養成校の同期と久しぶりに集まった夜。話題がボーナスになったとき、公立の園に勤める友人が「今年も夏は2か月分ちょっとかな」と何気なく言った。私立の認可園で働く自分、企業内保育に移った友人、小規模保育で主任をしている友人。同じ年に資格を取って、同じくらいの年数働いてきたのに、聞けば聞くほど、給料の形がまるで違っていました。
保育士の給料は、勤め先の種類によって違うとよく言われます。けれど、どこがどう違うのか、なぜ違うのかを説明できる人は多くありません。「公立は安定している」「認可外は安い」といったイメージだけで職場を選ぶと、入ってから「思っていたのと違う」と感じることがあります。
以下では、公立と私立、認可と認可外、企業内保育、小規模保育で、保育士の給料がどう決まっているのかを比べ、その差が生まれる理由をひもときます。求人を見るときに、園の種類の名前ではなく、何を確かめればよいかが分かるようになるはずです。
この記事でわかること
- 公立・私立・認可外・企業内保育・小規模保育の給料の決まり方の違い
- 公立の正規職員と、非常勤(会計年度任用職員)の給料の違い
- 私立の認可保育園で、園ごとに給料の差が大きくなる理由
- 認可外や企業内保育、小規模保育の給料を確かめるときの視点
- 園の種類より先に確かめたい、給料の原資と配分のしかた
結論
保育士の給料は、園の種類そのものより「給料がどの仕組みで決まるか」で差が出ます。公立の正規職員は地方公務員として自治体の給料表に沿って決まり、勤続に応じて上がる見通しが立てやすい一方、採用には試験があり、非常勤は会計年度任用職員として別の扱いです。私立の認可保育園や小規模保育は、国の公定価格と処遇改善等加算を原資に、法人の給与規程で決まるため、配分のしかたで園ごとの差が大きくなります。認可外や企業主導型の保育施設は、公定価格とは別の仕組みで運営されるため、運営する会社や補助によって幅があります。比べるときは園の種類の名前ではなく、給料の原資、給与規程、処遇改善の配分の3つを確かめることが近道です。
01公立・私立・認可外で給料が違うのは「決まり方」が違うから
要点:給料の差は、園の種類ごとに給料の決まり方が違うことから生まれます。誰が、何をもとに、どんなルールで給料を決めているかを知ると、求人票の数字の意味が読めるようになります。
保育の仕事は、どの園でも子どもの命を預かり、育ちを支えるという点で変わりません。それなのに給料に差が出るのは、園を運営するお金がどこから来て、それを誰がどう配分しているかが違うからです。まずは全体像を表にまとめました。
図1
| 園の種類 | 給料を決めるもの | 上がり方の特徴 | 確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 公立(正規職員) | 自治体の給料表と条例 | 勤続年数に応じて段階的に上がる | 自治体が公表している初任給と給料表 |
| 公立(非常勤) | 会計年度任用職員としての条例や規則 | 年度ごとの任用で、上がり方は自治体によって違う | 時給・月額と、手当の支給の有無 |
| 私立の認可保育園 | 公定価格と処遇改善等加算をもとにした法人の給与規程 | 法人の規程と、加算の配分のしかたで大きく違う | 給与規程、処遇改善の手当の額と払い方 |
| 小規模保育 | 公定価格をもとにした運営法人の給与規程 | 私立認可と近いが、職員数が少なく手当の設計が園ごとに違う | 役割の手当、賞与の実績 |
| 企業主導型・認可外 | 運営する会社の給与規程と、受けている助成・補助 | 会社の方針次第で幅が広い | 助成の有無、昇給と賞与の実績 |
この表で大切なのは、右端の列です。同じ「私立の認可保育園」でも、給与規程と加算の配分のしかたが違えば、同じ経験年数の保育士でも年収に差がつきます。園の種類は大まかな傾向を示すだけで、最後に決め手になるのは、その園の規程と配分です。
「園の種類」と「雇用の形」は分けて考える
もう一つ混同しやすいのが、園の種類と雇用の形です。公立の園で働いていても、正規職員か非常勤かで給料の決まり方はまったく違います。私立でも、正社員、契約社員、パートで規程が分かれているのが普通です。求人を比べるときは、「公立の非常勤」と「私立の正社員」のように、園の種類と雇用の形をセットで書き出しておくと、比べ間違いを防げます。
求人票で、園の種類と運営する主体を確かめる
求人票には、「認可保育園」「小規模保育(A型)」「企業主導型保育」「認可外保育施設」のように、施設の種類が書かれていることが多いです。あわせて見ておきたいのが、運営する主体です。自治体、社会福祉法人、株式会社、学校法人など、誰が運営しているかによって、給与規程のつくり方や賞与の考え方が違うことがあります。
同じ法人が、認可保育園と小規模保育、企業内保育を並行して運営していることもあります。その場合、施設の種類によって給与規程が分かれているのか、法人で一つの規程なのかも確かめておくと、異動したときの給料の変化まで見通せます。求人票に施設の種類が書かれていないときは、応募の前に問い合わせてかまいません。
02公立保育園の給料:給料表で決まる安定と、非常勤という別の道
要点:公立の正規職員は、自治体の給料表に沿って勤続とともに給料が上がるため、長期の見通しが立てやすいのが特徴です。ただし採用には試験があり、公立の求人の多くを占める非常勤は、正規とは別の仕組みで給料が決まります。
公立保育園の正規職員として働く保育士は、地方公務員です。給料は、自治体が定める給料表に沿って決まり、勤続を重ねるごとに少しずつ上がっていく形が一般的です。賞与にあたる手当や、地域に応じた手当なども、自治体のルールに沿って支給されます。民間のように法人ごとに規程が違うのではなく、同じ自治体の職員であれば同じ表が使われる点が、私立との大きな違いです。
具体的な金額は、自治体ごとに違います。多くの自治体は、職員の給与の状況や初任給を公式サイトで公表しているので、気になる自治体があれば「自治体名+職員 給与 公表」で調べてみてください。保育士の採用試験の案内に、初任給の目安が載っていることもあります。
公立は辞める人が少ないという数字もある
給料と並んで公立の特徴としてよく挙げられるのが、働き続ける人の多さです。少し前のデータですが、保育所の常勤保育士の離職率は、平成29年の調査で全体9.3%、公営5.9%、私営10.7%でした[1]。
図2
この数字は平成29年のもので、最新の状況とは違う可能性があります。また、離職率が低い理由は給料だけではなく、異動の仕組みや職員の年齢構成など、ほかの要因も重なっています。それでも、勤続に応じて給料が上がる仕組みと、長く働く人が多いことには、つながりがあると考えられます。
公立の非常勤は「会計年度任用職員」
公立の園の求人で目にすることが多いのが、非常勤の保育士です。2020年4月から、自治体の非常勤職員の多くは「会計年度任用職員」という仕組みになりました[2]。名前のとおり、会計年度(4月〜翌年3月)ごとに任用される職員です。2024年4月からは、パートタイムの会計年度任用職員にも、条例で勤勉手当を支給できるようになりました[2]。
ただし、実際に勤勉手当を出すかどうか、時給や月額がいくらかは、自治体の条例や規則によって違います。「公立だから給料が高い」と考えて応募すると、正規職員とはまったく違う水準で驚くこともあります。公立の非常勤の働き方は非常勤保育士(会計年度任用職員)の働き方で詳しく紹介しています。公立と私立の働き方そのものの違いは、公立保育園と私立保育園の比較も参考になります。
03私立の認可保育園の給料:公定価格と処遇改善、そして法人の配分
要点:私立の認可保育園の給料は、国が定める公定価格と処遇改善等加算をもとに、運営する法人が給与規程で決めています。原資は国の基準で決まっていても、配分のしかたは法人ごとに違うため、園による差が大きくなります。
私立の認可保育園の運営費は、国が定める「公定価格」をもとに支払われます。給料がどのような流れで決まるのかを図にしました。
図3
- 国が公定価格を決める保育士の本俸の基準額や、地域ごとの人件費の積算額などが示される
- 処遇改善等加算がつく職員の平均経験年数や研修、役割に応じて、賃金改善のための加算が上乗せされる
- 法人が運営費を受け取る子どもの人数や地域区分、取得している加算によって、受け取る額が決まる
- 法人が給与規程で配分する基本給、手当、賞与にどう振り分けるかを、法人が規程で決める
- 園の中で役割を決めるリーダーや専門分野の担当など、手当の対象になる役割が決まる
- あなたの給与明細になる基本給、処遇改善の手当、賞与などとして支給される
公定価格の基準額は、給料の「もと」になる数字
令和8年度の公定価格では、保育士の本俸の基準額が254,694円、特殊業務手当の基準額が7,800円とされています。賞与や地域手当を含めた人件費の年額の積算は、20/100の地域で548万円、その他の地域で458万円、全国平均で491万円です[3]。この額は処遇改善等加算の区分1〜3を含まない数字で、通知には、この額を理由に給与水準を下げることは適切でないとも明記されています[3]。
地域区分は20/100から「その他」までの8区分で、公務員の地域手当の区分に準じています[4]。都市部の園ほど基準の人件費が高く設定されているため、同じ法人でも、園のある地域によって給料が違うことがあります。
処遇改善等加算は、配分のしかたで差がつく
私立の認可保育園の給料を左右するもう一つの柱が、処遇改善等加算です。令和7年度から、それまで3つに分かれていた加算が一本化され、区分1(基礎分:平均経験年数に応じて加算率2〜12%)、区分2(賃金改善分:全職員が対象)、区分3(質の向上分:月額4万円分と5千円分)に整理されました[5]。公定価格の保育士等の人件費は、令和6年度に10.7%、令和7年度に5.3%改善されています[6]。
加算は園に支払われ、どの職員にどう配るかは法人が決めます。毎月の手当として払う法人もあれば、年に数回の一時金にまとめる法人もあります。同じ「処遇改善手当あり」と書かれた求人でも、中身が違うことがあるのはこのためです。転職先で処遇改善がどう配られているかを確かめる方法は、処遇改善を転職先で確かめる方法にまとめています。
東京都では、国の加算に加えて都独自のキャリアアップ補助金があり、職務分野別リーダーなどとして発令された職員の賃金改善額は原則5,000円とされています[7]。自治体独自の上乗せがあるかどうかも、地域で給料が変わる理由の一つです。
04認可外・企業内保育・小規模保育の給料
要点:認可外や企業主導型の保育施設は、公定価格とは別の仕組みで運営されているため、給料の決まり方が会社ごとに大きく違います。小規模保育は公定価格の枠内ですが、職員数が少ない分、手当や賞与の設計に園ごとの個性が出ます。
図4
認可外保育施設
公定価格とは別に、利用料や会社の方針で運営されます。保育に従事する人のおおむね3分の1以上が保育士か看護師であることが基準です
幅が広い
企業主導型保育
国の助成を受けて企業が設置する保育施設です。保育士の比率は施設によって違い、それが職員構成や給料の設計にも関わります
助成の内容を確認
認可を受けた企業内保育
自治体の認可を受けて運営される企業内の保育施設は、公定価格の仕組みの中で運営されます
私立認可に近い
小規模保育
定員が少ない認可の保育で、A型・B型・C型があります。地域型保育として公定価格の加算の対象にもなっています
規模ゆえの個性
認可外保育施設は「幅が広い」が正直なところ
認可を受けていない保育施設も、事業を始めたら1か月以内に都道府県知事へ届け出ることになっています[8]。指導監督の基準では、1日に保育する乳幼児が6人以上の施設は、保育に従事する人のおおむね3分の1以上が保育士か看護師の資格を持つこととされています[9]。
給料は、利用料の設定や運営する会社の方針によって決まるため、一律に「高い」「安い」とは言えません。ベビーホテルのように夜間に開く施設、英語やモンテッソーリなど特色のある教育を掲げる施設など、形もさまざまです。認可外を検討するときは、園の種類で判断するより、昇給の実績、賞与の有無、社会保険の加入、資格手当の有無を一つずつ確かめるのが確実です。
企業主導型保育は、助成の仕組みを知っておく
企業主導型保育は、国の助成を受けて企業が設置する保育施設です。令和5年度に助成が決定した施設は4,423施設で、そのうち職員全員を保育士とする施設が4,383施設(99.1%)、保育士の比率が75%の施設が29施設、50%の施設が11施設でした[10]。保育士の比率が低い施設では、資格を持つ人に役割や手当が集まることもあれば、そうでないこともあります。
企業主導型や、企業が福利厚生として設けている企業内保育は、開所日や時間が母体の企業の働き方に合わせて決められていることがあります。給料だけでなく、勤務の曜日や時間、行事の量も一緒に比べると、働きやすさの差が見えてきます。企業内保育の働き方は企業内保育園の働き方で詳しく紹介しています。
小規模保育は、認可の枠の中で園ごとの個性が出る
小規模保育には、保育士を配置するA型、保育従事者の半数以上を保育士とするB型、利用定員6〜10人のC型があり、A型とB型は保育所の基準より1人多く配置することになっています[11]。令和8年度に創設された保育ICT推進加算は、保育所等に30万円、地域型保育に18万円とされ[12]、小規模保育などの地域型保育も公定価格の仕組みの中で運営されていることが分かります。
職員数が少ない小規模保育では、一人ひとりの役割が大きくなりやすく、主任や施設長を早い段階で任されることもあります。役割に応じた手当がつけば、同じ経験年数でも大きな園より給料が高くなることがあります。反対に、規模が小さく賞与の原資が限られる場合もあるので、昨年度の実績を必ず聞いておきます。2026年4月からは、3〜5歳児だけを対象とする小規模保育事業も全国で行えるようになりました[13]。小規模保育が自分に合うかどうかは、小規模保育園に向いている人も参考にしてください。
05相談事例:「公立なら安定」と思っていた人が、選び方を変えた
要点:園の種類のイメージで転職先を考えていた人が、給料の決まり方を知って、選ぶ基準を変えたモデルケースです。園の種類より、仕組みを確かめたことが決め手になりました。
園の名前ではなく、給料の「出どころ」を見るようになった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ゆうさん(仮名)・32歳
- 保育士歴
- 9年目(相談当時)
- 勤務先
- 企業が福利厚生として設けた認可外の企業内保育(定員約20名)で4年目、2歳児担当。その前は私立の認可保育園で5年
- 変化
- 比べた園の種類 公立の非常勤のみ → 3種類、1年目の年収の見込み 約310万円 → 約355万円
編集部転職を考えたきっかけは何でしたか。
子どもが3歳になって、この先の教育費を考えたときに、今の給料だと不安になったんです。4年いて、昇給が年に千円くらいで。公立なら安定しているだろうと思って、近くの市の公立の求人ばかり見ていました。
編集部公立の求人を見て、どう感じましたか。
見つかるのが非常勤ばかりで、正規は採用試験があると分かりました。非常勤の条件を見たら、時給は今と大きく変わらないんです。「公立」という名前だけで、正規と同じ給料をイメージしていました。そこで、ちょっと立ち止まりました。
編集部相談では、どんな話をしましたか。
公立、私立の認可、今と同じ企業内保育で、給料がどう決まるかを一つずつ教えてもらいました。保育の言葉で話が通じるので、説明が早かったです。今の園は親会社の福利厚生の予算で運営されていて、保育士の給料もその枠の中で決まっている。私立の認可なら処遇改善の加算があって、その配り方は園ごとに違う、と聞いて。それなら、配り方をきちんと説明できる園を選べばいいんだ、と思えました。
編集部実際に、どうやって選びましたか。
私立の認可園を3つ見て、処遇改善の手当をいつ、いくら払っているかを聞きました。毎月1万5千円を手当として上乗せしている、と表まで見せて説明してくれた園に決めました。賞与の実績も聞けたので計算してみたら、1年目の年収の見込みが今より45万円くらい上がりました。
「公立か私立か」じゃなくて、「この園は、お金をどう配っているか」を見るようになったんです。
ゆうさん(仮名)
ゆうさんは、内定時に処遇改善の手当の額と支給月を書面で受け取り、翌年度の4月から私立の認可保育園で働き始めました。最初の夏の賞与は算定期間の関係で少なめでしたが、事前に説明を受けていたので慌てずに済んだそうです。
ゆうさんが遠回りせずに済んだのは、「公立は安定」「認可外は安い」といったイメージを一度脇に置き、それぞれの給料の出どころを確かめたからです。同じ園の種類の中でも差が大きいからこそ、名前ではなく中身で比べることが役に立ちます。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
ゆうさんのように、今の職場の園の種類から離れて比べてみると、選べる幅が思っていたより広いことに気づく人は少なくありません。逆に、比べた結果「今の園の種類のまま、別の園に移る」という選び方になることもあります。
06園の種類だけで選ぶと見落とすこと
要点:園の種類ごとの傾向はあっても、実際の給料は園ごとの差のほうが大きいのが実情です。給料以外の条件や、自分が何を優先したいかと合わせて考えないと、入ってからの後悔につながります。
1. 「平均」は、あなたの給料ではない
保育士全体の年収は、令和7年の統計をもとにした職業情報サイトで427.6万円、平均年齢40.3歳とされています[14]。けれど、これは年齢も勤め先もばらばらな人たちの平均です。園の種類ごとの傾向も同じで、目の前の求人がその傾向どおりとは限りません。数字は「相場の目安」として使い、最後は一つひとつの園の条件で判断してください。
2. 給料が同じでも、働き方は違う
給料が同じくらいでも、配置されている職員の数や、担当する子どもの人数で、毎日の忙しさは大きく変わります。保育所の最低基準は、0歳児おおむね3人に1人、1〜2歳児おおむね6人に1人、3歳児おおむね15人に1人、4歳以上児おおむね25人に1人です[15]。この基準より手厚く配置している園もあれば、基準ぎりぎりの園もあります。給料を時間で割って考えると、配置の手厚さも給料の一部のように見えてきます。
3. 自分が何を優先するかで、合う園の種類は変わる
最後に、園の種類を選ぶときの考え方を図にしました。給料だけでなく、自分が何を大切にしたいかから考えると、候補を絞りやすくなります。
図5
いま、何をいちばん優先したいか
- 長く働いて、着実に上げたい公立の正規職員(採用試験あり)や、昇給の仕組みがはっきりした私立の認可保育園を中心に見る
- 経験を給料に反映させたい経験年数の数え方と、処遇改善の配分を説明できる私立の認可保育園を比べる
- 少人数で、役割を持って働きたい小規模保育で、役割の手当と賞与の実績を確かめる
- 勤務の曜日や時間を安定させたい企業内保育や企業主導型保育で、開所日と給料の両方を比べる
- 働く時間を調整しながら続けたい公立の非常勤や、私立のパートで、時給と手当の有無を比べる
園の種類を比べているうちに、「結局どこがいいのか分からなくなった」という人もいます。そんなときは、給料の数字を並べる前に、自分の優先順位を言葉にしてみると整理がつきます。ほいくの相談室は、園の種類ごとの働き方の違いも含めて話せる相談先です。今すぐ移るつもりがなくても、選べる幅を知っておくだけで、今の職場の見え方が変わることがあります。保育士の給料がなぜ全体として低めなのかは、保育士の給料が安いといわれる理由で詳しく扱っています。
よくある質問
公立と私立では、どちらの給料が高いですか?
一概には言えません。公立の正規職員は勤続に応じて給料が上がる仕組みのため、長く勤めるほど有利になりやすい一方、私立の認可保育園でも処遇改善の配分や役割の手当で高い水準の園があります。比べるときは、自治体の給料表と、私立の園の給与規程や処遇改善の配分を見比べてください。
認可外保育施設の給料は低いのですか?
認可外保育施設は、運営する会社や利用料によって給料が決まるため、幅が広いのが実情です。低い施設もあれば、特色のある教育を掲げて高い給料を出す施設もあります。昇給と賞与の実績、社会保険の加入、資格手当の有無を確かめて判断してください。
企業内保育は、親会社の社員と同じ給料ですか?
企業内保育の保育士は、親会社の社員として雇われる場合もあれば、運営を任された別の会社に雇われる場合もあります。後者の場合は、親会社の給与体系とは別です。求人票で雇用主がどこかを確かめておくと、給料や福利厚生の見通しが立てやすくなります。
小規模保育の給料は、大きな保育園より低いですか?
小規模保育も公定価格の仕組みの中で運営されているため、必ず低いとは限りません。職員数が少ない分、早くから役割を任されて手当がつくこともあります。ただし賞与の原資が限られることもあるので、昨年度の実績を確かめておくと安心です。
園の種類を変える転職で、経験年数は数えてもらえますか?
経験年数の数え方は、法人や自治体によって違います。認可外や企業主導型での経験を、認可保育園での経験と同じに数える法人もあれば、一部だけ数える法人もあります。内定の段階で「何年として計算したか」を確かめてください。
参考にした資料
- 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)
- 総務省「地方自治法の一部を改正する法律について(会計年度任用職員制度関係)」(2023年5月30日)
- こども家庭庁通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(2026年7月31日 こ成保第536号)
- こども家庭庁「公定価格における地域区分に関する対応について」(2024年12月19日 子ども・子育て支援等分科会 資料7)
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- 東京都福祉局「東京都保育士等キャリアアップ補助金 東京都保育サービス推進事業補助金 令和8年度当初交付申請について」(2026年2月2日)
- 児童福祉法 第59条の2
- こども家庭庁通知「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」(2024年3月29日 こ成保第206号)
- こども家庭庁「企業主導型保育事業の実施状況について【速報版】」
- 家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第29・31・34・35条
- こども家庭庁「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」(2026年4月)
- こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
- 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。