保育士の派閥がしんどい|巻き込まれない距離の取り方と言い方

お昼の休憩室には、なぜかテーブルが二つに分かれている。窓側には開園当初からいるベテランの先生たち、入口側には若手と中途で入った先生たち。お弁当を持って入るたびに、今日はどちらに座ればいいのか一瞬迷います。片方に座れば、もう片方から「あっち側の人」と見られる気がする。保育の仕事より、この数秒の判断のほうがよほど疲れる、と感じている人もいるのではないでしょうか。

派閥のある職場では、誰とどれくらい話すか、誰の誘いに乗るか、行事の打ち合わせでどちらの案に賛成するかまで、気を配らなければなりません。どちらにも属さずにいたいのに、「どっちの味方なの」と聞かれる。その板ばさみが、じわじわと心の体力を奪っていきます。

この記事では、保育園で派閥ができやすい理由を整理したうえで、どちらにも巻き込まれずに働くための距離の取り方と、場面ごとの具体的な言い回しをまとめました。年齢差のある同僚やベテランとの関係をこじらせないコツ、中立でいるのが難しくなったときの判断の目安も紹介します。

この記事でわかること

  • 保育園で派閥ができやすい5つの理由
  • 「女性が多い職場だから」と片づけずに見ておきたいこと
  • 噂話や誘いなど、場面ごとに巻き込まれない距離の取り方と言い回し
  • 年齢差・ベテランとの関係をこじらせないコツ
  • 中立でいるのが難しくなったときの判断の目安

結論

保育園の派閥がしんどいときは、どちらかに入るか戦うかではなく、「仕事の話は全員と同じ温度で、私的な話は浅く」という中立の距離を取るのが現実的です。噂話には同意も否定もせずに受け流し、ランチや飲み会の誘いは頻度を決めて受け、ベテランには経験への敬意と具体的な質問で関わると、どちらの側からも敵と見なされにくくなります。ただし、派閥のせいで子どもの情報が回らない、特定の人が集団で攻撃されているといった場合は、個人の付き合い方で解決する問題ではないため、主任や園長、園の外の窓口に相談してください。

01保育園で派閥ができやすい5つの理由

要点:保育園の派閥は、勤続年数の差、雇用形態、勤務時間帯、保育観、園長との距離といった、職場の形から自然に生まれやすいものです。誰かの性格だけが原因ではないと知っておくと、必要以上に振り回されずにすみます。

派閥と聞くと、意地の悪い誰かが作っているように思えるかもしれません。けれど多くの場合、派閥は「よく一緒にいる人同士」が固まった結果として生まれます。保育園には、人が固まりやすい条件がいくつもそろっています。

図1

  • 1

    勤続年数の差

    開園当初からいる職員と、ここ数年で入った職員とで、園のやり方への思い入れが違います

  • 2

    雇用形態の違い

    正職員とパート職員とで、担う仕事や勤務時間、職員会議への参加が分かれます

  • 3

    勤務時間帯のずれ

    早番が多い人、遅番が多い人で、自然と顔を合わせる相手が決まってきます

  • 4

    保育観の違い

    一斉活動を大事にする人と、子どもの主体性を大事にする人とで、意見が分かれやすくなります

  • 5

    園長・主任との距離

    上司に近い人とそうでない人とで、情報の入り方や発言力に差が出ます

図1 保育園で派閥が生まれやすい5つの条件

これらの条件は、どの園にも多かれ少なかれあります。だからこそ、派閥が「ある」こと自体を異常だと考える必要はありません。問題になるのは、派閥が仕事の進め方や、子どもの安全、職員の評価にまで影響し始めたときです。

職員間のコミュニケーションに悩む人は少なくない

職場の人間関係を気にしているのは、あなただけではありません。東京都の調査で、現在保育士として働く人に「今の職場で改善を希望する項目」を聞いたところ、給与や人員の改善に続いて、「職員間のコミュニケーション」を挙げた人が26.8%いました[1]。

図2

働いている保育士が今の職場で改善してほしいこと(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕、複数回答のうち上位5つ)[1]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図2 働いている保育士が今の職場で改善してほしいこと(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕、複数回答のうち上位5つ)[1]

人手が足りず、事務や雑務に追われていると、職員同士でゆっくり話す時間はなくなります。話す時間が少ないほど、限られた相手とだけ話すようになり、グループが固まりやすくなる。派閥は、余裕のなさの裏返しでもあるのです。

02「女性が多い職場だから」で片づけないほうがいい理由

要点:派閥の悩みは「女性が多い職場だから」と説明されがちですが、実際には職場の形や余裕のなさから生まれる部分が大きいものです。性別のせいにすると、自分でできる工夫も見えにくくなります。

保育士の人間関係の悩みを調べると、「女性が多い職場だから仕方ない」という言葉をよく目にします。たしかに保育の職場は女性が多く、そこで起きる人間関係の悩みが性別と結びつけて語られやすいのは事実です。

けれど、派閥が生まれる仕組みそのものは、性別に関係なく、少人数で長く同じメンバーが働き、余裕がなく、意見を出し合う場が少ない職場ならどこでも起こりうるものです。「女性だから」と一くくりにしてしまうと、「だからどうしようもない」というあきらめにつながり、距離の取り方や仕組みの見直しといった、実際に打てる手が見えなくなります。

見るべきは「誰が」ではなく「どんな場面で」

派閥に疲れたときは、誰がどのグループかを考えるより、どんな場面で疲れているのかに目を向けてみてください。休憩室の席、ランチの誘い、噂話、行事の打ち合わせ、職員のLINE。場面ごとに対応を決めておけば、相手が誰であっても同じように振る舞えます。次の見出しで、その具体的な方法を紹介します。

比べられる息苦しさは、役割を分けると軽くなる

同年代や同じ立場の職員が多い職場では、「〇〇先生のクラスは製作がきれい」「△△先生は保護者受けがいい」と、何かにつけて比べられがちです。比べられる状態が続くと、相手をライバル視する気持ちが生まれ、それがグループの対立につながることもあります。

こうした息苦しさは、性別よりも、役割があいまいなことから生まれていることが多いものです。行事の担当、壁面、保護者向けのおたよりなど、得意なことに合わせて役割を分けると、比べ合う場面そのものが減ります。「製作は〇〇先生にお願いして、私はおたよりを担当しますね」と、自分から役割の分け方を提案するのも一つの方法です。

03巻き込まれない距離の取り方:場面別の線引き

要点:派閥に巻き込まれないこつは、場面ごとに「ここまではつき合う、ここからはつき合わない」という線を先に決めておくことです。その場で迷わずにすむよう、使う言葉まで用意しておくと楽になります。

中立でいるというのは、誰とも話さないことではありません。仕事に必要な話は誰とでも同じように、私的な話は誰とでも同じくらい浅く。その「同じ」を保つために、よくある場面ごとの線引きを決めておきましょう。

図3

場面巻き込まれやすい反応距離を保つ反応と言い回しの例
噂話や悪口が始まった「分かります」と同意する、自分も知っている話を足す「そうなんですね」と受けて、「そういえば明日の散歩ですが」と仕事の話に戻す
「〇〇先生のこと、どう思う?」と聞かれた本音を話してしまう、相手に合わせて悪く言う「私はまだよく分かっていなくて」「仕事ではいつも助けてもらっています」と事実だけ返す
ランチや飲み会に誘われた毎回断る、または片方のグループの誘いだけ受ける「今日はお弁当があるので、また次に」と頻度を決めて、どちらの誘いも同じくらい受ける
行事の打ち合わせで意見が割れたどちらかの案に感情で乗る、黙って流れに任せる「子どもの動線を考えると、ここは〇〇がいいと思います」と、理由を子ども側に置いて話す
私的なLINEグループに誘われた入ってから抜けられなくなる「業務の連絡は連絡ノートで確認するようにしているので」と、仕事の連絡手段を軸に答える
図3 場面ごとの、巻き込まれやすい反応と距離を保つ反応の例

噂話には「同意しない・否定しない・広げない」

噂話に一番巻き込まれやすいのは、「分かります」と同意した瞬間です。同意したことが、いつの間にか「〇〇さんも言っていた」に変わって広がることがあります。かといって、「そんなことないと思います」と否定すると、話している相手を敵に回します。

おすすめは、受け止めるだけで、自分の意見は足さないことです。「そうなんですね」「そういうこともあるんですね」と短く返し、話題を仕事に戻します。何度か続けると、相手も「この人に話しても広がらない」と感じ、噂話を持ちかけられる回数そのものが減っていきます。

誘いは「頻度」で線を引く

ランチや飲み会の誘いを毎回断ると、付き合いが悪いと思われます。毎回受けると、そのグループの一員と見なされます。そこで、「ランチは週1回まで」「飲み会は歓送迎会だけ」のように、自分の中で頻度を決めておきます。どのグループからの誘いにも同じルールで応じていれば、特定の側に肩入れしているとは受け取られにくくなります。

意見を言うときは、理由を「子ども」に置く

行事や保育の進め方で意見が割れたとき、「〇〇先生の案に賛成です」と言うと、人につく形になります。「この年齢の子どもたちだと、待ち時間が長いと集中が切れるので、こちらの流れがいいと思います」のように、理由を子どもの姿に置いて話すと、派閥ではなく保育の話として受け取ってもらえます。

04年齢差・ベテランとの関係をこじらせないコツ

要点:年上のベテランには経験への敬意と具体的な質問で、年下の若手には押しつけない伝え方で関わります。年齢や雇用形態の違いごとに、すれ違いやすいポイントを知っておくと、派閥の線に引っかかりにくくなります。

派閥は、年齢や雇用形態の違いに沿って生まれることが少なくありません。相手との違いごとに、すれ違いやすいところと関わり方のこつを整理しておきましょう。

図4

年上のベテラン

長年のやり方への思い入れが強く、新しい提案が「否定された」と受け取られやすい

経験への敬意を言葉にし、具体的に質問する

年下の若手

先輩の何気ない一言が指導や圧力に聞こえやすく、本音を言いにくい

押しつけず、理由を添えて伝える

同年代

比べられやすく、どちらが頼られているかで張り合いが生まれやすい

役割を分け、相手の得意を認める

雇用形態の違い

正職員とパートで担う仕事や情報量が違い、不公平感が生まれやすい

情報を全員に同じように回す

図4 年齢差や立場の違いごとの、すれ違いやすい点と関わり方

ベテランが怖いときは「教えてください」から入る

ベテランの先生が怖いと感じるとき、その多くは、こちらが何を考えているか分からず、相手も構えている状態です。「〇〇先生は、この時期の5歳児の午睡をどう減らしてきましたか」のように、相手の経験を具体的に聞くと、多くのベテランは丁寧に教えてくれます。経験を頼りにされることは、誰にとってもうれしいものです。

新しいやり方を提案したいときも、「今までのやり方のここが良いと思っていて、そのうえで、ここだけ試してみたい」と、まず今のやり方を認める言葉を添えると、否定されたとは受け取られにくくなります。

年下の若手との関係では、自分が派閥の入口にならない

年齢が上がると、自分が若手を引き寄せる側になることもあります。若手が相談してくれるのはうれしいことですが、「〇〇先生には気をつけたほうがいいよ」といった一言が、若手を自分の側に引き込むきっかけになることもあります。若手には、人の評判ではなく、仕事のやり方を伝えることを意識してください。中堅になってから人間関係に悩むことが増えたと感じているなら、中堅保育士の人間関係の悩みも参考になります。

パートと正職員の間に立つときは、情報の通り道になる

クラスにパートの先生がいると、正職員の会議で決まったことがパートの先生に届かず、「私たちは知らされていない」という不満がたまることがあります。その不満が、パート同士のグループと正職員のグループの溝になっていきます。

正職員の側にいるなら、会議で決まったことを、翌朝の受け入れ前に一言で伝えるだけでも、溝は浅くなります。パートの側にいるなら、「明日の予定で分からないところがあれば教えてください」と、自分から情報を取りにいく姿勢を見せると、正職員の側も伝えやすくなります。どちらの立場でも、情報の通り道になる人は、派閥の線に引っかかりにくくなります。

05相談事例:休憩室で、両方のテーブルに座ることにした

要点:転職先で二つのグループの板ばさみになっていた保育士が、場面ごとの線引きを決めたことで、噂話に使う時間と気疲れを大きく減らしたモデルケースです。

「どっちの味方」と聞かれなくなるまで

相談事例(モデルケース)

お名前
かなこさん(仮名)・31歳
保育士歴
9年目(今の園は転職して2年目)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約150名、職員約40名)、5歳児クラス担任
変化
休憩中に噂話を聞く時間 1日30分ほど → 5分ほど

編集部転職したとき、園はどんな雰囲気でしたか。

かなこさん

職員が40人くらいいる大きな園で、開園からいるベテランの先生たちのグループと、若手や中途の先生たちのグループに、はっきり分かれていました。私は中途で入ったので若手側と思われていたんですけど、5歳児の担任になったら、ベテランの先生とも組むことになって。両方から「あっちの人たち、どう思う?」って聞かれるようになったんです。

編集部どんなときが一番しんどかったですか。

かなこさん

休憩時間です。どちらのテーブルに座っても、だいたい30分くらいは、もう片方の悪口を聞くことになって。帰りの車の中で、今日はどっちの話に相づちを打ちすぎたかな、ってずっと考えていました。週の半分以上は、そのことで頭がいっぱいでしたね。

編集部どうやって状況を変えたのですか。

かなこさん

相談したときに、「場面ごとにルールを決めてみては」と言われて、紙に書き出しました。噂話には「そうなんですね」だけ、ランチはどちらも週1回ずつ、意見を言うときは理由を子どものことにする。あと、休憩室は月水金は窓側、火木は入口側、って交互に座ることにしたんです。最初は変に思われるかなと不安でした。

編集部周りの反応はどうでしたか。

かなこさん

1か月くらいで、どちらからも悪口を振られなくなりました。「かなこ先生はそういう話しない人だから」って言われたときは、ちょっと寂しいような、でもほっとしたような気持ちでした。その代わり、仕事の相談はどっちのグループからも来るようになったんです。

誰の味方でもない、と決めたら、子どもの話をする相手が増えました。

かなこさん(仮名)

1年が経った今、かなこさんの休憩時間は、噂話を聞く時間が5分ほどに減り、残りは連絡帳や翌日の準備、園の外の友人とのやりとりにあてているそうです。運動会の打ち合わせでは、両方のグループの先生が同じ案に賛成する場面もあったといいます。

かなこさんのケースから持ち帰れるのは、派閥そのものを変えようとせず、自分のふるまいのルールを先に決めたことです。ルールがあると、その場の空気に流されずにすみます。ただ、中立を貫くと寂しさを感じる瞬間があることも、かなこさんは正直に話してくれました。その寂しさを、園の外のつながりで埋めていたことも大事な工夫です。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

相談前1年後

休憩中に噂話を聞く時間

1日30分ほど
1日5分ほど

派閥のことで頭がいっぱいになる日

週4日
週1日あるかないか

仕事の相談を受ける相手

片方のグループだけ
両方のグループから
図5 かなこさんの変化(相談前 → 1年後)

06中立でいるのが難しくなったときの判断

要点:派閥が雑談の範囲にとどまっているなら距離の取り方で対応できますが、仕事の情報が回らない、特定の人が集団で攻撃されているといった段階では、個人の工夫ではなく相談が必要です。

派閥との付き合い方には、自分の工夫で対応できる段階と、そうでない段階があります。今の状況がどこにあるのか、次の目安で確かめてください。

図6

今の職場に一番近いのはどれか

  1. 雑談や噂話が中心で、仕事には影響していない場面ごとの線引きで距離を取り、様子を見る
  2. 行事や保育の進め方が、派閥で決まってしまう理由を子どもに置いて意見を出し、決め方そのものを主任に相談する
  3. 派閥によって、子どもの情報や業務連絡が回らない安全に関わるため、情報共有の仕組みとして主任・園長に相談する
  4. 特定の人が集団で無視や陰口の対象になっているハラスメントとして記録を残し、園や法人の相談窓口、園の外の窓口に相談する
  5. 派閥のことで眠れない、出勤がつらい付き合い方を考える前に、休むことと受診を優先する
図6 派閥の影響がどこまで来ているか

行事や保育の進め方が派閥の力関係で決まってしまう段階では、決め方そのものを相談するのが近道です。主任に話すときは、「〇〇先生たちの意見ばかり通る」と人の話にせず、「打ち合わせで意見を出す順番や時間が決まっていないので、話し合いが一部の人の意見でまとまりやすい。全員が案を出せる形にできないか」と、仕組みの困りごととして伝えます。案を事前に紙で集める、打ち合わせの司会を持ち回りにするといった具体的な提案を添えると、受け入れてもらいやすくなります。

特定の人が集団で無視される、陰口を言われるといった状態は、派閥の問題を超えて、いじめや嫌がらせに当たる可能性があります。園には、ハラスメントの相談に応じる体制を整える義務があり、相談したことを理由に不利益な扱いをすることは禁止されています[2]。自分や同僚がそうした扱いを受けているときの記録の取り方や相談先は、同僚に無視されるときの記録と相談先で詳しく紹介しています。

07中立を保つうえでの、2つの落とし穴

要点:一つは、中立を続けると孤独を感じる瞬間があること。もう一つは、派閥が園の風土として根づいている場合、一人の工夫では限界があることです。どちらも、あらかじめ知っておくと心の準備ができます。

1. 中立は、ときに寂しい

どのグループにも深入りしないということは、どのグループの「内側」にもいないということです。休憩室で一人になる日や、誘われなくなった飲み会の話を後から聞く日もあるでしょう。そのとき、「やっぱり自分は浮いている」と感じるかもしれません。

この寂しさを職場の中で埋めようとすると、結局どこかのグループに引き寄せられていきます。寂しさは、園の外で埋めるのがおすすめです。研修で知り合った他園の保育士、養成校時代の友人、保育とは関係のない趣味の仲間。職場の評価とは関係のない場所に話せる相手がいると、職場では中立を保つ余裕が生まれます。

2. 園の風土は、一人では変えられない

派閥が何年も続いていて、園長や主任もその一部になっているような園では、一人の職員がどれだけ中立を保っても、職場の空気は変わらないことがあります。それは、あなたの努力が足りないからではありません。人間関係の全体像を整理し直したいときは、人間関係がつらいときの整理法で紹介している「変えられること・変えにくいこと」の仕分けが役に立ちます。

もし環境を変えることを考えるなら、次の職場では、職員同士の雰囲気を見学の段階で確かめておくことが大切です。見学で見ておきたい点は園見学のチェックリストに、人間関係の良い園を見分ける方法は人間関係の良い園の見分け方にまとめています。

派閥のことが頭から離れず眠れない日が続く、休日も職場の誰かの言葉を思い返してしまう。そんなときは、無理に気持ちを切り替えようとせず、かかりつけ医などに相談してください。電話が苦手なら、厚生労働省の「こころの耳SNS相談」で、LINEから働く人の悩みを相談することもできます[3]。

派閥の中で自分の立ち位置に迷ったら、園の外の人と一緒に整理してみるのも一つの方法です。ほいくの相談室では、転職を決めていない段階でも、職場の人間関係についての相談を受けています。

よくある質問

どちらの派閥にも入らないと、仕事がしにくくなりませんか?

仕事に必要な報告や相談を誰とでも同じように続けていれば、どちらのグループからも仕事の相手として信頼されやすくなります。私的な付き合いが浅いことと、仕事がしにくいことは別の問題です。

噂話に相づちを打たないと、感じが悪いと思われそうで不安です。

黙り込むのではなく、「そうなんですね」と受け止めてから話題を変えれば、感じが悪いとは受け取られにくくなります。何度か続けるうちに、相手も噂話を持ちかけなくなっていきます。

年上のベテランの先生が怖くて、話しかけられません。

雑談から入ろうとせず、仕事の具体的な質問から始めてみてください。「この時期の行事の準備は、いつ頃から始めていましたか」のように経験を尋ねると、多くのベテランは丁寧に答えてくれます。経験への敬意が伝わると、関係はやわらぎやすくなります。

パートと正職員の間に壁があって、居心地が悪いです。

雇用形態による壁は、情報や役割の差から生まれることが多いものです。自分が受け取った業務の情報を、雇用形態に関係なく同じように伝えるだけでも、壁は少し低くなります。仕組みとして情報が届いていない場合は、主任に相談してみてください。

派閥の中心にいる先生に目をつけられてしまいました。どうすればいいですか?

相手の機嫌を取ろうとして急に距離を縮めると、かえって「こちら側についた」と周りに受け取られることがあります。挨拶と業務連絡はいつもどおり丁寧に続け、仕事の場面での関わりを淡々と重ねてください。無視や陰口など、はっきりした嫌がらせに変わってきたら、日付つきで記録を残し、主任や園長に相談してください。

派閥のない園はありますか?

職員が複数いれば、気の合う人同士が集まるのは自然なことで、まったくグループのない職場は多くありません。ただ、話し合いの場がある、情報が全員に回る仕組みがあるといった園では、グループが対立にまで発展しにくい傾向があります。見学や面接で、職員同士のやりとりの様子を確かめておくと参考になります。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
  3. こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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