日曜日の夕方。洗濯物をたたんでいると、ふいに明日の朝の受け入れの場面が浮かんで、涙がこぼれる。月曜の朝は、園の駐車場に車を止めてから、ハンドルに額をつけてしばらく泣いて、目元を整えてから降りる。職員室に入るころには何事もなかったような顔をして、「おはようございます」と声を出す。
保育士の方から、こうした話を聞くことは少なくありません。子どもの前では笑顔でいられるのに、仕事の前や日曜の夜になると涙が止まらない。「こんなことで泣くなんて」「辞めたいなんて甘えだ」と、自分を責めてしまう人も多いものです。
けれど、涙は、心がこれ以上は抱えきれないと知らせているサインです。泣いてしまう自分を責めるより、そのサインを受け取って、心の荷物を少し下ろす方法を考えるほうが、ずっと大切です。この記事では、仕事前や日曜の夜に涙が出るときの受け止め方と、週末の過ごし方、受診や相談の目安をまとめました。
この記事でわかること
- 仕事前や日曜の夜に涙が出るとき、心がどんな状態にあるのか
- 涙が「一時的なもの」か「休んだほうがよいサイン」かを見分ける目安
- 金曜の夜から月曜の朝までの、憂うつを和らげる過ごし方
- 涙が止まらない日が続くときに頼れる受診先と、公的な相談窓口
結論
保育士を辞めたいと思うほど仕事前に涙が出たり、日曜の夜に憂うつが強くなったりするのは、心が「もう抱えきれない」と知らせているサインです。涙そのものは心を守る反応でもあるため、泣いてしまう自分を責める必要はありません。週末は、金曜のうちに仕事を区切り、日曜の夕方以降に楽しみと休む時間を置くと、月曜への憂うつが和らぎやすくなります。ただし、涙が出る日が週の半分以上ある、眠れない日が2週間以上続くといった状態なら、週末の工夫だけで乗り切ろうとせず、心療内科などの受診や公的な相談窓口の利用を考えてください。
01仕事の前に涙が出るのは、心が出している「抱えきれない」のサイン
要点:仕事前の涙は、心にたまった緊張や不安が、自分で抱えられる量を超えたときに出てくる反応です。弱さではなく、心が自分を守ろうとしているサインとして受け止めてください。
人は、強い緊張や不安を長く抱えていると、どこかでそれを外に出そうとします。涙はその一つです。仕事中は子どもの安全を守るために緊張を保ち、保護者や同僚の前では感情を表に出さないようにしている。その張りつめた気持ちが、出勤前や休日の夜など、一人になった瞬間にあふれ出てくるのです。
保育の仕事は、感情を整えながら働く場面がとても多い仕事です。泣いている子どもを抱きしめながら、ほかの子どもの様子にも目を配る。保護者の厳しい言葉にも、笑顔で「ありがとうございます」と返す。こうした毎日の中で、自分の気持ちは後回しになり、知らないうちに心の器がいっぱいになっていきます。
涙が出やすいタイミングには、共通点がある
保育士の方の話を聞くと、涙が出やすい場面にはいくつかの共通点があります。
- 出勤前の玄関や、園の駐車場で車を止めたとき
- 日曜日の夕方から夜にかけて、明日のことを考えたとき
- 連絡帳を開いて、保護者からの返事を読む前
- 特定の先輩や主任の声が聞こえたとき
- 帰り道で、一日の緊張がほどけたとき
自分の涙がどの場面で出やすいかを知ることは、心の負担がどこから来ているかを知る手がかりになります。出勤前に多いなら職場に向かうこと自体が、連絡帳の前なら保護者対応が、特定の人の声なら人間関係が、それぞれ重くなっている可能性があります。
涙の奥にある負担は、多くの保育士に共通している
涙の理由は人それぞれですが、その奥にある負担には共通点があります。東京都が保育士を対象に行った調査では、過去に保育士として働いた人が辞めた理由の上位は、職場の人間関係(31.5%)、仕事量が多い(23.1%)、給料が安い(22.1%)、健康上の理由(20.6%)でした[1]。先輩からの注意がつらい、書類と行事の準備が終わらない、体がついていかない。涙の奥にあるこうした負担は、あなた一人が特別に弱いから生まれたものではなく、多くの保育士が同じように抱えてきたものです。
「辞めたい」と涙は、一緒に出てくることが多い
涙が出るとき、同時に「もう辞めたい」という言葉が浮かぶ人は多いものです。けれど、このときの「辞めたい」は、本当に仕事を辞めたいという意味だけではありません。「この苦しさから離れたい」「少し休みたい」という気持ちが、一番強い言葉で表れていることもあります。涙が出ている最中に退職を決めるのではなく、まず心を落ち着けてから、自分が本当に離れたいものは何かを考えてみてください。
02一時的な涙と、休んだほうがいい涙の見分け方
要点:涙が出る頻度、泣いたあとに気持ちが軽くなるか、眠りや食事に影響が出ているか。この3つを目安にすると、週末の工夫で和らぐ段階か、休んで受診したほうがよい段階かが分かります。
一度泣いてすっきりすることもあれば、泣いても泣いても気持ちが晴れないこともあります。同じ涙でも、心の状態は大きく違います。次の表で、自分の涙がどちらに近いかを確かめてください。
図1
| 確かめること | 一時的な涙 | 休んだほうがいい涙 |
|---|---|---|
| 頻度 | 行事前や叱られた日など、月に数回 | 週の半分以上、出勤前に涙が出る |
| きっかけ | 何があったか自分で分かる | 理由が分からないまま涙が出る |
| 泣いたあと | 気持ちが少し軽くなる | 泣いても気持ちが晴れず、疲れが残る |
| 眠り | 寝つきが悪い日があっても、だいたい眠れる | 寝つけない、夜中に目が覚める日が2週間以上続く |
| 食事 | いつもどおり食べられる | 食欲がない、または食べすぎてしまう |
| 休日 | 好きなことをすると気分が戻る | 休日も楽しめず、日曜は昼から憂うつになる |
左の列に近いなら、この記事で紹介する週末の過ごし方を試しながら、様子を見てもよい段階です。右の列に当てはまる項目が多いなら、週末の工夫だけで乗り切ろうとせず、受診や相談を先に考えてください。右の列が一つだけでも、本人がつらいと感じているなら、相談してかまいません。
涙が出なくなったときも、安心しきらない
ずっと泣いていた人が、ある時期から涙も出なくなり、何も感じなくなることがあります。これは回復ではなく、心が疲れ切って感情を感じにくくなっている状態の可能性もあります。子どもの笑顔を見ても何も感じない、休日も何もできないといった状態が続くなら、燃え尽きのサインかもしれません。詳しくは燃え尽き症候群の回復の段階と過ごし方で紹介しています。
03日曜の夜に憂うつが強くなる理由
要点:日曜の夜の憂うつは、まだ起きていない月曜の出来事を、頭の中で何度も先取りしてしまうことで大きくなります。休日の自由な時間から仕事モードへの切り替えが急なことも、気持ちを重くします。
日曜日は、本来なら一週間で一番自由な日です。けれど、夕方が近づくにつれて、「明日はあの先輩と早番だ」「月曜はあの保護者の面談がある」と、月曜の場面が次々に浮かんできます。実際にはまだ何も起きていないのに、頭の中では何度もその場面を体験してしまうのです。
図2
- 日曜の午後予定がなくなり、ふと明日の勤務表や行事の準備を思い出す
- 日曜の夕方夕食の支度やテレビの音で一週間の終わりを感じ、月曜の場面が頭に浮かぶ
- 日曜の夜布団の中で、先輩の言葉や保護者とのやりとりを何度もくり返し思い出す
- 月曜の朝寝不足のまま起き、出勤前に緊張が限界に達して涙が出る
この流れのどこかで区切りを入れられると、憂うつのふくらみ方が変わります。午後に予定を入れておく、夕方に楽しみを用意する、夜に考える時間を短くする、といった工夫です。次の章で、金曜から月曜までの過ごし方を具体的に紹介します。
月曜の朝が特につらい保育士ならではの事情
月曜の朝は、週末の間に届いた保護者からの連絡、子どもの体調の変化、休み明けで泣く子どもの受け入れなど、ほかの曜日より確認することが多くなりがちです。休み明けの子どもは不安定になりやすく、受け入れの時間に涙を流す子どもに寄り添いながら、自分の涙をこらえている保育士もいます。月曜がつらいのは、気持ちの問題だけでなく、実際に負担が集中しやすい日だからでもあります。
「考えないようにしよう」とするほど、考えてしまう
日曜の夜に「仕事のことは考えないようにしよう」と強く思うほど、かえって頭から離れなくなる、という経験はないでしょうか。考えごとは、押さえつけようとすると、むしろ存在感が大きくなります。考えないようにするより、「月曜のことは、金曜に書いた3つのメモで十分」と決めておくほうが、気持ちは落ち着きやすくなります。頭に浮かんできたら、「あ、また考えている」と気づくだけで、無理に追い払わなくてかまいません。
04涙が出る週末を、少し楽にする過ごし方
要点:週末の過ごし方は、金曜のうちに仕事を区切る、土曜はしっかり休む、日曜の夕方以降に楽しみと休む時間を置く、の3つを意識します。全部をやらなくても、一つ変えるだけで月曜の朝の重さが変わることがあります。
図3
- 金曜の帰る前月曜の朝にやることを3つだけ書き出し、ロッカーや手帳に貼っておく
- 金曜の夜園のグループLINEの通知を切り、好きな食べ物で一週間を締めくくる
- 土曜予定を詰め込みすぎず、眠りたいだけ眠る。午後に少し外の空気を吸う
- 日曜の午前家事や買い物など、体を動かすことを済ませておく
- 日曜の午後友人とお茶をする、家族と出かけるなど、人と過ごす予定を一つ入れる
- 日曜の夕方好きな音楽や料理など、自分のための楽しみを用意しておく
- 日曜の夜早めにお風呂に入り、画面を見る時間を短くして布団に入る
- 月曜の朝金曜に書いた3つのことだけを考えて家を出る
この表は、すべてを守るための予定表ではありません。土曜に行事の準備が入る週や、家族の予定で動けない週もあるでしょう。そんなときは、「金曜の3つのメモ」と「日曜の夜は早めにお風呂」の二つだけでも続けてみてください。週末の最初と最後に区切りがあるだけで、月曜までの時間の流れ方が変わってきます。
金曜のうちに「月曜の最初の30分」を決めておく
日曜の夜に月曜のことを考えてしまうのは、月曜にやることがはっきりしていないからでもあります。金曜の帰る前に、「受け入れの準備」「Aちゃんの体調の確認」「週案のコピー」のように、月曜の朝にやることを3つだけ書き出しておきます。一週間分を考える必要はありません。最初の30分が見えているだけで、頭の中で月曜を何度も先取りすることが少なくなります。
日曜の夕方に、一人きりの時間をつくりすぎない
日曜の夕方から夜にかけて、一人で何もせずに過ごしていると、頭は自然と月曜のことを考え始めます。友人や家族と夕食をとる、電話で話す、好きな料理を作る。手や口を動かす時間があると、考えごとがふくらむ余地が少なくなります。人と過ごすのがしんどいときは、好きなドラマを1話だけ見る、お気に入りの入浴剤を使うなど、小さな楽しみを用意するだけでも十分です。週末の気持ちの切り替え方は、保育士のストレス解消と、仕事とプライベートの切り替え方でも詳しく紹介しています。
泣いてもいい場所と時間を決めておく
涙をがまんしようとすると、かえって止まらなくなることがあります。日曜の夜や出勤前に涙が出そうになったら、お風呂の中、布団の中など、泣いてもいい場所を決めておくのも一つの方法です。泣いたあとは、温かい飲み物を飲む、顔を洗うなど、気持ちを切り替える小さな動作を一つ入れてください。泣くことを自分に許すと、涙が出る時間は少しずつ短くなっていきます。
05相談事例:涙の回数を数えて、週末と職場の両方を変えた
要点:出勤前の涙が止まらなくなった2年目の保育士が、相談と受診をきっかけに、週末の過ごし方と職場での関わり方を変えたモデルケースです。
「気のせいじゃない」と認めたところから始まった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- きよかさん(仮名)・24歳
- 保育士歴
- 2年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約70名)、2歳児クラスの3人担任の一人
- 変化
- 出勤前に涙が出る日 週4日 → 月1〜2日/日曜に憂うつな時間 約9時間 → 約3時間
編集部涙が出るようになったのは、いつからですか。
2年目の6月ごろです。同じクラスの先輩に、午睡の寝かしつけのやり方を毎日のように注意されていて。ある月曜の朝、駐車場に車を止めたら急に涙が出てきて、止まらなくなったんです。それから週に4日くらい、出勤前に泣いていました。日曜は、昼の3時ごろからもう憂うつでした。
編集部最初に誰かに話しましたか。
一緒に住んでいる母に、日曜の夜に泣いているところを見られて。「辞めたいなら辞めてもいいよ」って言われたんですけど、2年目で辞めたら負けだと思っちゃって、素直に聞けませんでした。それで、土曜の昼に、働く人向けのLINE相談を使ってみたんです。声を出さなくていいのが、私には合っていました。
編集部相談して、どんなことが変わりましたか。
相談員さんに、涙が出る日の数と、眠れているかを聞かれて。そこで初めて、自分が週に4日も泣いているって数えたんです。気のせいじゃなかったんだって思いました。受診も勧められて、翌週に心療内科へ行きました。先生には「今すぐ休まなくてもいいけれど、週末の過ごし方を変えてみましょう」と言われて、少しほっとしました。
編集部週末は、どう変えたのですか。
金曜の帰る前に、月曜の朝にやることを3つだけ付せんに書いて、ロッカーに貼るようにしました。日曜の午後は友達とお茶をするか、母と買い物に行く予定を入れて、夜は早めにお風呂に入って、好きなドラマを1話だけ見て寝る。憂うつが始まる時間が、昼の3時から夜の9時ごろまで遅くなりました。
編集部職場には相談しましたか。
主任に「先輩の注意がつらくて、毎朝泣いています」と話しました。言えるまでに1か月かかりました。主任が先輩との間に入ってくれて、注意はその場ではなく、終礼でまとめて伝えてもらう形になりました。
泣いた回数を数えてみたら、やっと「つらい」と自分で認められました。
きよかさん(仮名)
きよかさんは今も同じ園で働いています。出勤前に涙が出る日は月に1〜2日ほどに減り、心療内科への通院も3か月で終わりました。来年度は別の年齢のクラスを希望していて、主任にもすでに伝えてあるそうです。
このケースから持ち帰ってほしいのは、涙の回数を「数えた」ことが、相談の扉を開いたという点です。漠然とした「つらい」が、「週4日泣いている」という事実になったことで、母親にも、相談員にも、医師にも、主任にも、状態がまっすぐ伝わりました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図4
出勤前に涙が出る日
日曜に憂うつな時間
先輩からのその場での注意
つらさを話せる相手
06涙が止まらない日が続くときに、頼ってほしい場所
要点:週末の工夫をしても涙が出る日が減らない、眠れない日が続くといったときは、医療機関と公的な相談窓口を頼ってください。声を出さずに相談できる窓口もあります。
涙が止まらない日が続くと、人と話すこと自体がつらくなります。電話をかける気力がない、うまく話せる自信がない。そんなときは、文字で相談できる窓口から始めても大丈夫です。新人のころから涙が続いている人は、新人保育士が毎日泣いてしまうときの対処法もあわせて読んでみてください。
図5
心療内科・精神科
涙が出る日が週の半分以上ある、眠れない日が2週間以上続くときに。涙が出る日の数と眠りの様子をメモして持っていく
受診する
いのちの電話・よりそいホットライン
消えてしまいたい気持ちがあるときに。いのちの電話は0120-783-556(毎日16時〜21時)、よりそいホットラインは0120-279-338(24時間)[4]
今すぐ
日曜の昼間に気持ちが沈んできたら、こころの耳SNS相談は土日の10時から16時まで受け付けているので[2]、日曜の午後のうちに文字で気持ちを伝えておくこともできます。夜中に気持ちを書き出したいときは、24時間受け付けているこころの耳のメール相談も使えます[5]。どの窓口も、問題をすぐに解決する場所ではありませんが、涙の理由を一緒に整理してくれる場所です。
受診するときに伝えるとよいこと
心療内科や精神科を受診するときは、次のことをメモにして持っていくと、短い診察でも状態が伝わりやすくなります。
- 涙が出るようになった時期と、1週間に何日くらい涙が出るか
- 涙が出やすい場面(出勤前、日曜の夜、特定の人と話したあとなど)
- 眠りと食事の様子(寝つくまでの時間、夜中に目が覚めるか、食欲の変化)
- 仕事で負担になっていること(担当クラス、人間関係、行事の準備など)
うまく話せなくても大丈夫です。メモを医師に渡して、「これを読んでください」と伝えるだけでもかまいません。相談先の選び方をもっと知りたいときは、メンタル不調の相談先と、無料の窓口の使い分けを参考にしてください。
07涙が出る自分を責めないために、伝えたいこと
要点:泣くことは弱さではありません。そして、涙が出なくなったときに、すぐに頑張り直そうとしないこと。この2つを心に留めておいてください。
1. 泣くことは、子どもの前で笑顔でいるための準備でもある
仕事の前に泣いてしまう人ほど、園に着いたら子どもの前では笑顔でいようと努力しています。その努力ができるのは、涙で心の中のものを少し外に出せているからでもあります。泣いてしまう自分を「保育士失格」と思う必要はありません。ただ、泣かなければ一日を始められない状態が続いているなら、それはあなたの努力だけで支えるには重すぎる状態です。誰かと一緒に荷物を分け合うことを考えてください。
2. 涙が減ってきたら、ペースを上げるより守ることを優先する
週末の過ごし方を変えたり、職場に相談したりして涙が減ってくると、「もう大丈夫だから、遅れを取り戻そう」と思いがちです。けれど、心の回復には波があり、急に頑張り直すと、また涙が戻ってくることがあります。涙が減ってからの1〜2か月は、金曜の区切りや日曜の楽しみといった、楽になった習慣をそのまま続けてください。
3. 「辞めたい」と口に出すことを、自分に許す
涙が出るほどつらいのに、「辞めたい」と口にすることだけは禁じている人がいます。けれど、言葉にしてみると、自分が本当に離れたいのは仕事そのものなのか、特定の人や担当なのかが見えてくることがあります。信頼できる人に「辞めたいくらいつらい」と伝えることは、退職を決めることとは違います。気持ちを外に出すことで、涙として出てくる分が少し減ることもあります。
どうしても涙が減らない、辞めたい気持ちが強くなっていく、という場合は、休むことや環境を変えることも選択肢に入れてかまいません。限界を感じたときの休み方と相談の順番は、ストレスが限界のときの休む・相談・環境を変える順番でまとめています。ほいくの相談室では、辞めるかどうかを決めていない段階でも、涙の理由を一緒に整理するところから相談できます。
よくある質問
仕事の前に泣いてしまうのは、保育士に向いていないからですか?
向いていないからではありません。涙は、心にたまった緊張や不安が、抱えきれる量を超えたときに出る反応です。子どもの前で笑顔でいようと頑張っている人ほど、仕事の前や一人の時間に涙が出やすくなります。
日曜の夜だけ憂うつになるのは、よくあることですか?
週末から仕事に戻る前の日曜の夜に憂うつを感じる人は少なくありません。ただし、日曜の昼から憂うつが始まる、月曜の朝に毎週泣いてしまうといった状態が続くなら、仕事の負担が大きくなっているサインです。週末の過ごし方を見直すとともに、職場への相談や受診も考えてください。
涙が出ることを、職場の人に話してもいいですか?
信頼できる人に一人だけ話すのがおすすめです。「毎朝泣いてしまうほどつらい」と具体的に伝えると、相手も事情の重さを理解しやすくなります。話しにくい場合は、まず職場の外の相談窓口や家族に話してから、職場に伝えるかを考えてもかまいません。
心療内科に行くほどではないと思うのですが、受診してもいいですか?
受診してかまいません。「この程度で」と思っていても、医師に状態を話すことで、休むべきか、働きながら様子を見てよいかの目安が分かります。涙が出る日の数や眠りの様子をメモして持っていくと、短い診察でも伝わりやすくなります。
泣いている姿を子どもに見られてしまいました。
子どもは、大人が泣いている姿を見ると心配になりますが、「先生、ちょっと悲しいことがあったんだ。もう大丈夫だよ」と短く伝えれば、多くの場合は安心します。それよりも、保育中に涙が出るほど追い詰められていることのほうが心配です。その日のうちに主任などに伝え、休むことも考えてください。
涙が止まらないので、もう辞めたいです。辞めてもいいのでしょうか?
辞めることは選択肢の一つで、間違いではありません。ただ、涙が止まらない状態は心がとても疲れているときなので、その最中に決めると、あとで迷いが残ることがあります。先に休んで受診し、涙が少し落ち着いてから、何から離れたいのかを考えると、自分で納得できる答えを出しやすくなります。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」
- こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談
- こころの耳「働く人の『こころの耳メール相談』」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。