保育士の複数内定の比較方法|転職先が決められない時の決め方

冷蔵庫の扉に、2枚の求人票がマグネットで留めてある。片方は月給が少し高く、もう片方は自宅から自転車で10分。夕食の片づけをしながら何度も見比べて、家族に「どっちがいいと思う?」と聞くと、「自分が行きたいほうでいいんじゃない」と返ってくる。その「行きたいほう」が分からないから困っているのに。

複数の園から内定をもらえたのは、それだけ経験や人柄が評価されたということです。それなのに、選べる立場になったとたん、決められなくなる人は少なくありません。給料、休み、通勤、保育方針、園の雰囲気。比べる項目が多すぎて、どれを重く見ればいいのか分からなくなるのです。片方を選ぶことは、もう片方を手放すことでもあります。その怖さが、決断をさらに重くします。

この記事では、保育士が複数の内定や候補で迷ったときに、条件を同じ物差しでそろえて比べる方法と、自分にとっての大事さで重みを付けて決める手順を紹介します。点数が並んだときの最後の確かめ方も合わせてまとめました。

この記事でわかること

  • 複数の内定や候補で、転職先を決められなくなる理由
  • 給与・休日・勤務時間を同じ単位にそろえる比較表の作り方
  • 自分の優先順位で重みを付けて点数化する手順と計算の例
  • 点数が拮抗したときの最終確認と、決めたあとの気持ちの整え方

結論

保育士が複数の内定や候補で迷ったときは、まず給与を年収、休みを年間休日、勤務を1日の拘束時間、残業と持ち帰りを月の時間というように、条件を同じ単位にそろえて一枚の表に並べます。そのうえで、自分にとっての大事さに応じて項目ごとに重みを付け、各園を点数化すると、感覚だけでは見えなかった差がはっきりします。比べる数字は求人票ではなく、労働条件通知書など内定時の書面から取るのが前提です。点数の差が小さい場合は、見学や面接で感じた違和感と、3年後もそこで働いている自分を想像できるかどうかで最終判断します。

01転職先を決められないのは、比べる物差しがそろっていないから

要点:A園は月給、B園は年収で示されている。片方は年間休日、もう片方は「週休2日制」と書かれている。単位がばらばらのままでは、どれだけ見比べても差は見えてきません。

求人票は園ごとに書き方が違います。給与ひとつとっても、基本給だけを書いている園、手当込みの月給を書いている園、賞与を含めた年収の目安を書いている園があります。休日も「年間休日120日」「週休2日制(土曜は月1回出勤)」「シフト制」など表現が違い、そのままでは比べようがありません。

決められない原因の多くは、優柔不断な性格ではなく、比べるための材料がそろっていないことにあります。材料を同じ形にそろえるだけで、迷いの半分ほどがほどけることも珍しくありません。

図1

  • 1

    給与は「年収」で

    月給×12か月に賞与を足し、毎月確実に出る手当と、条件付きの手当を分けておく

  • 2

    休みは「年間休日」で

    週休の形、土曜保育の頻度、夏季・年末年始休暇を合わせて、年間の日数にする

  • 3

    勤務は「1日の拘束時間」で

    早番から遅番まで、休憩を含めて園にいる時間を比べる

  • 4

    残業は「月の時間」で

    残業と持ち帰りを合わせて、月に何時間になりそうかを見積もる

  • 5

    通勤は「片道の分数」で

    雨の日や子どもの送迎も含めた、実際にかかる時間で比べる

図1 比べる前にそろえておく5つの単位

保育士が「次の職場」で見ておきたい項目

比べる項目を決めるときの参考として、保育士が今の職場で改善を望んでいることを見てみましょう。東京都の調査では、給与・賞与等の改善が62.7%、職員数の増員が48.6%、事務・雑務の軽減が40.1%と続いています[1]。

図2

現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

給与・賞与等の改善62.7%
職員数の増員48.6%
事務・雑務の軽減40.1%
職員間のコミュニケーション26.8%
勤務シフトの改善25.1%
図2 現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]

給与だけでなく、人の数、事務の量、職員同士の関係、シフトといった項目が並んでいます。複数の園を比べるときも、給与と休日だけでなく、こうした「毎日の働きやすさ」に関わる項目を入れておくと、入職後のずれを減らせます。

02候補が3つ以上あるときは、先に「足切り条件」で絞る

要点:候補が多いときは、いきなり細かく比べず、「これを満たさないなら選ばない」という条件で先に絞ります。比較表で丁寧に比べるのは、残った2〜3園だけで十分です。

内定が2つならまだしも、選考中の園も含めて候補が4つ、5つとあると、比較表を作るだけで疲れてしまいます。そこで、最初に「足切り条件」を決めます。足切り条件とは、どれだけほかの条件が良くても、これを満たさないなら選ばないという最低ラインのことです。

  • 子どもの送迎に間に合う時間に退勤できる
  • 片道の通勤が45分以内
  • 持ち帰り仕事がない、または月に数回程度
  • 手取りが今の園を下回らない

足切り条件は、多くても3つまでにしておきます。4つ以上並べると、どの園も条件を満たせず、全部が足切りされてしまうことがあるからです。条件を決めたら、候補の園を一つずつ当てはめ、満たさない園は比較の対象から外します。外した園のことは、いったん忘れて構いません。

残った園が1つだけなら、それが今のあなたにとっての答えに近いはずです。2〜3園残ったら、次の比較表と点数化に進みます。全部が足切りされてしまった場合は、条件が厳しすぎるか、今の候補の中にはまだ合う園がないということです。どちらなのかを見極めるためにも、足切り条件を書き出しておく意味があります。

03比較表の作り方:書面の数字を同じ項目に並べる

要点:比較表は、求人票ではなく、内定時の労働条件通知書や面接で確認した内容をもとに作ります。分からない欄は空けたままにせず、園に質問して埋めます。

紙でもスマートフォンのメモでも構いません。縦に比べる項目、横に園の名前を並べた表を作ります。項目は10個前後が目安です。多すぎると、かえって判断がぼやけます。

図3

項目A園(私立認可・定員90名)B園(企業主導型・定員30名)
年収の見込み例:約360万円(賞与年2回を含む)例:約335万円(賞与年1回を含む)
年間休日例:110日(土曜保育は月2回)例:120日(土日祝休み)
1日の拘束時間例:7時〜19時のシフト制で9時間例:8時〜17時の固定で9時間
残業・持ち帰り例:月5時間程度、行事前は持ち帰りあり例:月2時間程度、持ち帰りなし
担当の想定例:3歳児クラス担任例:0〜2歳の乳児クラス
通勤例:自転車で10分例:電車で35分
契約・異動例:正社員、法人内異動の可能性あり例:正社員、異動なし
図3 複数内定の比較表の例(A園とB園の数字は例)

比較表を作るときに迷いやすいのが、書面に書かれていないことの扱いです。「行事前の持ち帰り」「休憩の取り方」のように、書面には出てこないけれど毎日の働きやすさを左右する項目は、面接や見学で聞いた内容をメモから書き写し、「聞いた話」と分かるように印をつけておきます。書面の数字と、聞いた話を区別しておくと、あとで見直すときに判断を誤りにくくなります。

給与は「確実に出るお金」と「条件付きのお金」を分ける

給与を比べるときは、毎月確実に支払われるものと、条件によって変わるものを分けて書いておくと、見込み違いを防げます。処遇改善のための加算は、令和7年度から区分1〜3の「処遇改善等加算」に一本化されています[2]。どの区分をどう給与に反映しているかは園によって違うため、「処遇改善の分は月給に含まれていますか、別の手当として支給されますか」と確かめておきましょう。

家賃の補助も、園によって差が出やすい項目です。国の保育士宿舎借り上げ支援事業は、令和8年度は「採用された日から起算して5年以内の常勤の保育士」が対象とされています[3]。経験年数によっては対象外になることもあるため、自分が当てはまるかを園や自治体に確認してから、比較表に入れてください。処遇改善の確かめ方は転職先で処遇改善を確かめる方法で詳しく紹介しています。

配置と担当は「人数」で聞く

保育所の保育士の最低基準は、1〜2歳児おおむね6人につき1人以上、3歳児おおむね15人につき1人以上などと定められています[4]。実際には、これより多く職員を配置している園も、加配の職員やパートの保育補助を置いている園もあります。「担当するクラスは、何人の子どもを何人の職員でみていますか」と人数で聞くと、毎日の忙しさを比べやすくなります。

通勤は、実際の時間帯に一度たどってみる

地図アプリで調べた通勤時間は、早番や遅番の時間帯の実際とずれることがあります。早番が7時なら6時台、遅番が19時までなら19時台に、実際に自転車や電車で園まで行き来してみると、坂道の多さ、駐輪場の場所、電車の本数、夜道の暗さが分かります。子どもの保育園や学童に寄ってから出勤・帰宅する人は、その寄り道も含めて時間を測ってください。比較表の「通勤」の欄は、こうして確かめた分数で書いておくと、数字の信頼度が上がります。

04重みを付けて点数化する:決め方の手順

要点:比較表ができたら、項目ごとに「自分にとってどれくらい大事か」で重みを付け、各園を5段階で評価します。重み×評価の合計で比べると、感覚と数字のずれが見えてきます。

比較表を眺めているだけでは、A園は給料が高い、B園は休みが多い、とそれぞれの良さが目について、結局どちらにも決められないことがあります。そこで、項目ごとの大事さを数字にして、合計で比べます。

図4

  1. 項目ごとに重みを付ける

    比較表の項目それぞれに、自分にとっての大事さを3(とても大事)、2(大事)、1(あればうれしい)で付けます

  2. 各園を5段階で評価する

    項目ごとに、各園を1〜5点で評価します。迷ったら3点にします

  3. 重み×評価を計算する

    項目ごとに重みと評価を掛け合わせ、園ごとに合計点を出します

  4. 合計点と気持ちを比べる

    点数が高かった園で働く自分を思い浮かべ、ほっとするか、がっかりするかを確かめます

  5. 気持ちとずれた理由を書く

    がっかりした場合は、表に入っていない項目がないかを探し、表に加えてもう一度計算します

図4 複数内定を点数化して決める手順

例:いちばん大事なのが「持ち帰りがないこと」(重み3)、次が「年収」(重み2)と「通勤」(重み2)、最後が「担当クラス」(重み1)だとします。A園は持ち帰り2点、年収5点、通勤5点、担当クラス4点。B園は持ち帰り5点、年収3点、通勤3点、担当クラス4点。A園は3×2+2×5+2×5+1×4で30点、B園は3×5+2×3+2×3+1×4で31点になります。

この例では、A園のほうが給料も通勤も良いのに、合計ではB園がわずかに上回りました。数字を出したことで、「持ち帰りがない」という条件を自分がどれだけ重く見ているかに気づけます。逆に、点数の高い園を思い浮かべて胸が重くなったなら、表には書いていない何かを、自分が大事にしているということです。

重みが付けられないときは

どの項目も同じくらい大事に思えて、重みが付けられないこともあります。その場合は、「この条件が今の園と同じだったら、転職する意味がなくなるもの」を探してください。今の園を辞めたいと思った理由に直結する項目が、いちばん重い項目です。持ち帰りがつらくて転職を考えたなら持ち帰り、遅番が週4回あって家族との時間が取れなかったならシフトが、それにあたります。優先順位の付け方は転職の優先順位の決め方で詳しく紹介しています。

雇用形態が違う候補を比べるとき

正社員とパート、認可保育園と児童発達支援のように、雇用形態や職場の種類が違う候補を比べるときは、表に「社会保険」「賞与」「契約期間と更新」の行を足しておきます。短時間で働く人の社会保険の加入要件は、2026年10月に賃金要件(月8.8万円以上)が撤廃され、週の所定労働時間20時間以上などの要件が残る形になりました[5]。同じ時給でも、加入の有無で手取りや将来の年金が変わるため、園に加入の見込みを確かめておくと比べやすくなります。

05点数が拮抗したときの最終確認

要点:合計点の差が小さいときは、数字の外にある情報で決めます。見学や面接で感じた違和感、職員の様子、3年後の自分の姿の3つを確かめます。

図5

合計点の差が数点しかない

  1. もう一度見学させてもらう内定後に、保育中の様子を見せてもらえないか相談する。朝の受け入れや午睡明けなど、前回と違う時間帯を見るとよい
  2. 現場の職員と話す機会をもらう園長だけでなく、同じクラスに入る予定の職員と少し話せないか頼んでみる
  3. 違和感を言葉にする面接や見学で引っかかったことを書き出し、それが入職後も続くものかを考える
  4. 3年後の自分を想像する3年後、その園でどのクラスを担当し、どんな生活をしているかを具体的に思い浮かべる
  5. 信頼できる人に説明してみる比較表を見せながら、なぜ迷っているかを誰かに話す。話しているうちに本音が出てくることがある
図5 点数の差が小さいときの決め手

小さな違和感を軽く見ない

面接で「残業はほとんどありません」と言われたのに、見学のときに職員室の机に制作物が山積みになっていた。園長の説明と、すれ違った職員の表情が合っていなかった。こうした小さな違和感は、比較表には書きにくいものです。けれど、入職後に「やっぱり」と思うのは、たいていこうした部分です。点数が拮抗しているなら、違和感の少ないほうを選ぶのは理にかなった判断です。

もう一度見学するなら、見ておきたい場面

内定後の見学をお願いできたら、前回とは違う時間帯を選び、次の3つの場面に目を向けてみてください。一つ目は、朝の受け入れの時間です。保護者とのあいさつや、泣いている子への声のかけ方に、その園の余裕が表れます。二つ目は、午睡中の職員の過ごし方です。連絡帳や書類を書く時間が取れているか、職員同士が話しているかが分かります。三つ目は、夕方の降園の時間です。延長保育に入る職員の人数や、遅番の職員の表情から、1日の終わりの負担が見えてきます。

内定の返事の期限も確認しておく

比べているうちに、片方の園の返事の期限が近づいてくることがあります。期限を延ばしてもらいたいときは、早めに理由と日付を伝えて相談します。頼み方は内定の返事の期限と伝え方にまとめています。

06相談事例:年収の高い園ではなく、点数の高い園を選んだ

要点:年収で30万円ほど差のある2つの内定で、3週間決められなかった保育士さんのモデルケースです。点数化で何に気づいたのかに注目してください。

給料の差を「時間」に置き換えたら、迷いが消えた

相談事例(モデルケース)

お名前
いちかさん(仮名)・38歳
保育士歴
13年(うち子育てによるブランク2年)
勤務先
私立の認可保育園(定員約100名)、3歳児クラス担任。認定こども園と小規模保育園から内定
家族
夫、小学5年生と小学2年生の子ども
変化
迷っていた期間 約3週間 → 比較表を作ってから4日で決定。帰宅時間 19時半ごろ → 18時15分ごろ

編集部2つの内定が出たとき、どんな気持ちでしたか。

いちかさん

最初はうれしかったんですけど、すぐに苦しくなりました。こども園のほうが年収で30万円くらい高かったんです。家計のことを考えたら、こっちだよねって頭では思うのに、なぜか承諾の電話をかけられなくて。3週間、毎晩求人票を見比べてました。

編集部比較表を作ってみて、何が分かりましたか。

いちかさん

相談のときに「項目ごとに重みを付けてみましょう」と言われて、やってみたんです。そしたら、私が一番重くしたのは「18時までに家に帰れること」で、年収は2番目だったんですよね。上の子が来年から塾に通い始めるので、夕方は家にいたかった。それを自分で数字にして、初めて「ああ、だから電話できなかったんだ」って腑に落ちました。

編集部点数ではどうなりましたか。

いちかさん

小規模の園が42点、こども園が38点でした。差は4点なので、決め手にするには微妙で。それで、小規模の園にもう一回だけ見学をお願いしたんです。午睡の時間に行ったら、職員さん3人で翌週の散歩のルートを話していて、笑い声も聞こえて。ここなら分からないことを聞きやすそうだなって思いました。

編集部給料が下がることへの迷いはありませんでしたか。

いちかさん

ありました、正直。でも、相談した人に「年収は30万円の差だけど、そのぶん何が手に入るかを書いてみて」と言われて。書いてみたら、夕方の時間が1日1時間ちょっと、週5日。月にすると20時間以上です。それなら納得できると思いました。どっちがいいとは一度も言われなかったので、自分で決めたって思えたのがよかったです。

給料の差を、子どもと過ごす時間に置き換えたら、迷いがすっと消えました。

いちかさん(仮名)

いちかさんは小規模保育園を選び、こども園には電話で辞退を伝えました。入職して半年、帰宅時間は以前の19時半ごろから18時15分ごろになり、行事前の持ち帰りもなくなったそうです。年収は下がりましたが、賞与の時期にも「選び直したい」と思ったことはないと話しています。

このケースで大きかったのは、点数を出したことで「なぜ決められなかったのか」が分かったことです。数字は答えを出す道具というより、自分の本音を見つける道具として使うと、決めたあとの納得感が変わります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

いちかさんの場合、比較表の中で「年収」は確かに大事な項目でした。それでも、重みを付けてみると、それより重いものが自分の中にあったのです。迷いが長引いているときは、比べる情報を増やすより、自分の重みを確かめるほうが近道になることがあります。

07「正解の園」を探しすぎないために

要点:どの園を選んでも、入ってみて初めて分かることは残ります。完璧な園を探し続けるより、選んだあとにどう向き合うかを決めておくほうが、気持ちは安定します。

1. どの園にも、合わない部分は残る

比較表をどれだけ丁寧に作っても、入職してみないと分からないことはあります。同じクラスに入る職員との相性、保護者の雰囲気、行事の本当の忙しさ。点数が高い園を選んでも、合わない部分はどこかに出てきます。それは選び方を間違えたからではなく、どの職場にもあることです。「ここは合わない」と感じたときに、比較表を見返して「それでも、この条件を優先して選んだ」と思い出せれば、一つの不満で全体を否定せずに済みます。

2. 選んだあとは、比べるのをやめる

転職先を決めたあとも、断った園の求人をつい見てしまう人がいます。気持ちは分かりますが、比べ続けると、選んだ園の良いところが見えにくくなります。入職して最初の3か月は、新しい環境に慣れるだけで精一杯の時期です。その間は判断を保留して、目の前の子どもたちと、新しい同僚との関係づくりに力を使ってください。

作った比較表は、捨てずに取っておくことをおすすめします。入職してしばらくたったころに見返すと、「この条件を大事にして選んだ」という自分の考えを思い出せます。もし本当に合わないと感じる日が来ても、どの項目が想定と違ったのかを確かめる材料になり、次の判断を落ち着いて進められます。

迷っている間は、自分の考えを誰かに説明してみるだけでも、重みの付け方が見えてくることがあります。ほいくの相談室では、どちらの内定も断って今の園に残るという選択肢も含めて、転職するかどうかがまだ決まっていない段階から話を聞いています。比較表を作る前の、応募や面接の段階から振り返りたい人は、保育士の転職活動の進め方も参考にしてください。

よくある質問

内定を複数もらっていることを、それぞれの園に伝えてもいいですか?

伝えて構いません。返事の期限を相談するときには、ほかの園の選考が進んでいることを正直に話したほうが、相手も事情を理解しやすくなります。ただし、もう一方の園の条件を引き合いに出して交渉材料にするような言い方は、避けたほうが無難です。

家族の意見と自分の考えが違うときは、どうすればいいですか?

比較表と重みの付け方を家族にも見せて、どの項目を大事にしているかを共有してみてください。家族が気にしているのは年収や通勤など一部の項目であることが多く、重みを話し合うことで、意見の違いがどこにあるのかがはっきりします。

点数がまったく同じになってしまいました。

いちばん重みの大きい項目で、点数が高いほうを選ぶのが一つの方法です。それでも決められない場合は、両方の園で働く1日の流れを、朝から帰宅まで書き出してみてください。書いていて気持ちが楽になるほうが、今の自分に合っている可能性が高いといえます。

決めたあとに、断った園のほうが良かったと思ったらどうすればいいですか?

入職して間もない時期は、新しい環境の大変さが目につきやすく、断った園が良く見えがちです。まずは3か月ほど働いてみて、そのうえでも合わない理由がはっきりしているなら、園長や主任に相談するところから始めてください。

比較表を作る時間がないほど、返事の期限が迫っています。

時間がないときは、足切り条件を3つだけ書き、それを満たすかどうかで判断します。両方とも満たすなら、いちばん大事な項目1つだけで比べてください。それでも迷う場合は、期限の延長を相談するのも一つの方法です。

正社員とパートの内定で迷っています。

雇用形態が違う場合は、年収だけでなく、社会保険の加入、賞与、有給休暇、契約の更新などを比較表に加えて比べます。どちらの働き方が今の生活に合うかの考え方は正社員とパートのどちらを選ぶかも参考にしてください。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
  2. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  3. こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
  4. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
  5. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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