保育士で子どもとの時間がない時の取り戻し方|休日とワンオペ

日曜の夕方、洗濯物をたたみながら、ふと「今日、子どもと何をして遊んだっけ」と考える。午前は買い出しと作り置き、午後は発表会の台本の手直し。子どもは隣で動画を見ていた。気づけば、もう夕食の支度の時間です。

園では毎日、子どもたちの「できた」に立ち会っています。初めて自分で靴をはけた日も、鉄棒で前回りができた日も、その場で一緒に喜べる。それなのに、わが子が初めて自転車に乗れた日のことは、パートナーから送られてきた動画で知った。そんな経験をした保育士は少なくありません。よその子の成長を支える仕事をしながら、わが子との時間が足りないという矛盾は、じわじわと心を削ります。

この記事では、子どもとの時間がなくなる原因を4つに分け、1週間の記録から削れる時間を見つける方法、持ち帰りや残業の減らし方、休日を家事で終わらせない工夫、ワンオペが続くときの考え方までをまとめました。時間は急には増えませんが、使われ方を変えることはできます。

この記事でわかること

  • 子どもとの時間を奪っている4つの時間と、自分の場合の見つけ方
  • 1週間の時間の記録のつけ方と、最初に減らす時間の選び方
  • 持ち帰りや残業を減らすために、園へ相談するときの伝え方
  • 休日を家事で終わらせない工夫と、ワンオペが続くときの選択肢

結論

保育士が子どもとの時間がないと感じるときは、まず1週間、帰宅後と休日の時間の使い方を記録し、「仕事の持ち帰り」「通勤と残業」「家事」「回復」のどれが子どもとの時間を奪っているかを確かめます。持ち帰りや残業が原因なら、かかっている時間を示して園に相談し、家事が原因なら、やめる家事と外に任せる家事を決めます。ワンオペが続き、残業の免除や始業時刻の変更などの制度[1][2]を使っても時間が戻らない場合は、勤務時間が読みやすい職場や通勤の短い職場への転職も、十分に考えてよい選択肢です。

01子どもとの時間を奪っているのは、4つの時間

要点:子どもとの時間は、「持ち帰り」「通勤と残業」「家事」「回復」の4つに少しずつ削られています。どれがいちばん大きいかは人によって違うため、まず自分の場合を確かめます。

「時間がない」と感じるとき、多くの人は仕事が長いせいだと考えます。もちろんそれも大きな理由ですが、実際に1週間の時間を書き出してみると、意外なところに時間が流れていることがよくあります。子どもとの時間を奪っているものを、4つに分けてみましょう。

図1

持ち帰りの時間

連絡帳の下書き、指導計画、おたより、壁面や制作物の準備を家でしている

園の仕組みで減らせることが多い

通勤と残業の時間

遅番の帰宅時刻、会議や行事前の残業、片道の通勤時間

シフトや職場の選び方で変わる

家事の時間

平日にできなかった洗濯、買い出し、作り置き、掃除が休日に集中する

やり方と分担で減らせる

回復の時間

疲れて横になる、子どもの相手をする気力が残っていない

ほかの3つが減ると戻ってくる

図1 子どもとの時間を奪う4つの時間

見落とされやすいのが、4つ目の回復の時間です。早番で朝6時半に起き、日中は子どもを抱っこし、声を張り、午睡チェックで気を張り続ける。保育の仕事は体力も神経も使います。帰宅後にソファから動けないのは怠けではなく、体が回復を求めているからです。

ただし、回復の時間だけを削ろうとすると、かえって疲れがたまり、子どもと過ごす時間の質も下がってしまいます。回復の時間を増やすには、ほかの3つを減らすことが近道です。

通勤の時間は、毎日の積み重ねで大きくなる

4つの中で、ふだん意識しにくいのが通勤の時間です。片道40分なら往復で1日80分、週5日で6時間以上になります。わが子を保育園に送ってから自分の園に向かう人は、さらに時間がかかります。通勤の時間は、早番や遅番のように目立たない分、「仕方のないもの」として見過ごされがちです。記録をつけるときは、家を出た時刻と帰り着いた時刻も書いておくと、通勤がどれだけ時間を使っているかが見えてきます。

休日が家事で終わるのは、平日の「しわ寄せ」

「休日が家事で終わる」という悩みは、休日の過ごし方の問題に見えて、実は平日の問題であることが多いものです。平日の帰宅が遅く、洗濯も買い出しもできない。その分が休日に回ってくるため、休日に子どもと出かける余裕がなくなります。休日の家事を減らすには、休日の工夫だけでなく、平日の帰宅時刻と、平日に回せる家事の量を見直す必要があります。

021週間だけ、時間の使い方を記録する

要点:記録は1週間で十分です。30分単位で帰宅後と休日の時間を書き出し、4つの色に分けると、最初に手を打つところが見えてきます。

時間の使い方を変えるには、まず今の使い方を知ることから始めます。記録といっても、分単位の正確さはいりません。手帳やスマホのメモに、思い出せる範囲で書き込むだけで、驚くほど多くのことが分かります。

図2

  1. 記録の枠を作る

    手帳やスマホのメモに、平日5日と休日2日の枠を作り、帰宅後と休日を30分ごとに区切る

  2. その日の夜に書き込む

    寝る前の5分で、何をしていたかを書く。思い出せないところは空けておいてよい

  3. 4つの色に分ける

    持ち帰り、通勤と残業、家事、回復に色を分け、子どもと過ごした時間にも印をつける

  4. いちばん多い色を見つける

    1週間で最も時間を使った色が、最初に手を打つところになる

  5. 減らす時間を1つ決める

    「休日の持ち帰りをやめる」「平日の作り置きをやめる」など、一つに絞って次の週に試す

図2 子どもとの時間を取り戻すための1週間の記録

記録をつけると、「子どもと過ごしている」と思っていた時間の中身も見えてきます。同じ部屋にいても、自分は連絡帳の下書きをしていて、子どもは一人で遊んでいる。そんな時間は、子どもにとっては「一緒にいた時間」として感じられていないかもしれません。

図3

時間帯記録をつける前見直したあと
18時台帰宅して夕食の支度。子どもは一人で動画夕食は半分を総菜にし、子どもと一緒に盛りつける
19時台夕食と片づけ。片づけ中に子どもが話しかけてくる片づけは食後すぐにせず、先に絵本を1冊読む
20時台入浴と寝かしつけの準備。翌日の保育園の持ち物の用意持ち物の用意は子どもと一緒にする
21時台寝かしつけのあと、連絡帳の下書きと月案の続き持ち帰りをやめ、洗濯機を回して休む
22時台作り置きの下ごしらえ何もしない時間にあてる
図3 平日の帰宅後の時間の使い方(記録の例)

この例のように、大きく何かを変えなくても、順番を入れ替えたり、一つの家事をやめたりするだけで、子どもと向き合う時間は少しずつ戻ってきます。

記録が続かないときの工夫

忙しい毎日の中で、7日間欠かさず書くのは簡単ではありません。続かないときは、次のように負担を減らしてください。

  • 平日は「帰宅した時刻」「持ち帰りをしたか」「子どもと遊んだか」の3つだけを書く
  • 書き忘れた日は、翌朝に思い出せる範囲で埋める
  • 休日だけは、午前、午後、夜の3つに分けて少し詳しく書く

完璧な記録より、大まかでも1週間分そろっていることのほうが役に立ちます。

03仕事の時間を減らす:持ち帰りと残業の相談のしかた

要点:持ち帰りや残業は、個人の努力だけでは減らしにくいものです。1週間の記録で分かった時間を示し、「何を、どれだけ、どう変えてほしいか」を具体的に園に相談します。

書類や事務作業の負担に悩んでいるのは、あなただけではありません。東京都が保育士を対象に行った調査では、今の職場で改善してほしい項目として、給与・賞与等の改善に次いで、職員数の増員、事務・雑務の軽減が多く挙がっています[3]。

図4

現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[3]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図4 現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[3]

国も、保育士の書類や事務の負担を減らす方法を示しています。「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」では、ICTの活用、保育補助者の活用、記録や書類の見直し、働き方の見直しの事例が紹介されています[4]。登降園の管理や保護者との連絡をアプリで行う園も増えていて、こうした機能のいずれかを導入している施設は80.8%にのぼる一方、4つの機能すべてを導入している施設は11.7%にとどまるという調査結果もあります[5]。

持ち帰りを減らす相談は「時間」と「代わりの案」で

「持ち帰りがつらいです」とだけ伝えると、園長も「みんなやっているから」と返しがちです。1週間の記録をもとに、次のように伝えてみてください。

発表会の準備で、この1か月、家での作業が週3回、1回1時間半ほどありました。週に1回、午睡の時間に30分、書類のための時間をいただけないでしょうか。

ポイントは、かかっている時間を数字で示すことと、園が受け入れやすい「代わりの案」を一緒に出すことです。ノンコンタクトタイムの確保、行事の制作物の数を減らす、壁面を年に数回にする、といった提案も考えられます。持ち帰り仕事そのものの減らし方は、持ち帰り仕事がつらいときの減らし方で詳しく紹介しています。

休憩時間を書類にあてていないか

休憩時間に連絡帳を書いている人も少なくありません。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与え、自由に利用させなければならないとされています[6]。休憩が取れていない分を家で取り戻そうとすると、その分だけ子どもとの時間が削られます。

残業の免除という制度もある

小学校就学前の子を育てる保育士は、所定外労働の制限、つまり残業の免除を請求できます。2025年4月の法改正で、対象が小学校就学前の子を育てる労働者に広がっています[1]。行事前の残業が子どもとの時間を奪っているなら、制度として使えるかを確かめてみてください。

04家事の時間を減らす:休日を家事で終わらせない

要点:休日の家事を減らすには、「やめる家事」「外に任せる家事」「子どもと一緒にする家事」の3つに分けて考えます。家事の基準を下げることは、手抜きではなく時間の配分の見直しです。

保育士は段取りが得意な人が多く、家事も「きちんとやらなければ」と考えがちです。けれど、家事の完璧さと子どもとの時間は、同じ24時間の中で取り合っています。次のリストで、今の家事を見直してみてください。

図5

  • 毎週、作り置きに半日かけていないか作り置きを平日の半分にし、総菜や冷凍食品の日を決めると、休日の数時間が空きます
  • 洗濯を休日にまとめていないか平日に少しずつ回す、乾燥まで機械に任せるなどで、休日の家事が減ります
  • 掃除の基準が高すぎないか家族で「ここまでできていればよし」という基準を決め直すと、気持ちも軽くなります
  • 買い出しに毎週2時間以上かけていないか宅配やネットスーパーを週1回使うだけで、外出の時間を子どもとの時間に回せます
  • 家事の分担を書き出したかゴミの分別や保育園の持ち物の準備など、名前のない家事も書き出すと偏りが見えます
  • 子どもと一緒にできる家事はないか洗濯物たたみや料理の手伝いは、子どもにとっては遊びの時間にもなります
  • 休日に予定のない時間を入れたか何もしない半日を先に決めておくと、家事が休日全体に広がるのを防げます
図5 休日を家事で終わらせないための見直しリスト

家事を外に任せるとお金がかかる、と迷う人もいるでしょう。そんなときは、「その家事に使っている時間」と「任せた場合の費用」を並べてみてください。たとえば、毎週の買い出しに2時間かけているなら、宅配の手数料と比べて、その2時間を子どもとの時間に回す価値があるかを考えます。すべてを任せる必要はなく、いちばん時間のかかる家事を一つだけ手放すところから始めれば十分です。

「一緒に家事をする時間」も、子どもとの時間

保育の現場では、生活の中の遊びを大切にしています。洗濯物をたたむ、野菜を洗う、テーブルを拭く。わが子と一緒にやれば、それは家事であると同時に、立派な子どもとの時間です。園で毎日しているように、子どもに役割をお願いして、できたことを一緒に喜ぶ。そう考えると、休日の家事の見え方も少し変わってきます。

05ワンオペ育児が続くなら、職場を変える選択肢も

要点:ワンオペの負担は、家庭の工夫だけでは限界があります。原因が勤務時間や通勤にあるなら、制度の利用、シフトの調整、職場を変えることを順に考えます。

パートナーが夜勤や長時間勤務、単身赴任などで、平日の多くをワンオペでこなしている保育士もいます。ワンオペの日は、早番の日なら子どもを朝7時前に預け、遅番の日なら延長保育ぎりぎりに迎えに行く。家に帰れば夕食、入浴、寝かしつけまでを一人で回します。この状態で持ち帰りがあれば、子どもとの時間はほとんど残りません。

図6

ワンオペで時間が足りない

  1. 遅番や行事前の残業が原因残業の免除[1]や、遅番の回数の調整を園に相談する
  2. 始業時刻が早すぎる3歳から就学前なら、始業時刻の変更などの制度を確認する[2]
  3. 通勤が長い自宅から近い職場や、通勤時間の短い職場への転職を考える
  4. 土曜保育が負担土日休みの職場や、土曜の回数を選べる職場を探す
  5. いくつもの原因が重なっている働き方そのものを見直す時期。家族とも話し合って決める
図6 ワンオペが続くときの考え方

3歳から小学校就学前の子を育てる労働者については、2025年10月から、園が始業時刻の変更、テレワーク等、短時間勤務などのうち2つ以上の制度を用意し、本人が1つを選べるようになりました[2]。保育の仕事ではテレワークは難しくても、始業時刻の変更や短時間勤務が用意されていれば、ワンオペの日の朝や夕方に余裕が生まれます。

制度を使っても時間が戻らないなら、職場を変えることも考えてよい段階です。土日休みの求人の探し方は土日休みの保育士求人の探し方で紹介しています。仕事と生活の配分そのものを見直したいときは、ワークライフバランスを改善する方法も参考にしてください。

ワンオペの「ワン」を減らす話し合い

職場を変える前に、家庭の中でできることも確かめておきましょう。パートナーの勤務が変えられない場合でも、休みの日にまとめてできる家事、朝の送りだけは担当できる日など、分け方はあります。話し合うときは、1週間の記録を見せながら「ワンオペの日は、18時から21時まで一人で回している」と時間で伝えると、気持ちのぶつけ合いになりにくくなります。

06相談事例:持ち帰りをやめ、休日の午前を子どもと過ごせるようになったまさとさん

要点:ここでは、1週間の記録で持ち帰りの多さに気づき、法人内の異動で働き方を変えたモデルケースを紹介します。

「わが子の『できた』を見逃したくない」と動いた

相談事例(モデルケース)

お名前
まさとさん(仮名)・38歳
保育士歴
16年目
勤務先
私立の認可保育園(定員約80名)の3歳児クラス担任・行事リーダー → 同じ法人の別の園(定員約60名)の2歳児クラス担任
家族
妻(地方の支社に単身赴任中、帰宅は月2回ほど)、子ども2人(5歳と2歳)
変化
休日の持ち帰り 月4回 → 0回、平日に子どもと過ごす時間 1日20分ほど → 1日1時間半ほど

編集部相談する前は、どんな毎日でしたか。

まさとさん

妻が去年から単身赴任で、帰ってくるのは月に2回くらい。平日は全部、僕のワンオペです。仕事では3歳児の担任と園全体の行事リーダーをしていて、発表会の台本や運動会の構成は、ほとんど家でやっていました。休日も月に4回は持ち帰りの作業で、子どもには「パパはお仕事だから」と言ってばかりでした。

編集部何がきっかけで、変えようと思ったのですか。

まさとさん

上の子が初めて補助輪なしで自転車に乗れた日、僕は家で台本を書いていたんです。近くに住む義理の母が公園に連れて行ってくれていて、帰ってきてから動画を見せてもらって。なんだか情けなくなりました。園の子の「できた」には毎日立ち会っているのに、って。それで、相談窓口で話を聞いてもらうことにしました。

編集部相談では、どんなことをしましたか。

まさとさん

1週間、時間を記録してみましょうと言われて、やってみたら、持ち帰りが1か月で12時間くらいありました。正直、男の保育士が子育てを理由に配慮を求めるのは気が引けていたんですけど、相談員さんは「まずは今の法人の中で変えられないか、確かめてからでいいと思います」と言ってくれて。いきなり転職を勧められなかったのが、かえって信頼できました。

編集部実際には、どう変わりましたか。

まさとさん

園長に記録を見せて、行事リーダーを外してほしいとお願いしました。でも今の園では代わりがいないと言われて。それで、法人の本部に異動を希望したんです。今の園は連絡帳がアプリで、行事も規模が小さいので、書類はほとんど勤務時間内に終わります。残業の免除も申し出て、夕方は18時過ぎには家にいられるようになりました。

よその子の「できた」には毎日立ち会っているのに、わが子の「できた」を見逃していたんです。

まさとさん(仮名)

まさとさんは異動して半年がたち、休日の持ち帰りはなくなりました。休日の午前は子どもたちと公園に行き、午後は子どもと一緒に洗濯物をたたみながら家事をまとめて片づけるのが習慣になったそうです。平日のワンオペの日も、夕食のあとに絵本を読む時間が取れるようになりました。妻が帰ってくる週末には、夫婦で次の月の家事の段取りを話し合っています。

このケースで大切なのは、「時間がない」という感覚を、記録によって「持ち帰りが月12時間」という数字に置きかえたことです。数字があったことで、園長や本部にも事情が伝わりやすくなりました。いきなり転職するのではなく、法人の中で変えられることから試したことも、納得して動けた理由の一つです。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

07「時間が足りない」と自分を責める前に

要点:一つは、時間の長さだけで自分を責めないこと。もう一つは、疲れが抜けない状態が続いているなら、時間の工夫より先に体と心を休めることです。

1. 長さよりも「向き合う時間」を毎日少しずつ

子どもとの時間が足りないと感じると、つい「もっと長く一緒にいなければ」と考えてしまいます。けれど、平日に何時間も確保するのは、今すぐには難しいかもしれません。まずは1日15分、スマホを置いて、子どもの話を最後まで聞く時間をつくってみてください。保育士のあなたは、短い時間でも子どもの気持ちを受け止める方法を知っています。その力を、わが子にも少しだけ向けてみる。それだけでも、子どもとの時間の手ごたえは変わります。

2. 疲れが抜けないなら、休むことが先

朝起きるのがつらい、休日も疲れが取れない、子どもの声にイライラしてしまう。そんな日が2週間以上続いているなら、心と体が限界に近づいているサインかもしれません。時間の使い方を工夫する前に、医療機関に相談することも考えてください。働く人向けの「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)でも話を聞いてもらえます[7]。燃え尽きのサインについては燃え尽き症候群のサインと対処にまとめています。

時間の問題の奥に、子育てと仕事の両立そのものの悩みがあるなら、両立がつらいときに見直したいことも読んでみてください。1週間の記録をつけてみたものの、どこから手をつければいいか分からない。そんなときはほいくの相談室に記録を見せてください。転職を決めていなくても、今の園で変えられることと、職場を変えたほうが早いことを一緒に仕分けていきます。

よくある質問

子どもとの時間が少ないと、子どもに申し訳ない気持ちになります。

申し訳なさを感じるのは、それだけわが子を大切に思っているからです。時間の長さだけで親子の関係が決まるわけではありません。毎日短くても、目を見て話を聞く時間をつくることから始めてみてください。

持ち帰りをやめたいと言ったら、評価が下がりませんか?

「やりたくない」ではなく、「時間内に終えられる方法を相談したい」という形で伝えれば、評価を下げる理由にはなりにくいはずです。かかっている時間を数字で示し、代わりの案を一緒に出すと、前向きな相談として受け止めてもらいやすくなります。

休憩時間に書類を書くのは、仕方のないことですか?

休憩は労働時間の途中に与えられ、自由に利用できる時間とされています[6]。休憩中に書類を書くことが当たり前になっているなら、休憩の取り方や書類の時間の確保を園に相談してみてください。改善されない場合は、総合労働相談コーナーでも相談できます[8]。

パートナーが家事を分担してくれません。どう伝えればいいですか?

気持ちだけで伝えると、言い合いになりがちです。1週間の記録を見せ、「ワンオペの日は18時から21時まで一人で回している」のように時間で伝えると、負担の偏りが伝わりやすくなります。全部を半分にするのではなく、「朝の送りだけ」「休日の洗濯だけ」など、具体的な担当を一つずつ決めていく方法もあります。

早番の日は、朝に子どもとの時間がまったくありません。

早番の日は、朝を「時間をつくる日」と考えず、夕方や夜に短い時間を確保する日と割り切る方法があります。前の晩に持ち物と服をそろえておく、朝食を簡単なものに決めておくなど、朝の段取りを減らすと、出かける前に数分でも子どもと話す余裕が生まれます。早番の回数そのものが多いなら、シフトの相談も考えてください。

子どもとの時間を優先して転職すると、収入は下がりますか?

職場によって違うため、一概には言えません。遅番や残業が減ると手当や残業代が減ることはありますが、延長保育の料金や外食の費用が減るなど、支出が下がることもあります。転職を考えるときは、給与だけでなく、家計全体で比べてみてください。

参考にした資料

  1. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  2. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  3. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  4. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  5. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  6. e-Gov法令検索「労働基準法」
  7. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  8. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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