公立保育園と私立保育園の比較|保育士の採用・給料・異動の違い

自治体の保育士採用試験の案内と、私立保育園の求人票を、机の上に並べてみる。片方には「受験資格」「第一次選考」「採用予定人数」の文字。もう片方には「月給」「賞与実績」「見学随時受付」。同じ保育士の仕事なのに、入口からしてまるで違うことに、改めて驚かされます。

公立と私立のどちらがいいかは、保育士の間でもよく話題になります。「公立は安定している」「私立は園によって当たり外れがある」「公立は異動があるから人間関係がリセットされる」。どれも一面では当たっていますが、自分にとってどうなのかは、比べる項目をそろえないと見えてきません。

この記事では、公立保育園と私立保育園の違いを、採用・給料・異動・人間関係・保育方針の5つの項目で比べました。それぞれに向いている人の特徴と、公立から私立へ、私立から公立へ転職するときに考えておきたいことも紹介します。

この記事でわかること

  • 公立保育園と私立保育園の違い(採用・給料・異動・人間関係・保育方針)
  • 公立の採用試験と、私立の選考の進み方の違い
  • 異動のある職場とない職場で、人間関係がどう変わるか
  • 公立に向いている人・私立に向いている人の特徴

結論

公立保育園と私立保育園のいちばん大きな違いは、運営する主体です。公立は自治体が運営し、正規の保育士は自治体の職員として採用試験を経て採用されます。給料は自治体の給与のルールに沿って決まり、数年ごとに自治体内の別の園へ異動するのが一般的です。私立は社会福祉法人や株式会社などが運営し、採用は法人ごとの選考で、給料は公定価格と処遇改善等加算をもとに法人が決めます。長く同じ仕組みの中で働き、異動も受け入れられる人には公立が、園の方針や雰囲気を選んで働きたい人には私立が向いています。人間関係はどちらにも良い面と難しい面があるため、最後は園ごとの雰囲気を見学で確かめてください。

01公立と私立の違いを、5つの項目で比べる

要点:公立と私立の違いは、運営の主体の違いから生まれています。採用、給料、異動、人間関係、保育方針の5つの項目で並べると、自分が何を重視しているのかが見えてきます。

図1

項目公立保育園私立保育園
運営自治体が運営する社会福祉法人や株式会社などが運営する
採用正規職員は自治体の採用試験。募集の時期が決まっている法人ごとの選考。通年で募集している法人も多い
給料の決まり方自治体の給与のルールに沿って決まる公定価格と処遇改善等加算をもとに、法人の規程で決まる
異動自治体内の園へ、数年ごとに異動するのが一般的法人の園の数による。1園だけの法人なら異動はない
人間関係異動で顔ぶれが変わる。正規と非常勤が一緒に働く顔ぶれが長く続きやすい。法人の文化が色濃く出る
保育方針自治体全体の方針に沿い、園ごとの差は比較的小さい法人や園ごとに特色があり、差が大きい
非常勤の働き方会計年度任用職員として、年度ごとに任用されるパートや契約職員など、法人ごとの雇用形態
図1 公立保育園と私立保育園の主な違い

運営の違いが、ほかのすべての違いを生む

公立保育園の正規職員は、自治体の職員です。採用も、給料も、異動も、自治体のルールに沿って決まります。私立保育園では、運営する法人がそれぞれのルールを持っています。そのため、私立は「法人によって違う」という答えになることが多く、比べるときには一つひとつの法人を見る必要があります。

一方で、保育の土台は共通しています。公立も私立も、認可保育園として、2018年4月から適用されている保育所保育指針に沿って保育を行います[1]。そのうえで、公立は自治体全体の方針に沿った標準的な保育、私立は法人ごとの特色を打ち出した保育という違いが出やすくなります。リトミックや英語、自然体験など、独自の取り組みを打ち出しやすいのは、法人ごとに方針を決められる私立です。保育の中身にこだわりたい人ほど、私立の園ごとの違いが選ぶ楽しさにも、迷いの種にもなります。

「公立=安定」「私立=自由」は、半分だけ正しい

公立は給与の仕組みがはっきりしていて、長く働く見通しを立てやすいのは確かです。ただ、公立の求人で目にすることが多いのは非常勤で、正規職員とは働き方も給料も大きく違います。私立は園ごとの特色を選べる一方、法人の経営方針が変われば職場の雰囲気も変わります。イメージだけで決めず、正規か非常勤か、どの法人かまで分けて考えることが大切です。

同じ「公立」でも、自治体によって事情が違う

公立保育園の働き方は、自治体によっても違います。公立の園を民間に移す動きが進んでいる自治体では、公立の園の数が減り、正規職員の採用も少なくなっていることがあります。反対に、公立の園が地域の保育の中心になっている自治体では、毎年一定数の採用があることもあります。公立を目指すなら、「公立」とひとくくりにせず、働きたい自治体ごとの事情を確かめてください。同じように、私立も、都市部で多くの園を運営する法人と、地方で一つの園を長く守ってきた法人とでは、まったく違う職場になります。

02採用の違い:試験で選ぶ公立、選考で選ぶ私立

要点:公立の正規職員になるには、自治体の採用試験に合格する必要があり、募集の時期も決まっています。私立は法人ごとに選考し、見学から内定までが比較的短い期間で進むことが多くなります。

図2

  1. 募集案内を確かめる自治体の公式サイトや広報で、受験資格、試験の日程、採用予定人数を確かめる
  2. 申し込む決められた期間内に申込書を提出する。期間が短い自治体もある
  3. 選考を受ける筆記、面接、実技など、自治体ごとに決められた選考を受ける
  4. 合格・採用候補者になる合格後、採用候補者として名簿に載り、配属先の園が決まる
  5. 採用・配属多くは年度の初めに採用され、自治体内の園に配属される
図2 公立保育園の正規職員になるまでの一般的な流れ(時期や内容は自治体により異なる)

公立の採用試験は「時期」と「受験資格」を先に確かめる

公立の正規採用で、まず確かめたいのは募集の時期と受験資格です。年に一度しか募集しない自治体もあれば、年度の途中に追加で募集する自治体もあります。受験資格の年齢の上限や、経験者向けの枠の有無も自治体によって違うため、気になる自治体の公式サイトで最新の募集案内を確かめてください。在職中に受験する場合は、試験の日程と今の職場の勤務の調整も必要になります。

私立の選考は、見学から始まることが多い

私立保育園の選考は、見学、書類選考、面接という流れで進むことが一般的です。通年で募集している法人も多く、条件が合えば1か月ほどで内定まで進むこともあります。見学の段階で園の雰囲気を確かめられるのは、私立の選考の良さです。反対に、内定までが早い分、条件を確かめきれないまま決めてしまわないよう注意が必要です。

在職中に公立を受けるなら、1年単位で段取りを組む

私立で働きながら公立の採用試験を受ける場合、募集から採用までが1年近くに及ぶこともあります。試験の勉強、選考の日程、今の園への退職の伝え方を、年度の流れに合わせて考えておく必要があります。担任をしている場合は、合格が決まってから年度末まで、今の園で責任を持って働くことになります。合格が分かる時期と、今の園の就業規則にある退職の申し出の期限を照らし合わせ、無理のない順番を組んでおきましょう。不合格だった場合にどうするかも、あらかじめ考えておくと気持ちが楽になります。

公立の非常勤は、「会計年度任用職員」という仕組み

公立保育園の求人で目にすることが多い非常勤は、2020年4月から、多くが「会計年度任用職員」という仕組みになりました[2]。会計年度(4月〜翌年3月)ごとに任用される職員です。2024年4月からは、パートタイムの会計年度任用職員にも、条例で勤勉手当を支給できるようになりました[2]。実際に支給するかどうかや時給の水準は、自治体の条例や規則で決まります。非常勤の働き方は非常勤保育士(会計年度任用職員)の働き方で詳しく紹介しています。

03給料と安定性の違い

要点:公立の正規職員の給料は、自治体の給与のルールに沿って勤続とともに上がっていくのが一般的で、長期の見通しを立てやすいのが特徴です。私立は、国の公定価格と処遇改善等加算を原資に、法人が配分を決めるため、法人ごとの差が大きくなります。

公立は「ルールが公開されている」安心がある

公立保育園の正規職員の給料は、自治体の給与のルールに沿って決まります。同じ自治体の職員なら同じ仕組みが使われ、勤続を重ねるごとに少しずつ上がっていく形が一般的です。多くの自治体は職員の給与の状況を公表しているので、気になる自治体があれば、公式サイトで確かめてみてください。

私立は「原資は共通、配分は法人次第」

私立の認可保育園の運営費は、国が定める公定価格をもとに支払われます。令和8年度の公定価格では、保育士の本俸の基準額が254,694円とされています[3]。公定価格の保育士等の人件費は、令和6年度に10.7%、令和7年度に5.3%改善されました[4]。さらに、処遇改善等加算が上乗せされますが、どの職員にどう配るかは法人が決めます[5]。そのため、同じ地域の私立保育園でも、給料に差が出ます。公立と私立の給料の違いは、公立と私立の給料の比較で詳しく整理しています。

長く働く人の多さにも、違いが見られる

給料の仕組みと並んで、公立と私立の違いとしてよく挙げられるのが、働き続ける人の多さです。少し古いデータですが、平成29年の調査では、保育所の常勤保育士の離職率は次のとおりでした[6]。

図3

保育所の常勤保育士の離職率(平成29年・社会福祉施設等調査)[6]

公営5.9%
全体9.3%
私営10.7%
図3 保育所の常勤保育士の離職率(平成29年・社会福祉施設等調査)[6]

この数字は平成29年のもので、最新の状況とは違う可能性があります。また、離職率の違いには、給料だけでなく、異動の仕組みや職員の年齢構成など、ほかの要因も重なっています。私立の中にも、長く勤める人が多い法人はたくさんあります。平均の数字は、あくまで傾向として受け止めてください。

月給だけでなく、1年間と長い目で比べる

公立と私立の給料を比べるときは、月給の数字だけを見ないことが大切です。賞与の支給月数、住宅手当や扶養手当などの手当、昇給の幅、そして退職金の制度まで含めると、見え方が変わることがあります。特に退職金は、何年働くかによって差が大きくなるため、今の年齢からあと何年働くつもりかを考えたうえで比べてください。私立の求人では、退職金の制度があるか、どの制度に加入しているかを、面接で確かめておくと安心です。

04異動と人間関係の違い

要点:公立は数年ごとの異動で人間関係が入れ替わり、私立は顔ぶれが長く続きやすいという違いがあります。どちらが楽かは、人間関係にどんな悩みを持っているかで変わります。

図4

公立の正規職員

数年ごとに異動があり、顔ぶれが変わる。合わない人とも「期限付き」と思える一方、築いた関係も途切れる

リセットがある

公立の非常勤職員

同じ園で長く働くことが多い。正規職員との役割の違いに、もどかしさを感じることも

立場の違い

複数の園を持つ私立法人

法人内の異動がある場合も。法人の研修や行事で、ほかの園の職員ともつながりやすい

法人の文化

1園だけの私立法人

異動がなく、顔ぶれが長く続く。園長や古くからいる職員の影響が強く出やすい

長い付き合い

図4 公立・私立の働き方ごとの人間関係の傾向

異動は、人間関係の「逃げ道」にも「負担」にもなる

公立保育園で働く人の中には、「合わない人がいても、どちらかが異動すれば終わる」と考えて乗り切ってきた人もいます。異動は、人間関係のリセットとして働くのです。一方で、異動のたびに新しい園のやり方を覚え、職員や保護者との関係を一から築くのは、大きなエネルギーを使います。地域の子どもや家庭と長く関わりたい人にとっては、異動はむしろ負担になります。

私立の「顔ぶれが続く」は、良くも悪くも働く

1園だけを運営する私立の法人では、異動がない分、長く同じ仲間と働けます。息の合った関係が続けば、とても働きやすい職場になります。けれども、合わない人がいると、その関係が何年も続くことになります。異動を希望しても行き先がない、という状況もあり得ます。人間関係のために異動を考えるときの進め方は、人間関係を理由に異動を希望するときを参考にしてください。

入職前に「変更の範囲」を確かめておく

2024年4月からは、労働契約を結ぶとき、就業場所と業務の「変更の範囲」を明示することになりました[7]。求人の段階でも、就業場所の変更の範囲が明示事項に加わっています[8]。私立の法人を選ぶときは、どの園に異動する可能性があるのかを、ここで確かめられます。

05公立に向いている人・私立に向いている人

要点:公立に向いているのは、長く同じ仕組みの中で働きたい人、異動を前向きに受け止められる人です。私立に向いているのは、園の方針や雰囲気を自分で選びたい人、同じ園で長く関係を築きたい人です。

図5

働くうえで、いちばん大切にしたいことは?

  1. 給与の仕組みがはっきりしていて、長期の見通しを立てたい公立の正規職員が候補です。採用試験の時期と受験資格を確かめます
  2. いろいろな園を経験して、視野を広げたい公立の正規職員、または複数の園を持つ私立法人が候補です
  3. 自分の考えに合う保育方針の園で働きたい私立が候補です。見学で方針と実際の保育を見比べます
  4. 同じ園で、地域の子どもや家庭と長く関わりたい1園だけ、または異動の少ない私立法人が候補です
  5. 勤務時間を抑えて、無理なく続けたい公立の非常勤や私立のパートが候補です。任用や契約の期間も確かめます
図5 公立と私立のどちらが合うかを考える

公立に向いている人の特徴

  • 給与や休暇などのルールがはっきりしていることに安心できる
  • 異動で新しい園や仲間に出会うことを、前向きに受け止められる
  • 自治体全体の方針に沿って、標準的な保育を丁寧に積み上げたい
  • 採用試験の準備に、時間をかけることができる

私立に向いている人の特徴

  • 保育方針や園の雰囲気を、自分で選んで働きたい
  • 同じ園で長く働き、子どもの成長を何年も見守りたい
  • 法人の特色ある取り組みや研修に関わってみたい
  • 試験よりも、見学や面接で自分を知ってもらうほうが得意

どちらのリストにも同じくらい当てはまる人は、公立か私立かという分け方そのものが、今の迷いの中心ではないのかもしれません。その場合は、規模や保育方針など、別の軸で比べたほうが答えに近づけます。反対に、片方のリストにだけ強く当てはまるなら、そちらの道で具体的な情報を集め始める段階です。どちらに当てはまっても、それは今の自分の傾向にすぎません。家庭の状況や年齢によって、向いている道が変わることもあります。

06相談事例:公立から私立へ移ったゆみこさん

要点:ここでは、公立保育園の正規職員として18年働いたあと、私立保育園へ移ったモデルケースを紹介します。安定を手放す不安と、どう向き合ったかに注目してください。

「異動のない園で、この地域の子どもを見続けたい」

相談事例(モデルケース)

お名前
ゆみこさん(仮名)・41歳
保育士歴
18年目(相談当時)
勤務先
公立保育園の正規職員(自治体内の5つの園を経験)→ 社会福祉法人の私立認可保育園(1法人1園、定員約80名)
暮らし
夫と中学生の子ども2人、郊外の住宅地に在住
変化
異動 18年で5回 → 異動のない園へ、通勤 片道約50分 → 約15分

編集部公立を辞めることを考え始めたのは、なぜですか。

ゆみこさん

5つ目の園に異動したとき、自宅から車で50分かかる園になったんです。それに、異動のたびに、やっと保護者さんと信頼関係ができたころに離れる。その繰り返しに疲れてしまって。子どもが卒園したあとも地域で会えるような、そういう保育がしたかったんだと気づきました。

編集部不安だったことは何ですか。

ゆみこさん

やっぱりお金です。公立を辞めるなんてもったいない、って周りにも言われましたし、自分でもそう思っていました。相談したときに、今の給料と、候補の私立の園の給料、それから退職金の見込みまで、数字を並べて一緒に確かめてもらったんです。年収で60万円くらい下がることも、はっきり言ってもらえました。

編集部それでも私立を選んだ決め手は何でしたか。

ゆみこさん

数字を見て、正直に言うと少し怖くなりました。でも、「公立に残る選択も十分にありますよ」と言ってもらえて、かえって落ち着いて考えられたんです。家族とも相談して、子どもたちの教育費は何とかなると分かった。それなら、通勤が15分で、異動がなくて、異年齢保育に力を入れている今の園で働きたいって、自分で決められました。

編集部移ってみて、どうですか。

ゆみこさん

2年目に入りました。去年担任した子のきょうだいが入園してきて、保護者さんに「また先生でうれしい」と言われたときは、本当に移ってよかったと思いました。公立の18年で身につけた標準的な保育のやり方も、ここでは「基本がしっかりしている」と頼りにされています。

安定を手放したんじゃなくて、自分にとっての安定の形を選び直したんだと思います。

ゆみこさん(仮名)

ゆみこさんは今、3〜5歳の異年齢クラスの担任として働いています。通勤は片道15分になり、子どもたちの部活動の送り迎えにも間に合うようになりました。年収は下がりましたが、事前に家計を見直していたため、生活に大きな変化はなかったそうです。

このケースのポイントは、公立を辞めることのデメリットを数字で確かめたうえで、自分が何を「安定」と感じるのかを考え直したことです。公立か私立かに正解はなく、何を大切にするかで答えが変わることを、このケースは教えてくれます。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

07公立か私立かを決める前に、もう一歩考えたいこと

要点:公立か私立かは大きな分かれ道に見えますが、実際には、正規か非常勤か、どの法人か、どの園かによって働き方は大きく変わります。決める前に、三つの点を考えておいてください。

1. 「公立か私立か」より、「正規か非常勤か」のほうが違いが大きいこともある

公立の正規職員と、公立の非常勤職員とでは、採用の方法も給料の仕組みも、任用の期間もまったく違います。私立の正社員とパートの違いも同じです。「公立なら安定」と考えるときは、それが正規職員の話なのか、非常勤の話なのかを分けて考えてください。求人を見るときは、雇用形態と契約期間、更新の基準を必ず確かめましょう。

2. 公立から私立へ移るときは、失うものも数字で確かめる

公立の正規職員を辞めると、給与の仕組みだけでなく、退職金や休暇の制度なども変わります。私立の法人によっては手厚い制度を持っているところもありますが、確かめないまま移ると、あとで「こんなはずでは」と感じることがあります。給料、賞与、退職金、休暇の4つは、移る前に書面で確かめておくと安心です。

3. 人間関係の悩みは、公立か私立かだけでは解決しない

人間関係に疲れて、公立から私立へ、あるいは私立から公立へ移ろうと考える人もいます。けれども、人間関係の悩みの多くは、運営の主体よりも、園長の姿勢や職員の構成、話し合いの仕組みに左右されます。公立に移っても、配属された園の雰囲気が合わなければ、次の異動まで待つことになります。私立に移っても、法人の文化が合わなければ、同じ悩みが続きます。人間関係を理由に移るなら、公立か私立かと同時に、見学で職員同士の関わり方を必ず確かめてください。

公立と私立の違いに限らず、制度・運営・規模・場所の4つの軸から職場タイプを比べたいときは、保育士の職場タイプの選び方を参考にしてください。公立に残るか、私立へ移るかは、家計や家族の事情も絡む大きな選択です。周りに「もったいない」と言われて本音を話しにくいときこそ、利害のない相手に話してみると考えが整います。ほいくの相談室では、転職するかどうかを決めていない段階から、今の待遇と比べながら選択肢を並べるお手伝いをしています。

よくある質問

私立保育園で働いた経験は、公立の採用試験で評価されますか?

評価のされ方は自治体によって違います。経験者向けの枠を設けている自治体もあれば、新卒と同じ試験を受ける自治体もあります。募集案内で受験資格と選考の方法を確かめ、面接では私立での経験をどう活かせるかを具体的に伝えてください。

公立保育園の非常勤から、正規職員になれますか?

非常勤として働いていても、正規職員になるには、原則として採用試験を受ける必要があります。非常勤の経験は、保育の実務の経験として面接で話せます。受験資格の年齢などは自治体ごとに違うので、募集案内で確かめてください。

公立保育園は、私立より残業が少ないですか?

一概には言えません。公立にも行事の準備や書類で残業が多い園はあり、私立にも勤務時間内で仕事を終えられる仕組みを整えた園があります。残業の量は、公立か私立かより、園ごとの人の配置や仕事の進め方で決まります。

私立保育園は、法人によって何が違いますか?

給料の配分、異動の有無、保育方針、研修の仕組み、行事の数など、多くのことが法人によって違います。同じ地域の私立保育園でも、働きやすさに大きな差があるため、見学と面接で一つずつ確かめることが大切です。

公立保育園の異動は、断れますか?

公立の正規職員の異動は、自治体の人事として行われるため、本人の希望だけで断るのは難しいのが一般的です。希望を伝える機会がある自治体もあるので、家庭の事情などがある場合は、早めに上司に相談してください。

40代からでも、公立保育園の正規職員を目指せますか?

受験資格の年齢の上限は自治体によって違い、経験者を対象にした選考を行う自治体もあります。まずは働きたい自治体の募集案内で、年齢の条件と選考の内容を確かめてください。条件が合わない場合は、公立の非常勤として働く道もあります。

参考にした資料

  1. 保育所保育指針(こども家庭庁掲載)
  2. 総務省「地方自治法の一部を改正する法律について(会計年度任用職員制度関係)」(2023年5月30日)
  3. こども家庭庁通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(2026年7月31日 こ成保第536号)
  4. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  5. こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
  6. 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)
  7. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  8. 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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