保育士が働く時間を減らしたい時の選択肢と園への相談の仕方

19時すぎに園を出て、帰りの電車で手帳を開く。来月のページには、遅番と職員会議と行事の準備が並び、平日の夜に空いている日は一日もない。家に着けば、子どもはもう夕飯を食べ終えていて、「今日も遅かったね」と言われる。保育の仕事は好きなのに、このままの時間の使い方を続けられる気がしない。

「辞めたい」とは少し違う。「減らしたい」のです。週5日、1日8時間に残業と持ち帰りが加わる働き方から、もう少し短い時間の働き方へ。ただ、それを園にどう切り出せばいいのか、パートになったら収入はどうなるのか、担任を外れたら周りにどう思われるのか。考えることが多すぎて、結局何も言えないまま年度が進んでいく人は少なくありません。

この記事では、保育士が働く時間を減らしたいときの選択肢を、今の園で調整する方法から、時短の制度、パートへの切り替え、転職まで並べて整理しました。それぞれで収入や保険がどう変わるか、園にどう相談すればよいかもまとめています。時間を減らすことは、保育から離れることではありません。自分の暮らしに合った関わり方を選ぶための材料にしてください。

この記事でわかること

  • 働く時間を減らす5つの方法と、それぞれの向き不向き
  • 子育て中に使える、法律にもとづく短時間勤務などの制度
  • 正社員からパートに変えたときの収入・保険・休みの変化
  • 園に勤務時間を相談するときの伝え方と、確かめておきたいこと

結論

保育士が働く時間を減らしたいときは、いきなり退職を考える前に、今の園で残業や勤務時間帯を調整する、短時間勤務などの制度を使う、同じ園でパートに切り替える、時間の短い職場に移る、の順に検討すると、収入や経験を失いすぎずに済みます。3歳未満の子どもを育てている場合は、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務の制度があります[1]。正社員からパートに変えると時間の自由は増えますが、賞与や社会保険、有給休暇の扱いが変わるため、「週に何時間減らしたいか」を数字で決めてから園に相談することが出発点になります。

01働く時間を減らす方法は「辞める」以外に5つある

要点:働く時間を減らす方法は、①残業や持ち帰りを減らす、②勤務の時間帯を固定する、③正社員のまま短時間勤務にする、④同じ園でパートに切り替える、⑤時間の短い職場に移る、の5つです。減らしたい時間の量と、収入をどこまで下げられるかで選びます。

働く時間を減らしたいと感じている保育士は、決して珍しくありません。東京都の令和4年度保育士実態調査では、保育士を辞めたいと考えている人の理由として、「給料が安い」が61.6%、「仕事量が多い」が54.0%、「労働時間が長い」が35.4%、「職場の人間関係」が30.1%挙がっていました[2]。

図1

保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[2]

給料が安い61.6%
仕事量が多い54.0%
労働時間が長い35.4%
職場の人間関係30.1%
図1 保育士を辞めたいと考える理由(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位4項目)[2]

仕事量と労働時間の悩みは、辞める以外の方法で軽くできることもあります。自分がどのくらい時間を減らしたいのかを、まず考えてみてください。

図2

週にどのくらい減らしたい?

  1. 週に数時間(残業の分だけ)残業や持ち帰りを減らす。勤務時間はそのままで、園の仕事の配分を見直してもらう
  2. 夕方の時間を確保したい勤務の時間帯を固定する。早番や日勤中心にして、遅番を減らしてもらう
  3. 1日1〜2時間正社員のまま短時間勤務にする。子育ての制度や、園独自の短時間正職員の仕組みを確かめる
  4. 週に10時間以上同じ園でパートに切り替える。慣れた職場で、勤務日数や時間を減らす
  5. 今の園では難しい時間の短い職場に移る。固定時間のパートや、開所時間の短い職場を探す
図2 減らしたい時間の量から、方法を選ぶ

①と②:勤務時間はそのままで、負担を減らす

残業や持ち帰りがなくなるだけで、体感の労働時間は大きく変わります。たとえば、毎日1時間の残業と週2日の持ち帰りがなくなれば、それだけで週に7〜8時間ほど自分の時間が戻ってくることになります。これは、パートへの切り替えに近い効果です。勤務の時間帯も同じで、遅番を週2回から月2回に減らしてもらうだけで、夕方を家族と過ごせる日が増えます。収入をほとんど下げずにすむのが、この2つの方法の大きな利点です。仕事の量を減らしてほしいと伝えるときのこつは、仕事を減らしてほしいときの伝え方で紹介しています。

③と④:働く時間そのものを短くする

勤務時間そのものを減らしたい場合は、正社員のまま短時間勤務にするか、パートに切り替えるかを考えます。子育て中であれば、法律にもとづく制度を使える場合があります(次の章で説明します)。制度の対象でない場合でも、園によっては正社員のまま勤務時間を短くできる仕組みを設けていることがあるため、就業規則を確かめてみてください。

⑤:時間の短い職場に移る

今の園では人員の事情で調整が難しい場合は、時間の短い働き方がしやすい職場に移る方法があります。たとえば、9時から15時のような固定時間のパートを募集している園、開所時間の短い職場、短時間勤務の正社員を受け入れている園などです。

ただし、職場を移ると、新しい人間関係や園のやり方に慣れるまでの負担が加わります。時間を減らしたい理由が「疲れ」にあるなら、移ったばかりの数か月はかえって疲れが増えることもあります。今の園で①から④を一度相談してみて、それでも難しかったときに⑤を考える、という順番をおすすめするのはそのためです。

02子育て中なら、使える制度を先に確かめる

要点:子どもの年齢によって、使える制度が変わります。3歳未満なら1日原則6時間の短時間勤務、3歳から小学校入学前なら園が用意した複数の措置から1つを選べる仕組みや残業の免除、小学校3年生修了までなら子の看護等休暇があります。

育児・介護休業法は2025年4月と10月に改正され、子育て中の人が働き方を調整しやすくなりました。子どもの年齢ごとに、主な制度を整理します。

図3

子どもの年齢使える主な制度ポイント
3歳未満1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務[1]事業主は短時間勤務の制度を講じなければならない
3歳から小学校入学前始業時刻の変更、テレワーク等、保育施設、養育両立支援休暇、短時間勤務のうち、園が講じる2つ以上から1つを選べる[3]2025年10月から。残業の免除も小学校入学前まで請求できる[4]
小学校3年生修了まで子の看護等休暇(年5日、子が2人以上は年10日、時間単位で取得可)[1]感染症による学級閉鎖や、入園・入学式、卒園式でも使える[4]
図3 子どもの年齢ごとに使える主な制度(2025年10月以降)

3歳から小学校入学前の子どもを育てている人に向けた措置は、2025年10月1日から始まりました。事業主は、始業時刻などの変更、月10日以上のテレワーク等、保育施設の設置運営等、年10日以上の養育両立支援休暇、短時間勤務制度のうち2つ以上を講じ、働く人はその中から1つを選んで使えます[3]。保育園でテレワークは難しいので、実際には始業時刻の変更や短時間勤務が選択肢になることが多いでしょう。自分の園でどの措置が用意されているかは、就業規則や園長への確認で分かります。

子どもが小学生になると、法律上の短時間勤務の制度は使えなくなります。それでも、小学校3年生修了までは子の看護等休暇を時間単位で使えるので、通院や学級閉鎖のときに1〜2時間だけ抜ける、といった使い方ができます[4][1]。介護の事情がある場合も、育児・介護休業法にもとづく制度があるため、就業規則を確かめるか、都道府県労働局に問い合わせてください。

時短勤務で働ける園の探し方は、時短勤務で働ける保育士の転職先の探し方で詳しく紹介しています。

03正社員からパートに変えると、何がどう変わるか

要点:パートに変えると、働く時間と責任は軽くなりますが、月々の収入に加えて賞与や退職金、社会保険、有給休暇の日数などが変わります。時間だけでなく、お金と保障の変化を並べてから決めます。

図4

項目正社員パート
働く時間1日8時間・週5日が基本で、残業や持ち帰りが出やすい契約で決めた日と時間。残業は少なめのことが多い
収入月給制。賞与や手当がつくことが多い時給制。賞与や手当はないか、少ないことが多い
社会保険加入するのが基本従業員51人以上の勤務先で週20時間以上なら加入[5]
有給休暇勤続年数に応じて10日から20日[6]週の日数が少ない場合は比例して付与[7]
契約の期間期間の定めがないことが多い有期契約なら、更新の上限の有無を確かめる[8]
担当担任や行事の中心を任されやすい補助や時間帯の担当が中心になりやすい
図4 正社員とパートの主な違い(一般的な傾向)

収入の変化を、数字で確かめておく

時間あたりの賃金にも差があります。令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく数字では、保育士の1時間当たりの賃金は、一般労働者が2,147円(残業代・賞与を含む)、短時間労働者が1,419円でした[9]。パートに変えると、働く時間が減るだけでなく、時間あたりの収入も下がる可能性があることを、先に知っておいてください。

具体的に計算してみます。例:時給1,300円で、週4日・1日6時間のパートに変える場合、月の収入は1,300円×6時間×約17日でおよそ13万円、年間ではおよそ160万円です。正社員のときの年収(賞与を含む)と比べてどのくらい下がるかを、家計の中で吸収できるかが判断の分かれ目になります。年収によっては家族の扶養の基準に近づくこともあるため、保育士が扶養内で働くための条件もあわせて確かめておくと安心です。

契約の期間と更新の上限

正社員からパートに変わると、期間の定めのない雇用から、半年や1年の有期契約に変わることがあります。2024年4月からは、有期契約を結ぶときや更新するときに、更新の上限(通算の契約期間や更新回数)の有無と内容を示すことになりました[8]。将来また正社員に戻りたい人は、パートに変わる前に、「戻る道があるか」「パートの契約に更新の上限はあるか」を確かめておくと安心です。

04園に勤務時間を相談するときの伝え方

要点:相談は、来年度の体制を決める前の時期に、「何時に帰りたいか」「週に何日働けるか」を数字で示して行います。理由は簡潔に、代わりにできることを添えると、園も調整を考えやすくなります。

勤務時間の相談は、「わがままを言っている」と感じてしまい、なかなか切り出せないものです。でも、園の側から見れば、辞められてしまうより、時間を減らしてでも続けてくれるほうがありがたいことも多いのです。伝え方の順番を決めておくと、落ち着いて話せます。

図5

  1. 減らしたい時間を数字にする「17時に帰りたい」「週4日にしたい」など、何をどのくらい減らしたいかを決める
  2. 就業規則を確かめる短時間勤務やパートへの転換の決まり、子育ての制度の扱いを読んでおく
  3. 時期を選ぶ来年度の担当や体制を考え始める前、目安として秋ごろに時間をもらう
  4. 理由と希望を伝える理由は一言で、希望は数字で伝える。「辞めたい」ではなく「続けるために変えたい」と言う
  5. 代わりにできることを添える早番なら毎日入れる、行事の準備は勤務時間内で手伝える、など
  6. 条件を書面で確かめる新しい勤務時間、給与、契約期間、保険の扱いを労働条件通知書などで受け取る
図5 勤務時間の相談の進め方

切り出しの言葉は、たとえば次のような形です。

「来年度のことでご相談があります。家庭の事情で、平日の夕方に家にいる時間を作りたいと考えています。この園で続けたいので、勤務を9時から16時にしていただくことはできないでしょうか。早番の時間帯なら、毎日入れます。」

ポイントは、「辞めたい」ではなく「続けるために変えたい」という形で伝えることです。そして、何時から何時まで働けるのかを、具体的に示すことです。園長がすぐに答えを出せなくても、希望を伝えておくことで、来年度の体制を考えるときの材料になります。

05相談事例:担任を離れて、平日の夕方を取り戻した

要点:転職はせず、同じ園の中で正社員の担任からパートに切り替えた保育士の例です。収入が下がることを受け止めたうえで、何を優先したのかがよく分かります。

減らしたのは時間で、保育への気持ちではなかった

相談事例(モデルケース)

お名前
なほさん(仮名)・36歳
保育士歴
14年目(私立の認可保育園で正社員13年、パートに切り替えて1年目)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約100名)。以前は4歳児クラスの担任、今は0〜2歳児クラスの補助と早番
家族
夫(シフト勤務)と小学3年生の子ども
変化
週5日・1日8時間+残業月15時間ほど → 週4日・9時〜15時30分、子どもと過ごす平日の夕方 週0日 → 週4日、年収 約360万円 → 約190万円

編集部働き方を変えて、何がいちばん変わりましたか。

なほさん

子どもが学校から帰ってきたときに、家にいられるようになったことです。週4日は、15時半に園を出て、16時すぎには家に着きます。宿題を見たり、一緒に夕飯を作ったり。1年前の私には考えられなかった時間です。

編集部時間を減らしたいと思ったきっかけは何でしたか。

なほさん

子どもが2年生の終わりごろ、学童に行きたがらなくなったんです。夫もシフト勤務で夕方いないことが多くて、子どもが一人で家にいる日が増えていて。ある日、「お母さん、今日も遅いの?」って電話がかかってきて、そのとき、もう無理だなと思いました。でも、保育の仕事は辞めたくなかった。だから、辞めるんじゃなくて、減らす方法を探そうと決めました。

編集部園にはどう相談したのですか。

なほさん

11月に園長に時間をもらって、「15時半に帰れる働き方にしたい。この園で続けたい」と伝えました。子どもが小学生なので、法律の短時間勤務は使えないと知っていたので、パートに切り替える形でお願いしたんです。早番なら毎日入れることと、担任の先生たちの休憩の交代は任せてほしいことも伝えました。園長からは「担任が抜けるのは痛いけど、辞められるよりずっといい」と言われて、正直ほっとしました。

編集部変えてみて、手放したものはありますか。

なほさん

お金は、年収で170万円くらい下がりました。賞与がなくなったのが大きいです。それと、担任じゃなくなったことが、思っていたより寂しかったです。4歳児クラスの子たちの卒園を見届けられないのは、心残りでした。ただ、今の0〜2歳児の補助も、これはこれで楽しいんですよ。小さい子のちょっとした成長に気づけるのは、時間に余裕があるからだと思います。

編集部これからのことは、どう考えていますか。

なほさん

子どもが中学生になったら、また時間を延ばしたいと思っています。園長にも、そのときは正社員に戻る相談をさせてほしいとお願いしてあります。契約の更新の上限がないことも、切り替えるときに確かめました。

減らしたのは働く時間で、保育への気持ちは少しも減っていませんでした。

なほさん(仮名)

なほさんは、家計を夫と見直し、教育費の積み立てを少し減らす代わりに、子どもとの時間を優先することにしました。パートに切り替えて1年がたち、子どもは週に2日だけ学童に通いながら、残りの日は家で過ごしています。園では、早番の受け入れと休憩の交代を任され、担任の先生たちから頼りにされる存在になっているそうです。

なほさんの話から見えてくるのは、「辞める」と「続ける」の間にある「減らす」という道を、自分から探しにいくことの意味です。そして、伝えるときに、帰りたい時刻を数字で示し、代わりにできることを添えたことで、園長も前向きに調整を考えられました。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図6

正社員の担任のころパートに切り替えてから

週の勤務日数

5日
4日

退勤時刻

19時ごろ
15時30分

持ち帰り

週2日
なし

平日の夕方に家にいる日

週0日
週4日
図6 なほさんの働き方の変化(モデルケース)

06時間を減らす前に、確かめておきたいこと

要点:勤務時間を減らす話がまとまりそうになったら、新しい条件を書面で確かめます。契約の期間、更新の上限、保険、有給休暇、正社員に戻る道の有無など、あとから変えにくいことを先に確認しておきます。

図7

  • 新しい勤務時間と休憩6時間を超える勤務なら、少なくとも45分の休憩が必要になる[10]
  • 契約の期間と、更新の上限の有無パートの有期契約では、更新の上限の有無と内容が示される[8]
  • 社会保険の扱い勤務先の規模と週の時間によって、加入が続くか外れるかが変わる[5]
  • 有給休暇の日数週の日数が減ると、次の付与から比例した日数になることがある[7]
  • 賞与と退職金の扱い切り替えの時期によって、賞与の対象期間や退職金の計算が変わることがある
  • 担当する仕事の範囲担任を外れるのか、どの時間帯を任されるのかを確かめる
  • 正社員に戻る道があるか将来また時間を延ばしたいときに、相談できるかを聞いておく
  • 仕事内容と働く場所の変更の範囲契約の条件として、将来変わる可能性のある範囲が示される[11]
図7 勤務時間を減らす前に確かめること

とくに大事なのは、最後の2つです。時間を減らすのは、今の生活に合わせるためです。子どもが大きくなる、介護が落ち着く、体力が戻るなど、生活が変われば、また時間を延ばしたくなるかもしれません。そのときに戻る道があるかどうかを、切り替えの前に聞いておくだけで、気持ちの面での安心感が違います。

正社員とパートのどちらで働くかを、もっと広く比べてから決めたい人は、正社員とパートのどちらを選ぶかの考え方で整理しています。

07時間を減らしても、つらさが消えないとき

要点:時間を減らすことで楽になるのは、つらさの原因が「時間の長さ」にある場合です。原因が人間関係や心身の不調にあるなら、時間を減らすだけでは解決しないことがあります。その場合は、受診や公的な相談窓口も考えてください。

原因が「時間」なのかを確かめる

働く時間を減らしたい理由を、もう一度書き出してみてください。「夕方に家にいたい」「体力的に8時間がきつい」なら、時間を減らすことで状況は変わりやすいでしょう。一方で、「特定の先輩と同じ時間にいたくない」「園にいるだけで動悸がする」といった理由が混ざっているなら、時間を減らしても、つらさは形を変えて残ることがあります。

眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出るといった状態が2週間以上続いているなら、働き方を考えるより先に、医療機関を受診することを考えてください。働く人のための「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時、祝日と年末年始は休み)でも、相談を受け付けています[12]。相談先の選び方は、保育士のメンタル不調の相談先で詳しく紹介しています。

勤務時間の相談がこじれたとき

勤務時間の相談をしたのに、子育ての制度を使わせてもらえない、パートに変わったら約束と違う条件になっていた、といった問題が起きた場合は、一人で抱え込まないでください。都道府県労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーでは、労働に関するさまざまな問題について、無料・予約不要で相談できます[13]。

時間を減らすことも、働き方を変えることも、保育の仕事から逃げることではありません。自分の暮らしに合った形で保育を続けるための選択です。どの方法が合うのかを一人で決めきれないときは、働き方の相談先について紹介した保育士の働き方の相談先も参考にしてください。ほいくの相談室でも、「減らしたいけれど、どう切り出せばいいか分からない」という段階から話を聞いています。今の園に残ることを前提にした相談も受けています。

よくある質問

正社員のまま、勤務時間だけを短くすることはできますか?

3歳未満の子どもを育てている場合は、1日原則6時間の短時間勤務の制度があります[1]。3歳から小学校入学前の子どもがいる場合も、園が講じる措置の中に短時間勤務が含まれていれば選べます[3]。それ以外の場合は、園独自の制度があるかどうかによるため、就業規則を確かめたうえで園長に相談してください。

年度の途中でも、パートに切り替えられますか?

園の人員の事情によりますが、相談すること自体はいつでもできます。ただ、担任の交代は子どもや保護者への影響が大きいため、年度の途中では難しいと言われることも多いです。急ぎでなければ、来年度の体制を決める前の秋ごろに相談すると、受け入れてもらいやすくなります。

パートに切り替えると、有給休暇はなくなりますか?

なくなりません。週の勤務日数や時間が少なくなると、次の付与から比例した日数になることがありますが、パートでも有給休暇の権利はあります[7]。切り替えの時期に残っている日数の扱いは、園に確認しておいてください。

時間を減らしたいと言ったら、辞めてほしいと言われないか不安です。

「辞めたい」ではなく「この園で続けるために、時間を変えたい」と伝えることで、受け止められ方は大きく変わります。保育士は求人の多い職種で[14]、園にとっても経験のある職員に続けてもらえることは大きな意味があります。それでも話が進まない場合は、時間の短い職場に移ることも選択肢の一つです。

働く時間を減らすと、キャリアに傷がつきませんか?

時間を減らしていた期間も、保育の経験として積み重なります。将来また時間を延ばしたり、正社員に戻ったりするときも、その期間に何を担当していたかを具体的に話せれば、マイナスにはなりにくいものです。暮らしに合わせて働き方を変えることは、長く保育を続けるための工夫だと考えてください。

参考にした資料

  1. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日、10月1日施行対応)」
  2. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  3. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  4. 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
  5. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
  6. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  7. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  8. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  9. 厚労省 職業情報提供サイト(job tag)「保育士」
  10. e-Gov法令検索「労働基準法」
  11. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  12. こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」
  13. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  14. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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