の負担を減らしたいならシフト、というように、最も変えたいものを一つ決めます。二つ目は、一つ目が難しかったときの代わりの案として用意しておくと、話し合いが行き詰まりにくくなります。

04そのまま使える交渉の例文

要点:例文の基本の形は「感謝→確認→理由→希望→代わりの案」です。この順番で話すと、要求ではなく相談として受け止めてもらいやすくなります。

ここからは、場面ごとの例文を紹介します。金額や年数は、自分の状況に合わせて書き換えてください。メールで送る場合も、電話で話す場合も、骨組みは同じです。

例文1:内定後に、経験年数の数え方を確認する

「このたびは内定のご連絡をありがとうございます。前向きに考えております。一点確認させていただきたいのですが、ご提示いただいた給与は、私の保育経験を何年として計算されたものでしょうか。前職と前々職を合わせて15年、うち10年は担任をしております。経歴書で不足があれば、在籍の証明もお出しできます。」

この例文は、金額を上げてほしいとは一言も言っていません。それでも、計算に食い違いがあれば、園の側から見直しを申し出てもらえることがあります。

例文2:他の園の内定と迷っていることを伝える

「ご提示いただいた条件で前向きに検討しております。正直にお伝えしますと、もう一園からもお声がけをいただいており、通勤や保育方針の面では貴園に強く惹かれています。給与の面でご相談の余地があれば、伺えるとありがたいです。」

ポイントは、他の園の金額をそのまま突きつけないことです。相手から「どのくらいなら」と聞かれたら、そのときに具体的に答えます。

例文3:入職日を調整してもらう

「入職日について、ご相談させてください。現在の園で担任をしており、年度末までの引き継ぎと残りの有給休暇を考えると、4月1日の入職が難しい状況です。4月中旬からの入職をお願いすることは可能でしょうか。」

入職日は、年収の見通しにも関わります。今の園の賞与の支給日や、有給休暇を使い切れるかによって、数万円単位で手元に残るお金が変わることがあるからです。内定の返事の期限との兼ね合いは内定の返事の期限と伝え方で確かめておくと安心です。

例文4:在職中に、来年度の給与を相談する

「来年度の面談の前に、ご相談したいことがあります。今年度は2歳児クラスのリーダーと、運動会の担当を務めました。来年度も同じ役割を続けたいと考えていますが、役割に見合った手当や評価について、どのように考えていただけるか伺えますか。」

在職中の相談は、年度の給与や役割が決まる前の、冬から年度末にかけてが目安です。公定価格の人件費は令和6年度に10.7%、令和7年度に5.3%改善され[5]、令和8年度もこの5.3%分の改善が続いています[6]。こうした改定が自分の給料にどう反映されたのかを、明細と照らし合わせて聞いてみるのも、在職中ならではの材料です。

例文5:リーダーや主任を打診されたときに条件を確かめる

「お声がけいただき、ありがとうございます。ぜひ前向きに考えたいと思っています。お引き受けする前に、役割に伴う手当の額と、担任との兼務になるかどうか、書類や会議の時間を勤務時間内にどのくらい確保できるかを伺えますか。」

役割を打診されたときは、園の側があなたに引き受けてほしいと考えている場面です。引き受ける前であれば、手当や仕事量について落ち着いて確かめられます。引き受けたあとに「思ったより大変だった」と気づいても、条件を変えてもらうのは難しくなります。

メールで送るときの形

例文をメールで送る場合は、件名を「給与条件についてのご相談(氏名)」のように、開く前に内容が分かるものにします。本文は、最初の2行で内定や面談へのお礼、次の段落で確認したいこと、最後に「お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです」と結びます。返事の期限を区切る書き方は、相手を急かしているように見えるので避け、自分の返事の期限が迫っている場合だけ、その日付を添えます。

交渉の進め方の手順

例文を使う前後の流れを、手順にまとめました。

図4

  1. 提示された条件を書面で受け取る

    口頭の金額だけで話を進めず、基本給と手当の内訳、経験年数の扱いが分かる形でもらいます

  2. 4つの材料を書き出す

    経験年数とその中身、役割の経験、今の給与、他の条件を、紙一枚にまとめます

  3. 交渉する項目を一つに絞る

    最も変えたいものを一つ決め、二つ目は代わりの案として用意します

  4. 相談の時間をもらう

    「条件のことでご相談したいことがあります」と、電話やメールで時間をお願いします

  5. 感謝から順に話す

    感謝、確認、理由、希望、代わりの案の順で伝え、その場で答えを求めすぎないようにします

  6. 結果を書面で受け取る

    変わった条件も変わらなかった条件も、最終的な内容を書面で確かめます

図4 保育士が給料や条件を交渉する手順

最後の手順は、とても大切です。求人を出す側は、示した条件を変える場合にはその内容を明示することになっています[7]。交渉で決まった内容も、口約束のままにせず、文字で残しておきます。

05相談事例:経験年数の数え直しで、月給が1万2千円変わった

要点:提示額が想定より低かった人が、金額ではなく経験年数の数え方から話を始めたモデルケースです。交渉というより「確認」で結果が変わった流れを追ってみてください。

「上げてください」ではなく「数え方を教えてください」

相談事例(モデルケース)

お名前
よしみさん(仮名)・38歳
保育士歴
15年目(相談当時)
勤務先
企業主導型保育(定員約30名)で5年、私立の認可保育園で10年。夫の転勤に合わせて転職活動中
変化
算定された経験年数 10年 → 15年、提示された基本給 月1万2千円アップ

編集部内定の連絡を受けたとき、どう感じましたか。

よしみさん

正直、がっかりしました。提示額が今の園より月に1万5千円くらい低くて。引っ越し先で探していたので、地域の差もあるのかなとは思ったんです。でも、15年やってきてこれか、って。断ろうかとまで考えました。

編集部そこから、どう動いたんですか。

よしみさん

相談したときに、「まず、経験を何年で計算されたか聞いてみましょう」と言われたんです。私、そんな発想がなかったんですよ。給料は決まったものだと思っていたので。ただ「交渉すれば必ず上がるわけではないです」とも言われて、それがかえって安心でした。期待しすぎずに済んだので。

編集部実際に園に確認して、何が分かりましたか。

よしみさん

企業主導型の5年が、半分の2年半で数えられていたんです。しかも端数が切り捨てで、合計10年の扱いでした。職務経歴書に、そこでも担任をしていたことや、保育士として常勤だったことを書いて、在籍の証明もお出しできますと伝えました。

編集部結果はどうでしたか。

よしみさん

1週間くらいして、法人の人事の方から連絡があって。保育士として常勤で担任をしていたなら、15年で数え直しますと。基本給が月に1万2千円上がりました。今の園との差は3千円くらいまで縮まって、通勤時間が短くなる分を考えたら、もう迷いませんでした。

交渉って、言い負かすことだと思っていたんです。実際は、自分の15年を正しく数えてもらうお願いでした。

よしみさん(仮名)

よしみさんはその後、変わった条件をメールで受け取り、内定を受けることにしました。入職後の面談では、「経歴をきちんと説明してくれたので、こちらも判断しやすかった」と人事の担当者から言われたそうです。

このケースのポイントは、金額の上げ下げを持ち出す前に、提示額の計算のもとを確かめたことです。前職の園種や雇用形態が今の職場と違う人ほど、経験年数の数え方に食い違いが起きやすくなります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

よしみさんのように、相手の計算のもとを確かめるだけで結果が変わることは珍しくありません。「交渉」という言葉に構えてしまうなら、「確認」と言い換えて始めてみてください。

06交渉がうまくいかないこともある。そのときの考え方

要点:給料交渉は、準備をしても思いどおりにならないことがあります。私立の認可保育園では給与の原資や規程の枠があり、個人の交渉だけでは動かせない部分があるからです。結果よりも、納得して選べたかどうかを大切にしてください。

1. 動かせない枠があることを知っておく

私立の認可保育園の運営費は、国が定める公定価格をもとにしています。令和8年度の公定価格では、保育士の本俸の基準額や、地域ごとの人件費の積算額が示されています[8]。園はこの運営費と処遇改善等加算などを組み合わせて給与を払っているため、一人の職員だけ大きく基本給を上げると、ほかの職員との釣り合いがとれなくなります。交渉で動かなかったとしても、それはあなたの価値が低く見られたからとは限りません。

2. 断られたあとの選び方

交渉が通らなかったときは、その条件で納得できるかを、もう一度自分に聞いてみます。月給が希望に届かなくても、通勤時間、持ち帰り仕事の有無、休みの取りやすさなどを含めて考えると、受ける価値がある場合もあります。逆に、どうしても生活が成り立たない金額なら、無理に受ける必要はありません。

その場で金額が動かなくても、「試用期間が終わる時点で、勤務の様子を見て見直していただくことはできますか」と、見直しの時期を約束してもらう方法もあります。この場合も、約束の内容と時期をメールなどで残しておきます。半年後に担当者が替わっていても、文字で残っていれば話を引き継いでもらえます。

交渉したことを理由に、内定が取り消されることはまれです。それでも心配な場合は、言葉づかいを丁寧にすること、希望を一つに絞ること、相手に考える時間を渡すことの3つを守れば、関係がこじれる可能性はかなり低くなります。

3. 在職中の交渉は、関係を壊さない範囲で

今の園で働きながら給料を相談する場合は、断られたあとも同じ職場で働き続けることになります。感情的なやりとりにならないよう、相談は面談など決まった場で行い、結果がどうであれ「聞いてくださってありがとうございました」で締めくくります。何度相談しても状況が変わらない場合は、環境を変えることも選択肢になります。その前に、給料が上がりにくい背景を知っておきたいときは給料が安くなる仕組みと、手取りを増やす現実的な道が役立ちます。

内定の条件を前にして「これは相談していいものなのか」と迷う段階こそ、第三者の目が役に立ちます。ほいくの相談室では、転職を決めていなくても、提示額の読み方や、園に送る文面の下書きを一緒に考えられます。

よくある質問

給料交渉をしたら、内定を取り消されますか?

丁寧な言葉で相談した結果として、内定が取り消されることはまれです。心配なのは、強い口調で金額を求めたり、何度も条件を変えたりする場合です。希望を一つに絞り、確認の形で始めれば、関係を損なうおそれは小さくなります。

交渉はメールと電話、どちらがよいですか?

最初の相談は電話で時間をもらい、具体的な内容はメールで送ると、記録が残るうえに相手も検討しやすくなります。電話だけで進めた場合は、話した内容をメールでまとめて送っておくと安心です。

いくらくらい上げてほしいと言ってよいですか?

具体的な金額を最初から出すより、経験年数の数え方や手当の対象を確認するところから始めるほうが通りやすいです。金額を聞かれた場合は、今の給与明細を根拠に、幅を持たせて伝えます。

転職エージェントに交渉を頼むと、費用はかかりますか?

有料の職業紹介を行う事業者は、原則として求職者から手数料を受け取ってはならないと法律で決められています[9]。条件の確認や相談を担当者に頼むこともできますが、最終的な条件は自分でも書面で確かめてください。

交渉したことで、入職後に気まずくなりませんか?

給与の相談をするのは、多くの場合、園長や法人の人事担当者で、一緒にクラスを持つ同僚ではありません。丁寧に相談して決まった条件であれば、入職後に話題にされることはほとんどありません。決まった条件を同僚に話さないようにしておくと、余計な気づかいも生まれにくくなります。

パートの時給も交渉できますか?

パートや非常勤でも、経験年数や勤務できる時間帯を材料に、時給を相談できることがあります。早朝や夕方など人手が足りない時間に入れることは、強い材料になりやすいです。相場の調べ方は保育士のパートの時給相場と調べ方を参考にしてください。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  2. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」
  3. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  4. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  5. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  6. こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」(2026年4月)
  7. 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
  8. こども家庭庁通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(2026年7月31日 こ成保第536号)
  9. e-Gov法令検索「職業安定法」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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