日曜の夕方、洗濯物を取り込みながら、明日の朝の会で歌う歌を頭の中でなぞる。それだけで胸のあたりが重くなる。棚の奥には、養成校の実習でつけていたノートがある。あのころは、子どもの一言を書き留めるだけで楽しかった。今は、同じ子どもの声が、どこか遠くに聞こえる。
「保育士の仕事が合わないのかもしれない」。その考えが浮かんだとき、多くの人は二つの気持ちの間で揺れます。ずっと目指してきた仕事を手放したくない気持ちと、このまま続けたら自分がすり減ってしまうという不安です。そして、その揺れを誰にも話せないまま、毎日の保育をこなしていきます。揺れが長く続くほど、「合わない」の中身はぼやけ、ただ重たい気持ちだけが残っていきます。
この記事では、保育士の仕事が合わないサインを見分ける方法と、「保育が合わない」のか「今の園が合わない」のか「今の時期がつらいだけ」なのかを区別する考え方、続けるか迷う気持ちを整理するための3枚のメモの書き方をまとめました。続けるか辞めるかを、今日決める必要はありません。まずは、もやもやした気持ちに名前をつけるところから始めます。
この記事でわかること
- 保育士の仕事が合わないときに出やすい、3つの領域のサイン
- 「保育が合わない」「園が合わない」「時期がつらい」の見分け方
- つらい気持ちを整理する3つの段階と、3枚のメモの書き方
- 整理したあとに、続ける・変える・離れるを選ぶ考え方
結論
保育士の仕事が合わないサインは、子どもと関わる時間そのものに喜びを感じにくい、保育の進め方に強い違和感が続く、職場に向かうと体に不調が出る、という3つの領域に表れます。ただし、そのつらさが保育という仕事から来ているのか、今の園の環境から来ているのか、行事や担当が重なった時期だけのものなのかで、取るべき道は変わります。続けるか迷うときは、感情・事実・願いを3枚のメモに分けて書き出すと、気持ちが整理され、「今の園で続ける」「働き方や場所を変える」「保育から離れる」のどれが自分に合うかが見えてきます。
01保育士の仕事が合わないときに出やすいサイン
要点:合わないサインは、「子どもとの関わり」「保育の仕事の進め方」「心と体」の3つの領域に表れます。どの領域にサインが多いかで、合わないものの正体が見えてきます。
「合わない」という感覚は、とてもあいまいです。毎日がつらいのに、何が合わないのかを聞かれると、うまく答えられない。その答えにくさが、迷いを長引かせます。次の10項目を、ここ1〜2か月の自分に当てはめてみてください。
図1
- 子どもと遊ぶ時間を楽しいと感じる日が減った子どもとの関わりの領域のサインです。疲れで一時的に感じにくくなっている場合もあります
- 子どもの成長に心が動かなくなった子どもとの関わりの領域のサインです。感情が疲れ切っているときにも起きます
- 子どもの声や泣き声が、以前よりつらく感じる子どもとの関わりの領域のサインです。音や刺激への疲れが関わっていることもあります
- 一斉活動や行事の練習に、強い違和感がある保育の進め方の領域のサインです。園の方針との相性が関わっている可能性があります
- 書類や記録が、保育より重く感じる保育の進め方の領域のサインです。仕事の配分や園の仕組みに原因があることが多いです
- 自分の保育観を職場で出せない保育の進め方の領域のサインです。職場の雰囲気や方針の影響が考えられます
- 保護者対応が、毎回強い緊張を伴う保育の進め方の領域のサインです。担当の偏りや園の対応体制も関係します
- 日曜の夕方になると気分が沈む心と体の領域のサインです。職場に向かうことへの負担が表れています
- 出勤前に腹痛や吐き気がある心と体の領域のサインです。続いているなら受診を考えてください
- 休日も保育のことを考えると疲れる心と体の領域のサインです。回復の時間が足りていません
子どもとの関わりの領域にサインが多い人は、保育の仕事そのものとの相性を考える必要があるかもしれません。ただし、疲れ切っているときは子どもへの気持ちも動きにくくなるため、まず休んでから判断することが大切です。保育の進め方の領域にサインが多い人は、保育そのものではなく、今の園のやり方や仕事の配分が合っていない可能性があります。心と体の領域にサインが多い人は、何が合わないかを考える前に、まず休むことと受診を考えてください。
いちばん確かな手がかりは「子どもと過ごす時間」への気持ち
合わないものの正体を探るとき、いちばん頼りになるのは、子どもと過ごす時間そのものへの気持ちです。書類や行事、人間関係がつらくても、子どもと散歩に出たときや、午睡明けにぼんやりした顔で抱きついてくる子を受け止めたときに、ふっと心がゆるむ瞬間があるなら、保育そのものは合っている可能性が高いと言えます。逆に、子どもと関わる時間がいちばんつらいと感じているなら、保育以外の仕事も視野に入れて考えてよい段階かもしれません。
サインが出始めた時期も確かめる
サインがいつから出ているのかも、大事な手がかりです。担当クラスが変わった春から、新しい主任が来てから、発表会の準備が始まってから。きっかけがはっきりしている場合は、そのきっかけが合わないのであって、保育の仕事全体が合わないとは限りません。何年も前から少しずつ、特定のきっかけなく続いている場合は、仕事そのものや働き方との相性を見直す時期に来ているのかもしれません。手帳を振り返り、気持ちが重くなり始めた月に何があったかを書き出してみると、きっかけが見つかることがあります。
02「保育が合わない」のか「園が合わない」のか
要点:同じ「合わない」でも、保育という仕事が合わないのか、今の園の環境が合わないのか、行事などが重なった時期がつらいだけなのかで、取るべき道は大きく変わります。
「保育士に向いていない」と感じている人の話をよく聞くと、合わないのは保育そのものではなく、今の園のやり方や人間関係、仕事の量だったということが少なくありません。3つの違いを、次の表で比べてみてください。
図2
| 比べる点 | 保育そのものが合わない | 今の園が合わない | 今の時期がつらいだけ |
|---|---|---|---|
| 子どもと過ごす時間 | いちばんつらい時間になっている | 楽しい瞬間はまだある | 普段は楽しいが、今は余裕がない |
| つらさのきっかけ | 特定のきっかけがなく、長く続いている | 方針、人、仕事の量など、園の特徴に結びつく | 行事、担当の変更など、時期に結びつく |
| 休みを取ったあと | 休んでも、仕事に戻ることを考えると気が重い | 休むと回復するが、園に戻るとまたつらくなる | 行事が終わると楽になる |
| 考えられる道 | 保育の経験を活かす別の仕事や、異業種も含めて考える | 方針や規模の違う園、働き方の変更を考える | 時期を区切って乗り切り、負担の偏りを相談する |
辞めたい理由の多くは、仕事そのものより職場の条件
東京都の保育士実態調査では、現在保育士として働いている人の78.7%が「今後も保育士として働き続けたい」と答え、19.4%が「保育士を辞め、保育士以外の職種で働きたい」と答えています。辞めたいと考える理由として多かったのは、給料の安さ、仕事量の多さ、労働時間の長さ、職場の人間関係でした[1]。
図3
上位に並んでいるのは、給料、仕事量、労働時間、人間関係という、職場の条件にあたるものです。「保育が合わない」と感じていても、その正体は条件の問題であることが多いと考えられます。条件は、職場や働き方を変えることで変わる可能性があります。保育方針の違いがつらさの中心なら、保育方針が合わないと感じるときも参考になります。
03つらい気持ちを整理する3つの段階
要点:気持ちの整理は、「出す」「分ける」「選ぶ」の3段階で進めます。いきなり「続けるか辞めるか」を選ぼうとすると、気持ちが追いつかずに迷いが深まります。
続けるか迷っているとき、多くの人はいきなり「選ぶ」段階から考え始めます。けれど、つらい気持ちを外に出さず、中身を分けないまま選ぼうとすると、どの選択肢も正しく見えたり、間違って見えたりして、決められません。順番を守ることが、整理の近道です。
図4
- 出す頭の中にある気持ちを、きれいにまとめずに紙に書き出す。誰かに話してもよい
- 分ける書き出したものを、感情、事実、願いの3つに分ける
- 選ぶ願いを満たせる道を、今の園で続ける、働き方や場所を変える、保育から離れる、の中から考える
「出す」段階では、まとめようとしない
最初の段階では、文章を整える必要はありません。「疲れた」「あの言い方が嫌だった」「本当はもっと子どもと遊びたい」「辞めたら負けな気がする」。浮かんだ言葉を、そのまま書き出します。書くのが苦手なら、スマートフォンの音声入力で話したことを文字にしても構いません。気持ちは、外に出した分だけ頭の中の場所が空き、考える余裕が生まれます。
「分ける」段階で、もやもやに名前がつく
書き出したものを、「感情」「事実」「願い」の3つに分けます。「悔しい」「不安」は感情、「持ち帰りが週3日」「発表会の練習で毎日怒鳴り声が出る」は事実、「子どもとゆっくり話したい」「夜は家族とごはんを食べたい」は願いです。分けてみると、もやもやしていた「合わない」に、具体的な名前がついていきます。
「選ぶ」段階は、すぐに決めなくていい
3つ目の「選ぶ」段階は、その日のうちに答えを出す段階ではありません。願いを満たせそうな道をいくつか挙げ、それぞれについて「今の園で相談してみる」「求人を眺めてみる」「その仕事をしている人の話を聞いてみる」といった、小さな確かめ方を考えるところまでで十分です。確かめた結果を見て、また選び直していい。そう考えると、選ぶことへの怖さが少し和らぎます。
04続けるか迷う気持ちを整理する「3枚のメモ」
要点:感情、事実、願いを1枚ずつ別の紙に書き分けると、気持ちに振り回されずに考えられます。いちばん大事なのは3枚目の「願い」のメモで、そこから自分に合う働き方を逆算します。
図5
1枚目に感情を書く
「悔しい」「疲れた」「申し訳ない」など、今感じている気持ちを、理由をつけずに並べます
2枚目に事実を書く
つらいと感じた場面を、いつ、どこで、何があったかの形で、数字も入れて書きます
3枚目に願いを書く
「本当はこうしたい」「こういう時間がほしい」を、仕事以外のことも含めて書きます
3枚を見比べる
事実のメモと願いのメモを並べ、どの事実が、どの願いを邪魔しているかを線で結びます
願いを3つに絞る
願いの中から、これだけは譲れないものを3つ選び、丸をつけます
1回で30分ほどを目安にし、一度で書ききれなければ、何日かに分けて書き足して構いません。1週間ほど時間を置いて読み返すと、書いたときには気づかなかったことが見えてくることもあります。
1枚目の「感情」は、責めずに眺める
感情のメモには、「子どもに申し訳ない」「辞めたいと思う自分が情けない」といった、自分を責める言葉が並ぶこともあります。それを消す必要はありません。ただ、「今の私は、こう感じているんだな」と眺めてください。感情は、正しいか間違っているかで判断するものではなく、今の自分の状態を教えてくれる情報です。
2枚目の「事実」は、数字で書く
事実のメモでは、できるだけ数字を使います。「残業が多い」ではなく「行事前の月は残業が20時間」、「保護者対応がつらい」ではなく「週に3件、お迎えのときに要望を受ける」。数字で書くと、つらさの大きさが自分にも周りにも伝わりやすくなり、何を変えれば楽になるのかも具体的に見えてきます。
3枚目の「願い」から、合う働き方を逆算する
願いのメモは、続けるか辞めるかを考えるときのいちばんの手がかりになります。「一人ひとりとじっくり関わりたい」と書いたなら、少人数の園や乳児クラスが合うかもしれません。「夜は家族と過ごしたい」と書いたなら、勤務時間の決まった働き方が候補になります。「子ども以外の人と、違う形で役に立ちたい」と書いたなら、保育以外の仕事を考える時期かもしれません。願いを満たせる場所はどこか、という問いに変えると、「辞める」「続ける」の二択から抜け出せます。
05整理したあとに、続ける・変える・離れるを選ぶ
要点:3枚目の「願い」のメモで丸をつけたものを見て、それを今の園で満たせるか、場所や働き方を変えれば満たせるか、保育以外でなければ満たせないかを考えます。
図6
丸をつけた願いは、どこで満たせそうか
- 子どもとゆっくり関わる時間がほしい保育は続ける方向で考えます。少人数の園、乳児クラス、保育方針の違う園などを候補にします
- 時間や体力の余裕がほしい勤務時間や雇用形態の見直しを考えます。今の園で相談するか、働き方を変えられる職場を探します
- 保育の進め方を変えたい今の園で話し合える余地があるかを確かめ、難しければ方針の違う園を考えます
- 子どもと関わりつつ、保育園とは違う形で働きたい学童保育や児童発達支援など、保育士の経験を活かせる別の職場を候補にします
- 保育以外のことに挑戦したい保育士の経験を活かせる異業種も含めて、情報を集め始めます
- 何も願いが浮かばない心が疲れ切っているサインかもしれません。選ぶ前に、休むことと受診を優先します
保育士の経験は、保育園以外にも活かせる場所があります。どんな仕事があるかは、保育士の資格を活かせる仕事で紹介しています。辞めるかどうかの判断軸をもっと詳しく知りたいときは、保育士を辞めるべきか迷うときの判断基準もあわせて読んでみてください。
今の園で続けると決めたときに
整理した結果、今の園で続けると決めたなら、それは逃げではなく、一つの選択です。事実のメモで見つけた「変えたいこと」を一つ選び、園長や主任に具体的に相談してみてください。「発表会の練習は、全員で合わせる時間を週2回にしてもらえませんか」のように、数字を添えると相談が通りやすくなります。そして、願いのメモは手帳に挟んでおきましょう。つらい日に読み返すと、自分が何のために続けているのかを思い出せます。
06相談事例:「合わない」の中身を書き出したら
要点:ここでは、保育士が合わないのではと1年半迷っていた保育士が、3枚のメモで気持ちを整理し、保育園から学童保育へ働く場所を変えると決めたモデルケースを紹介します。
合わなかったのは、保育ではなく「全員を同じペースで動かすこと」だった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ともえさん(仮名)・44歳
- 保育士歴
- 通算15年(子育てで3年のブランクあり)
- 勤務先
- 社会福祉法人の認可保育園(定員約100名)、5歳児クラス担任
- 家族
- 夫、中学生の子ども2人
- 変化
- 迷っていた期間 約1年半 → メモを書いてから決めるまで 約2か月/日曜の夕方に気分が沈む日 毎週 → 月1回ほど
編集部仕事が合わないと感じ始めたのは、いつごろでしたか。
5歳児を続けて受け持つようになって、3年目くらいからです。発表会の練習で、全員が同じタイミングでセリフを言えるように何度も繰り返すのが、どうしてもつらくて。子どもは好きなのに、練習のときの自分の声が嫌いでした。「もう保育士は合わないのかな」って、1年半くらい迷っていました。
編集部3枚のメモを書いてみて、何が分かりましたか。
感情のメモは「申し訳ない」「焦る」ばかりでした。事実のメモを書いたら、つらい場面はほとんど、全員に同じことを同じペースでさせる場面だったんです。願いのメモには「一人ひとりとゆっくり話したい」「遊びの中で関わりたい」が何度も出てきて。保育が合わないんじゃなくて、全員を同じペースで動かすやり方が合わなかったんだって、そこで初めて言葉になりました。
編集部そこから、どう考えましたか。
最初は、保育方針の違う園に移ることも考えました。でも、願いのメモをもう一度読んだら、「宿題を見ながら、その日にあったことを聞く」みたいな場面を書いていたんです。自分の子が学童にお世話になっていたころ、指導員さんをうらやましいなと思っていたのを思い出して。それで、学童保育の仕事を調べ始めました。
編集部今の園には、どう伝えましたか。
年度の途中で抜けるのは嫌だったので、5歳児を卒園まで送り出してから辞めると決めました。園長に伝えたのは12月です。「合わないから辞めます」じゃなくて、「やりたいことが見つかりました」と言えたので、自分でも驚くくらい落ち着いて話せました。
「合わない」の中身を書き出したら、「合うもの」のほうが先に見えてきました。
ともえさん(仮名)
ともえさんは4月から放課後児童クラブで働き始めました。日曜の夕方に気分が沈むことは、今では月に1回あるかどうかだそうです。「子どもが好き」という気持ちは、場所を変えたことで、もう一度まっすぐに感じられるようになったと話しています。
このケースから持ち帰れるのは、「合わない」を書き分けることで、合わないものと同時に「合うもの」も見えてくるという点です。ともえさんは保育士を辞めたのではなく、保育士の経験が活きる別の場所を選びました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
ともえさんが選んだ放課後児童クラブでは、放課後児童支援員を支援の単位ごとに2人以上置くことになっています。支援員は、保育士や社会福祉士、教員免許状を持つ人などで、都道府県知事などが行う研修を修了した人とされています[2]。保育士の資格と経験は、こうした場所でも活かすことができます。学童保育の働き方は保育士が学童保育に転職するときで詳しく紹介しています。
07気持ちを整理するときに、心に留めておいてほしいこと
要点:気持ちの整理は一度で終わるものではなく、揺れ戻しもあります。また、気持ちが動かないほど疲れているときは、整理より休むことが先です。
1. 整理しても、また揺れる日は来る
3枚のメモで整理して方向が決まっても、翌週にはまた「やっぱり続けたほうが」と揺れることがあります。それは整理が失敗したのではなく、大切なことを決めようとしているときの自然な揺れです。揺れたときは、3枚目の願いのメモを読み返してください。丸をつけた3つの願いが変わっていなければ、決めた方向は間違っていません。願いが変わっていたら、それも新しい情報として受け止め、メモを書き直せばよいのです。
2. 何も感じられないほど疲れているなら、整理は後回しでいい
メモを書こうとしても何も浮かばない、願いのメモが白紙のまま。そんなときは、心が疲れ切っていて、気持ちを整理するための力が残っていない状態かもしれません。眠れない、食欲がない、涙が出るといった状態が2週間以上続いているなら、整理より先に、かかりつけ医や心療内科に相談してください。話を聞いてほしいときは、働く人の「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時)も使えます[3]。ストレスが限界に近いときのサインは、保育士のストレスが限界のときのサインと対処にまとめています。
一人でメモに向き合うのがつらいときは、誰かと話しながら整理する方法もあります。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階で、「この仕事が合わないのか分からない」という気持ちの整理から一緒に始めています。
よくある質問
保育士に向いていないと感じるのは、何年目くらいが多いですか?
向いていないと感じる時期は人によって違い、1年目に感じる人もいれば、10年以上続けてから感じる人もいます。大事なのは年数より、何がきっかけで、どの領域にサインが出ているかです。きっかけがはっきりしているなら、そのきっかけが変われば気持ちも変わる可能性があります。
気持ちの整理に、どのくらい時間をかければいいですか?
3枚のメモは1回30分ほどで書けますが、読み返して書き足しながら、2週間から1か月ほどかけて整理する人が多いです。急いで結論を出す必要はありません。ただし、心身の不調が強い場合は、整理より先に休むことを優先してください。
合わないと感じるのは、甘えではないでしょうか?
甘えではありません。合わないと感じるのは、今の環境や仕事の進め方と、自分が大切にしたいことの間にずれがあるサインです。そのずれの中身を整理すれば、自分に合う働き方を選ぶための手がかりになります。
整理したら、保育以外の仕事がしたいと気づきました。もったいないでしょうか?
保育士として積み重ねた経験は、仕事を変えても消えません。子どもや保護者と関わってきた経験、段取りの力、相手の気持ちをくみ取る力は、ほかの仕事でも活かせます。もったいないかどうかより、願いのメモに書いたことを満たせるかどうかで考えてみてください。
家族に「せっかく資格を取ったのに」と言われます。
家族は、あなたが努力して資格を取ったことを知っているからこそ、そう言うのかもしれません。3枚のメモのうち、事実と願いのメモを見せながら話すと、気持ちだけでなく、なぜそう考えたのかが伝わりやすくなります。保育以外の場所で資格を活かす道があることも、あわせて伝えてみてください。
参考にした資料
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。