発表会まで、あと8週間。職員会議で「今年も衣装は各クラスの手作りで」と決まった瞬間、頭の中で計算が始まります。年長クラス25人分の衣装、背景の大道具、プログラムの表紙、会場の飾りつけ。そのうえ、毎月の壁面と誕生会のカードも止まらない。この量を、子どもを保育しながらどこで作ればいいのか。答えが見つからないまま、家に段ボールを運ぶ日々が始まります。
制作物や行事の準備は、保育士の仕事の中でも特に「見えにくい時間」に押し出されやすい仕事です。子どもがいる時間には作れず、作ったものは保護者や子どもの喜ぶ顔につながるため、手を抜きにくい。だからこそ、気づけば負担が年々ふくらんでいきます。
この記事では、制作物と行事準備の負担が大きくなる理由を整理したうえで、行事までの逆算スケジュール、勤務時間の中に準備時間を作る工夫、制作物を見直すアイデア、園に提案するときの伝え方を紹介します。行事を楽しむ気持ちを残したまま、準備に追われる毎日から抜け出すための方法です。
この記事でわかること
- 制作物と行事準備の負担が大きくなる5つの理由
- 行事までの逆算スケジュールの立て方
- 勤務時間の中に準備時間を作る具体的な工夫
- 制作物を「やめる・減らす・簡単にする・分ける」見直しのアイデア
- 園に行事の見直しを提案するときの伝え方
結論
保育士の制作物や行事準備の負担が大きいのは、準備の時間が勤務時間に組み込まれていないまま、壁面や衣装、小道具の「見栄え」の水準だけが前年踏襲で積み上がっていきやすいからです。負担を減らすには、行事の2か月ほど前から準備を週ごとに逆算して分け、子どもと一緒に作れる部分を保育の時間に組み込み、職員で作業を分担することが効果的です。それでも追いつかない場合は、何をやめ、何を簡単にするかを具体的に園へ提案する段階です。準備にかかった総時間を記録しておくと、提案の説得力が増します。
01制作物と行事準備の負担が大きくなる5つの理由
要点:行事準備の負担がふくらむのは、前年踏襲で水準が下がらないこと、準備時間がシフトにないこと、担当が偏ること、見栄えへの期待、子どもの姿とのずれ、の5つが重なるからです。
図1
- 1
前年踏襲で水準が下がらない
「去年はここまでやった」が基準になり、手間は増えても減ることがない
- 2
準備の時間がシフトにない
準備をする時間が勤務に組み込まれず、午睡中の隙間や残業、持ち帰りで作ることになる
- 3
担当が特定の人に偏る
手先が器用な人、行事係、若手に仕事が集まり、毎年同じ人が苦しくなる
- 4
見栄えへの期待
保護者が写真を撮る、ほかのクラスと比べられる、という意識が手間を増やす
- 5
子どもの姿とのずれ
保育士が作り込むほど子どもが関わる部分が減り、何のための行事かが見えにくくなる
いちばん大きいのは「時間がシフトにない」こと
5つの理由のうち、いちばん根が深いのは、準備の時間がシフトに入っていないことです。行事の準備は「やることリスト」には載っていても、「いつやるか」は決められていないことがほとんどです。結果として、午睡中の30分、降園後の1時間、休日の半日と、空いているように見える時間に流れ込みます。けれど午睡中は記録の時間でもあり、降園後は会議や片付けもあります。時間の割り当てがないまま仕事だけが増えるので、勤務時間の外にはみ出すのは当然の結果です。家に持ち帰る作業との向き合い方は持ち帰り仕事がつらいときの考え方と断り方でも整理しています。
東京都の調査では、保育士を辞めたいと考えている人の理由として「仕事量が多い」が54.0%、「労働時間が長い」が35.4%挙がっていました[1]。行事前の数週間に仕事が集中する働き方は、こうした数字の背景の一つと考えられます。
若手と器用な人に、仕事が集まる
担当の偏りも、負担を大きくする理由です。「〇〇先生は絵が上手だから」「若いからパソコンが得意でしょう」と頼まれると、断りにくいものです。一度引き受けると、翌年もその人の担当になり、いつの間にか「あの人の仕事」として定着してしまいます。頼まれた側は期待に応えようとさらに手をかけ、水準が上がる。偏りと前年踏襲は、こうして互いに強め合います。偏りに気づいたら、得意なことは「型紙や作り方を共有する役」として生かし、作る作業そのものは分け合う形に変えていくのが現実的です。
「子どものため」と「見栄えのため」が混ざっていないか
もう一つ見直したいのが、制作物の目的です。子どもが自分で作った少し不格好な小道具と、保育士が夜なべして仕上げたきれいな小道具。どちらが子どもの育ちにとって意味があるかは、立ち止まって考えてみる価値があります。見栄えを整えることが悪いわけではありません。ただ、その手間が子どもの姿を見る時間や、保育士が休む時間を削っているなら、バランスを見直すときです。
02行事準備は「2か月前からの逆算」で分ける
要点:行事の準備は、本番の2か月ほど前から週ごとに作業を割り振ると、直前の残業や持ち帰りを大きく減らせます。子どもと作る部分と、保育士が準備する部分を早めに分けるのがこつです。
行事前に持ち帰りが集中するいちばんの原因は、準備が直前に固まってしまうことです。発表会を例に、逆算のスケジュールを立ててみます。
図2
- 8週前演目と配役の方向性を決める。衣装・小道具・背景の一覧を作り、担当を割り振る
- 7週前衣装の形と材料を決め、既製品や前年の衣装で使えるものを確認する。材料を発注する
- 6週前子どもと一緒に作る部分(お面、飾り、背景の色塗り)を、保育の活動として計画に入れる
- 5〜4週前保育の中で子どもと制作。保育士の作業は午睡中の準備時間に少しずつ進める
- 3週前衣装の仮合わせ。足りないもの、作り直すものを洗い出し、残りの作業時間を見積もる
- 2週前プログラムや掲示物を作成。会場の飾りつけの段取りを決める
- 1週前通し練習。追加の制作は原則として増やさない
- 前日会場準備。職員全員で分担し、退勤時刻を決めてから取りかかる
このスケジュールで大切なのは、8週前の段階で「作るものの一覧」と「担当」を決めてしまうことです。一覧があれば作業量の全体が見え、誰か一人に偏っていないかも確かめられます。「1週前からは制作を増やさない」というルールを先に決めておくと、直前の思いつきで仕事が増えるのも防げます。
運動会でも考え方は同じです。旗や看板、ダンスの小道具、入場門の飾りなど、作るものを一覧にして、いつ、誰が、どの時間で作るかを決めておきます。運動会は練習の時間も多いため、制作は練習の始まる前の時期に寄せておくと、直前の負担が軽くなります。
一覧には「かかる時間」も書いておく
作るものの一覧には、それぞれにかかりそうな時間も書き添えておきましょう。「衣装25人分:約15時間」「背景2枚:約6時間」「プログラム:約2時間」。合計してみると、準備の総量が勤務時間の中に収まるかどうかが分かります。収まらないと分かった時点で、作るものを減らすか、手伝ってくれる人を探すか、早めに手を打てます。本番が終わったら、実際にかかった時間も書き残しておきます。この記録が、翌年の見直しの材料になります。
03勤務時間の中に準備時間を作る工夫
要点:準備の時間は「空いたら作る」ではなく、「この時間に作る」と先に決めます。午睡中の交代制、保育活動への組み込み、合同保育の活用、保育補助の力を借りることが主な方法です。
図3
- 午睡中に、交代で準備に入る時間を決められるか担任が交代で30分ずつ抜ければ、午睡チェックを続けながら準備の時間が作れます
- 子どもと一緒に作れる部分はどこかお面、飾り、背景の色塗りなどは、保育の活動として作るほうが子どもにとっても意味があります
- 合同保育の時間に、一人が抜けられないか夕方や土曜の合同保育で、準備担当が抜ける日を交代で決めます
- 保育補助やパートの職員に頼める作業はあるか材料の切り出し、型紙の準備、片付けなど、周辺の作業は分けられます
- 既製品や前年の物を使える部分はないか衣装のベースは既製品、飾りだけ手作り、のように組み合わせると時間が大きく減ります
- 準備の時間を、シフト表や週案に書き込めるか書き込まれた時間は「仕事の時間」として周りにも見え、守られやすくなります
子どもと作る部分を、保育の計画に入れる
行事の制作物の中には、子どもが作ったほうが意味のあるものがたくさんあります。発表会のお面や飾り、運動会の旗の絵、作品展の共同制作。これらを保育の活動として月案や週案に入れておけば、準備の時間は「保育の時間」になります。保育士が作り込む部分を減らせるうえに、子どもにとっても「自分たちで作った行事」になります。乳児クラスなら、手形や足形、シール貼りなど、子どもが関われる部分を一つ入れるだけでも、制作の意味が変わってきます。
保育補助や支援の仕組みを活用する
材料の切り出しや型紙の準備、使い終わった道具の片付けといった周辺の作業は、保育補助の職員に手伝ってもらえることがあります。国には、保育士の業務を補助する人の雇い上げを支援する保育補助者雇上強化事業や[2]、保育士資格を持たない保育支援者が周辺業務を担う保育体制強化事業もあります[3]。自分の園でこうした人手を活用できないか、主任や園長に聞いてみる価値があります。
04制作物を「やめる・減らす・簡単にする・分ける」
要点:制作物の見直しは、やめる、減らす、簡単にする、分けるの4つの方向で考えると整理しやすくなります。一度に全部を変える必要はなく、一つの行事、一つの制作物から始められます。
図4
やめる
誰のためか分からなくなっている制作物を思い切ってやめる。例:毎月の誕生会の手作りメダルを、全員共通のカードにする
効果が大きい
減らす
回数や数を減らす。例:毎月作り替えていた壁面を、季節ごとの年4回にする
始めやすい
簡単にする
作り方を変える。例:衣装は既製品のベースに、子どもが作った飾りを付ける
見栄えを保てる
分ける
担当を分ける。例:行事の制作物を学年の全職員で分担し、一覧で見えるようにする
偏りが減る
壁面は、見直しの効果が出やすい制作物です。毎月作り替えていた壁面を季節ごとにする、保育士が作り込む壁面から子どもの作品を飾る壁面に変える。これだけで、毎月数時間の作業がなくなります。子どもの作品が並ぶ壁面は、保護者にとっても成長が見えるうれしい掲示になることが多いものです。
園に見直しを提案するときの伝え方
見直しを提案するときは、前年の準備にかかった時間と、具体的な案をセットで伝えます。
「去年の発表会では、衣装と小道具の準備で、担任一人あたり家での作業が20時間ほどありました。今年は衣装のベースを既製品にして、飾りを子どもたちと作る形にしてみたいのですが、検討していただけないでしょうか。」
提案のタイミングは、行事が終わった直後の振り返りの場か、次年度の行事計画を立てる時期が向いています。準備の真っ最中に「やめたい」と言うと、目の前の作業を投げ出すように聞こえてしまいます。仕事を減らしてほしいときの伝え方は仕事を減らしてほしいときの伝え方でも詳しく紹介しています。
反対されたときは、小さく試す
提案しても、「今までこうしてきたから」「保護者が楽しみにしているから」と反対されることがあります。そんなときは、全部を変える提案を引っ込めて、一つだけ試す形に切り替えます。「今年は年長クラスの衣装だけ、ベースを既製品にしてみる」「壁面を一つの月だけ子どもの作品にしてみる」。小さく試した結果を、かかった時間と子どもや保護者の反応と一緒に報告すれば、次の提案は通りやすくなります。
05行事別:準備を軽くするヒント
要点:行事ごとに、手間がかかりやすい部分と見直しやすい部分は違います。代表的な行事について、準備を軽くするための考え方をまとめました。自分の園の行事に合わせて取り入れてください。
運動会
旗や看板、入場門の飾りは、毎年使えるものを一度しっかり作り、翌年以降は使い回すのが基本です。年度の数字やクラス名だけ差し替えられるようにしておくと、毎年の作業は大きく減ります。ダンスの小道具は、子どもが作れる素材(ポンポン、手作りのバトンなど)を選ぶと、保育の時間に一緒に準備できます。音源の編集は、得意な職員に任せて共有すると、クラスごとに同じ作業をしなくて済みます。
発表会・生活発表会
いちばん手間がかかるのは衣装です。全員分を一から作るのではなく、既製品のベースに飾りを付ける、前年の衣装を手直しして使う、色をそろえた私服で参加してもらうなど、作る量を減らす方法を最初に検討します。台本や劇の構成は、子どもの普段の遊びから広げると、練習そのものが保育になり、準備と保育が重なります。
作品展・誕生会
作品展は、子どもの作品を集めて飾る行事なので、保育士が作り込む部分は本来多くありません。展示の台紙やタイトルの掲示を毎年使える形にしておけば、準備は飾りつけの作業が中心になります。誕生会のカードやメダルは、毎月一人ずつ違うものを手作りするより、共通の台紙に子どもの写真やメッセージを入れる形にすると、手間をかけずに特別感を残せます。
卒園式
卒園式の前は、保育要録や卒園アルバムなどの書類も重なる時期です。掲示物や式場の飾りは前年のものを生かし、新しく作るものは最小限にとどめます。卒園児へのプレゼントや手紙は、職員全員で分担して早めに取りかかると、3月の負担が集中しません。
06相談事例:手作り衣装を見直して、準備の持ち帰りが減った
要点:ここでは、毎年続いていた手作り衣装を見直し、行事前の持ち帰りを減らしたモデルケースを紹介します。どのタイミングで、どんな材料を持って提案したかに注目してください。
「去年と同じ」をやめるまでに、20年かかった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- みちこさん(仮名)・45歳
- 保育士歴
- 20年目(子育てのブランク3年を含む)
- 勤務先
- 地方の町の私立認可保育園(定員約70名)、5歳児クラス担任・行事係
- 変化
- 発表会前1か月の持ち帰り 約40時間 → 約12時間
編集部行事の準備で、何がいちばん大変でしたか。
5歳児の発表会は毎年、衣装を全部手作りしていたんです。25人分を、担任2人で。1か月前からは毎晩、家でミシンをかけていました。高校生と中学生の子どもがいるので、夕飯を作ってから夜中まで。「お母さん、また縫ってる」って言われるのが当たり前になっていました。
編集部見直そうと思ったきっかけは何でしたか。
若い先生が、発表会の前に体調を崩して休んだんです。そのとき、私がずっと「去年と同じ」を続けてきたから、後輩もそれが当たり前だと思っているんだって気づいて。行事係として、このままじゃいけないと思いました。
編集部どんな提案をしたのですか。
発表会が終わった次の職員会議で、準備にかかった時間を一覧にして出しました。担任一人あたり、家での作業が40時間くらい。そのうえで、衣装は既製品のTシャツやベストをベースにして、飾りは子どもたちが自分で作る形にしたいと話しました。ベテランの先生から反対されるかなと思っていたんですけど、「実は私もしんどかった」って言われて。拍子抜けしました。
編集部実際にやってみて、どうでしたか。
子どもたちが自分で付けた飾りを、本番で誇らしげに見せてくれたんです。保護者の方からも「子どもが毎日、衣装の話をしていました」って。きれいに作り込んだ衣装より、ずっと喜ばれた気がします。家でミシンを出したのは、2回だけでした。
編集部行事係として、今いちばん大事にしていることは何ですか。
準備の量を決めるときに、若い先生の声を先に聞くことです。ベテランが「これくらい普通」と言うと、若い人は何も言えなくなるので。私自身がそうでしたから。今は一覧を配って、「これ、なくてもいいと思うものに丸を付けて」とお願いしています。
「去年と同じ」を守ることが子どものためだと、ずっと思い込んでいたんですね。
みちこさん(仮名)
みちこさんの園では、翌年度から行事ごとに「作るものの一覧」と担当表を作り、8週前に職員全員で確認する形が定着しました。発表会前1か月の持ち帰りは、担任一人あたり約40時間から約12時間に減っています。みちこさんは行事係として、毎年の振り返りで「来年やめられるもの」を一つ挙げることを続けているそうです。
このケースでは、行事が終わった直後に、かかった時間の数字を持って提案したことが大きな意味を持ちました。そして見直しの結果、子どもが関わる部分が増え、行事そのものの意味も深まりました。負担を減らすことと保育の質を保つことは、両立できるのです。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図5
発表会前1か月の持ち帰り
家でミシンを使った日
子どもが作った衣装の飾り
07準備を減らすときに、気をつけたいこと
要点:行事の見直しは、子どもの楽しみや保護者の期待とのバランス、職員の間の温度差に気をつけながら進める必要があります。一人で手を抜くのではなく、園として決めることがポイントです。
「自分だけ手を抜いた」と思われないために
制作物を減らすとき、いちばん気になるのは周りの目です。自分のクラスだけ壁面が簡単になれば、「あのクラスは手を抜いている」と思われるのではないか。その不安はもっともです。だからこそ、見直しは一人で始めるのではなく、職員会議などで園として決めることが大切です。園の方針として決まれば、個人の評価の問題ではなくなります。
子どもの楽しみと保護者の期待を置き去りにしない
行事は、子どもにとっても保護者にとっても楽しみな日です。準備を減らすことが目的になってしまうと、行事そのものの楽しさまで失われかねません。見直すときは「何を減らすか」と同時に「子どもが何を経験できるか」を考えます。子どもが作る部分を増やす見直しなら、負担を減らしながら行事の意味を深めることができます。保護者には、おたよりで「今年は子どもたちが自分で衣装の飾りを作りました」と制作の過程を伝えると、変化を前向きに受け止めてもらいやすくなります。
体と生活を削ってまで、作らなくていい
行事は毎年やってきます。今年を気合いで乗り切っても、同じやり方のままなら来年も同じ苦しさが待っています。「今年乗り切ればいい」ではなく、「来年の自分や後輩が楽になる形を一つ残す」と考えると、見直しに取り組む意味が見えてきます。
行事前に睡眠を削る日が続いているなら、それは見直しのサインです。眠れない、疲れが取れない状態が続くときは、受診も考えてください。働く人の悩みは「こころの耳電話相談」(0120-565-455)でも相談できます[4]。家庭との両立に悩んでいるなら子どもとの時間がないと感じるときの考え方も参考になります。行事の負担を含めた残業全体の構造は保育士の残業が多い理由と減らし方で整理しています。
行事の準備に追われていると、相談する時間さえ取れないものです。ほいくの相談室では、転職を決める前の段階でも、今の園で何を見直せるか、どう提案すればよいかを一緒に考えています。
よくある質問
制作物が苦手で、ほかの先生と比べて時間がかかります。
制作の得意・不得意は人によって違い、時間がかかるのは自然なことです。型紙や作り方の手順を得意な先生に共有してもらう、得意な人と苦手な人で作業を分けるといった方法で、職員全体の負担をならすことができます。苦手なことを一人で抱えず、早めに相談してください。
壁面を簡単にしたら、保護者に何か言われないか心配です。
子どもの作品を中心にした壁面は、保護者にとっても子どもの成長が見えるうれしい掲示になることが多いものです。おたよりなどで「子どもたちの作品を飾っています」と意図を伝えておくと、変化を前向きに受け取ってもらいやすくなります。
行事の数そのものを減らすことはできますか?
行事の数は園の方針で決まるため、一人の判断では変えられません。ただ、行事が終わったあとの振り返りや次年度の計画づくりの場で、準備にかかった時間を示しながら「この行事の形を変えられないか」と提案することはできます。規模を小さくする、ほかの行事とまとめるといった見直しも選択肢です。
行事の準備を勤務時間外にした分は、残業になりますか?
園の業務として頼まれた準備を勤務時間の外で行っているなら、残業として扱われるべき時間にあたる可能性があります。扱いが分からないときは、作業の内容と時間を記録しておき、サービス残業・残業代が出ないときの記録と相談先を参考に確認してみてください。
行事係を毎年任されて、負担が偏っています。
担当の偏りは、個人の我慢では解決しません。「来年は行事係を持ち回りにしたい」「作るものの一覧と担当表を作りたい」と、仕組みの形で提案するのが効果的です。前年にかかった時間を添えると、偏りの大きさが伝わりやすくなります。
新人で、行事準備をどう進めればいいのか分かりません。
まずは前年の行事の写真や資料を見せてもらい、作るものの一覧と、それぞれにかかった時間を先輩に聞いてみてください。一人で抱えず、「どこまでを自分が担当すればよいか」を最初に確認しておくと、準備の途中で迷ったり、作りすぎたりすることを防げます。
参考にした資料
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。