保育士が書類少ない園を探すなら|特徴と行事の見極め方

18時を過ぎた職員室で、机の上に積まれたものを数えてみる。連絡帳が18冊、週案の下書きが1枚、個別の指導計画が3人分、昼に起きたヒヤリハットの報告書が1枚。引き出しには、月末に出すおたよりの下書きが入ったまま。そして来月は運動会、その2か月後には発表会が控えています。

子どもと過ごす時間は好きなのに、書類と行事の準備に追われて、その時間が削られていく。「もっと書類が少ない園はないのだろうか」「行事の少ない園なら、落ち着いて保育ができるのでは」と考えるのは自然なことです。実際に、記録の仕組みや行事の考え方によって、書類や行事の負担が軽い園はあります。

ただし、「少ない」には理由があり、少ないことで手放すものもあります。この記事では、書類や行事が少ない職場に共通する特徴と、求人票や見学での確かめ方、そして少ないことのデメリットまでを正直にまとめました。読み終えるころには、自分が本当に減らしたいのは何なのかが見えてくるはずです。

この記事でわかること

  • 書類や行事が少ない園に共通する4つの仕組み
  • 書類の負担が軽い園と重くなりやすい園の違い
  • 行事の数ではなく「行事の型」で負担を見分ける方法
  • 求人票と見学で「少ない」を確かめるチェックリスト
  • 書類や行事が少ないことのデメリットと、向いている人

結論

保育士にとって「書類少ない園」とは、書類の種類そのものがない園ではなく、記録の様式を簡素にし、ICTで二重書きをなくし、書く時間を勤務時間内に確保している園のことです。保育所には指導計画や保育の記録など欠かせない書類があるため、ゼロにはなりません。行事も同じで、数の多さより、準備を日常の保育の延長で行っているかどうかで負担が大きく変わります。探すときは求人票の言葉だけで判断せず、見学で記録の様式と行事の準備期間を確かめ、少ないことで失うもの(育ちを振り返る材料や行事の手ごたえ)とも比べて選ぶと、後悔しにくくなります。

01「書類が少ない園」は、書類がゼロの園ではない

要点:書類の負担が軽い園は、書類の数を減らしているというより、書く手間と書く時間の使い方を変えています。その仕組みが分かると、求人を見る目が変わります。

保育の書類には、指導計画(年間・月案・週案)、日々の保育日誌、個人記録、連絡帳、おたより、ヒヤリハットや事故の報告、行事の計画書などがあります。どれも子どもの安全や育ちを支えるためのもので、どの園でもある程度は書く必要があります。それでも園によって負担が大きく違うのは、同じ内容を何度も書き写していないか、書く時間が勤務の中にあるか、といった仕組みの差があるからです。

図1

  • 1

    様式の簡素化

    日誌と週案の欄を一本化する、個人記録をチェック式にするなど、書く量そのものを減らしている

  • 2

    ICTでの記録

    登降園管理、連絡帳、指導計画を同じシステムで入力し、手書きからの写し直しをなくしている

  • 3

    書く時間の確保

    シフトの中に書類や準備のための時間(ノンコンタクトタイム)を組み込み、午睡中だけに頼らない

  • 4

    行事の見直し

    行事の数を絞る、または普段の遊びをそのまま見せる形にして、準備の量を減らしている

図1 書類と行事の負担を軽くしている園の4つの仕組み

国も「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」で、ICTの活用、保育補助者の活用、記録・書類の見直し、働き方の見直しの事例を紹介しています[1]。書類を減らす取り組みは、一部の園の特別な工夫ではなく、国が後押ししている方向でもあります。

事務の負担を減らしたいのは、多くの保育士に共通する願い

東京都の保育士実態調査で、今の職場で改善してほしい項目を聞いたところ、「事務・雑務の軽減」は40.1%で、給与や職員数の増員に次いで多く挙がっていました[2]。書類を減らしたいと考えるのは、あなただけではありません。

図2

現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[2]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図2 現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[2]

この表で、事務の軽減と職員数の増員が並んでいる点にも目を向けてください。書類の時間が取れないのは、多くの場合、子どもから離れられる人手がないからです。書類が少ない園を探すことは、人の配置に余裕のある園を探すことと、かなりの部分で重なっています。

02書類が少ない園に共通する特徴

要点:書類の負担が軽い園は、「書く量」「書き写す回数」「確認の手順」「書く時間」の4つが整理されています。求人票では分かりにくいため、見学で書類の実物や入力画面を見せてもらうのが近道です。

書類が多い園で働いていると、何がどれだけ多いのかが分からなくなっていることがあります。下の表は、書類の負担が軽い園と重くなりやすい園で、よく見られる違いを並べたものです。今の園がどちらに近いかを考えながら読むと、次の職場で何を確かめればいいかが見えてきます。

図3

項目負担が軽い園負担が重くなりやすい園
連絡帳アプリで入力。乳児は定型の項目+一言手書きで毎日びっしり。清書を求められる
指導計画月案と週案の書式が連動し、同じことを書き写さない月案・週案・日誌に同じ内容を何度も書く
個人記録チェック式+気づいたことだけ文章で残す全員分を毎月長文で書く
おたよりテンプレートがあり、クラスごとの文章は短い毎月一から作り、手書きのイラストを求められる
確認の手順主任が一度見て終わり主任、副園長、園長と何度も赤字が入る
書く時間シフトに書類の時間がある午睡中に詰め込み、残りは持ち帰り
図3 書類の負担が軽い園と、重くなりやすい園の違い

特に見落としやすいのが「確認の手順」です。同じ週案でも、一度の確認で終わる園と、三人の目を通って何度も書き直しになる園とでは、かかる時間が何倍も違ってきます。書類の量は少なくても、赤字の書き直しが多い園は負担が重く感じられます。

ICTが入っていても、二重書きなら負担は減らない

「ICT導入済み」と書かれた求人は多くなりましたが、中身はさまざまです。国の調査では、登降園管理・計画や記録・保護者連絡・キャッシュレス決済の4機能をすべて導入している施設は11.7%、いずれか一つでも導入している施設は80.8%でした[3]。登降園の打刻だけがシステムで、連絡帳や週案は手書きのまま、という園も多いということです。見学では「連絡帳と指導計画も入力していますか」「紙と両方で書いている書類はありますか」と、使っている範囲まで聞いてください。

書類が少ない園では、口頭のやりとりが増えることもある

書類を簡素にしている園では、そのぶん、朝夕の短いミーティングや口頭での引き継ぎで情報を共有していることがよくあります。書くのは苦手でも話すのは得意、という人には働きやすい環境です。反対に、記録に残っていない情報を覚えておくのが苦手な人は、最初のうち戸惑うかもしれません。書類の少なさは、情報の伝え方の違いでもあると考えておくと、入職後のギャップが小さくなります。

03行事が少ない園・行事の負担が軽い園の見分け方

要点:行事の負担は、行事の数より「準備をどこでするか」で決まります。行事の数が多くても普段の保育の延長で行う園は負担が軽く、数が少なくても一つひとつを大がかりに作る園は負担が重くなります。

運動会、発表会、夏祭り、お泊まり保育、作品展。行事の多さは、求人票ではなかなか分かりません。また、行事の数だけを比べると判断を誤ることがあります。行事の負担の正体は、衣装や大道具の制作、何週間も続く練習、行事前の残業と持ち帰りです。これらを保育の時間内でまかなえるかどうかが、負担の重さを左右します。

図4

大がかり型

発表会や運動会を毎年大きく作り込む。衣装や大道具を職員が手作りし、練習期間も長い

負担が重くなりやすい

日常の延長型

普段の遊びや取り組みをそのまま見せる。衣装は簡単なもの、練習は普段の保育の中で

行事はあるが負担は軽め

縮小・分散型

行事の数を絞る、または学年ごとに日をずらして小さく行う。準備も分担しやすい

時期によって負担が偏りにくい

少行事型

誕生会や季節の行事など、園内の小さな行事が中心。保護者参加の大きな行事はほとんどない

負担は軽いが手ごたえも小さめ

図4 行事の4つの型と、保育士の負担の目安

見学で行事について聞くときは、「行事はいくつありますか」より、「発表会の衣装は誰がいつ作りますか」「行事の練習は何週間前から始めますか」と聞くほうが、実態がよく分かります。制作物や行事の準備の負担については制作物の負担を減らす方法でも詳しく触れています。

行事の数より「時期の重なり」を見る

年間の行事が同じ数でも、秋から冬に運動会、作品展、発表会が続けて入っている園と、1年の中に散らばっている園とでは、体感の忙しさがまったく違います。行事が重なる時期は、準備の残業に加えて、普段の書類も後回しになりやすく、持ち帰りが一気に増えます。年間の行事予定表を見せてもらったら、行事が何月に集中しているか、行事と行事の間に何週間の余裕があるかを確かめてください。数が少なくても、一つの時期に固まっている園は、その数か月だけ大きな負担がかかります。

職場のタイプによって、傾向はある

定員の少ない小規模保育や企業内保育、病院の院内保育などは、保護者参加の大きな行事が少ない傾向があります。一方で、園によっては少人数だからこそ一人で担う業務の範囲が広く、掃除や事務を幅広く受け持つこともあります。認可保育園でも、法人の方針によって行事の考え方は大きく違います。職場のタイプごとの特徴は職場タイプの選び方で整理しているので、園種で絞る前に目を通しておくと、選択肢を狭めすぎずに済みます。

04求人票と見学で「少ない」を確かめる

要点:「書類少なめ」「行事は最小限」という求人票の言葉は、見学で裏づけを取って初めて判断材料になります。書類の実物、行事の年間予定、準備の時間の3つを見せてもらうと、ほぼ実態がつかめます。

求人票に「書類少なめ」と書いてあっても、何と比べて少ないのかは書かれていません。前の職場が極端に多かった職員にとっての「少ない」かもしれないからです。見学では、言葉ではなく実物と予定表を見せてもらいましょう。

図5

  • 連絡帳と週案の実物(または入力画面)を見せてもらえますか書く量と様式が一目で分かります
  • 月案・週案・日誌で、同じ内容を書き写すことはありますか二重書き、三重書きの有無を確かめます
  • 書類は誰が、何回確認しますか書き直しの多さは、確認の回数に比例しがちです
  • 書類の時間は、シフトのどこにありますか午睡中だけに頼っているかどうかが分かります
  • 年間の行事予定表を見せてもらえますか行事の数と、時期の偏りを確かめます
  • 行事の衣装や大道具は、誰がいつ作りますか職員の手作りが前提か、子どもと作るのかが分かります
  • 行事前の月は、退勤時刻が変わりますか行事の負担が残業に出ていないかを確かめます
  • 最近、減らした書類や行事はありますか見直しを続けている園かどうかが分かります
図5 書類・行事が少ないかを確かめる質問リスト

最後の質問は、意外に多くのことを教えてくれます。「昨年から日誌と週案を一本化しました」「運動会を午前中だけにしました」と具体的に答えられる園は、負担を減らそうとする話し合いが職員の間でできている園です。見学で聞きにくい質問の切り出し方は園見学で聞きたい質問も参考にしてください。

質問するときは、案内してくれる園長や主任だけでなく、できれば現場の保育士にも一言聞けると理想的です。「週案はどのくらいの時間で書けますか」と聞いて、園長は「30分くらい」、担任は「家でもう少し」と答えが分かれたら、それが実態を知る手がかりになります。全員に聞いて回る必要はありませんが、立場の違う人の答えを比べる視点は持っておくと役に立ちます。

05相談事例:「行事ゼロ」ではなく「行事が重くない園」を選んだ

要点:行事のない職場を探していたのに、最後は行事のある園を選んだモデルケースです。何を減らしたかったのかを見直したことが、選び方を変えました。

減らしたかったのは行事ではなく、行事前の持ち帰りだった

相談事例(モデルケース)

お名前
めぐみさん(仮名)・38歳
保育士歴
14年目(相談当時)
勤務先
私立認可保育園(定員約120名)、5歳児クラス担任 → 定員約60名の認可保育園へ転職
家族
夫、小学生の子ども2人
変化
持ち帰り 行事前は月約20時間 → 月2時間程度/書類 手書き中心 → 連絡帳と週案はアプリ入力

編集部最初は、どんな職場を探していましたか。

めぐみさん

とにかく行事のないところ、と思っていました。前の園は発表会の衣装を全部職員が手作りする園で、毎年秋になると、子どもを寝かせたあとにミシンを出していたんです。だから、行事がほとんどない企業内の保育施設を第一候補にしていました。

編集部そこから考えが変わったのは、なぜですか。

めぐみさん

見学したら、本当に静かで落ち着いていて、いい場所だったんです。でも帰り道に、なんだかさびしいなって思っている自分がいて。相談のときに「減らしたいのは行事そのものですか、それとも行事前の持ち帰りですか」と聞かれて、はっとしました。子どもが舞台で胸を張る姿を見るのは、ずっと好きだったんですよね。

編集部最終的に選んだ園の、決め手は何でしたか。

めぐみさん

発表会はあるけれど、普段のごっこ遊びをそのまま見せる形で、衣装は子どもと一緒に作るか、簡単な既製品を使う園でした。年間の行事予定表を見せてもらったら、大きな行事は3つだけ。準備は保育の時間内にやると、主任の先生がはっきり言ってくれました。連絡帳と週案がアプリで書けるのも大きかったです。

編集部移ってみて、どう変わりましたか。

めぐみさん

行事前の持ち帰りが、月20時間くらいから2時間くらいになりました。今年の発表会は、夜にミシンを出さずに迎えられたんです。子どもたちの宿題を見てあげられる日も、週に1〜2日から、ほぼ毎日になりました。

行事がつらいんじゃなくて、行事のために家の時間がなくなるのがつらかったんだって、自分でもやっと分かりました。

めぐみさん(仮名)

めぐみさんは、ほかにも行事のほとんどない施設を含む2か所を比べたうえで、年度の区切りに転職しました。前の園より給与はわずかに下がりましたが、行事前の残業がなくなったことを考えると、納得できる差だったそうです。

このケースで大切なのは、「書類や行事が少ない園」という大きな条件を、「行事前に家で制作をしなくて済む園」という具体的な条件に言い換えたことです。条件が具体的になると、行事のある園も候補に残り、自分にとっての手ごたえを手放さずに済みました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

めぐみさんのように、探し始めの条件と最後に選んだ条件が変わることは珍しくありません。見学で「なんだか違う」と感じたときは、その違和感を言葉にしてみると、本当に求めているものが見えてきます。「静かすぎた」「子どもの作品が少なかった」「職員同士の会話が少なかった」など、感じたことをその日のうちにメモしておくと、あとで比べるときの材料になります。

06書類や行事が少ないことのデメリットも知っておく

要点:書類や行事が少ない職場には、負担が軽いぶんだけ手放すものもあります。育ちを振り返る材料が減る、経験が積みにくい、保護者との接点が減るといった面を知ったうえで選ぶと、移ってからの「こんなはずでは」を防げます。

負担が軽いことばかりに目が向くと、少ないことの裏側を見落としがちです。ここでは、相談の場でよく聞く「移ってから気づいたこと」をもとに、主なデメリットを挙げます。

記録が少ないと、振り返る材料も少なくなる

記録の量が減ると、子どもの小さな変化をあとから振り返る手がかりも減ります。保護者から「最近うちの子はどうですか」と聞かれたときに、具体的なエピソードで答えにくくなることもあります。簡素な記録の園で働くなら、気づいたことを短くメモする習慣を自分で持っておくと安心です。

指導計画や行事の企画の経験が積みにくい

書類や行事が少ない園で長く働くと、指導計画を一から立てる経験や、行事を企画して動かす経験が少なくなります。将来、主任やリーダーを目指したい人や、別の園に移る可能性がある人は、その経験をどこで積むかを考えておく必要があります。

保護者や子どもとの「節目」が減る

行事は、保護者が子どもの成長を実感し、職員と保護者が言葉を交わす機会でもあります。行事が少ない園では、その節目が減るぶん、日々のお迎えのときの会話がより大切になります。めぐみさんのように、行事の手ごたえが自分の支えになっていた人は、減らしすぎるとさびしさを感じることもあります。

給与や手当の形が変わることもある

行事前の残業が多かった人は、残業が減ると残業代も減ります。また、規模の小さな施設や認可以外の施設では、給与の決まり方や手当の種類が今の園と違うこともあります。書類や行事の負担だけで比べず、月の手取りと年間の賞与、手当の内訳も並べて比べてください。負担が減ったぶんと収入が変わるぶんを両方見たうえで、「この差なら納得できる」と思えるかどうかが判断の目安になります。

図6

今いちばん負担に感じているのは何か

  1. 書く時間が足りないICTで記録し、書類の時間がシフトにある園を探す
  2. 書き直しが多い書類の確認が一度で終わる園、様式が簡素な園を探す
  3. 行事前の制作や持ち帰り行事を日常の延長で行い、準備を保育時間内にする園を探す
  4. 行事そのものが苦手保護者参加の大きな行事が少ない小規模保育や企業内保育も候補に入れる
  5. 書類も行事も、何もかもがつらい職場選びの前に、心身の疲れが出ていないかを確かめ、休むことや相談を優先する
図6 何を減らしたいかで、合う職場は変わる

最後の行に当てはまる人は、職場の条件より先に、自分の状態を見てあげてください。眠れない、食欲がない日が続いているなら、かかりつけ医や心療内科に相談することも選択肢です。働く人の悩みを電話で聞く「こころの耳電話相談」(0120-565-455)は、平日17時〜22時、土日10時〜16時に受け付けています[4]。

07今の園で書類を減らせる余地もある

要点:書類が少ない園を探すのと並行して、今の園で減らせる書類がないかを確かめる価値はあります。様式の一本化やICTの導入は、園にとっても国の補助を使える取り組みだからです。

書類の多さに悩んでいる保育士は、たいてい同じ園の中にほかにもいます。一人で「書類を減らしてほしい」と言うのは勇気がいりますが、「日誌と週案で同じことを書いているので、欄をまとめられませんか」のように具体的な提案にすると、園長も検討しやすくなります。

園の側にも、取り組みを後押しする制度があります。保育所等のICT化を進める事業では、システムの導入費の一部が補助され、4つの機能を入れる場合は端末の購入などを含めて上限130万円とされています[5]。また、令和8年度には公定価格に「保育ICT推進加算」が設けられました[6]。園長に提案するときに「国の補助もあるようです」と添えると、話が前に進みやすくなります。

書類の時間の作り方や減らし方は書類が終わらないときの効率化で、仕事を減らしてほしいと伝える方法は仕事を減らしてほしいときの伝え方で紹介しています。残業全体の対処法をまとめて知りたい場合は保育士の残業が多いときの対処法から読むと全体像がつかめます。

今の園で変えるか、書類や行事の少ない園へ移るか、すぐに決める必要はありません。ほいくの相談室では、転職を決める前の段階でも、「何を減らしたいのか」を一緒に整理するところから話を聞いています。

よくある質問

書類がまったくない保育園はありますか?

保育を行ううえで、指導計画や保育の記録、事故やヒヤリハットの報告などは欠かせないため、書類がまったくない園は考えにくいものです。探すなら「書類がない園」ではなく、「書く手間と時間が整理されている園」を目安にすると現実的です。

行事が少ない園は、保護者からの評判が悪くなりませんか?

行事の数だけで評判が決まるわけではありません。行事が少ない園では、日々の連絡やお迎えのときの会話で子どもの様子を伝える工夫をしていることが多くあります。見学のときに、保護者への伝え方を聞いてみると園の考え方が分かります。

書類が少ない園を、求人票だけで見分ける方法はありますか?

求人票の「ICT導入」「書類少なめ」といった言葉はヒントになりますが、それだけでは判断できません。書類の時間がシフトにあるか、連絡帳や週案をどこまでシステムで書いているかを、見学や面接で確かめるのが確実です。

書類や行事が少ない園に移ると、キャリアに不利になりますか?

不利になるとは限りませんが、指導計画を一から立てる経験や行事を企画する経験は積みにくくなります。将来リーダーや主任を目指したい場合は、どんな経験を積めるかを面接で聞いておくと安心です。

小規模保育園なら、書類も行事も少ないですか?

保護者参加の大きな行事が少ない傾向はありますが、書類の量は園の仕組みによります。少人数のぶん、一人が担う業務の範囲が広い園もあるため、見学で一日の仕事の流れを聞いておくことをおすすめします。

参考にした資料

  1. 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  3. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  4. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  5. こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
  6. こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」(2026年4月)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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