「先生、ちょっと聞いてもいいですか」。その一言を言うために、エプロンのポケットのメモ帳を握ったまま、声をかけるタイミングを3回逃した。午睡の準備をしている先輩の背中が、今日も少し怖く見えます。前に質問したとき、「それ、前にも言ったよね」と返された声が、まだ耳に残っているからです。
先輩が怖いと、質問ができなくなります。質問できないまま動くと、小さなミスが増えます。ミスが増えると、また強く注意される。この繰り返しの中で、「自分は保育士に向いていないのでは」と考え始める新人や若手の保育士は少なくありません。
この記事では、先輩の厳しさを「指導」と「ハラスメント」に分けて考える目安と、怖い先輩にも聞きやすくなる質問の仕方、メモの工夫、そして一人で抱えずに相談するタイミングをまとめました。先輩を好きになる必要はありません。仕事に必要なやりとりが、今より少し楽にできるようになることを目指します。
この記事でわかること
- 先輩が怖く見えやすい、保育の現場ならではの理由
- 「きつい指導」と「パワハラ」の境目を考える目安
- 怖い先輩にも聞きやすくなるタイミングと言い方
- 同じことを二度聞かずにすむメモの取り方
- 主任・園長や園の外に相談するタイミング
結論
保育士が先輩を怖いと感じる場面の多くは、子どもの安全を守るための指導が、余裕のなさから強い言い方になっているケースです。聞くタイミングを選び、質問をまとめて短く伝え、言われたことを「理由」とセットでメモに残すと、注意される回数も怖さも少しずつ減らせます。ただし、人格を否定する言葉、大勢の前での執拗な叱責、無視や仕事を与えないといった言動は、業務上必要かつ相当な範囲を超えていればパワハラに当たる可能性があります[1]。その場合は日時と内容を記録し、主任・園長や園の外の窓口に早めに相談してください。
01先輩が怖く見えるのは、保育の現場ならではの事情もある
要点:保育の現場では、子どもの安全がかかった場面が多く、先輩自身にも余裕がありません。そのため指導が短く強い言い方になりやすく、新人には「怖さ」として伝わりがちです。
先輩が怖いと感じるとき、その理由は先輩の性格だけとは限りません。保育の現場には、指導が厳しく聞こえやすい事情がいくつも重なっています。
- 子どもの命に関わる場面が多い:午睡中の呼吸の確認、食物アレルギーの除去食、散歩中の道路の横断など、一瞬の見落としが事故につながる場面では、先輩の声が自然と鋭くなります。
- 先輩にも余裕がない:自分のクラスを回しながら新人に教えるため、説明が「これやって」「違う、こっち」のように短くなりがちです。
- 教え方を教わっていない:保育の技術は身につけていても、後輩への教え方を学ぶ機会がないまま指導役になっている先輩は少なくありません。
- 暗黙のルールが多い:「おむつ替えの後はこの順番」「保護者への伝え方はこう」といった園独自のやり方が、言葉にされないまま受け継がれています。
もちろん、これらの事情があるからといって、きつい言い方が正しいわけではありません。ただ、怖さの中身をほどいてみると、「嫌われている」のではなく「余裕のない中で、急いで伝えられている」だけのことも多いのです。
「聞けない」が続くと、怖さは大きくなる
怖さが一番大きくなるのは、聞けない状態が続いたときです。次のような流れに入っていないか、振り返ってみてください。
図1
- 質問をためらう怒られるのが怖くて、分からないことをそのままにする
- 自己流で動く園のやり方と違う方法で進めてしまう
- ミスや手戻りが起きる先輩がやり直したり、保護者への対応が遅れたりする
- 強く注意される「なんで聞かなかったの」と言われ、さらに萎縮する
- もっと聞けなくなる次の質問のハードルがさらに上がり、最初に戻る
この循環を断ち切る入り口は、「質問のしかた」を変えることです。先輩の性格を変えることはできませんが、聞き方とタイミングは自分で選べます。そのための具体的な方法は、後半の見出しで紹介します。
先輩の側から見えている景色も想像してみる
少しだけ、先輩の立場に立ってみます。担任として20人近い2歳児の安全に責任を持ち、保護者対応や月案・週案の作成も抱えながら、新人の動きにも目を配る。新人が自己流で動いてヒヤリハットが起きれば、園長に報告するのは先輩です。そう考えると、「なんで聞かなかったの」という言葉の裏には、「聞いてくれれば防げたのに」という焦りがあることも見えてきます。
もちろん、だからといって怒鳴られて平気でいる必要はありません。想像してみる目的は、相手を許すことではなく、怖さの正体を少し小さくすることです。先輩の怖さが「人柄」によるものか、「余裕のなさ」によるものかを見分けるだけでも、受け止め方は変わります。先輩との関係に限らず、職場の人間関係のつらさを原因ごとに整理する方法は、人間関係がつらいときの整理法にまとめています。
02「きつい指導」と「パワハラ」の境目
要点:職場のパワハラは、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、働く環境が害されるものを指し、3つをすべて満たすものとされています。業務上必要で相当な範囲の指導は、言い方が厳しくてもパワハラには当たりません[1]。
厚生労働省の示す定義では、職場のパワーハラスメントは①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、とされ、①〜③をすべて満たすものを指します[1]。上司だけでなく先輩との関係で当てはまるかどうかは、職場での立場や状況によって判断されます。
保育の現場に置き換えると、次のような違いが目安になります。
図2
| 観点 | 指導の範囲と考えられる例 | 範囲を超えるおそれがある例 |
|---|---|---|
| 内容 | 午睡チェックの記録漏れを指摘し、やり方を教える | ミスと関係のない容姿や性格、家族のことを責める |
| 言葉 | 「この手順だと危ないから、次はこうして」 | 「向いてないから辞めたら」「何回言えば分かるの、バカなの」 |
| 場所 | 子どもや保護者のいない場所で、短く伝える | 保護者や他の職員の前で、長時間にわたって怒鳴る |
| 頻度 | 同じミスが続いたときに、改めて確認する | 小さなことで毎日のように、執拗に責め続ける |
| 態度 | 厳しくても、質問には答えてくれる | 挨拶を無視する、必要な情報を自分にだけ回さない |
迷ったときに確かめたい3つの問い
目の前の出来事がどちらに当たるのか、その場で判断するのは難しいものです。迷ったら、次の3つを自分に問いかけてみてください。
- その言葉は、自分の「行動」に向いていたか、それとも「人格」に向いていたか
- 子どもの安全や業務のために、その言い方や場所が本当に必要だったか
- 一度きりの強い言い方だったか、それとも同じような言動が繰り返されているか
人格に向いた言葉が、必要のない場所で、繰り返し向けられているなら、それは「厳しい指導」の範囲を超えている可能性があります。最終的にパワハラに当たるかどうかは個別の状況で判断されるため、迷ったら記録を残して相談窓口に確かめるのが確実です。なお、パワハラの防止のための措置は、中小企業を含むすべての事業主の義務になっています[1]。
03怖い先輩への聞き方:タイミングと言い方
要点:質問は、先輩に余裕がある時間を選び、「何について・何を確認したいか・自分はどう考えたか」の順で短く伝えます。それだけで、返ってくる言葉の温度はかなり変わります。
同じ質問でも、聞くタイミングによって先輩の反応は大きく変わります。受け入れの最中や、食事・午睡の切り替えの時間は、先輩の頭の中も子どもの安全でいっぱいです。急ぎでない質問は、余裕が生まれる時間まで取っておきましょう。
図3
- 7:00〜7:30 受け入れ前当日の動きで分からないことを1つだけ確認する。長い質問は避ける
- 10:30 外遊びのあと午前中に気になったことをメモにまとめておく時間にあてる
- 13:00 午睡が落ち着いた頃一番聞きやすい時間。まとめた質問を2〜3個、短く聞く
- 15:30 おやつのあと午後の保護者対応で迷っていることを確認する
- 16:00 退勤前明日の予定と、今日注意されたことの確認をひと言で済ませる
質問は「何について・何を確認したいか・自分の考え」の順で
怖い先輩に何かを聞くとき、いきなり「どうすればいいですか」と聞くと、「自分で考えて」と返されやすくなります。次の順番で、自分なりの考えを添えて聞いてみてください。
- 例:「明日の散歩のことで1つ確認させてください。〇〇公園まで、2列で手をつないで行く形でよいですか。前回、交差点で列が長くなったので、私が真ん中に入ろうと思っています」
- 例:「連絡帳の書き方で1つ教えてください。けがの報告は、先に起きたことを書いて、対応はそのあとでよいですか」
自分の考えが添えてあると、先輩は「そこは合ってる」「そこだけ違う」と答えるだけで済みます。説明する手間が減るので、先輩の機嫌が悪い日でも短く答えてもらえる可能性が高まります。
言い方を少し変えるだけで、伝わり方が変わる
- 「分かりません」より「〇〇までは分かったのですが、△△のところを確認させてください」
- 「すみません、すみません」と何度も謝るより「ありがとうございます。次からこうします」と一度だけ伝える
- 注意されたあとに黙り込むより「理由を教えてもらえますか。次は自分で判断できるようにしたいので」と聞く
謝りすぎると、先輩には「本当に分かったのかな」と不安に映ることがあります。お礼と次の行動を伝えるほうが、指導が届いたことがはっきり伝わります。
子どもの安全に関わることだけは、怖くてもその場で聞く
タイミングを選ぶのは、急ぎでない質問の話です。食物アレルギーの子のおかわり、発熱している子の様子、散歩中の人数確認など、子どもの安全に関わることは、先輩がどれだけ忙しそうでもその場で確認してください。「〇〇ちゃんのおかわり、除去食のほうで合っていますか」と、一文で聞けば十分です。安全に関わる確認を後回しにして事故につながるほうが、先輩にとってもずっと困る事態です。怖さよりも、子どもを守ることを優先してよいのだと覚えておくと、迷う場面が減ります。
04メモの工夫:同じことを二度聞かないために
要点:メモは「言われたこと・理由・次にやること」の3つを分けて書くと、同じ注意を受けにくくなります。きつい言葉そのものは別のページに分けて残すと、気持ちの整理と記録の両方に役立ちます。
「前にも言ったよね」と言われるのが一番こたえる、という声をよく聞きます。これを防ぐには、メモの取り方を少し工夫するのが近道です。
図4
- 日付と場面いつ、どのクラスのどの時間帯の話だったかが分かると、あとで見返しやすくなります
- 言われたこと先輩の言葉をそのまま書くより、「何をどう直すか」に言い換えて書きます
- その理由理由が分かると、似た別の場面でも自分で判断できるようになります
- 次にやること明日からの行動を一行で書きます。これが同じ注意を防ぐ一番の鍵です
- まだ分からないことその場で聞けなかったことに印をつけ、午睡中などにまとめて確認します
理由が書けないメモは、まだ「分かっていない」サイン
メモを見返して、「理由」の欄が空いているものは、似た場面が来たときにまた迷う可能性が高い項目です。そこだけをまとめて、余裕のある時間に聞きにいきます。「先週教えてもらった〇〇の理由を、もう一度確認させてください」と、メモを見せながら聞くと、先輩にも「ちゃんと覚えようとしている」ことが伝わります。
きつい言葉は、指導の内容と分けて残す
指導の内容と一緒に、刺さった言葉までメモに書くと、見返すたびに嫌な気持ちがよみがえります。言葉そのものは、メモ帳の後ろのページなど別の場所に、日時・場所・周りにいた人とあわせて書いておきましょう。読み返さなくてもかまいません。もし言動がエスカレートしたとき、その記録があなたを守る材料になります。
週に一度、メモを見返して「できるようになったこと」を数える
注意されたことばかりが並ぶメモは、見返すと気持ちが沈みます。そこで、週末に一度だけメモを開き、「次にやること」の欄のうち、もう注意されなくなった項目に線を引いてみてください。たとえば、4月に書いた15項目のうち、5月には10項目に線が引けている。そうした変化が目に見えると、「怒られてばかりの自分」という思い込みが少しずつほどけていきます。線を引いた数は、先輩の指導があなたの中にきちんと積み上がっている証拠でもあります。
05相談事例:怖かったのは、先輩の「理由が見えない指導」だった
要点:先輩の短く強い指導に萎縮していた若手保育士が、メモと質問のタイミングを変え、一線を越えた発言は主任に相談したことで、毎日の注意が大きく減ったモデルケースです。
3列のメモと「午睡後の5分」で、関係が変わった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ゆうきさん(仮名)・24歳
- 保育士歴
- 2年目(相談当時)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約70名)、2歳児クラス副担任(担任は保育士歴15年の先輩)
- 変化
- 先輩からの注意 1日5〜6回 → 週に2〜3回
編集部当時、先輩のどんなところが怖かったのですか。
とにかく指示が短いんです。「違う」「それじゃない」だけで、何が違うのかは言ってくれない。聞くと「前にも言ったよね」って。1日に5〜6回は注意されていて、朝、園の駐車場で車から降りられない日もありました。僕は男性保育士なので、余計に浮いているのかなとも思っていました。
編集部まず何を変えたのですか。
メモの取り方です。それまでは言われたことを書き殴っていただけだったんですが、「言われたこと・理由・次にやること」の3列に分けました。理由の欄が埋まらないものは、午睡が始まって落ち着いた頃に、まとめて5分だけ聞かせてもらうことにしたんです。「次から自分で判断できるようにしたいので」って添えて。
編集部先輩の反応はどうでしたか。
意外なことに、ちゃんと教えてくれました。「2歳児はトイレの声かけのタイミングがずれると、次の活動まで全部ずれる」とか、理由を聞くと納得できることばかりで。先輩も、説明する時間がなかっただけなんだなと思いました。
編集部それでも、これは違うと感じた場面はありましたか。
一度だけ、お迎えの時間に保護者や他の先生がいる前で、「男の先生ってこれだから」と言われたことがあって。それは指導じゃないなと思って、メモ帳の後ろに日時と場面を書いて、主任に相談しました。主任が先輩と話してくれたようで、それ以来、そういう言葉はなくなりました。
怖かったのは先輩じゃなくて、何を考えているのか分からないことだったんだと思います。
ゆうきさん(仮名)
3年目になった今、ゆうきさんは同じ先輩と2歳児クラスを続けて担当しています。注意される回数は週に2〜3回ほどに減り、最近は行事の準備で「ここはゆうき先生に任せる」と声をかけられるようになったそうです。メモ帳は3冊目になりました。
ゆうきさんのケースで大事なのは、指導の内容には「理由を聞く」という形で向き合い、一線を越えた言葉は「記録して相談する」という別の形で扱ったことです。二つを混ぜずに分けたからこそ、先輩との関係を壊さずに、自分を守ることもできました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
06相談するタイミングの目安
要点:言い方がきついだけなら聞き方の工夫で様子を見てかまいませんが、心身に不調が出ている、人格を否定される、無視されるといった状態なら、早めに主任・園長や園の外に相談します。
「この程度で相談していいのかな」と迷っているうちに、心も体も削られていくことがあります。次の分かれ道を目安にしてください。
図5
今の状態に近いのはどれか
- 言い方がきついが、理由を聞けば教えてくれる聞き方とメモの工夫で2〜4週間様子を見る。変わらなければ主任に相談
- 注意が多すぎて、出勤前に体調が悪くなる主任やクラスリーダーに、指導の量や伝え方について相談する
- 人格を否定する言葉や、人前での叱責が続く日時と内容を記録し、主任・園長や法人の相談窓口に相談する
- 挨拶を無視される、情報を回してもらえない子どもの安全にも関わるため、記録を残してすぐに主任・園長へ
- 園内に相談できる人がいない、相談しても変わらない総合労働相談コーナーなど園の外の窓口を使う
園には、パワハラなどについて相談を受け、適切に対応する体制を整える義務があります。相談したことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることも禁止されています[2]。主任や園長に言いにくい場合や、相談しても状況が変わらない場合は、各地の労働局や労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーで、無料・予約不要で相談できます[3]。パワハラの相談先の選び方はパワハラを受けたときの相談先で詳しく紹介しています。
相談するときは、メモをそのまま持っていく
相談の場では、気持ちが高ぶって話がまとまらなくなりがちです。メモ帳の後ろに書いておいた日時と場面の記録を、そのまま見せながら話すと、聞く側も状況をつかみやすくなります。「先輩を処分してほしい」ではなく、「指導の内容は理解したいので、言い方や場所について配慮してもらえるとありがたい」のように、どうなってほしいかを添えると、相談が前に進みやすくなります。
07頑張りすぎる前に覚えておきたい2つのこと
要点:一つは、先輩を好きになる必要も、好かれる必要もないということ。もう一つは、「自分が悪い」と思い込みすぎて体を壊す前に、休むことや受診を選んでいいということです。
1. 先輩と仲良くなることをゴールにしない
先輩が怖いと、「どうしたら気に入ってもらえるか」に気持ちが向きがちです。けれど、職場で目指すのは、仕事に必要なやりとりが滞りなくできる関係です。雑談が弾まなくても、休憩を一緒に過ごさなくても、報告と質問がきちんと通じていれば十分です。好かれようと無理を重ねるほど、相手の小さな反応に振り回されてしまいます。質問しにくい職場そのものに悩んでいるなら、質問できない職場で困ったときの工夫もあわせて読んでみてください。
2. 「全部自分が悪い」と思い込まない
注意され続けると、「自分ができないからだ」と全部を引き受けてしまいがちです。ミスを振り返ることは大切ですが、言い方の強さや、教える側の余裕のなさまで自分のせいにする必要はありません。自分に原因があるのかどうか迷ったときの考え方は、人間関係で自分が悪いのかと悩んだときでも整理しています。新人ならではの人間関係のつらさについては、新人保育士の人間関係がつらいときも参考になります。
出勤前に吐き気がする、夜に何度も目が覚める、休みの日も先輩の声が頭の中で響く。そんな状態が続くときは、関係を工夫する前に、まずかかりつけ医や心療内科に相談してください。電話で話すのが苦手なら、厚生労働省の「こころの耳SNS相談」をLINEで使うこともできます。平日は17時〜22時、土日は10時〜16時の受け付けです[4]。
保育の事情が分かる人に、先輩とのやりとりを一緒に振り返ってもらうだけでも、気持ちは軽くなります。ほいくの相談室では、転職を考えていない段階でも、職場の人間関係の相談を受けています。
よくある質問
新人は先輩に厳しく言われても仕方ないのでしょうか?
経験が浅いうちは注意される場面が多いのは自然なことですが、どんな言い方でも我慢しなければならないわけではありません。行動ではなく人格を責める言葉や、人前での執拗な叱責が続く場合は、指導の範囲を超えている可能性があります。記録を残して主任や園長に相談してください。
先輩に質問すると「自分で考えて」と言われます。どうすればいいですか?
「〇〇しようと思うのですが、それで合っていますか」のように、自分の考えを添えて確認する形に変えてみてください。先輩は合っているかどうかを答えるだけで済むため、短く返してもらいやすくなります。
メモを取っていると「メモばかり取っていないで動いて」と言われます。
保育中に長く書くと、子どもから目が離れていると受け取られることがあります。その場ではキーワードだけを書き、午睡中や休憩時間に3列のメモに書き直すようにすると、動きを止めずに記録が残せます。
先輩のことを主任に相談したら、告げ口と思われませんか?
「先輩が嫌い」ではなく「指導の内容は理解したいので、伝え方や場面について相談したい」という形で話すと、告げ口ではなく仕事の相談として受け取ってもらいやすくなります。相談したことを理由に不利益な扱いをすることは法律で禁止されています[2]。
先輩が怖くて、園に行くのがつらいです。辞めたほうがいいですか?
辞めるかどうかを決める前に、心と体の状態を確かめてください。眠れない、食べられないといった状態が続くなら、まず休むことと受診が先です。そのうえで、聞き方の工夫や相談をしても変わらない場合は、異動や転職も含めて考えてよい段階です。
年下の先輩に強く言われるのがつらいです。
転職やブランク明けで入った園では、年下の先輩から指導を受けることも珍しくありません。年齢ではなく「その園での経験」の差だと割り切り、園のやり方は素直に聞きつつ、自分の経験から気づいたことは提案の形で伝えると、関係がこじれにくくなります。言い方が人格に向かうようなら、年齢に関係なく相談してかまいません。
参考にした資料
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。