転職して初めて迎えた6月。賞与の明細を開いて、思わず金額を二度見する。前の園では夏に基本給の2か月分近く出ていたのに、今回は数万円。「在籍期間が短いので」と説明されて、たしかに入職前にもらった書類にもそう書いてあった気がする。月給は前より1万円上がったはずなのに、通帳を見ると、春から貯金がまったく増えていない。
保育士の転職で「年収が下がった」と感じる人の多くは、月給の額だけで新しい職場を選んでいます。求人票でいちばん目立つのは月給で、賞与や手当、住宅の支援、退職金の積み上げといった見えにくいお金は、比べるときに抜け落ちやすいからです。反対に、転職で給料が上がった人の話を聞くと、月給以外のお金まで並べて比べていたことが多いものです。
ここからは、年収が下がる転職と上がる転職の分かれ目を整理し、手取りではなく総額で比べる具体的な計算のしかたを紹介します。いま転職を考えている人も、すでに転職して「なぜ減ったのか」を知りたい人も、手元に給与明細を用意して読み進めてみてください。
この記事でわかること
- 保育士の転職で年収が下がりやすい5つのパターン
- 転職で給料が上がった人に共通する4つの条件
- 月給や手取りではなく「総額」で比べる計算の手順
- 手取りが下がって見えるだけのケースと、その見分け方
- 年収が少し下がっても転職を選ぶ価値があるときの考え方
結論
保育士の転職で年収が下がるのは、主に、月給は上がっても賞与や処遇改善の一時金が少ない園に移ったとき、前の職場の経験年数が十分に数えられなかったとき、宿舎の借り上げなどの住宅支援を失ったとき、退職から入職までに空白の期間ができたときです。反対に給料が上がった人は、経験年数がきちんと数えられ、賞与の実績や手当の内訳がはっきりした園を選んでいることが多いです。転職先を比べるときは、月給や手取りではなく、基本給・手当・賞与・住宅支援・通勤費・空白期間を足し引きした「1年目の総額」と「3年後の総額」の二つで比べると、下がるか上がるかを入職前に見通せます。
01転職で年収が下がりやすい5つのパターン
要点:年収が下がる転職には、よくある型があります。月給の比較だけでは見えない「賞与」「経験年数」「住宅」「空白期間」「1年目の特殊さ」の5つです。
転職したあとに「思っていたより少ない」と感じる理由は、人によってばらばらに見えて、実は似たところに集まっています。代表的なものを5つにまとめました。
図1
- 1
月給は高いが賞与が少ない
求人票の月給が高い園でも、賞与が年1回だったり、実績が少なかったりすると、年収では逆転することがあります
- 2
経験年数が数えられない
前の職場の経験が一部しか数えられず、新卒に近い格付けから始まると、基本給も賞与も下がります
- 3
住宅の支援がなくなる
宿舎の借り上げや住宅手当を使っていた人は、転職先で対象外になると、家賃の負担が一気に増えます
- 4
空白の期間ができる
退職してから次の職場を探すと、その間の収入がゼロになり、1年単位で見た年収が下がります
- 5
1年目だけ特別に少ない
賞与の算定期間に届かない、有給休暇がまだない、昇給が翌年度からなど、1年目は条件が不利になりがちです
賞与と処遇改善の一時金は、月給の陰に隠れやすい
保育園の給料は、基本給と毎月の手当に加えて、賞与や、処遇改善の手当を年に数回まとめて払う一時金で成り立っていることがあります。月給が同じ22万円でも、賞与が基本給の4か月分ある園と2か月分の園では、年収で数十万円の差がつきます。求人票の「賞与年2回」という書き方だけでは、この差は見えません。昨年度の実績が何か月分だったかを確かめることが欠かせません。
宿舎の借り上げは「一人1回限り」に注意
都市部で働く若い保育士にとって大きいのが、宿舎の借り上げです。国の保育士宿舎借り上げ支援事業は、保育士として採用された日から5年以内の常勤の保育士が対象で、一人1回限りとされています(やむを得ない事情による退職を除く)[1]。補助の対象期間は、令和2年度の「採用から10年目以内」から毎年短くなり、令和7年度に「採用から5年以内」となりました[2]。
つまり、借り上げを使っている人が転職すると、転職先では対象にならない場合があります。家賃のほとんどを補助で賄っていた人にとっては、月給が数万円上がっても埋まらない差になります。補助の上限額や自治体独自の制度は地域で違い、東京都の制度は1戸当たり月82,000円が基準額[3]、埼玉県は月額42,000円〜75,000円と案内されています[4]。自分が対象になるかは、転職先の自治体と園の両方に確かめてください。制度の調べ方は借り上げ社宅の自治体ごとの違いにまとめています。
空白の期間は、思っているより響く
今の園を辞めてから次を探す場合、その間の給料はゼロになります。雇用保険の基本手当を受けるとしても、受給資格が決まった日から通算7日間の待期期間があり[5]、正当な理由のない自己都合退職では、離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月の給付制限があります[6]。基本手当は給料と同じ額ではないため、2か月の空白でも、年収としては大きく減ります。さらに、空白の間は健康保険や年金を自分で手続きして払うことになります。たとえば協会けんぽの任意継続を選ぶと、保険料は全額自己負担です[7]。在職中より保険料の負担が重く感じられる人が多いのは、このためです。年収を下げたくないなら、できるだけ在職中に次の職場を決め、退職日と入職日の間を空けない段取りを考えておくのが安全です。
1年目の有給休暇にも差が出る
お金そのものではありませんが、見落としやすいのが有給休暇です。年次有給休暇は、雇い入れの日から6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤して初めて10日付与されます[8]。前の園で20日近く持っていた人も、転職すると半年間は有給休暇がない状態から始まることがあります。子どもの行事や通院で休む日が多い人は、欠勤扱いで給料が減る可能性も考えておきたいところです。入職と同時に付与する園もあるので、内定の段階で確かめておきます。
02反対に、転職で給料が上がった人に共通すること
要点:転職で給料が上がった人は、偶然ではなく、上がる理由のある職場を選んでいます。経験年数の扱い、地域、役割、手当の仕組みの4つが分かれ目です。
「転職したら給料が上がった」という話も、実際によく聞きます。そうした人の転職先には、共通する特徴があります。
図2
経験年数がきちんと数えられる
前の職場の経験を同じ年数として格付けしてくれる園では、初年度から経験に見合った基本給になります
内定時に確認
人件費の基準が高い地域へ移る
公定価格の人件費は地域区分によって違い、都市部ほど基準額が高く設定されています
地域の差
役割や手当がつく
リーダーや専門分野の担当として採用されると、役割に応じた手当が上乗せされます
役割の差
処遇改善の配分がはっきりしている
処遇改善の手当を、いつ、いくら、どの職員に配るかを説明できる園は、年収の見通しが立ちやすいです
仕組みの差
地域による差は、制度の中に組み込まれている
私立の認可保育園の運営費のもとになる公定価格には、地域区分があります。区分は20/100から「その他」まで8つあり、国家公務員や地方公務員の地域手当の区分に準じて決められています[9]。令和8年度の公定価格で示された保育士の人件費の積算額は、20/100の地域で年548万円、その他の地域で年458万円、全国平均で年491万円です[10]。
この数字は、園が実際に払う給料ではなく、運営費を計算するための基準です。同じ通知には、この額を理由に給与水準を下げることは適切でないとも書かれています[10]。それでも、人件費の基準そのものに地域で差がある以上、地域が変わると給料の水準も変わりやすいことは知っておいて損はありません。引っ越しを伴う転職では、上がる場合も下がる場合もあります。
上がった人が、内定前にしていた確認
転職で給料が上がった人の話を聞くと、内定を受ける前に、次のようなことを確かめています。
- 前の職場の経験を、何年として格付けしたか
- 賞与は昨年度に何か月分出たか、1年目はいくらの見込みか
- 処遇改善の手当は、毎月なのか一時金なのか、年額でいくらか
- 昇給は毎年あるのか、いくらずつか
- 住宅手当や借り上げの対象になるか、いつまで使えるか
どれも、聞けば答えてもらえる内容です。上がった人は運がよかったのではなく、聞くべきことを聞いていた、と言い換えてもいいかもしれません。面接や内定後の聞き方は、面接で給料や待遇を聞くときの聞き方で例文と一緒に紹介しています。
業界全体の給料は少しずつ上がっている
もう一つの背景として、保育士の給料全体の動きがあります。こども家庭庁が国の統計から作成した資料では、賞与を月割りにして含めた月収換算で、保育士は2012年の26.3万円から2025年の34.3万円に上がっています。一方、全産業は35.0万円から39.6万円で、差は縮まってきました[11]。
図3
公定価格の保育士等の人件費は、令和6年度に10.7%、令和7年度に5.3%改善されました[12]。ただし、資料では、令和6年度の改定は2025年の賞与に反映しきれておらず、令和7年度の改定は2025年の賃金には影響していないと注記されています[13]。業界全体で上がっているのに、自分の給料がほとんど変わっていないと感じるなら、今の園がこうした改善をどう配分しているかを確かめる価値があります。その結果によっては、転職で上がる余地が大きいとも言えます。
03手取りではなく「総額」で比べる手順
要点:比べるべきは、月の手取りではなく1年間に受け取るお金の総額です。基本給、手当、賞与、一時金、住宅支援、通勤費を足し、空白期間の分を引いた「1年目の総額」と「3年後の総額」を出します。
手取りは、社会保険料や税金、住民税の引かれ方によって月ごとに変わります。転職の比較に手取りを使うと、引かれ方の違いに振り回されてしまいます。比べる単位は、税金や保険料が引かれる前の「額面の年間総額」にそろえるのが基本です。
図4
- 月給を分解する基本給、毎月の手当(資格・役職・処遇改善・住宅・通勤)を分けて書き出す
- 12か月分にする基本給と毎月の手当に12を掛ける。通勤手当は実費の補填なので別の列に分けておく
- 賞与を足す昨年度の実績で計算する。1年目は算定期間の関係で減る場合があるので、1年目の額を別に聞く
- 一時金を足す処遇改善の手当を年に数回まとめて払う園では、その年額を足す
- 住宅支援を足す宿舎の借り上げや住宅手当で浮く家賃を、年額にして足す
- 空白期間を引く退職から入職までに収入がない月があれば、その分を差し引く
- 3年後も出す昇給の仕組みを聞き、3年後の総額も同じ方法で計算する
計算の前にそろえる書類
計算を始める前に、次の書類を手元に集めておくと迷わずに進められます。今の園の分は、昨年の源泉徴収票、直近3か月の給与明細、昨年度の賞与の明細。転職先の分は、求人票、内定時に受け取った条件の書面、面接で聞いた内容のメモです。住宅の支援を使っている人は、今の宿舎の契約内容と、転職先の自治体の借り上げ制度のページも用意します。
書類がそろわない項目は、無理に推測で埋めずに「不明」と書いておきます。不明の欄が多い転職先は、内定を受ける前に確かめることが残っている、という目印になります。
例:月給が高いA園と、賞与が多いB園
数字を当てはめると、違いがはっきりします。次の表は、計算の考え方を示すための例です。
図5
| 項目 | A園(月給が高い) | B園(賞与が多い) |
|---|---|---|
| 基本給と毎月の手当 | 月24万円×12か月=288万円 | 月22万円×12か月=264万円 |
| 賞与(1年目) | 基本給18万円の1.5か月分=27万円 | 基本給17万円の3か月分=51万円 |
| 処遇改善の一時金 | なし(月給に含む) | 年2回で計12万円 |
| 住宅の支援 | 対象外 | 借り上げで家賃の負担が月4万円軽い=48万円 |
| 1年目の合計 | 315万円 | 375万円 |
月給だけを見れば、A園のほうが毎月2万円高く見えます。けれど、賞与と一時金、住宅の支援を足すと、1年目の総額ではB園のほうが60万円ほど多くなります。この例は極端に見えるかもしれませんが、項目の一つひとつは、求人票の月給の欄には出てこないものばかりです。
3年後の総額も出しておく
1年目だけで比べると、賞与の算定期間や昇給の時期の影響で、実力より低く出ることがあります。そこで、昇給の仕組みを聞いたうえで、3年後の総額も出しておきます。「毎年基本給が5千円ずつ上がる」園と「昇給は評価次第で、ここ数年はほぼなし」の園では、3年後には月給の差が逆転していることもあります。
退職金の制度がある園では、勤続年数に応じて額が決まる仕組みかどうかも確かめます。勤続を重ねるほど額が増える制度の場合、転職すると積み上げがゼロからやり直しになります。退職金の確かめ方は退職金がある園の見分け方で詳しく紹介しています。
04手取りが下がって見えるだけのケースもある
要点:転職した直後の手取りの減少には、年収そのものは変わっていないのに、税金や保険料の引かれ方のせいで減って見えるものがあります。慌てて「失敗した」と思う前に、理由を確かめてください。
住民税が一度に引かれる時期がある
住民税は、退職の時期によって納め方が変わります。給料から天引きされている人が1月1日から4月30日の間に退職すると、残りの税額は5月31日までに支払われる給料や退職金からまとめて引かれます[14]。年度末の3月に退職する保育士は多いので、最後の給料の手取りが極端に少なくなって驚く人がいます。6月1日から12月31日の間に退職した場合は、残りを自分で納める形に切り替わるのが原則です[14]。
これは年収が減ったのではなく、もともと払う税金の払い方が変わっただけです。最後の明細や、転職先の最初の数か月の明細を見て落ち込む前に、住民税の欄を確かめてみてください。明細の項目の読み方は給与明細の見方で確認できます。
一時金の支給月がずれている
処遇改善の手当を年に数回まとめて払う園では、支給月がずれると、月ごとの手取りの比較が意味を持たなくなります。前の園では毎月の給料に含まれていた分が、転職先では夏と冬にまとめて支給される、というだけで、毎月の手取りは1万円以上下がって見えることがあります。年額で比べ直すと、差はほとんどないこともあります。
交通費の扱いが違う
通勤手当は、上限額や支給のしかたが園によって違います。電車通勤から自転車通勤に変わって通勤手当が減った場合、総支給額は下がりますが、交通費そのものも減っているので、実際に手元に残るお金は変わりません。総額で比べるときに通勤費を別の列に分けておくのは、このためです。
05相談事例:月給2万円アップの求人を、総額で比べ直した
要点:月給の高い求人に転職しかけた人が、住宅の支援を含めた総額で比べ直し、転職の時期を見直したモデルケースです。転職しないことを選んだ人の例として読んでみてください。
「上がるはず」の転職が、年で48万円のマイナスだった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ちさとさん(仮名)・25歳
- 保育士歴
- 3年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約100名)、1歳児クラス担任。法人の借り上げ宿舎に住み、家賃の自己負担は月1万円
- 変化
- 比べた項目 月給のみ → 7項目、年の差額の見込み 月給だけなら+24万円 → 総額では−48万円
編集部最初は、どんな求人を考えていたんですか。
隣の区の園で、月給が今より2万円高い求人を見つけたんです。行事が少なめなのも魅力で。年に24万円も上がるなら、もう決めていいかなって。面接の日程まで決まりかけていました。
編集部何がきっかけで、比べ直したんですか。
相談のときに「今、家賃はいくら払っていますか」って聞かれたんです。1万円です、と答えたら、「その宿舎、転職先でも使えるか確かめましたか」と。考えたこともなかったです。調べてみたら、借り上げは一人1回限りで、転職先の自治体の制度では私はもう対象にならないと分かって。今の部屋の家賃は7万円なので、毎月6万円、年で72万円が自分の負担になるんです。
編集部総額で並べてみて、どう感じましたか。
月給のプラス24万円から72万円を引いたら、マイナス48万円。賞与の実績はほぼ同じでした。数字で見せてもらったとき、ちょっと笑ってしまったんです。こんなに大事なことを、月給の欄だけ見て決めようとしていたんだって。転職をやめなさいとは一度も言われなかったのも、よかったです。決めるのは私、という感じで。
編集部最終的に、どうしたんですか。
借り上げの対象が続く間は今の園にいて、その間に行事の担当の偏りを園長に相談することにしました。対象期間が終わる時期に合わせて、総額で比べ直すつもりです。そのときに上がる園があれば移ります。
月給が上がる転職と、年収が上がる転職は、別のものでした。
ちさとさん(仮名)
ちさとさんは園長との面談で、行事の担当を年2回から1回に減らしてもらうことになりました。借り上げの対象期間が終わる2年後を「比べ直す時期」と決め、それまでに乳児クラスの経験を積み、職務経歴書に書けることを増やしていくそうです。
ちさとさんの例が教えてくれるのは、住宅の支援のように月給の欄に出てこないお金が、ときに月給の差を大きく上回るということです。そして、総額で比べた結果「今は動かない」と決めることも、立派な判断です。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図6
比べた項目の数
1年間の差額の見込み
転職を決めるまでの期間
06数字だけで決めないために、正直に伝えておきたいこと
要点:総額で比べることは大切ですが、数字がすべてではありません。年収が少し下がっても選ぶ価値のある転職もあれば、見込みどおりにいかないこともあります。
1. 年収が少し下がっても、選ぶ価値がある転職はある
年収が10万円下がっても、毎週の持ち帰り仕事がなくなり、通勤時間が片道40分から10分になるなら、その転職は失敗とは言えません。働く時間で割った「時間あたりの給料」で考えると、むしろ上がっていることもあります。年収の比較は判断の土台にはなりますが、最後に決めるのは、その職場で何年働きたいかという自分の気持ちです。
2. 見込みは、あくまで見込み
賞与の実績や昇給の仕組みは、来年も同じとは限りません。園の経営状況や制度の変更で、賞与が減ることも増えることもあります。3年後の総額は、あくまで今の説明をもとにした見込みです。大きな差がない場合は、数字よりも、説明を丁寧にしてくれたかどうか、質問に正直に答えてくれたかどうかを判断材料にしてください。
3. 異業種への転職は、別の物差しで考える
保育士から別の職種に移れば給料が上がる、と考える人もいます。たしかに全産業の月収換算は保育士より高いものの[11]、それは全年齢・全職種の平均です。未経験で入る職種では、初年度の給料が保育士より低いこともあります。保育以外の仕事への転職と年収の関係は、保育士から異業種へ転職したときの年収で別に整理しています。
総額の計算は、一度やり方が分かれば自分でもできます。ただ、自分の明細の読み方や、借り上げの対象になるかどうかなど、一人では判断しにくい部分もあるはずです。比べた結果、今の園に残ると決めるのも立派な答えです。ほいくの相談室では、動くか残るかを決める前に、今の園と候補の園を同じ物差しで並べる手伝いをしています。保育士の給料が低くなりやすい背景を先に知りたいときは、保育士の給料が安い理由と、手取りを増やす方法から読むと全体像がつかめます。
よくある質問
保育士が転職すると、年収は下がることが多いですか?
下がる人も上がる人もいて、どちらが多いとは一概に言えません。下がる人の多くは、月給だけで比べて、賞与や住宅の支援、空白期間を計算に入れていなかったケースです。総額で比べてから決めれば、下がるかどうかは入職前にかなり見通せます。
転職1年目の賞与が少ないのは普通ですか?
賞与には算定期間があり、その期間に在籍していなかった分を減らして計算する園もあります。そのため、4月に入職した人の夏の賞与が少なくなるのは珍しいことではありません。内定の段階で「1年目の賞与の目安」を聞いておくと、思わぬ減額に驚かずに済みます。
前の園の給料より下がる場合、断ってもいいですか?
もちろん断ることもできますし、経験年数の数え方などを確認してから決めることもできます。下がる理由が経験年数の算定にある場合は、確認するだけで提示額が見直されることもあります。
公立から私立に移ると、年収は下がりますか?
自治体や法人によって違うため、一概には言えません。公立の正規職員は自治体の給料表に沿って給料が決まるので、勤続が長い人ほど、私立に移ったときの格付けで差が出やすくなります。自治体の給料表と、転職先の給与規程の両方を見て比べるのが確実です。
転職で年収が上がったかどうかは、いつ判断すればいいですか?
少なくとも1年たってから、源泉徴収票の支払金額で比べるのが確実です。1年目は賞与や昇給の時期の影響を受けるので、2年目の見込みと合わせて判断すると、転職の結果を正しく受け止められます。
参考にした資料
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- 千葉市「保育士宿舎借り上げ支援事業」説明資料(令和7年度予算 こども家庭庁概算要求の概要抜粋)
- 東京都「魅力ある保育」保育従事職員宿舎借り上げ支援事業
- 埼玉県公式「埼玉保育ナビ」保育士復帰をお考えの方へ
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- 協会けんぽ「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」
- 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
- こども家庭庁「公定価格における地域区分に関する対応について」(2024年12月19日 子ども・子育て支援等分科会 資料7)
- こども家庭庁通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(2026年7月31日 こ成保第536号)
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- 東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。