保育士の残業は転職理由になる?判断基準と相談先

19時半の職員室。壁の時計を見上げると、遅番の先生もとっくに帰っていて、残っているのは自分と主任だけ。机の上には、明日までに仕上げる発表会の衣装が半分できあがった状態で置いてある。帰り道、「残業が多いから辞めたい、なんて言ったら甘えだと思われるかな」と考えながら、コンビニのお弁当を手に取る。

残業や仕事量の多さを理由に転職を考えるのは、決して珍しいことではありません。それでも迷うのは、「どの園も同じでは」「子どものためなら残業は仕方ない」という声が、自分の中にも周りにもあるからです。さらに、いざ転職するとなったとき、面接で残業のことを話していいのかという不安もついてきます。

この記事では、残業や仕事量を理由に転職すべきかを見極める基準と、今の園で改善を求めるときの相談先、そして転職を選んだ場合の伝え方をまとめました。転職するかどうかは、この記事を読み終えてから決めても遅くありません。

この記事でわかること

  • 残業や仕事量の多さは、転職理由として成り立つのか
  • 転職すべきかを見極める3つの基準(時間・中身・改善の余地)
  • 今の園で改善を求めるときの相談先と、その選び方
  • 転職を選ぶ場合の面接での伝え方と、退職時に知っておきたい制度

結論

残業や仕事量の多さは、保育士の転職理由として十分に成り立ちます。東京都の調査でも、保育士を辞めたい理由として「仕事量が多い」「労働時間が長い」が上位に入っています[1]。ただし転職すべきかどうかは、①月の残業時間と、それが残業代として支払われているか、②残業の中身が園の仕組みで減らせるものか、③園長などに具体的に相談して変化があったか、の3つで見極めます。相談しても変わらない、または心身に不調が出ているなら、環境を変える十分な理由になります。面接では「残業が多かった」で終わらせず、「勤務時間内に保育の準備ができる環境で働きたい」と前向きに言い換えて伝えます。

01残業や仕事量の多さは、転職理由として十分に成り立つ

要点:残業や仕事量は、保育士が職場を離れる理由として多く挙がるものです。「甘え」ではなく、多くの人が同じ理由で働き方を見直しています。

東京都が保育士を対象に行った調査では、現在保育士として働いている人のうち、保育士を辞めたいと考えている人にその理由を聞いたところ、「給料が安い」に次いで「仕事量が多い」が54.0%、「労働時間が長い」が35.4%と高い割合でした[1]。

図1

保育士を辞めたい理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・退職意向のある人・複数回答の上位4項目)[1]

給料が安い61.6%
仕事量が多い54.0%
労働時間が長い35.4%
職場の人間関係30.1%
図1 保育士を辞めたい理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・退職意向のある人・複数回答の上位4項目)[1]

同じ調査で、過去に保育士として働いていた人に辞めた理由を聞いた項目でも、「仕事量が多い」は23.1%、「労働時間が長い」は18.6%となっています[2]。仕事量と時間の問題は、今まさに迷っている人にとっても、実際に辞めた人にとっても、大きな理由の一つです。

「子どものためなら仕方ない」に縛られなくていい

保育の仕事には、子どものためにもう少しがんばりたい、という気持ちがつきものです。その気持ち自体は大切なものです。ただ、毎日の残業や持ち帰りで疲れがたまると、子どもの前で笑顔でいる余裕がなくなっていきます。残業を理由に職場を変えることは、子どもから逃げることではなく、子どもと向き合える状態を取り戻すための選択でもあります。

残業の悩みは、ほかの悩みとつながっていることが多い

残業がつらいと感じるとき、その裏にはほかの悩みが隠れていることがあります。たとえば、行事の担当がいつも自分に回ってくるのは業務分担の問題であり、質問しにくい先輩がいて仕事が遅れるのは人間関係の問題です。残業に見合った給料が出ていないと感じるなら、待遇の問題も重なっています。残業だけを見ていると「どこに行っても同じ」と思えてきますが、どの悩みと結びついているかが分かると、次の職場で確かめるべき点が具体的になります。紙に「残業の原因」と書き、思いつく理由を矢印でつなげてみるだけでも、絡まり方が見えてきます。

02転職すべきかを見極める3つの基準

要点:「残業が多い」と感じたら、時間と支払い、残業の中身、改善の余地の3つを順に確かめます。この順番で見ると、今の園で変えられる問題なのか、職場を変えないと解決しにくい問題なのかが分かれていきます。

図2

  1. 時間を数える1か月分の退勤時刻と持ち帰りの時間を記録し、残業の合計時間を出す
  2. 支払いを確かめる給与明細と照らし合わせ、残業代として支払われている時間を確かめる
  3. 中身を分ける残業の中身を、書類・行事・会議・人手不足の4つに分ける
  4. 一度相談する減らせそうな中身を一つ選び、園長や主任に具体的に相談する
  5. 変化を見て決める2〜4週間で変化がなければ、異動や転職を含めて考える
図2 残業を理由に転職すべきかを判断する流れ

基準1:残業の時間と、支払われているかどうか

労働時間は、原則として1日8時間・1週40時間が上限と法律で決められています[3]。これを超えて働かせるには、職場で36協定という労使の協定を結んで労働基準監督署に届け出る必要があり、その場合でも時間外労働は原則として月45時間・年360時間が上限です[4]。また、時間外労働には25%以上の割増賃金が必要です[5]。

まずは1か月、毎日の退勤時刻と持ち帰りの時間をメモしてください。合計が月に何時間になるか、そのうち何時間が給与明細に残業として載っているかを比べると、状況がはっきりします。「残業はしているのに申請できない」「持ち帰りの時間がどこにも記録されていない」という状態なら、それは仕事量の問題であると同時に、働き方のルールの問題でもあります。申請しにくい職場の事情はサービス残業が当たり前の職場でも詳しく取り上げています。

基準2:残業の中身は、仕組みで減らせるものか

同じ月20時間の残業でも、中身によって減らしやすさが違います。下の図は、保育士の残業をよくある4つの中身に分け、減らしやすさの目安を示したものです。

図3

書類

連絡帳、週案・月案、個人記録、おたより。午睡中に終わらず残る

様式の見直しやICTで減らせることが多い

行事・制作

発表会の衣装、運動会の準備、壁面や作品展の制作

準備の分担や行事の見直しで減らせることがある

会議・研修

降園後の職員会議、園内研修、行事の打ち合わせ

開始時刻や回数の変更で減らせることがある

人手不足

職員が足りず、延長保育や遅番の後も保育から抜けられない

園だけで解決しにくく、時間がかかる

図3 保育士の残業の中身と、減らしやすさの目安

書類や会議が中心なら、今の園で相談すれば変わる余地があります。一方で、人手不足による残業は、園長が努力しても職員が増えない限り変わりにくいものです。自分の残業がどこに偏っているかを見ると、相談の仕方も、転職を考えるかどうかも変わってきます。

基準3:具体的に相談して、変化があったか

3つ目の基準は、一度でも具体的に相談したかどうかです。「残業がつらいです」とだけ伝えても、相手は何を変えればいいか分かりません。「先月は残業が合計30時間あり、そのうち書類が20時間でした。週に1回、30分の書類の時間をもらえませんか」のように、時間と中身と提案をセットにして伝えます。そのうえで2〜4週間待っても何も変わらなかったなら、それは転職を考える十分な根拠になります。

03今の園で改善できる余地を確かめる

要点:転職を決める前に、今の園で変えられることが残っていないかを確かめておくと、どちらを選んでも後悔が少なくなります。次のチェックリストで、改善の余地があるかどうかの目安をつけてみてください。

図4

  • 園長や主任が、残業の多さを把握している把握していないなら、伝えるだけで変わることがあります
  • 残業を申請すれば、残業代として支払われている支払われていない場合は、相談先を変える必要があります
  • 書類の様式や会議の時間を見直した例が、過去にある見直しの前例がある園は、提案が通りやすい傾向があります
  • 同じ悩みを持つ同僚がいる複数の声として伝えると、園も動きやすくなります
  • 法人に複数の園があり、異動の制度がある職場を変えずに環境を変える道があります
  • 職員の欠員が埋まる見込みがある人手不足による残業は、採用が進めば減る可能性があります
  • 心身の不調(眠れない、涙が出るなど)は出ていない不調が出ているなら、改善を待つより休むことを優先します
図4 今の園で残業を減らせる余地があるかのチェックリスト

当てはまる項目が多いほど、今の園で改善できる余地が残っています。反対に、残業代が支払われていない、見直しの前例がない、欠員が埋まる見込みもない、という状態が重なっているなら、自分一人の努力で変えられる範囲を超えていると考えてよいでしょう。

一人で言いにくいときは「異動」という選択肢も

複数の園を運営している法人なら、同じ法人の中で別の園に移る方法もあります。給与や退職金の積み立てを引き継ぎながら、残業の少ない園に移れる可能性があるため、転職より負担が小さく済むことがあります。異動の希望は、園長だけでなく法人本部の担当者に伝えられる場合もあるので、就業規則や法人の制度を確かめてみてください。

異動を考えるときも、転職と同じように、移る先の園の残業の様子を確かめることが欠かせません。同じ法人でも、園長の考え方や職員の人数によって、書類の仕組みや行事の進め方は大きく違うことがあります。可能なら異動の前に見学させてもらい、夕方の職員室の様子や会議の時間を聞いておくと安心です。

04残業の相談先は、目的で選ぶ

要点:残業の相談先は、「今の園で減らしたい」「法律上の問題を確かめたい」「心身の不調を相談したい」「転職を含めて考えたい」という目的によって変わります。相談先を間違えると、話がかみ合わずに疲れてしまいます。

図5

相談先向いている相談費用・方法
園長・主任書類の時間、会議の時刻、行事の分担など、園の中で変えられること面談の時間をもらって直接話す
法人本部・人事担当異動の希望、園の中で解決しなかった問題法人の窓口や面談制度を確かめる
総合労働相談コーナー残業代が支払われない、残業の上限を超えているなど法律にかかわること無料・予約不要で面談または電話
労働条件相談ほっとライン平日の夜や土日に、匿名で労働条件のことを聞きたいとき無料・匿名可の電話相談
こころの耳疲れや気分の落ち込みなど、心の不調についての相談無料の電話・SNS・メール相談
転職相談転職するか決めていない段階で、ほかの園の働き方と比べたいとき窓口ごとに方法が違う
図5 残業を相談できる先と、向いている相談

総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署の中など378か所にあり、無料・予約不要で相談できます[6]。話し合いで解決しない場合は、労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんも無料で利用でき、利用したことを理由に不利益な扱いをすることは法律で禁じられています[7]。

平日の日中に時間が取れないなら、労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)が平日17時〜22時、土日祝9時〜21時に無料・匿名で受け付けています[8]。労働条件の相談窓口の違いは労働条件の相談窓口で詳しくまとめています。

園長に相談するときに持っていくもの

相談先のうち、最初に話す相手は多くの場合、園長か主任です。そのときは、気持ちだけでなく記録を持っていくと話が進みます。具体的には、1か月分の退勤時刻と持ち帰りの時間のメモ、残業の中身の内訳(書類・行事・会議・人手不足のどれに何時間か)、そして「これを変えてほしい」という提案を一つです。提案は大きすぎないものを選んでください。「残業をなくしてほしい」より、「月1回の職員会議を17時半開始にしてほしい」のほうが、園長も判断しやすく、変化も確かめやすくなります。話した内容と日付は、自分用にメモしておきましょう。

05相談事例:辞めるつもりで記録を取ったら、別の道が見えた

要点:転職を決めかけていたところから、残業の記録をもとに相談し、法人内の異動を選んだモデルケースです。記録を取ったことが、どう判断を変えたかに注目してください。

辞める前に、まず残業を数えてみた

相談事例(モデルケース)

お名前
えりかさん(仮名)・27歳
保育士歴
6年目(相談当時)
勤務先
社会福祉法人(保育園3園を運営)の私立認可保育園(定員約90名)、4歳児クラス担任
変化
残業 月約35時間(申請できたのは約10時間)→ 異動後は月8時間程度、すべて申請

編集部相談に来たとき、気持ちはどこまで決まっていましたか。

えりかさん

9割がた辞めるつもりでした。毎日20時近くまで残っていて、休みの日も行事の制作をしていて。でも、面接で「残業が多くて」と言ったら印象が悪いかなと思って、転職理由の言い方を聞きたくて相談したんです。

編集部そこで、何を勧められましたか。

えりかさん

辞めるかどうかを決める前に、1か月だけ残業を記録してみたらどうか、と。やってみたら月に35時間くらいあって、そのうち申請できていたのは10時間くらいでした。正直、自分でも驚きました。しかも内訳を見たら、半分以上が行事の制作と、19時から始まる職員会議だったんです。

編集部その記録を、どう使いましたか。

えりかさん

園長に記録の表を見せて、会議を早い時間にできないか、制作を分担できないかを相談しました。会議は月1回、夕方の早い時間に変わったんですが、制作の分担は「人がいないから」で終わってしまって。そのとき、法人の人事担当の方との面談があると知って、異動の希望を出しました。

編集部最終的に、転職ではなく異動を選んだのはなぜですか。

えりかさん

異動先の園を見学したら、連絡帳がアプリで、行事も少しずつ見直している園だったんです。同じ法人だから退職金の積み立ても続くし、知っている先生もいて。辞めるか残るかの二択しかないと思っていたので、真ん中の道があったことに、すごくほっとしました。

数えてみたら、「なんとなくつらい」が「月35時間」になって、ちゃんと話せるようになったんです。

えりかさん(仮名)

えりかさんは年度の切り替えで異動し、今は残業が月8時間程度、そのすべてを申請できています。異動の前に、記録をもとに未申請だった残業についても園長と話し合い、扱いを確かめたそうです。

このケースから持ち帰れるのは、残業を記録して時間と中身に分けたことで、相談が「つらい」という気持ちの話から、具体的な提案に変わったという点です。転職を決める前に記録を取っておくと、残る場合も移る場合も、その数字が判断の支えになります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

えりかさんのように、記録を取ることで相談の中身が変わる人は少なくありません。また、未払いの残業代を請求する権利には期限があり、2020年4月1日以降に支払日が来る賃金については、当分の間3年とされています[9]。気になる場合は、記録と給与明細を持って労働相談の窓口に相談してみてください。

06転職を選ぶなら、伝え方と退職時の制度を押さえる

要点:残業を理由に転職するときは、面接では前向きな言葉に置き換えて伝え、退職時には雇用保険の扱いを確かめておきます。長時間の残業が続いていた場合は、失業給付の扱いが変わることもあります。

面接では「何を変えたいか」として伝える

面接で残業のことを話すのは、悪いことではありません。ただ、「残業が多くて嫌だった」とだけ伝えると、仕事への意欲を疑われることがあります。次のように、今の状況と、次の職場で大切にしたいことをセットにして伝えると、前向きな理由として受け止められやすくなります。

  • 「書類や行事の準備が勤務時間内に収まらず、持ち帰りが続いていました。準備の時間が確保された環境で、子どもと向き合う時間を大切にしたいと考えています」
  • 「行事の準備を職員で分担している園で、自分も役割を果たしながら長く働きたいと思っています」
  • 「園長に相談して会議の時間は見直してもらえましたが、それ以上の変更は難しいと分かり、環境を変えることにしました」

3つ目のように、今の園で一度相談したことを添えると、すぐに辞める人ではないという印象にもつながります。退職理由の例文は面接で退職理由を伝える例文に多く載せています。

長時間の残業が続いていた場合の失業給付

自己都合で退職した場合、離職日が2025年4月1日以降なら、失業給付の給付制限は原則1か月です[10]。ただし、離職の直前6か月の間に、連続する3か月で月45時間を超える時間外労働があった場合などは「特定受給資格者」にあたり、扱いが変わる可能性があります[11]。判断するのはハローワークなので、残業の記録や給与明細、タイムカードの写しなどを手元に残しておくと、説明するときの材料になります。

退職を伝える時期は、担任の区切りも考えて

期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職を申し入れてから2週間で雇用が終わるとされています[12]。ただ、担任を持っている場合は、引き継ぎや子どもへの影響を考えて、就業規則で決められた期限を確かめたうえで、1〜3か月ほど前に伝える人が多くいます。残業が多くて疲れているときほど、早く辞めたい気持ちが強くなりますが、退職の時期を年度の区切りや行事の後に合わせると、気持ちの面でも区切りがつけやすくなります。

07転職する前に知っておきたい、正直な話

要点:転職しても、残業がまったくない職場に移れるとは限りません。また、心身の疲れが限界に近いときは、転職の判断より先に休むことを考えてください。

転職先にも、忙しい時期はある

残業が少ないと言われる園でも、行事前や年度末には忙しくなることがあります。大切なのは、残業がゼロかどうかより、忙しい時期がいつで、そのときにどう分担しているかを事前に知っておくことです。見学や面接で「行事前の月の退勤時刻」を聞いておくと、入職後のずれが小さくなります。求人票からの見分け方は保育士の残業が多いときの対処法でも紹介しています。

残業が減ると、手取りも変わることがある

これまで残業代がきちんと支払われていた人は、残業の少ない園に移ると、月の手取りが下がることがあります。残業が減ってうれしい反面、生活費のやりくりが苦しくなっては本末転倒です。次の職場の給与を比べるときは、基本給と手当だけでなく、今の給与のうち残業代がいくらを占めているかも確かめておくと、移ったあとの生活を具体的に想像できます。

疲れ切ってからの転職活動は、判断を誤りやすい

毎日の残業で眠る時間が削られている状態で転職活動を始めると、「とにかく今の園から離れたい」という気持ちだけで次の職場を選びがちです。眠れない、食欲がない、涙が出るといった状態が続いているなら、まずはかかりつけ医や心療内科に相談してください。働く人の心の悩みは「こころの耳電話相談」(0120-565-455)で、平日17時〜22時、土日10時〜16時に無料で相談できます[13]。

転職すべきかをもっと広く考えたい人は転職するべきかの判断も参考にしてください。ほいくの相談室では、転職を決めていない段階でも、残業の記録の付け方や、今の園で相談するときの伝え方から一緒に考えています。

よくある質問

残業が月に何時間あったら、転職を考えるべきですか?

何時間なら転職すべき、という決まった線はありません。ただ、法律上の時間外労働の上限は原則月45時間とされています[4]。それに近い残業が続いている、残業代が支払われていない、心身に不調が出ているといった場合は、今の園で相談するか、環境を変えるかを真剣に考えてよい状態です。

面接で「残業が理由」と正直に言ってもいいですか?

言って問題ありません。ただし「残業が嫌だった」で終わらせず、次の職場で何を大切にしたいかと組み合わせて伝えると、前向きな理由として受け止められやすくなります。今の園で一度相談したことも添えると、より説得力が増します。

サービス残業が多いのですが、辞める前にできることはありますか?

まずは毎日の退勤時刻と業務の内容を記録し、給与明細と照らし合わせてください。そのうえで園長に相談するか、総合労働相談コーナーなど無料の窓口で相談できます[6]。未払いの賃金を請求できる期間には期限があるので、早めに動くことをおすすめします。

残業を理由に辞めると、次の職場でも同じことになりませんか?

同じことを繰り返さないためには、次の職場を選ぶ前に、自分の残業がどんな中身だったかを分けておくことが役立ちます。書類が原因ならICTや書類の時間がある園、行事が原因なら行事の分担がある園、というように、確かめるべき点がはっきりします。

残業の多さを家族に話しても、「どこも同じ」と言われてしまいます。

家族は職場の様子を知らないため、心配から引き止めることがあります。1か月分の残業時間の記録や、残業の中身の内訳を見せながら話すと、気持ちだけでなく状況が伝わりやすくなります。数字があると、家族も一緒に考えやすくなります。

転職するか決めていなくても、転職相談を使っていいですか?

使って問題ありません。ほかの園の働き方を聞くことで、今の園の状況を客観的に見られるようになることもあります。相談したからといって、すぐに応募しなければならないわけではありません。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  3. 厚生労働省 FAQ「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
  4. 確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」
  5. 厚生労働省 FAQ「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」
  6. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  7. 厚生労働省「個別労働紛争解決制度」
  8. 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
  9. 確かめよう労働条件Q&A「賃金請求権の消滅時効は…」
  10. ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
  11. ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
  12. e-Gov法令検索「民法」
  13. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

ほいくの相談室

転職するかは、まだ決めなくていい。保育士の悩みを、まず相談。

持ち帰りや残業の負担を、今の園で変えられるのか、環境を変えたほうがいいのか、一緒に整理します。

  • 保育士の悩み専門
  • 転職の前提なし
  • LINE・オンラインで全国対応

LINEで相談する(友だち追加)

LINEが使えない方、文章でじっくり伝えたい方は、下のフォームから送ってください。

    相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。「何から話せばいいか分からない」の一行からでも受け付けています。送信後、入力したメールアドレスに確認のメールが届きます。 個人情報の扱いはプライバシーポリシーをご覧ください。