保育士のストレス解消方法|仕事とプライベートの切り替え方

家に帰って上着のポケットに手を入れたら、子どもからもらった小さなシールが出てきた。思わず笑みがこぼれたのもつかの間、今日の終礼で言われたひと言と、明日の製作の段取りが一気に頭に戻ってくる。夕飯を作りながらも、湯船につかりながらも、気持ちはまだ園の中にいる。エプロンは園に置いてきたのに、仕事の顔だけが脱げないまま、一日が終わっていく。

保育士の仕事は、子どもの声や表情、保護者とのやりとり、同僚との連携が、一日中途切れなく続きます。気を張っている時間が長い分、退勤しても気持ちがなかなか仕事モードから戻らない人は多いものです。ストレス解消をしようにも、何をすればいいのか分からない、疲れすぎて何もする気になれない、という声もよく聞きます。

この記事では、保育士のストレス解消方法を、勤務中・帰り道・休日という場面ごとに紹介します。あわせて、人間関係のストレスの発散のしかたと、仕事とプライベートを切り替えるこつもまとめました。全部を試す必要はありません。自分の生活に入れられそうなものを、一つ見つけてください。

この記事でわかること

  • 保育士のストレス解消を「発散」「切り替え」「回復」の3つに分けて考える方法
  • 勤務中・帰り道・休日にできる、場面別のストレス解消法
  • 人間関係のストレスを、こじらせずに発散するこつ
  • 自分に合うストレス解消法の見つけ方と、解消法だけでは足りないときのサイン

結論

保育士のストレス解消は、たまったものを外に出す「発散」、仕事モードを終える「切り替え」、心と体を休める「回復」の3つを組み合わせると効果が出やすくなります。勤務中は休憩や午睡の時間に短く体をゆるめ、帰り道には着替えや一駅歩くといった決まった動作で仕事を終わらせ、休日は体を動かすことや人と話すことで発散します。人間関係のストレスは、書き出す、職場の外の人に話すなど、職場に持ち込まない方法で発散するのが基本です。ただし、ストレス解消をしても眠れない日が2週間以上続くなら、解消法を探すより、休むことや受診、相談を優先してください。

01ストレス解消は「発散」「切り替え」「回復」の3つで考える

要点:ストレス解消と一口に言っても、たまったものを外に出す「発散」、仕事の気持ちを終わらせる「切り替え」、エネルギーを取り戻す「回復」では、やることも効果も違います。今の自分に足りないものを選ぶと、解消法が空回りしにくくなります。

ストレス解消というと、カラオケで歌う、甘いものを食べる、買い物をするといった「発散」を思い浮かべる人が多いでしょう。けれど、保育士のストレスは、発散だけでは追いつかないことがあります。発散しても、帰宅後もずっと仕事のことを考えていれば、すぐにまたたまっていきます。エネルギーが空っぽの状態で発散しようとすれば、かえって疲れてしまいます。

図1

種類発散切り替え回復
目的たまった気持ちを外に出す仕事モードを終わらせる心と体のエネルギーを取り戻す
具体例歌う、体を動かす、書き出す、人に話す着替え、帰り道を歩く、玄関での決まった動作眠る、湯船につかる、ぼんやりする時間
向いている場面イライラやもやもやがたまっているとき帰宅後も仕事のことが頭から離れないとき何もする気が起きないほど疲れているとき
やりすぎに注意食べすぎ、買いすぎ、飲みすぎ切り替えの儀式が増えすぎて負担になる休日を全部寝て過ごし、生活のリズムが崩れる
図1 ストレス解消の3つの種類

イライラがたまっているなら発散を、家でも仕事のことを考えてしまうなら切り替えを、何もする気が起きないなら回復を優先します。この3つのバランスがとれていると、ストレスがたまりにくくなります。

保育士の気持ちが、切り替わりにくい理由

保育士が仕事とプライベートを切り替えにくいのには、いくつか理由があります。一つは、子どもの声や表情が、退勤後も頭に残りやすいこと。二つ目は、保護者向けのアプリやグループLINEで、帰宅後も園の連絡が届くこと。三つ目は、製作物や書類の持ち帰りで、家でも仕事をすることがあること。そして、園の近くに住んでいると、スーパーで保護者や子どもに会うこともあります。家にいても「保育士の自分」でいる時間が長いのです。

だからこそ、保育士のストレス解消には、意識して「仕事を終わらせる」仕組みが必要です。気持ちだけで切り替えようとするより、決まった行動で区切るほうが、ずっと楽に切り替えられます。

02勤務中にできる、小さなリセット

要点:ストレスは、勤務中にこまめに逃がしておくと、帰宅後に持ち越す量が減ります。休憩や午睡の時間、トイレの数分など、1〜3分でできる小さなリセットを用意しておきましょう。

保育中は、子どもから目を離せず、ゆっくり休む時間はほとんどありません。だからといって、一日の緊張を全部ため込んだまま退勤すると、家に着いてもなかなか気持ちがほどけません。ほんの数分でも、勤務中に体と気持ちをゆるめる時間をつくっておくことが、帰宅後の切り替えを助けます。

図2

  • 1

    深い呼吸を3回

    午睡中や手洗いのときに、鼻から吸って口から長く吐く。肩の力が抜けていく

  • 2

    肩と首を回す

    子どもを抱っこしたあとや、連絡帳を書く前に、肩を大きく回して首を伸ばす

  • 3

    水やお茶をゆっくり飲む

    休憩に入ったら、最初に一杯の飲み物を、味わいながら飲む

  • 4

    窓の外を見る

    午睡の見守り中に、空や木を少しだけ眺める。目の疲れもやわらぐ

  • 5

    子どもの「よかった場面」を一つ思い出す

    今日のうれしかった一言を思い出して、気持ちの重さを少し軽くする

図2 勤務中に1〜3分でできるリセット

どれも、子どもの安全を確保できる場面で行うことが前提です。保育の見守りから一瞬離れるだけで、張りつめていた気持ちが少しゆるみます。特に、つらい出来事があった直後に深い呼吸を一度入れておくと、そのあとの保育や保護者対応で、気持ちを引きずりにくくなります。小さなリセットを一日に何度か重ねることで、退勤時に抱えている重さが変わってきます。

休憩が取れていないなら、まずそこから

そもそも休憩が取れていない、という保育士も少なくありません。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、勤務の途中に与えることになっていて、休憩は自由に使える時間でなければなりません[1]。午睡中に連絡帳を書きながら昼食をとる状態が当たり前になっているなら、それはストレス解消の工夫以前の問題です。休憩の取り方については、保育士が休憩を取れないときの考え方も参考にしてください。

職員室で、ため息をついてもいい場所をつくる

勤務中にどうしても気持ちが沈んだときは、ほんの1分でも一人になれる場所があると助かります。更衣室、倉庫、トイレなど、誰にも見られずに深呼吸できる場所を、園の中に一つ見つけておきましょう。同じクラスの担任と、「つらいときは目で合図して、1分だけ交代しよう」と決めておくのも一つの方法です。

03帰り道で仕事を終わらせる「切り替えの儀式」

要点:仕事とプライベートを切り替えるには、退勤から家に着くまでの間に、毎日同じ行動を入れるのが効果的です。行動を合図にすることで、気持ちの切り替えが少しずつ自動的になっていきます。

気持ちを切り替えようとして「もう仕事のことは考えない」と決めても、なかなかうまくいきません。気持ちは、意志よりも行動についてきます。そこで、退勤してから家に着くまでの間に、「これをしたら仕事は終わり」という決まった行動を入れます。これを「切り替えの儀式」と呼びます。

図3

  1. 更衣室エプロンを外すときに、心の中で「今日はここまで」と言う
  2. 園の門を出るとき明日やることを手帳に一行だけ書き、手帳を閉じる
  3. 帰り道好きな音楽を聴く、一駅手前で降りて歩くなど、毎日同じことをする
  4. 玄関手を洗いながら深い呼吸を3回。ここから先は家の時間と決める
  5. 家の中部屋着に着替える。園の連絡を確認する時間は、決めた1回だけにする
図3 退勤から家に着くまでの切り替えの儀式(例)

儀式は「毎日同じ」がこつ

切り替えの儀式は、内容よりも、毎日同じことをくり返すことに意味があります。最初の1〜2週間は効果を感じにくいかもしれませんが、続けるうちに、その行動をすると自然に気持ちが家に向かうようになります。車で通勤している人は、駐車場で車に乗ったらまず好きな曲を1曲かける、家の近くの角を曲がったら窓を少し開ける、といった形でも取り入れられます。

持ち帰りの仕事があるなら、時間と場所を区切る

製作物や書類を持ち帰ることがある人は、家の中で仕事をする時間と場所を決めておきます。「仕事は台所のテーブルで、20時から21時まで」のように区切り、終わったら道具を箱にしまって見えない場所に置きます。仕事の道具が目に入る場所にあるだけで、気持ちは園に引き戻されるからです。持ち帰りが当たり前になっている状態がつらいときは、持ち帰り仕事がつらいときの対処法で減らし方を紹介しています。

家に帰ってからの通知を減らす

切り替えの儀式をしても、夜に園のグループLINEや保護者向けアプリの通知が鳴るたびに、気持ちは仕事に引き戻されます。通知は夜の決まった時間だけ確認すると決め、それ以外は通知音を切っておきましょう。本当に急ぎの連絡は電話で来るよう、園で決めておくと安心です。家族と過ごす夕食の時間は、スマートフォンを別の部屋に置いておくだけでも、気持ちの切り替えが進みます。

04人間関係のストレスを、こじらせずに発散する

要点:人間関係のストレスは、職場の中で発散しようとすると、かえってこじれることがあります。書き出す、職場の外の人に話す、体を動かす、物理的に距離を取る、の4つを使い分けて、職場に持ち込まない形で外に出してください。

職場の人間関係のストレスは、保育士のストレスの中でも特に大きなものです。けれど、同僚と愚痴を言い合うことで発散しようとすると、その話が思わぬ形で広がったり、自分も陰口の輪に入っているように見られたりすることがあります。発散は、職場と関係のない場所で行うのが基本です。

図4

書き出す

言いたかったことを、ノートに思い切り書く。誰にも見せないので、遠慮はいらない。書いたら閉じてしまう

一人でできる

職場の外の人に話す

家族や学生時代の友人など、職場と関係のない人に聞いてもらう。「聞いてほしいだけ」と最初に伝える

人の力を借りる

体を動かす

早歩き、ストレッチ、歌うなど、体を使ってもやもやを外に出す。頭で考える時間が減る

気持ちを体から逃がす

距離を取る

苦手な人とは、業務の確認を短く要点だけにする。休憩の時間や場所を少しずらす

職場の中でできる

図4 人間関係のストレスを発散する4つの方法

職場の愚痴の輪からは、そっと抜ける

同僚の陰口や愚痴に付き合わされるのがつらい、という悩みもよく聞きます。輪から外れると自分が浮いてしまう気がして、なかなか抜けられないものです。そんなときは、相づちだけで自分の意見を言わない、話題を子どものことに変える、作業を理由にその場を離れる、といった方法で、少しずつ距離を取ってみてください。愚痴を言わない人だという印象ができると、話を振られることも減っていきます。

苦手な人との距離の取り方

特定の人との関係がストレスの中心なら、発散と並行して、相手との距離の取り方を工夫します。必要な連絡はメモで残す、話すときは要点を先に伝える、その人と二人きりになる時間を減らす。こうした小さな工夫で、毎日受けるストレスの量そのものを減らせます。人間関係の改善のしかたは、保育士の人間関係を改善する方法で詳しく紹介しています。

05相談事例:帰り道の決まりごとで、家に仕事を持ち帰らなくなった

要点:帰宅後も仕事のことが頭から離れず、夜のお菓子が止まらなくなっていたベテラン保育士の例です。切り替え・発散・回復を組み合わせて、家での時間を取り戻しました。

仕事を家に連れて帰らないのは、気合いではなく決まりごとだった

相談事例(モデルケース)

お名前
さとこさん(仮名)・47歳
保育士歴
通算22年(相談当時)
勤務先
企業主導型保育施設(定員約30名)、正社員、3〜5歳児の異年齢クラス担当
変化
帰宅後に仕事を考える時間 約2時間 → 20分ほど/夜のお菓子 毎晩 → 週2回ほど

編集部当時は、どんな状態でしたか。

さとこさん

家に帰っても、ずっと園にいる感じでした。夕飯を作りながら明日の製作の段取りを考えて、食べながら保護者アプリの通知を見て。寝る前は、同僚の陰口が頭から離れなくて、気づいたら毎晩お菓子を一袋食べていました。帰ってから仕事のことを考えている時間は、2時間くらいあったと思います。

編集部何から変えたのですか。

さとこさん

帰り道です。更衣室でエプロンを外すときに「今日はここまで」って心の中で言って、帰りは一駅手前で降りて15分歩くようにしました。最初は、こんなことで変わるわけないと半信半疑でした。でも2週間くらい続けたら、家に着くころには頭の中が少し静かになっている日が出てきたんです。

編集部人間関係のストレスは、どうしましたか。

さとこさん

同僚の陰口に付き合わされるのが、一番しんどかったんです。私まで言わないと浮く気がして。それで、言いたいことはノートに書いて、職場では話題を子どものことに変えるようにしました。月に1回、学生時代の友達と長電話をして、そこで全部吐き出しています。友達は保育士じゃないから、かえって気楽に話せるんです。

編集部休日の過ごし方は変わりましたか。

さとこさん

20代のころにやっていた合唱を、地域のサークルでまた始めました。週に1回、2時間歌うだけなんですけど、その間は園のことを一度も考えないんです。大きな声を出すのって、こんなに気持ちいいんだって思い出しました。

仕事を家に連れて帰らないのって、気合いじゃなくて、帰り道の決まりごとでできるんですね。

さとこさん(仮名)

さとこさんは今も同じ保育施設で働いています。帰宅後に仕事のことを思い出す時間は20分ほどになり、毎晩だった夜のお菓子は週2回ほどに減りました。保護者アプリの確認も、夜は1回だけと決めています。

さとこさんの変化を支えたのは、一つの方法に頼らず、帰り道の儀式で「切り替え」を、ノートと友人との電話で「発散」を、合唱で「回復」を、それぞれ組み合わせたことです。どれか一つでは足りなかったものが、三つそろったことで、生活の中で仕事が占める場所が小さくなりました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談前3か月後

帰宅後に仕事を考える時間

約2時間
20分ほど

夜にお菓子を食べる日

毎晩
週2回ほど

夜に園のアプリを見る回数

1晩に5回以上
1晩に1回

園のことを忘れて過ごす時間

ほぼなし
週2時間の合唱
図5 さとこさんの変化(相談前と3か月後)

06休日のストレス解消と、自分に合う方法の見つけ方

要点:休日は「体を動かす時間」「人と話す時間」「一人で過ごす時間」を一つずつ入れると、発散と回復のバランスがとれます。どの方法が合うかは人によって違うので、2週間かけて試し、気持ちが軽くなったものだけを残していきます。

休日は「動く・話す・ひとりの時間」を一つずつ

休日を全部寝て過ごすと、体は休まっても気持ちが晴れず、月曜の朝がかえって重くなることがあります。反対に、予定を詰め込みすぎると、休んだ気がしないまま次の週が始まります。休日は、散歩や買い物など体を動かす時間、家族や友人と話す時間、何もしないで一人で過ごす時間を、それぞれ一つずつ入れるのが目安です。たとえば、土曜の午前は寝坊して一人でゆっくり過ごし、午後は近所を歩く。日曜の昼は友人とランチをして、夕方は好きな音楽を聴きながら家で過ごす。どれか一つに偏らないようにするだけで、休日の満足感が変わります。

「おすすめのストレス解消法」を試しても、自分には合わなかったという経験はないでしょうか。人と話すと元気になる人もいれば、一人の時間がないと回復できない人もいます。体を動かすと気持ちが晴れる人もいれば、静かに本を読むほうが落ち着く人もいます。誰かの正解ではなく、自分の正解を探すことが大切です。

図6

  1. 候補を10個書き出す

    昔好きだったこと、やってみたかったこと、5分でできることを思いつくまま書く

  2. 3つの種類に分ける

    書いた候補を「発散」「切り替え」「回復」のどれに当たるかで分ける

  3. 1週目に3つ試す

    それぞれの種類から1つずつ選び、1週間のうちに試してみる

  4. 試したあとの気持ちを記録する

    「軽くなった」「変わらない」「かえって疲れた」の3つで、一言メモを残す

  5. 2週目に別の3つを試す

    1週目に合わなかった種類は、別の候補に入れ替えて試す

  6. 残ったものを定番にする

    「軽くなった」ものを、平日用と休日用に分けて生活に組み込む

図6 自分に合うストレス解消法を見つける2週間

お金と時間をかけない解消法を混ぜておく

旅行やエステなど、お金や時間がかかる解消法は、気分転換になる一方で、気軽にはできません。忙しい時期でも続けられるよう、5分でできる、お金がかからない解消法を必ず一つは持っておきましょう。好きな音楽を1曲聴く、温かい飲み物をゆっくり飲む、近所を少し歩く。こうした小さな解消法が、毎日のストレスを少しずつ逃がしてくれます。

気をつけたい「解消法」もある

お酒、買い物、甘いもの、夜更かしのスマートフォンは、手軽に気分を変えてくれる反面、続けると別の負担を生むことがあります。お酒を飲まないと眠れない、買い物の金額が増えている、夜中まで画面を見て朝起きられない。そんな状態になっているなら、ストレスの量が、手軽な解消法で受け止められる量を超えているサインかもしれません。やめようと自分を責めるより、ほかの解消法を一つ加えることから始めてください。

07ストレス解消だけでは足りないときに、知っておいてほしいこと

要点:ストレス解消は、たまったものを逃がす方法であって、ストレスの原因そのものを消すものではありません。原因が変わらないときや、好きなことも楽しめなくなったときは、解消法を探すより、休むことや相談を優先してください。

1. 原因が変わらなければ、解消法は痛み止めにとどまる

どんなに上手にストレスを発散しても、毎日の持ち帰りや人手不足、特定の人からのきつい言動が続いていれば、ストレスはまたすぐにたまっていきます。東京都の調査でも、現在の職場で改善を希望する項目として、職員数の増員(48.6%)や事務・雑務の軽減(40.1%)を挙げた保育士が多くいました[2]。国も業務負担を軽くするためのガイドラインで、記録や書類の見直し、ICTの活用などの事例を示しています[3]。ストレス解消と並行して、原因を減らす相談も園に伝えていきましょう。

2. 好きなことが楽しめなくなったら、休むサイン

以前は楽しめていた趣味に手がつかない、休日に何もする気が起きない、眠れない日が2週間以上続いている。そんなときは、ストレス解消法を探す段階を過ぎています。休むことと、内科や心療内科の受診を考えてください。話を聞いてほしいときは、LINEで相談できる「こころの耳SNS相談」(平日17時〜22時、土日10時〜16時)も使えます[4]。限界を感じているときの休み方と相談の順番は、ストレスが限界のときの休む・相談・環境を変える順番で、休日も仕事のことを考えて眠れないときの対処は、休日も仕事を考えてしまうときの切り離し方で紹介しています。

ストレスを上手に逃がしながら働くことは、保育の仕事を長く続けるための大切な技術です。それでも一人で抱えきれないときは、誰かに話してください。ほいくの相談室は、辞めるつもりはないけれど職場のストレスを誰かに話したい、という段階でも使える相談先です。

よくある質問

疲れすぎて、ストレス解消をする気力もありません。

気力がないときは、発散より「回復」を優先してください。眠る、湯船につかる、温かいものを食べるといった、体を休めることが一番のストレス解消です。その状態が2週間以上続くなら、休むことや受診を考えてください。

職場の同僚と愚痴を言い合うのは、ストレス発散になりますか?

その場では気持ちが軽くなることもありますが、話が広がったり、愚痴の輪から抜けにくくなったりすることがあります。人間関係のストレスは、ノートに書き出す、職場と関係のない人に話すなど、職場の外で発散するほうが、あとに残りにくくなります。

保護者と同じ地域に住んでいて、休日も気が抜けません。

休日の買い物を少し離れたお店にする、帽子やマスクで気持ちの切り替えをするなど、小さな工夫で気が楽になることがあります。会ったときは、あいさつだけで短く切り上げてかまいません。どうしても気が休まらない場合は、通勤距離を含めて働く場所を考え直す人もいます。

持ち帰りの仕事があると、気持ちを切り替えられません。

家で仕事をする時間と場所を決め、終わったら道具を見えない場所にしまってください。それでも持ち帰りが毎日のように続くなら、個人の工夫で解決できる量を超えています。持ち帰りの量を記録して、園に業務の見直しを相談することも考えてください。

仕事とプライベートの切り替えは、どのくらいでできるようになりますか?

変化を感じるまでの期間には個人差があり、数日で楽になる人もいれば、1か月ほどかかる人もいます。すぐに効果がなくても、毎日同じ行動をくり返すことで、少しずつ気持ちが自然に切り替わるようになります。焦らずに続けてみてください。

お酒でストレスを発散するのは、よくないことですか?

楽しく適量を飲むことまで否定する必要はありません。ただ、お酒を飲まないと眠れない、飲む量や回数が増えている、翌朝に残って保育に響くといった状態なら、ストレスの量が手軽な発散で受け止められる量を超えているサインです。ほかの解消法を加えるとともに、休むことや相談も考えてください。

参考にした資料

  1. e-Gov法令検索「労働基準法」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  3. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  4. こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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