年度末の面談で、園長に「来年度も担任をお願いしたい」と言われ、思わず「少し考えさせてください」と答えてしまう。家に帰って家族に「辞めてどうするの」と聞かれても、うまく答えられない。辞めたい気持ちははっきりしているのに、辞めた後に何をしたいのかは、ぼんやりしたままです。
「やりたいことがないなら、辞めないほうがいい」と言われることもあります。けれど、毎日の保育と行事の準備に追われてきた人が、次にやりたいことをすぐに言えないのは当然です。やりたいことは、辞める前に完成している必要はありません。必要なのは、選び直すための材料と、考える順番です。
この記事では、保育士がキャリアチェンジを考えたときに、やりたいことを見つけるための3つの問いと、保育を続ける、資格を活かす、異業種へ移るという選択肢の比べ方を紹介します。半年ほどかけて選び直すための動き方も、具体的にまとめました。
この記事でわかること
- 保育士のキャリアチェンジに、どんな選択肢があるか
- 辞めた後にやりたいことが見つからない理由
- やりたいことを見つけるための3つの問い
- 保育を続ける・資格を活かす・異業種へ移る、3つの道の比べ方
- 半年かけて選び直すための動き方
結論
キャリアチェンジを考え始めた保育士が最初にすることは、「やりたいこと」を探すより先に、「保育の仕事で続けたいこと」と「もう手放したいこと」を分けて書き出すことです。保育士のキャリアチェンジには、園を変えて保育を続ける、学童保育や児童発達支援などで資格を活かす、事務や営業などの異業種へ移るという3つの道があります。続けたいことが子どもの育ちに関わるなら資格を活かす道、子どもとは別のところにあるなら異業種が候補になります。保育士の求人は全職種の平均より多い状態が続いているため[1]、半年ほどかけて情報を集め、小さく試してから決めても遅くはありません。
01キャリアチェンジは「職種を変えること」だけではない
要点:保育士のキャリアチェンジには、職場を変える、働き方を変える、仕事の種類を変える、という段階があります。何を変えたいのかによって、選ぶ道が変わります。
「キャリアチェンジ」と聞くと、保育の世界から完全に離れて、まったく別の仕事に就くことを思い浮かべるかもしれません。けれど実際には、保育士が選べる道はもっと細かく分かれています。変えたいのが人間関係なら園を変えるだけで足りるかもしれませんし、変えたいのが勤務時間なら働き方を変える道もあります。
大きく変えるほど、得られる変化も大きい代わりに、準備にかかる時間と、慣れるまでの負担も大きくなります。園を変えるだけなら、これまでの経験がほぼそのまま使えます。異業種に移るなら、仕事の覚え直しと、収入の変化を受け止める準備が必要です。どこまで変える必要があるのかを先に考えておくと、必要以上に大きく動いて疲れてしまうことを防げます。
図1
何を変えたいか
- 園を変えて保育を続ける人間関係や園の方針、通勤時間を変え、保育士として働き続ける
- 働き方を変えるパートや派遣、短時間勤務などで、保育との距離を調整する
- 資格を活かして場所を変える学童保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、病児保育など、保育所以外で働く
- 子どもに関わる企業へ移る教材や玩具、子ども向け教室の運営など、子どもに関わる会社で働く
- 異業種へ移る事務、営業、販売など、保育以外の仕事で経験を活かす
- いったん休んで学び直す職業訓練や講座で新しい知識を身につけてから次を選ぶ
保育士として働く人の多くは、保育の仕事そのものは続けたいと考えています。東京都の調査では、現在保育士として働く人の78.7%が「今後も保育士として働き続けたい」と答え、19.4%が「保育士を辞め、保育士以外の職種で働きたい」と答えています[2]。キャリアチェンジを考えることは、保育を否定することではありません。自分に合う距離を選び直すことだと考えると、気持ちが少し軽くなります。
図2
02辞めた後にやりたいことが見つからないのは、自然なこと
要点:やりたいことが浮かばないのは、能力の問題ではなく、考える時間と余白がなかったからです。探し方を間違えると、さらに見つかりにくくなります。
保育の仕事は、目の前の子どもたちに一日中意識を向ける仕事です。休憩時間にも連絡帳を書き、帰宅してからも製作の準備をする。そんな毎日の中で、「自分は本当は何がしたいのか」を考える時間はほとんどありません。やりたいことが見つからないのは、考える余白がなかったことの裏返しです。
もう一つの理由は、保育士の多くが、学生のころから保育士を目指してきたことです。進路を早くに決めた人ほど、ほかの仕事を具体的に思い描く機会が少なく、「保育以外」と言われても、何から考えればいいのか分からなくなります。これは視野が狭いのではなく、それだけまっすぐに保育に向き合ってきたということです。
やりたいこと探しが空回りしやすい3つのパターン
やりたいことを探し始めた人が、よくはまってしまうパターンがあります。
- 憧れの職種から探す:華やかに見える仕事を調べるが、毎日の仕事の中身を知らないまま決めようとして迷う
- 資格から探す:何か資格を取れば道が開けると考え、目的がはっきりしないまま講座に申し込む
- 「やりたくないこと」だけで探す:今の不満の裏返しで選ぶため、次の職場でも別の不満が出やすい
どれも、自分の経験と結びつかないまま、外側から答えを探している点が共通しています。やりたいことは、外側の一覧からではなく、これまでの保育の経験の中から見つけるほうが、自分に合ったものになります。
03やりたいことを見つける3つの問い
要点:「続けたいこと」「手放したいこと」「試してみたいこと」の3つを書き出すと、次の仕事に必要な条件が見えてきます。
紙を3つの欄に分けて、次の問いに答えてください。一つの欄に最低5つ、思いつく限り書き出すのがこつです。きれいな言葉にする必要はありません。「お昼寝明けの子の、とろんとした顔を見るのが好き」「行事の前の土曜出勤がつらい」くらいの、具体的な場面のほうが役に立ちます。
図3
- 1
保育の仕事で、手放さずに続けたいことは?
子どもの成長を間近で見ること、保護者と話すこと、製作を考えることなど、辞めても失いたくない場面
- 2
もう手放したいことは?
早番や遅番、行事前の持ち帰り、大人数の一斉保育など、次の仕事では避けたいこと
- 3
保育の外で、試してみたいことは?
土日休みの暮らし、パソコンを使う仕事、大人と一緒に働くことなど、小さくても興味があること
書き出した内容から、方向を読み取る
書き出したら、1つ目の「続けたいこと」の欄を見てください。ここに子どもの育ちに関わることが多いなら、保育の外に出るより、資格を活かして場所を変えるほうが満足しやすい可能性があります。一方で、続けたいことが「人と話すこと」「段取りを考えること」のように子ども以外でも成り立つものなら、異業種でも続けられます。
2つ目の「手放したいこと」は、次の職場を選ぶときの条件になります。ここで確かめたいのは、それが「保育の仕事だから起きること」なのか、「今の園だから起きること」なのかです。持ち帰りや人間関係は園によって大きく変わるため、保育を続けたまま手放せることも少なくありません。
3つ目の「試してみたいこと」は、キャリアチェンジの実験の材料です。いきなり仕事にしなくても、休日の講座や短期の仕事で試してみることができます。
書き出した紙を、誰かに見せてみる
3つの欄が埋まったら、信頼できる人に見せて、気づいたことを言ってもらうのも一つの方法です。自分では「当たり前」と思って流していた項目に、「ここだけ書き方が生き生きしているね」と指摘されることがあります。保育を知っている同僚なら現場の感覚で、保育を知らない家族や友人なら外からの目で、それぞれ違う気づきをくれます。見せる相手がいないときは、1週間ほど置いてから自分で読み返すだけでも、書いたときとは違う項目が目に留まります。
向いている仕事の方向をもう少し具体的に知りたい人は、向いている仕事の簡単診断も合わせて使ってみてください。
043つの道を比べてみる
要点:園を変えて保育を続ける、資格を活かして場所を変える、異業種へ移る。3つの道は、仕事の中身だけでなく、収入、求人の探しやすさ、保育に戻りやすいかが違います。
3つの問いで方向が見えてきたら、次は道ごとの違いを並べて比べます。どの道にもよい面と負担があり、正解は人によって違います。表を見ながら、自分の「続けたいこと」がいちばん多く残る道と、「手放したいこと」がいちばん多く消える道が、同じかどうかを確かめてみてください。
図4
| 比べる点 | 園を変えて保育を続ける | 資格を活かして場所を変える | 異業種へ移る |
|---|---|---|---|
| 仕事の中身 | 今と同じ保育。園の方針や規模、人間関係が変わる | 学童保育、児童発達支援など、対象や関わり方が変わる | 保育以外の仕事。経験の活かし方を自分で考える |
| 経験の活かし方 | これまでの経験年数が評価されやすい | 保育の経験を土台に、新しい知識を足していく | 対人や段取りの経験を、言い換えて伝える |
| 収入 | 園や地域による | 職場による | 未経験からのスタートで、最初は下がることも |
| 求人の探しやすさ | 保育士の有効求人倍率は2026年7月で2.80倍[1] | 職種や地域により異なる | 職種、地域、年齢により異なる |
| 保育に戻りやすいか | 保育を続けている | 保育に近い経験が続く | 離れた期間によっては、戻るときに準備が必要 |
資格を活かして場所を変える道
保育士資格は、保育所の外でも活かせます。学童保育(放課後児童クラブ)で働く放課後児童支援員になるには、保育士などの資格に加えて、都道府県知事等が行う研修の修了が必要です[3]。障害のある子どもが通う児童発達支援や放課後等デイサービスでは、障害のある子ども10人までに対して、児童指導員または保育士を2人以上配置することが求められています[4]。病児保育事業も、2023年度に全国4,342か所で実施されています[5]。保育所以外の職場の特徴は保育園以外で働ける職場で詳しく紹介しています。
働き方を変えて、保育との距離を調整する道
保育の仕事は好きでも、担任の責任や持ち帰りの量がつらいという人には、パートや派遣、短時間勤務で働く道もあります。担任を持たずに保育補助として関わる、週3日だけ働く、といった形にすると、保育の仕事を続けながら、空いた時間で別の仕事を試したり、学び直したりすることもできます。正社員とパートのどちらを選ぶかの考え方は正社員とパートの選び方で紹介しています。
子どもに関わる企業へ移る道
保育の現場からは離れたいけれど、子どもに関わることは続けたい。そんな人には、教材や玩具を扱う会社、子ども向けの教室を運営する会社などで働く道もあります。現場で子どもと過ごした経験が、商品や教室を選ぶ保護者の気持ちを理解する力として活きる仕事です。ただし、仕事の中心は営業や事務、教室の運営であることが多く、子どもと直接関わる時間は保育より少なくなります。何を手放さずにいたいのかを確かめてから選ぶと、ずれが起きにくくなります。
異業種へ移る道
異業種に移る場合は、保育の経験を、異業種の言葉に置き換えて伝える準備が必要になります。未経験からのスタートになるため、最初は収入が下がることもありますが、勤務時間や休みの形が大きく変わる人もいます。いったん学び直してから移りたい人は、退職後の職業訓練とハローワークの使い方も参考になります。
05相談事例:「何をしたいか」ではなく「何を手放さないか」で選んだ
要点:辞めた後にやりたいことが分からず、異業種の事務を考えていた人が、3つの問いで自分の軸に気づき、資格を活かす道を選んだモデルケースです。
異業種を考えていたのに、最後に選んだのは保育に近い場所だった
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ゆりさん(仮名)・38歳
- 保育士歴
- 15年目(うち育児休業2回)
- 勤務先
- 私立の認可保育園(定員約100名)、5歳児クラス担任
- 変化
- 「やりたいこと」の書き出し 0行 → 3つの問いで計21項目、準備期間 約6か月
編集部キャリアチェンジを考え始めたきっかけは何でしたか。
5歳児の担任で、運動会と発表会と卒園式が全部のしかかってくる年だったんです。毎晩、子どもが寝たあとに製作の準備をしていて、ふと「これをあと20年続けるのかな」って思って。でも、辞めて何をしたいかって聞かれても、本当に何も出てこなかったんです。
編集部最初はどんな仕事を考えていましたか。
事務なら土日休みで、残業も少ないかなと思って、職業訓練の説明会にも行きました。でも、説明を聞きながら全然わくわくしなくて。自分で選んだはずなのに、なんでだろうって。
編集部3つの問いを書き出して、何が見えましたか。
「続けたいこと」の欄が、気づいたら全部子どものことだったんです。一人ひとりの発達を見ること、保護者と成長を喜ぶこと。逆に「手放したいこと」は、30人の一斉保育と、行事のための長い練習でした。保育が嫌なんじゃなくて、大人数で同じことをさせる形が苦しかったんだって、そのときやっと言葉になりました。
編集部そこから、どう動きましたか。
少人数で子どもと関われる場所を調べて、児童発達支援の事業所を2か所見学しました。見学先で、1人の子にじっくり時間をかけて関わっているのを見て、私がやりたかったのはこれだって思えたんです。そこから半年かけて、年度末に退職しました。
編集部決めるまでに、不安はありませんでしたか。
ありました。15年も同じ園にいたので、新しい場所で一からやれるのかなって。でも、見学のときに「保育園での経験がある人は、子どもの生活の流れを分かっているから心強い」と言われて、全部をゼロからやり直すわけじゃないんだと思えました。夫にも書き出した紙を見せたら、「これなら応援する」って言ってくれて。
辞めて何をしたいかじゃなくて、何を手放さないかを考えたら、答えはもう自分の中にありました。
ゆりさん(仮名)
ゆりさんは現在、児童発達支援の事業所で、未就学の子どもたちの療育に関わっています。勤務は9時から18時で、行事の準備で持ち帰る仕事はなくなりました。給与は前の園とほぼ同じ水準ですが、療育の知識は一から学ぶ必要があり、最初の3か月は勤務後に研修資料を読む日が続いたそうです。
ゆりさんのケースで見落とせないのは、最初に考えた「異業種の事務」が間違いだったわけではないことです。説明会に行って違和感を覚えたことも、自分の軸を見つける材料になりました。試してみて合わないと分かることも、キャリアチェンジの立派な一歩です。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
06半年かけて選び直すための動き方
要点:在職中に半年ほどかけて、書き出す、絞る、見に行く、試す、決めるの順で進めると、勢いで辞めて後悔するリスクを減らせます。
図5
- 1か月目:書き出す3つの問いに答え、続けたいこと、手放したいこと、試したいことを書き出す
- 2か月目:絞る方向を2〜3つに絞り、求人票を集めて仕事の中身と条件を確かめる
- 3か月目:見に行く職場見学や説明会に行き、実際に働いている人の様子を見る
- 4か月目:試す休日の講座、短期の仕事、ボランティアなどで小さく試してみる
- 5か月目:決める道を一つに決め、応募と、退職の時期の相談を始める
- 6か月目:移る担任の引き継ぎをして退職し、新しい職場に移る
「試す」を飛ばさない
半年の中でいちばん省かれやすいのが、4か月目の「試す」です。忙しい保育士にとって、休日に講座へ通ったり、短期の仕事をしてみたりするのは負担に感じるかもしれません。けれど、ゆりさんのように、実際に足を運んでみて初めて分かることは多くあります。丸一日かける必要はなく、半日の見学や、オンラインの説明会に一度参加するだけでも、頭の中で考えていたときとは違う手触りが残ります。
退職の時期は、担任の区切りと合わせて考える
期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用は終了します[6]。ただ、担任をしている場合は、引き継ぎや子どもへの影響を考えて、就業規則を確認したうえで1〜3か月前には伝えておくのが現実的です。年度の途中で動くか、年度末まで待つかは、次の職場の採用時期とも関わります。資格を活かす職場や異業種の会社には、4月以外の時期に採用を行うところもあるため、応募先の採用時期を確かめたうえで、年度末にこだわりすぎず、子どもたちへの影響と自分の体調の両方を見て決めてください。
お金の見通しも一緒に立てる
次の仕事が決まる前に退職する場合は、収入が途切れる期間の生活費を見込んでおく必要があります。雇用保険の基本手当を受ける場合でも、自己都合退職なら、2025年4月1日以降の離職では原則1か月の給付制限があります[7]。半年の準備期間のうちに、何か月分の生活費があれば安心かを家族と話しておくと、焦って次を決めることを防げます。辞めた後の仕事の決め方は辞めたいときの次の仕事の選び方でも紹介しています。
07選び直す前に、もう一度確かめたいこと
要点:キャリアチェンジの前に、「保育が合わない」のか「今の園が合わない」のかを確かめること。そして、どの道を選んでも、戻れる道を残しておくことです。
「保育が合わない」のか、「今の園が合わない」のか
保育士を辞めた理由として多いのは、職場の人間関係(31.5%)、仕事量が多い(23.1%)、給料が安い(22.1%)といった、職場の環境に関わるものです[8]。これらは、園を変えることで変わる可能性があります。3つの問いの「手放したいこと」が、ほとんど今の園の事情だったなら、保育から離れる前に、ほかの園を見てみる価値があります。逆に、保育の仕事そのものの形が合わないと分かったなら、それはキャリアチェンジを考える十分な理由になります。
戻れる道を残しておく
異業種に移っても、保育に戻る道は閉ざされません。保育士として働くには都道府県の保育士登録簿への登録が必要で、登録を受けると保育士登録証が交付されます[9]。登録証は、異業種で働いている間も大切に保管しておきましょう。また、保育の仕事に戻りたくなったときは、都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターで、再就職の相談や職業紹介を受けることができます[10]。
「保育士でなくなる自分」が怖いときは
長く保育を続けてきた人ほど、保育士であることが自分の一部になっています。キャリアチェンジを考えたときに感じる怖さの中には、仕事を変える不安だけでなく、「保育士でなくなったら、自分には何が残るのか」という気持ちが混ざっていることがあります。けれど、子どもの小さな変化に気づく目や、人の気持ちを受け止める力は、職場が変わっても失われません。肩書きが変わっても、保育の中で育ててきた力は、次の仕事の中で形を変えて生き続けます。
戻れると分かっていれば、新しい道を試すことへの怖さも小さくなります。キャリアチェンジは、一度決めたら後戻りできない選択ではありません。異業種を選んだ場合の準備や応募の進め方は、保育士の異業種転職の基本で整理しています。
どの道を選ぶか一人で決めきれないときは、ほいくの相談室で、3つの問いの書き出しを一緒に整理するところから相談できます。辞めるかどうかを決める前の段階でも構いません。
よくある質問
やりたいことが見つからないまま辞めてもいいですか?
心身がつらい場合は、やりたいことが決まっていなくても、休むことや辞めることを優先して構いません。体調に問題がない場合は、在職中に3つの問いを書き出し、方向だけでも決めておくと、辞めた後に焦って選ぶことを防げます。
30代後半や40代でもキャリアチェンジはできますか?
年代に関係なく選び直すことはできます。ただし、異業種では未経験で応募できる求人が限られることもあるため、保育の経験を活かせる道と異業種の道を並べて比べると、選択肢を狭めずに済みます。
キャリアチェンジのために、先に資格を取ったほうがいいですか?
目的が決まっていないまま資格を取ると、使わずに終わることがあります。まず方向を決め、その仕事で本当に必要な資格かどうかを求人票で確かめてから取るほうが、時間とお金を無駄にしません。
一度異業種に移ってから、保育士に戻ることはできますか?
戻ることはできます。保育士登録証を保管しておき、戻りたくなったときは保育士・保育所支援センターなどで再就職の相談ができます[10]。離れていた期間の保育の変化は、見学や研修で少しずつ取り戻せます。
家族にキャリアチェンジを反対されています。
「辞めたい」という気持ちだけを伝えると、家族は心配から反対しがちです。3つの問いの書き出しと、半年の進め方を見せながら話すと、勢いではなく考えたうえでの選択だと伝わりやすくなります。
3つの問いを書いても、「続けたいこと」が1つも出てきません。
疲れがたまっていると、楽しかった場面を思い出しにくくなります。最近の1か月ではなく、保育士になって1年目や、いちばん楽しかった年のことを思い出して書いてみてください。それでも出てこないときは、仕事選びの前に、まず休むことを考えてよい時期かもしれません。
参考にした資料
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準 第10条
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第5条・第66条
- こども家庭庁「多様なニーズに対応した保育の充実②(病児保育・延長保育・一時預かり等)」令和8年3月版
- e-Gov法令検索「民法」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 児童福祉法 第18条の18
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。