夜11時、布団に入っても目がさえている。朝の打ち合わせで、主任が自分にだけ目を合わせなかった気がする。昨日の連絡帳の書き方がまずかったのか。おやつの片付けを先に始めたのが気に障ったのか。思い当たることを一つずつ並べるうちに「やっぱり私が悪いんだ」という結論にたどり着いて、ますます眠れなくなる。
「自分が悪いのか、気にしすぎなのか」。この問いは、頭の中だけで考えている限り、答えが出ません。手元にある材料が、主任の表情という一瞬の記憶と、そこから広がった自分の想像だけだからです。材料が足りないまま考えると、真面目な人ほど自分を責める方向に結論を出してしまいます。
以下では、人間関係がうまくいかないと感じたときに、起きたこと(事実)と自分の受け止め(解釈)を分ける方法を紹介します。そのうえで、出来事を自分の課題・相手の課題・職場の課題に振り分ける目安と、気にしすぎではなく相談してよいサインまで、順にまとめました。
この記事でわかること
- 「自分が悪いのか」と考え続けてしまう理由
- 事実と解釈を分ける「2列ノート」の書き方と記入例
- 自分の課題・相手の課題・職場の課題を見分ける目安
- 気にしすぎをやわらげる考え方と、気にしすぎではないサイン
結論
保育士の人間関係がうまくいかないとき、「自分が悪いのか」をいきなり判断する必要はありません。まず、起きたこと(事実)と、そこから自分が考えたこと(解釈)を分けて書き出します。そのうえで事実を「自分が変えられること」「相手の言い方や性格」「職場の体制」の3つに振り分けると、自分の責任の範囲が見えてきます。多くの場合、原因は一人にあるのではなく、忙しさや役割分担のあいまいさなど、いくつもの要素が重なっています。ただし、人格を否定される、無視が続くといった状況は気にしすぎではなく、相談してよい問題です。
01「自分が悪いのか」と考え続けてしまうのは、振り返りが得意な人ほど
要点:保育士は日々の保育を振り返り、次に生かすことが仕事の一部です。その習慣が人間関係にも向くと、原因を自分の中に探し続けてしまいます。考え続けてしまうのは弱さではなく、真面目さの裏返しです。
保育の仕事では、毎日のように振り返りをします。日誌に子どもの様子を書き、週案や月案の評価・反省の欄を埋め、「あの場面ではどう声をかければよかったか」と考える。子どもの行動の理由を、自分の関わり方の中に探す習慣は、保育の質を高めるうえで欠かせません。
ところが、この習慣が職員同士の関係に向くと、少し様子が変わります。子どもの気持ちは、表情や行動からある程度読み取れますし、関わり方を変えれば反応も変わります。大人の同僚の場合、相手の気持ちや事情は見えにくく、自分の関わり方を変えても反応が変わるとは限りません。見えない部分を推測で埋めようとすると、手元にある材料、つまり自分の行動ばかりが原因の候補に上がってきます。
「自分のせい」と考えることには、ある種の安心もあります。自分が原因なら、自分が変われば解決するという希望が持てるからです。けれど、原因が本当は相手や職場の側にある場合、いくら自分を変えても状況は変わらず、「こんなに頑張っているのに」と、さらに自分を責めることになります。
人間関係で悩むのは、あなただけではない
東京都の保育士実態調査では、過去に保育士として働いた人が辞めた理由の第1位が「職場の人間関係」でした[1]。
図1
保育士を辞めた理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[1]
人間関係が最も多い理由になっているのは、それだけ一人の努力では解決しにくい問題だということでもあります。人間関係がうまくいかないことを、すべて自分の人柄や能力のせいにする必要はありません。
頭の中だけで考えると、解釈がふくらんでいく
冒頭の場面を分解してみます。「主任が目を合わせなかった」から始まり、「怒っているのかもしれない」「昨日の連絡帳のことだ」「私の書き方がだめだった」「私が悪い」と、考えが一段ずつ進んでいます。このうち、実際に起きたのは最初の「目を合わせなかった(ように見えた)」だけで、残りはすべて自分の頭の中でつくられた解釈です。解釈は、疲れているときや夜遅い時間ほど、悪い方向に広がりやすくなります。
保育の一年の中にも、自分を責めやすくなる時期があります。運動会や発表会の前、年度末の指導要録や引き継ぎ資料の作成が重なる時期、4月のクラス替え直後などです。こうした時期は、誰もが睡眠時間を削り、言葉に余裕がなくなります。相手のそっけない態度も、自分の受け止め方の重さも、時期の影響を受けています。「今は行事前だから」と一言添えて考えるだけでも、出来事の重さは少し変わって見えるはずです。
02事実と解釈を分ける「2列ノート」の書き方
要点:ノートの左の列に「カメラに映ること」(事実)、右の列に「そこから自分が考えたこと」(解釈)を書きます。さらに右の列の下に「別の解釈」を一つ足すと、自分を責める以外の見方ができるようになります。
書き方の3つのルール
ノートは、手帳でもスマホのメモでもかまいません。ページの真ん中に縦線を一本引き、次のルールで書いていきます。
- 左の列には、録画したら映ることだけを書く。言葉は言われたとおりに、表情や態度は「目を合わせなかった」「返事がなかった」までにとどめる。
- 右の列には、そのとき浮かんだ考えと気持ちを書く。「怒っている」「嫌われた」「悲しい」「悔しい」など、遠慮せずに書いてかまわない。
- 右の列の下に、別の解釈を一つ足す。「忙しかった」「別のことを考えていた」など、自分が原因ではない可能性を一つだけ考える。
ポイントは、別の解釈が「正しい」かどうかを気にしないことです。目的は、自分を責める解釈以外にも、ありえる説明があると気づくことにあります。
図2
| 事実(カメラに映ること) | 自分の解釈 | 別の解釈 |
|---|---|---|
| 朝、主任に挨拶したが返事がなかった | 昨日のことで怒っている | 電話中で聞こえていなかった |
| 連絡帳の書き方を「ここ直して」と言われた | 私の文章はだめだと思われている | 園の書き方にそろえてほしいだけ |
| 休憩室で2人が話していて、入ると話がやんだ | 私の悪口を言っていた | 個人的な話で、ちょうど区切りがついた |
| 「もういいよ、私がやるから」と言われた | 使えない人だと思われた | お迎えの時間が迫って急いでいた |
| 私だけ行事の打ち合わせに呼ばれなかった | 外されている | 担当が違うだけかもしれない。確認が必要 |
最後の行のように、別の解釈を考えても「確認しないと分からない」ものもあります。その場合は、無理に結論を出さず、「確認が必要」と書いておきます。外されているのかどうかは、主任に「次の打ち合わせ、私も入ったほうがいいですか」と一言聞けば分かることも多いものです。
2週間続けると、パターンが見えてくる
1日や2日の記録では、偶然の出来事と繰り返し起きていることの区別がつきません。2週間を目安に続けると、同じ相手、同じ時間帯、同じ種類の出来事が何度出てくるかが見えてきます。
図3
その日のうちに書く
気になった出来事を、帰りの電車や寝る前の5分で書きます。翌日に回すと解釈が混ざりやすくなります
事実と解釈を分ける
左に事実、右に解釈と気持ちを書きます。1件3分までにとどめます
別の解釈を一つ足す
自分が原因ではない可能性を一つだけ考えて書きます
1週間ごとに読み返す
週末に一度だけ読み返し、気持ちが落ち着いた状態で見直します
回数を数える
同じ相手、同じ場面が何回出てきたかを数え、余白にメモします
誰の課題かに振り分ける
2週間分を、次の章の4つの枠に振り分けます
書くときに気をつけたいこと
2列ノートは、気持ちを整理するための道具です。かえってつらくならないよう、次の点に気をつけてください。
- 1件にかける時間は3分まで。長く書くほど、出来事を頭の中で繰り返すことになります。
- 同僚の名前は記号やイニシャルで書く。職場で手帳を開いたときにも困りません。
- 「私ってほんとにだめ」など、自分を責める言葉が出てきたら、書いたあとに線を引く。
- 書き終えたらノートを閉じる。寝る前に何度も読み返さない。
03「誰の課題か」を4つの枠に振り分ける
要点:2列ノートの事実を「自分の課題」「相手の課題」「職場の課題」「まだ分からない」の4つに振り分けると、自分の責任の範囲が見えてきます。多くの場合、原因は一つではなく、いくつかの課題が重なっています。
図4
自分の課題
報告が遅れた、記入漏れがあった、頼まれたことを忘れた
改善できる。一つずつ手を打つ
相手の課題
誰に対してもきつい口調、機嫌で態度が変わる、挨拶を返さない
自分のせいではない。距離で調整する
職場の課題
人手不足で余裕がない、役割分担があいまい、情報が一部の人にしか回らない
一人では変えにくい。提案や相談で動かす
まだ分からない
一度きりの出来事、相手の事情が見えない
決めつけず、もう少し様子を見る
自分の課題が見つかったら
自分の課題が見つかるのは、悪いことではありません。改善できる点が具体的に分かった、ということだからです。ただし、手を打つのは一度に一つだけにします。たとえば「報告が遅れる」が繰り返し出てくるなら、報告の順番とタイミングを決めることから始めます。報告や質問の型は質問できない・報連相が怖いときの聞き方で詳しく紹介しています。
ここで気をつけたいのは、自分の課題があるからといって、相手のきつい言い方まで正当化されるわけではないという点です。「報告が遅れたのは自分」「それを大声で責めたのは相手」。この2つは別の出来事として扱います。自分の課題に手を打つことと、相手の言い方に傷つくことは、両立してかまいません。
相手の課題だったら
ノートを見返して、相手が自分以外の人にも同じ態度をとっていると分かったら、それは相手の性格や余裕のなさによるものである可能性が高いといえます。この場合、自分が努力して相手の態度を変えようとするより、業務の連携は保ちつつ、心の距離をとるほうが楽になります。具体的な方法は保育士の人間関係の改善方法と距離の取り方を参考にしてください。
職場の課題だったら
人手が足りない園では、誰もが余裕を失い、言葉がとがりやすくなります。東京都の同じ調査では、今の職場で改善を希望する項目として、職員数の増員が48.6%、事務・雑務の軽減が40.1%挙がっています[2]。役割分担があいまいなまま忙しさが続くと、「どっちがやるの」というすれ違いが毎日のように起き、それが人間関係の問題に見えてしまいます。職場の課題は一人では変えにくいものの、学年会や職員会議で「担当を表にしませんか」と提案するなど、仕組みの形で動かせることもあります。
「まだ分からない」に入れておいてよい
すべての出来事に、今すぐ答えを出す必要はありません。一度きりの出来事や、相手の事情が見えない出来事は、「まだ分からない」の枠に置いておきます。2週間後、1か月後に同じことが繰り返されていなければ、それは気にしなくてよい出来事だったということです。答えを急がないことも、自分を責めすぎないための大事な技術です。
04気にしすぎかどうかを確かめる目安
要点:一度きりの出来事か、繰り返し起きているか。自分にだけか、誰に対しても同じか。この2つの問いで、気にしすぎの可能性が高いのか、相談したほうがよい状況なのかの見当がつきます。
図5
同じことが何度も起きているか
- 一度きり・特定の場面だけ気にしすぎの可能性があります。2週間ほど記録を続けて様子を見ます
- 誰に対しても同じ態度相手の課題の可能性が高いです。距離のとり方を工夫します
- 複数の人から同じ指摘を受ける自分の改善点の可能性があります。何を直せばよいか具体的に聞きます
- 自分にだけ、繰り返し起きる記録を続け、信頼できる人や主任に相談します
- 人格否定・無視・大声が続く自分の落ち度とは別の問題です。ハラスメントとして相談を考えます
気にしすぎをやわらげる3つの問い
気になる出来事があったとき、次の3つを自分に問いかけてみてください。
- この人は、ほかの人にも同じことをしていないか。
- 1か月後の自分は、このことを覚えているだろうか。
- 同じことを後輩が相談してきたら、私はなんと声をかけるか。
3つ目の問いは、特に効き目があります。後輩が「主任が目を合わせてくれなかったんです、私のせいでしょうか」と言ってきたら、多くの人は「忙しかっただけじゃない?」「気にしなくていいよ」と答えるはずです。自分に対しても、同じくらいのやさしさで考えてよいのです。
相手に直接、短く確かめてみる
ノートを続けても判断がつかず、相手と業務上の会話ができる関係なら、本人に短く確かめるという方法もあります。責めるような聞き方ではなく、自分の改善点を知りたいという形にするのがこつです。
- 「最近、私の動きで気になるところがあれば教えてください。直せるところは直したいので」
- 「昨日の連絡帳、書き方が違っていましたか。この園のやり方に合わせたいので」
返ってきた答えが具体的なら、それは自分の課題として手を打てます。「別に何もないよ」と返ってきたら、ひとまず言葉どおりに受け取って、気にする時間を減らしてかまいません。聞くのは一度だけにし、何度も確かめると、かえって相手を疲れさせてしまいます。
信頼できる人には「事実の列」だけを見せる
一人で判断がつかないときは、信頼できる同僚や前の職場の先輩、家族に意見を聞いてみます。そのとき「私が悪いのかな」と聞くと、相手は励まそうとして「そんなことないよ」と答えがちです。代わりに、2列ノートの左の列、つまり事実だけを見せて「これを読んで、どう思う?」と聞いてみてください。解釈が混ざっていない分、相手も状況をそのまま受け止めて、具体的な意見を返しやすくなります。
05相談事例:2週間のノートで「全部私のせい」がほどけた
要点:14件の出来事を書き出して振り分けたところ、自分の課題は3件でした。数字にしたことで、どこに手を打てばいいかが見えてきたモデルケースです。
書いてみたら、私のせいは14件中3件だった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- いろはさん(仮名)・36歳
- 保育士歴
- 12年目(今の園は中途入職2年目)
- 勤務先
- 認定こども園(定員約150名)、3歳児クラス担任(同じ学年は2クラス)
- 変化
- 「自分が悪い」と考えて眠れない夜 週4日 → 週1日以下
編集部相談に来たきっかけは何でしたか。
同じ学年のもう一人の担任の先生が、私にだけそっけない気がしていたんです。前の園では人間関係で困ったことがなかったので、余計に「私がこの園に合わせられていないんだ」って思い込んで。週に4日くらいは、夜中まで考えて眠れませんでした。
編集部2列ノートを書いてみて、何が分かりましたか。
2週間で14件書きました。振り分けてみたら、私の課題は3件だけだったんです。3件とも、行事の準備の報告が遅れたこと。相手の先生がそっけないのも、私にだけじゃなくて、実は誰に対しても同じでした。毎日一緒にいたのに、書くまで気づかなかったのが不思議です。
編集部残りの出来事はどうでしたか。
6件が相手の言い方の問題、3件が職場の問題でした。3歳児は2クラスあるのに、担任どうしの役割分担がはっきり決まっていなくて。だから「どっちがやるの」で毎回ぎくしゃくしていたんだと分かりました。あと2件は、今も「まだ分からない」の枠に置いたままです。
編集部そのあと、何を変えましたか。
報告の遅れは、行事の準備の進み具合を毎週金曜の午睡中に報告する、と決めました。役割分担のほうは、学年会で「担当を表にしませんか」って提案してみたんです。表ができてからは、どっちがやるのかで揉めることがほとんどなくなりました。言ってみるものだなって、少し自信が戻ってきました。
全部が私のせいだと思っていたのに、書いてみたら、私のせいだったのは14件のうち3件だけでした。
いろはさん(仮名)
いろはさんは、今も同じ園で3歳児クラスを担任しています。相手の先生との関係は「仲良し」というわけではないものの、役割分担の表ができてからは、業務のやりとりで困ることはほとんどなくなりました。眠れない夜は週に1日もない週が増え、2列ノートは、気になることがあったときだけ開く使い方に変えています。
このケースから分かるのは、「自分が悪いのか」という問いに、白か黒かで答える必要はないということです。自分の課題3件には手を打ち、相手の課題には距離で、職場の課題には提案で対応する。振り分けたことで、それぞれに合った手の打ち方が見えてきました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
06自分を責める前に、知っておいてほしい線引き
要点:振り分けや見分け方は、自分を責めすぎないための道具です。ただし、ハラスメントは受けた側の落ち度で起きるものではありません。また、眠れないほど自分を責めているなら、整理より先に休むことが必要です。
ハラスメントは「気にしすぎ」で片づけられない
パワーハラスメントは、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「働く環境が害されるもの」の3つをすべて満たすものとされています[3]。仮に自分にミスがあったとしても、それを理由に人格を否定したり、ほかの職員の前で繰り返し大声で叱ったりしてよいことにはなりません。事業主には相談に応じる体制を整える義務があり、相談したことを理由に不利益な扱いをすることは禁止されています[4]。
図6
- 2列ノートに、同じ相手の同じ言動が2週間で5回以上出てくる偶然ではなく、繰り返されている言動です
- 事実の列に、人格や容姿、年齢についての言葉が書かれている業務の指導とは関係のない言動です
- 自分にだけ、会議や行事の情報が届かない出来事が続いている仕事から外す扱いに当たることがあります
- 他の職員や保護者の前で、繰り返し大声で叱られている指導の範囲を超えている可能性があります
- 自分の課題に手を打っても、相手の態度がまったく変わらない原因が自分の側にない可能性が高い状態です
- ノートを書こうとするだけで動悸がする、眠れなくなる整理より先に、休むことと受診を考えてください
当てはまるものがあれば、2列ノートの事実の列は、そのまま相談のときの記録として使えます。園の外の窓口としては総合労働相談コーナーがあり、いじめ・嫌がらせについての相談も、無料で受け付けています[5]。窓口ごとの違いはパワハラを相談できる公的な窓口と記録の残し方で確かめられます。
眠れないほど自分を責めているなら
自分を責める気持ちが強く、眠れない日や食欲がない日が続いているなら、ノートで整理するより先に、体を休ませることを優先してください。かかりつけ医や心療内科に相談するのも一つの方法です。電話で話すのが負担なら、「こころの耳SNS相談」(LINE。平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日・年末年始は休止)も使えます[6]。仕事への自信そのものが揺らいでいるときは、仕事で自信をなくしたときの立て直し方も参考にしてください。
自分を責める気持ちが、特定の出来事より職場全体の空気から来ていると感じるなら、人間関係がつらいと感じたときの考え方から読むと整理しやすくなります。「自分が悪いのか」を一人で考え続けていると、答えはどんどん自分を責める方向に傾いていきます。2列ノートの中身を誰かと一緒に見ながら振り分けたいときは、ほいくの相談室も使ってください。転職を考えていなくても、話を聞くところから始められます。
よくある質問
自分にも悪いところがあると分かりました。それでも相手のきつい言い方がつらいです。
自分の課題があることと、相手の言い方がきついことは別の問題です。自分の課題には手を打ちつつ、言い方については距離のとり方や受け流す工夫で対処してかまいません。言い方が人格否定や大声での叱責にあたる場合は、相談してよい状況です。
前の園ではうまくいっていたのに、今の園でだけうまくいきません。
園が変わると、暗黙のルールや役割分担の考え方も変わります。うまくいかないのは能力の問題ではなく、職場のやり方とのずれであることも多いものです。2列ノートで「職場の課題」に当たる出来事が多ければ、仕組みの確認や提案から始めてみてください。
2列ノートを書くと、かえって嫌なことを思い出してつらくなります。
1件3分までと時間を区切り、書いたらノートを閉じてください。それでもつらい場合は、無理に続けなくてかまいません。書けないほど苦しい状態なら、整理より先に休むことや、誰かに話すことを優先してください。
周りに「気にしすぎ」と言われます。本当にそうなのでしょうか。
周りの「気にしすぎ」は、心配からの励ましのこともあれば、状況をよく知らないまま言っていることもあります。事実の列だけを見せて意見を聞くと、より具体的な答えが返ってきやすくなります。繰り返し起きていることなら、気にしすぎで片づけず、記録を続けてください。
自分が悪いのなら、辞めたほうがいいのでしょうか。
自分の課題が見つかったということは、改善できる点が分かったということで、それだけで辞める理由にはなりにくいものです。一方で、相手や職場の課題が大きく、相談しても変わらない場合は、環境を変えることも選択肢になります。どちらにするかは、振り分けの結果を見てから考えても遅くありません。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省 職場のハラスメント対策リーフレット
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。