保育士の燃え尽き症候群|回復の段階と疲れが取れない日の過ごし方

「せんせい、みて」。粘土で作った小さなへびを差し出されて、笑顔をつくるまでに一拍かかった。以前なら、考えるより先に「すごいね、長いね」と声が出ていたはずなのに。最近は、子どもの歓声も泣き声も、少し遠くで鳴っている音のように聞こえる。

休みの日はソファから動けず、気づけば外が暗くなっている。録画した番組も、好きだった手芸も、手をつける気になれない。子どもが好きでこの仕事を選び、何年も続けてきたはずなのに、今は何を見ても心が動かない。「保育に疲れた」という言葉では足りない、空っぽになったような感覚があるかもしれません。

その状態は、燃え尽き症候群(バーンアウト)と呼ばれるものに近いかもしれません。燃え尽きは、怠けた人ではなく、長く熱心に頑張ってきた人に起きるものです。この記事では、保育士の燃え尽き症候群とは何か、ただの疲れとどう違うのか、そしてどんな段階を経て回復していくのかを、時期ごとの過ごし方とあわせてまとめました。

この記事でわかること

  • 燃え尽き症候群(バーンアウト)とは何か、ただの疲れとどう違うのか
  • 保育士が燃え尽きやすい理由と、燃え尽きのサイン
  • 回復の4つの段階と、それぞれの時期の過ごし方
  • 休みの日に何もできないときの過ごし方と、職場に戻るときの注意点

結論

保育士の燃え尽き症候群(バーンアウト)は、長く熱心に働いてきた人が心のエネルギーを使い果たし、疲れが取れない、子どもと関わっても気持ちが動かない、何をしても意味がないと感じる状態になることです。休めば戻るただの疲れと違い、回復には段階があり、止まる時期、眠って食べる時期、少しずつ動く時期、働き方を選び直す時期と、順を追って戻っていきます。休みの日に何もできないのは回復の途中によくあることなので、無理に動こうとしなくて大丈夫です。気分の落ち込みや眠れない状態が2週間以上続くなら、心療内科などを受診してください。

01燃え尽き症候群とは:「疲れた」とは何が違うのか

要点:燃え尽き症候群は、心のエネルギーが枯れる、人と距離を置きたくなる、仕事に意味や手応えを感じられなくなる、という3つの面がそろってくる状態です。一晩眠れば戻る疲れとは違い、休んでもなかなか元に戻りません。

燃え尽き症候群は、一般に次の3つの面から語られることが多い状態です。一つ目は、心のエネルギーが枯れてしまうこと。朝から疲れていて、何をするにも気力がわきません。二つ目は、人と距離を置きたくなること。子どもや保護者、同僚と関わるのがおっくうになり、事務的に接してしまいます。三つ目は、仕事の手応えを感じられなくなること。「自分がやっても意味がない」「何も成し遂げていない」と感じるようになります。

図1

確かめることただの疲れ燃え尽き
休んだあと一晩眠ったり、休日に休んだりすると戻る休日を寝て過ごしても、疲れが取れない
子どもとの関わり疲れていても、子どもの笑顔で元気が出る子どもの笑顔を見ても、心が動かない
仕事への気持ち忙しいけれど、やりがいは感じている何をしても意味がないと感じる
休日好きなことをすると気分が戻る好きだったことにも手をつける気になれない
自分への見方今週は大変だった、と思える自分はもうだめだ、と感じる
図1 ただの疲れと、燃え尽きの違い

左の列は、行事の前や年度末など、忙しい時期に多くの保育士が経験する疲れです。右の列にいくつも当てはまるなら、疲れが積み重なって、燃え尽きに近い状態になっている可能性があります。

燃え尽きは「頑張れなかった人」ではなく「頑張りすぎた人」に起きる

燃え尽きた人の多くは、「自分が弱いからこうなった」と考えます。けれど実際には、燃え尽きは、もともと熱心で、子どもや仕事に多くの気持ちを注いできた人に起きやすいものです。燃えるものがなかった人は、燃え尽きることもありません。空っぽになったと感じるのは、それだけ長い間、自分のエネルギーを周りに配り続けてきたからです。

02保育士が燃え尽きやすい理由

要点:保育は、感情を使い続ける仕事で、終わりがなく、成果が目に見えにくいという特徴があります。そこに人手不足や仕事量の多さが重なると、エネルギーを補う時間がないまま、使う量だけが増えていきます。

保育の仕事では、一日中、自分の感情を整えながら子どもと向き合います。泣いている子をなだめ、けんかの間に入り、保護者の不安を受け止める。どの場面でも、自分の気持ちより相手の気持ちを先に考えます。この「気持ちを使う仕事」は、目に見える体の疲れとは別に、心のエネルギーを少しずつ削っていきます。

さらに、保育には「ここで終わり」という区切りがありません。今日の保育が終わっても、明日の準備、連絡帳、月案・週案、壁面、行事の計画が続きます。子どもの成長は長い時間をかけて表れるので、自分の頑張りがどう実を結んだのか、その場では見えにくいことも、燃え尽きにつながる理由の一つです。

人の少なさと仕事の多さが、エネルギーを補う時間を奪う

保育士の配置には国の最低基準があり、4・5歳児は2024年度に30対1から25対1に改められました。こども家庭庁は、この基準が制度発足以来75年間一度も改善されてこなかったと説明しています[1]。ただし経過措置として、当分の間は従前の基準による運営も妨げないとされています[2]。一人ひとりの子どもに丁寧に関わりたいと思うほど、人の少なさは心の負担になります。

東京都の調査で、現在保育士として働く人のうち、保育士を辞めたいという意向がある人にその理由を聞いたところ、給料が安い、仕事量が多い、労働時間が長い、職場の人間関係が上位に挙がりました[3]。

図2

保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[3]

給料が安い61.6%
仕事量が多い54.0%
労働時間が長い35.4%
職場の人間関係30.1%
図2 保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[3]

頑張りに見合う手応えが得られない、休む時間が足りない、相談できる相手がいない。こうした状態が何年も続くと、どんなに保育が好きな人でも、エネルギーが尽きてしまいます。

中堅・ベテランほど、燃え尽きやすい場面がある

経験を重ねると、担任に加えて、行事のリーダー、後輩の指導、主任の業務と、任される役割が増えていきます。自分の保育だけでなく、園全体のことまで背負うようになり、「自分が倒れたら回らない」という思いから、休むことがさらに難しくなります。主任の立場でつらさを抱えている人は、主任保育士を辞めたいときの考え方も参考にしてください。

燃え尽きを防ぐために、職場で確かめておきたいこと

燃え尽きは、本人の心がけだけで防げるものではありません。働く環境の側で、エネルギーを補う時間が確保されているかも大切です。次のような点を確かめ、足りないものがあれば園に相談してください。

  • 休憩:労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を、自由に使える形で取れているか[4]
  • 有給休暇:年10日以上の有給休暇がある人には、園が年5日を取得させる義務があります。実際に取れているか[5]
  • 書類や雑務:記録や書類の見直し、ICTの活用など、業務負担を減らす取り組みが行われているか[6]
  • 相談相手:困ったときに相談できる人が、園の中に一人はいるか

03燃え尽きのサインを確かめる

要点:次のチェックリストで、今の状態を確かめてみてください。当てはまる数が多いほど、エネルギーが減っている状態です。最初の3項目のどれかが2週間以上続いているなら、受診を考えてください。

図3

  • 休日に休んでも、疲れが取れない状態が2週間以上続いている休むだけでは回復しきれないほど、エネルギーが減っています
  • 眠れない、または眠りすぎる日が続いている心と体のリズムが崩れているサインです
  • 好きだったことを楽しめなくなった気分の落ち込みが続いている可能性があります
  • 子どもの笑顔を見ても、心が動かない人と関わるためのエネルギーが尽きかけています
  • 保護者や同僚との会話を、できるだけ避けたい人と距離を置きたくなるのは、燃え尽きの特徴の一つです
  • 「自分がやっても意味がない」と感じる仕事の手応えを感じられなくなっています
  • 休みの日に、何をする気力もわかない回復に使うエネルギーさえ残っていない状態です
  • 小さなミスや物忘れが増えた疲れが集中力や判断力に影響し始めています
  • 以前より、イライラしやすくなった心に余裕がなくなっているサインです
  • 朝、仕事に行くことを考えると体が重くなる職場に向かうこと自体が負担になっています
図3 燃え尽きのサイン(当てはまるものを数える)

当てはまる数が0〜3なら、疲れはたまっていても、休み方を工夫することで戻れる段階かもしれません。4〜6なら、燃え尽きに近づいている状態です。休みを増やす、仕事の量を減らすといった調整を、早めに相談してください。7以上なら、回復のためにまとまった休みが必要な状態と考えてください。

数はあくまで目安です。当てはまるのが少なくても、本人がつらいと感じているなら、その感覚を大切にしてください。何をしても楽しくない状態が続いているなら、何をしても楽しくないときの考え方もあわせて読んでみてください。

04回復には段階がある:4つの時期と過ごし方

要点:燃え尽きからの回復は、止まる時期、眠って食べる時期、少しずつ動ける時期、働き方を選び直す時期の4つの段階をたどることが多いものです。今どの段階にいるかを知ると、焦らずに過ごせます。

燃え尽きからの回復は、まっすぐな上り坂ではありません。よくなったと思ったらまた沈む、という波をくり返しながら、少しずつ戻っていきます。それでも、大まかな段階を知っておくと、「今はこの時期だから、これでいい」と自分に言えるようになります。

図4

止まる時期

何もできない、眠ってばかりいる。ここで動こうとせず、休むことに専念する

目標:休むことを自分に許す

眠って食べる時期

眠りと食事のリズムが少し戻ってくる。体の回復が中心で、気持ちはまだ沈みがち

目標:生活のリズムを整える

少しずつ動ける時期

短い散歩や好きなことに、少しだけ手が伸びる。調子のよい日と悪い日の波がある

目標:小さな「楽しい」を見つける

働き方を選び直す時期

仕事のことを考えても、心が大きく揺れなくなる。戻り方や働き方を考えられる

目標:同じ形に戻らない

図4 燃え尽きから回復する4つの段階

止まる時期:休むことに専念する

燃え尽きた直後は、体も心も動かないのが当たり前です。この時期に「何かしなければ」と動こうとすると、回復がかえって遅れます。仕事の連絡は最低限にし、眠れるだけ眠り、食べられるものを食べてください。罪悪感がわいてきたら、「今は止まる時期だから、これでいい」と自分に言い聞かせます。医療機関にかかっているなら、医師の指示に沿って過ごしてください。

眠って食べる時期:生活のリズムを整える

少しずつ眠りと食事のリズムが戻ってきたら、起きる時間をなるべくそろえるところから始めます。朝起きたらカーテンを開けて日の光を浴びる、三食を決まった時間に食べる。それだけで十分です。気持ちはまだ沈んでいることが多いので、楽しめないことを責めないでください。

少しずつ動ける時期:小さな「楽しい」を見つける

ふとした瞬間に、散歩に出てみようか、昔好きだったことをやってみようか、という気持ちが出てきたら、回復が進んでいるサインです。10分だけ、5分だけ、と短い時間から始めてください。調子のよい日に頑張りすぎると、翌日に反動で動けなくなることがあります。よい日も悪い日も、同じくらいのペースで過ごすのがこつです。

働き方を選び直す時期:同じ形に戻らない

仕事のことを考えても、心が大きく揺れなくなってきたら、戻り方を考える時期です。このときに大切なのは、燃え尽きる前と同じ働き方にそのまま戻らないことです。担当や役割、勤務時間、職場そのものを含めて、何を変えれば同じことをくり返さずに済むかを考えます。休職を考えている人や、休職からの戻り方を考えている人は、休職するか迷ったときの考え方も参考にしてください。

05休みの日に何もできないときの過ごし方

要点:休みの日に何もできないのは、心のエネルギーが回復の途中だからです。「何かしなければ」と思うのをやめて、5分でできる小さなことを一つだけ選んでください。それもできない日は、休むことが今日の仕事です。

燃え尽きに近い状態では、休日に洗濯や買い物をするだけで一日のエネルギーを使い切ってしまいます。そうなると、「せっかくの休みなのに何もできなかった」と自分を責め、月曜を迎える前からさらに疲れてしまいます。休日の目標を、ぐっと低くしてみてください。

図5

  • 1

    窓を開けて外の空気を吸う

    体を起こして窓まで歩くだけで、気分が少し変わります

  • 2

    温かい飲み物をゆっくり飲む

    お湯をわかしてカップを手に持つ。それだけで手が温まり、気持ちがゆるみます

  • 3

    好きな音楽を1曲だけ聴く

    アルバムを全部聴かなくていい。1曲で十分です

  • 4

    近所を5分だけ歩く

    玄関を出て、角を曲がって戻ってくる。日の光を浴びることが目的です

  • 5

    「できたこと」を一つ書く

    食事をとった、シャワーを浴びた、なども立派な「できたこと」です

図5 休日に5分でできる小さなこと

「何もしなかった日」を数えない

回復の途中では、何もできなかった日が続くことがあります。そのたびに「今週も何もしなかった」と数えていると、自分を責める材料ばかりが増えていきます。それよりも、「今日は窓を開けた」「温かいスープを飲んだ」と、できたことを一つだけ書き留めてください。小さな「できた」が少しずつたまっていくと、気持ちが前を向くきっかけになります。

家族と暮らしている人は、家事を手放す

家族と暮らしている人ほど、休日も家事や子育てで休めないことがあります。燃え尽きに近い状態のときは、食事を作らずに買ってきたものですませる、掃除を週1回にする、家族に家事を頼むなど、家事の量を思い切って減らしてください。家族には「今は回復に専念したい」と伝え、どのくらいの期間、何を手伝ってほしいかを具体的に話すと協力してもらいやすくなります。

06相談事例:主任として燃え尽き、働き方を選び直した

要点:ここでは、主任として働くなかで燃え尽き、休職して段階を追って回復し、働き方を選び直したモデルケースを紹介します。

頑張れなくなったのではなく、空っぽになっていた

相談事例(モデルケース)

お名前
はるなさん(仮名)・43歳
保育士歴
21年目(相談当時)
勤務先
私立の認可保育園(定員約100名)、主任
変化
休日に横になって過ごす時間 ほぼ一日中 → 午前中だけ/子どもと関わって楽しいと感じる日 週0日 → 週4日ほど

編集部燃え尽きていると気づいたのは、どんなときでしたか。

はるなさん

主任になって3年目の冬です。人が足りなくて、主任なのに毎日クラスにも入っていて。ある日、子どもに作品を見せられて「すごいね」って言おうとしたのに、何も感じていない自分に気づいたんです。20年この仕事をしてきて、そんなことは初めてでした。休みの日はソファから一日動けなくて、夫に「最近ずっと寝てるね」と言われていました。

編集部休むと決めたきっかけは何でしたか。

はるなさん

心療内科の先生に、「このまま働き続けるのは難しい状態です」とはっきり言われました。主任が抜けたら園が回らないと思って、最初は抵抗したんです。でも園長に話したら、就業規則の休職の決まりを使って、3か月休むことになりました。

編集部休職中は、どう過ごしましたか。

はるなさん

最初の1か月は、本当に何もできませんでした。寝て、ご飯を食べて、また寝る。それを責めないようにするのが、一番大変でした。2か月目に入って、ふと昔やっていた刺しゅうをやりたくなって、10分だけ針を持ったら、少し楽しかったんです。「楽しい」と感じたのが久しぶりで、泣きそうになりました。

編集部復帰する前に、どんなことを考えましたか。

はるなさん

主任に戻るのか、辞めるのか、ずっと迷っていました。復帰の1か月前に、保育の仕事に詳しい相談窓口で話を聞いてもらったんです。主任とか加配とか、保育の言葉を一つも説明しなくても通じたのがありがたくて。「辞めたほうがいい」とも「続けたほうがいい」とも言われずに、私が何を大事にしたいのかを一緒に整理してくれました。それで、主任は降りて、子どもと関わる仕事に戻りたいって、自分で決められたんです。

頑張れなくなったんじゃなくて、頑張りすぎて空っぽになっていたんだと、休んでやっと分かりました。

はるなさん(仮名)

はるなさんは復帰後、主任を外れて1歳児クラスの副担任になりました。最初の1か月は午後3時までの勤務にしてもらい、2か月目から通常の勤務に戻しています。休日は午前中はゆっくり休み、午後は刺しゅうや散歩をして過ごせる日が増えました。週4日だった持ち帰りの仕事も、今は月に1日ほどです。

はるなさんの回復で鍵になったのは、段階を飛ばさなかったことです。最初の1か月を「止まる時期」として休み切ったからこそ、2か月目に「楽しい」という感覚が戻ってきました。そして、元の働き方にそのまま戻らず、何を手放すかを自分で決めたことが、同じことをくり返さないための支えになっています。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図6

休職前復帰から半年後

休日に横になって過ごす時間

ほぼ一日中
午前中だけ

子どもと関わって楽しいと感じる日

週0日
週4日ほど

持ち帰りの仕事

週4日
月1日ほど

好きなことをする時間

なし
週2時間ほど
図6 はるなさんの変化(休職前と復帰から半年後)

07燃え尽きから戻るときに、気をつけたい2つのこと

要点:一つは、元の働き方にそのまま戻らないこと。もう一つは、「好き」という気持ちが戻るまでには時間がかかると知っておくことです。焦らずに、段階を一つずつ進んでください。

1. 元の働き方に、そのまま戻らない

燃え尽きる前の働き方には、燃え尽きた原因が含まれています。そのまま戻れば、同じことをくり返す可能性が高くなります。担当や役割を減らす、持ち帰りの仕事をやめる、勤務時間を短くする、職場を変える。どれを選ぶかは人それぞれですが、少なくとも一つは、燃え尽きる前と違う形にしてください。「迷惑をかけた分、取り戻さなければ」と頑張り直したくなる気持ちが出てきたら、それこそが燃え尽きにつながった考え方だと思い出してください。

2. 「好き」が戻るまでには、時間がかかる

体の疲れが取れても、子どもと関わる楽しさや、保育へのやりがいがすぐに戻ってくるとは限りません。気持ちの回復は、体の回復より遅れてやってくることが多いものです。復帰してしばらくは、「楽しいと思えない日があっても当たり前」と考えてください。ある日ふと、子どものしぐさに笑っている自分に気づく。そんな瞬間が、少しずつ増えていきます。

気分の落ち込みや眠れない状態が2週間以上続いているなら、心療内科などを受診してください。受診先の選び方は心療内科に行くべきか迷ったときの目安で紹介しています。夜や週末に誰かと話したいときは、「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)も利用できます[7]。「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、いのちの電話(0120-783-556)や、24時間受け付けているよりそいホットライン(0120-279-338)にすぐ連絡してください[8]。休む・相談する・環境を変えるの順番については、ストレスが限界のときの休む・相談・環境を変える順番でまとめています。

燃え尽きるまで頑張ってきた人には、一度立ち止まって、これからの働き方を選び直す権利があります。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決める前の段階で、回復したあとの働き方を一緒に考えることもできます。

よくある質問

燃え尽き症候群は、病気なのでしょうか?

燃え尽き症候群は、仕事で心のエネルギーを使い果たした状態を表す言葉として広く使われています。うつ状態など、医師の診察や治療が必要な状態と重なることもあるため、気分の落ち込みや眠れない状態が続くときは、自分で判断せずに心療内科などを受診してください。

バーンアウトを防ぐために、日ごろからできる対策はありますか?

休憩と休日をきちんと休む時間にすること、仕事を一人で抱え込まずに分担すること、職場の外に話せる相手を持つことが基本です。燃え尽きのサインのチェックリストを、行事の後や年度末など節目ごとに見直すのも役立ちます。早めに気づけば、休み方や仕事の量の調整で戻れることが多くなります。

燃え尽きたら、保育士を辞めるしかないのでしょうか?

辞めるしかないわけではありません。担当や役割を変える、勤務時間を短くする、園の規模や種類を変えるなど、保育との関わり方を変えて続けている人も多くいます。ただ、回復の途中で大きな決断をすると後悔しやすいので、少し動けるようになってから考えてください。

疲れが取れないのは、年齢のせいでしょうか?

年齢とともに体力が変わることはありますが、休日に休んでも疲れが取れない、気持ちまで沈んでいるという場合は、年齢だけが理由とは限りません。仕事の量や役割の重さ、心の疲れが重なっていないかを確かめ、必要なら受診してください。

休みの日に何もできない自分が情けなくなります。

何もできないのは、心のエネルギーが回復の途中だからで、情けないことではありません。休日の目標を「窓を開ける」「温かい飲み物を飲む」くらいまで下げて、できたことを一つ書き留めてみてください。それもできない日は、休むことが一番の仕事です。

燃え尽きから回復するまで、どのくらいかかりますか?

回復にかかる期間は、疲れがたまっていた期間や、休める環境があるかによって大きく違います。数週間で動けるようになる人もいれば、数か月かかる人もいます。期間を決めて焦るより、今どの段階にいるかを確かめながら、医師と相談して進めてください。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  2. こども家庭庁「基礎資料(保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等))」令和8年3月版
  3. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  4. e-Gov法令検索「労働基準法」
  5. 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
  6. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  7. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  8. 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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