内定の電話を切ったあと、手帳に「返事は金曜まで」と書き込む。ほっとして、うれしくて、家族にもすぐ伝えた。けれど少し落ち着くと、手元にあるのは求人票と面接で書いたメモだけだと気づきます。給料の内訳は聞いたとおりなのか。試用期間はあったのか。異動はないと言われた気がするけれど、本当にそうなのか。
保育士の転職では、内定から入職までの時間が短いことも多く、確認しきれないまま4月を迎える人も少なくありません。「せっかく内定をもらえたのに、細かいことを聞いたら印象が悪くなるかもしれない」と、聞きたいことを飲み込んでしまう人もいます。けれども、入職してから「聞いていた話と違う」と気づくほうが、園にとってもあなたにとってもずっと大きな負担になります。
この記事では、内定を承諾する前と、承諾してから入職するまでの2つの段階に分けて、確認しておきたいことを整理しました。労働条件通知書の項目ごとの見方、求人票や面接の話との照らし合わせ方、聞きにくいことを角を立てずに確かめる伝え方まで紹介します。
この記事でわかること
- 内定承諾の前と、承諾してから入職までに確認すること
- 労働条件通知書の項目ごとの見方と、見落としやすい点
- 求人票や面接で聞いた話と、書面を照らし合わせる方法
- 聞きにくいことを、角を立てずに確認する伝え方
結論
保育士が入職前に確認することは、大きく分けて「労働条件」と「働き始めの準備」の2つです。内定を承諾する前に、労働条件通知書や雇用契約書を書面でもらい、契約期間と試用期間、就業場所と業務(変更の範囲を含む)、始業・終業時刻と休憩、休日、賃金の内訳、社会保険を、求人票や面接で聞いた内容と1項目ずつ照らし合わせます。違いがあれば承諾の前に質問し、回答をメールなど形に残しておきます。承諾したあとは、担当クラス、初日の流れ、提出書類などの準備を確かめておくと、落ち着いて初日を迎えられます。
01入職前の確認は「承諾の前」と「承諾の後」の2段階
要点:承諾の前には、働く条件そのものを書面で確かめます。承諾の後には、働き始めるための準備を確かめます。この順番を逆にしないことが、入職後の「聞いていない」を防ぐいちばんの近道です。
内定の連絡を受けてから初出勤の日までには、確認したいことがたくさんあります。全部を一度に考えようとすると、何から手をつければいいか分からなくなります。まずは時期で分けて、やることを整理しましょう。
図1
- 内定の連絡を受けた日承諾の返事の期限と、労働条件を示す書面をいつもらえるかを確かめる
- 承諾の返事をする前労働条件通知書などの書面を、求人票と面接のメモと1項目ずつ照らし合わせる
- 承諾の返事をする前違いや分からない点を、メールなどで質問して回答を残す
- 承諾の後〜入職1か月前担当クラス、初日の流れ、提出書類、制服や持ち物を確かめる
- 入職の2週間前通勤経路を朝の時間帯に試す。子どもの預け先やお迎えの段取りを決める
- 入職初日書面の内容と、実際の勤務時間や休憩の取り方が合っているかを見る
- 入職後1か月最初の給与明細で、基本給や手当が書面どおりかを確かめる
大事なのは、労働条件の確認を承諾の前に済ませておくことです。承諾してからでも質問はできますが、条件に納得できなかったときに選べる道が狭くなってしまいます。返事の期限が短くて確認が間に合わないときは、「書面を確認してからお返事したいので、○日まで待っていただけますか」と相談してみてください。内定の返事の期限については内定の返事の期限と伝え方で詳しく紹介しています。
書面より先に承諾を求められたら
「書面は入職の日に渡します」「とりあえず承諾のお返事だけください」と言われることもあります。その場合でも、せめて主な条件だけはメールなどの文章で送ってもらえないか、お願いしてみてください。契約期間、試用期間、就業場所、勤務時間、月給の内訳、社会保険の6つが文章で届けば、口頭の説明だけで承諾するよりずっと安心です。お願いの言い方は「家族とも相談して決めたいので、主な条件を文章でいただけますか」とすると、角が立ちにくくなります。
どうしても文章で示してもらえない場合は、その対応自体を判断の材料にしてかまいません。入職前の小さなお願いに応じてもらえない園では、入職後の相談にも応じてもらいにくいかもしれないからです。
02労働条件通知書の見方
要点:労働条件通知書では、契約期間、試用期間、就業場所と業務の「変更の範囲」、始業・終業時刻と休憩、休日、賃金の内訳、社会保険の7つを中心に見ます。とくに2024年4月から明示が必要になった「変更の範囲」は見落としやすい項目です。
働く条件は、多くの場合、労働条件通知書や雇用契約書といった書面で示されます。名前は園によって違いますが、見るべき項目はほぼ同じです。2024年4月からは、労働契約を結ぶときに、雇入れ直後の就業場所と業務だけでなく、その「変更の範囲」も明示することが必要になりました[1]。複数の園を運営している法人では、ここに「法人が運営する施設」などと書かれていることがあります。
図2
- 契約期間(期間の定めがあるかないか)正職員なのか、1年などの有期契約なのかで、更新や辞めるときのルールが変わります
- 有期契約の場合の更新の有無・基準・上限何年まで、何回まで更新されるのか、どんな基準で判断されるのかを確かめます
- 試用期間の有無と長さ、その間の条件試用期間中の給与や手当が本採用後と違わないかを確かめます
- 就業場所と、その変更の範囲「この園だけ」なのか「法人のすべての施設」なのかで、異動の可能性が分かります
- 従事する業務と、その変更の範囲保育以外の業務(事務、送迎など)が含まれるかを確かめます
- 始業・終業の時刻とシフトの形早番・遅番の時間帯と、月に何回くらいかを面接の話と照らし合わせます
- 休憩の時間何分の休憩が、どの時間帯にあるのかを確かめます
- 休日と年間休日数週休の形と、年末年始や夏季の休みの扱いを確かめます
- 賃金の内訳(基本給・手当・固定残業代)月給の総額だけでなく、何がいくら含まれているかを見ます
- 賞与と昇給賞与の有無と支給の考え方、昇給の時期を確かめます
- 社会保険・雇用保険の加入加入の有無と、パートの場合の加入条件を確かめます
- 退職に関する事項退職の申し出の時期など、辞めるときのルールを確かめます
有期契約なら「更新」の書き方をよく読む
1年契約などの有期契約の場合は、契約を結ぶときや更新するときに、更新の上限(通算の契約期間や更新回数)の有無と内容を明示することになっています[2]。求人の段階でも、有期契約を更新する場合の基準や上限を示すことが求められています[3]。「更新あり」とだけ書かれている場合は、「どのような基準で更新を判断していますか」「上限はありますか」と確かめておきましょう。試用期間や有期契約の確認ポイントは試用期間と有期契約の確認ポイントで詳しくまとめています。
賃金は「総額」ではなく「内訳」で読む
求人では、賃金を示すときに固定残業代がある場合はその内訳を示すことになっています[4]。労働条件通知書でも、月給の総額に何が含まれているのかを一つずつ確かめてください。基本給、資格手当、担任手当、処遇改善の手当、通勤手当、住宅手当など、名前も金額も園によってさまざまです。賞与が「基本給の○か月分」で計算される園では、基本給の額が年収を大きく左右します。処遇改善の手当がどのように支給されるかの確かめ方は処遇改善を転職先で確認する方法で紹介しています。
休憩と有給休暇の扱いも見ておく
休憩は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間を、勤務の途中に与えることになっています[5]。書面に書かれた休憩時間が、面接で聞いた「午睡中に交代で休憩」という話と合っているかを見ておきましょう。
年次有給休暇は、雇入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10日が付与されるのが法律上の基本です[6]。園によっては入職時から一部を付与しているところもあるので、いつから何日使えるのかを確かめておくと、子どもの行事や通院の予定を立てやすくなります。
パートの場合は社会保険の条件も確認する
パートや短時間勤務の場合は、社会保険に加入するかどうかも確かめておきたい項目です。2026年10月1日から、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、所定内賃金が月8.8万円以上という賃金要件が撤廃されました。残る要件は、週の所定労働時間が20時間以上であること、学生でないこと、従業員51人以上の企業であることなどです[7]。2か月を超えて雇用される見込みがあることも必要です[8]。扶養の範囲で働きたい人は、勤務時間の設定によって加入の有無が変わるので、承諾の前に確認しておきましょう。
03求人票と面接の話を、書面と照らし合わせる
要点:求人票、面接のメモ、労働条件通知書の3つを横に並べ、同じ項目どうしを見比べます。食い違いがあれば、承諾の前に「どちらが正しいか」を質問し、回答を残しておきます。
労働条件通知書を受け取ったら、読むだけで終わらせず、求人票と面接のメモを横に並べて見比べてください。次の表は、照らし合わせのやり方を示した例です。
図3
| 項目 | 求人票 | 面接で聞いた話 | 労働条件通知書 |
|---|---|---|---|
| 就業場所の変更の範囲 | 記載なし | 「この園での勤務です」 | 法人が運営する保育施設 |
| 月給 | 24万円〜 | 「経験から25万円くらい」 | 24万2千円(うち処遇改善の手当1万2千円) |
| 試用期間 | 3か月 | 「試用期間中も条件は同じ」 | 3か月、期間中は担任手当なし |
| 休憩 | 60分 | 「午睡中に交代で60分」 | 60分 |
| 年次有給休暇 | 法定どおり | 「入職時に3日付与」 | 6か月後に10日 |
この例では、就業場所の変更の範囲、月給の金額、試用期間中の担任手当、有給休暇の付与時期の4つで、面接の話と書面が食い違っています。どれも、入職してから気づくと「聞いていた話と違う」となりやすい項目です。
面接のメモが手元にないときは
面接の内容をメモしていなかった場合は、覚えていることを思い出せる範囲で書き出してから、書面と見比べてください。「異動はないと言われた気がする」「休憩は午睡中と聞いた」のような、あいまいな記憶でもかまいません。記憶があいまいな項目ほど、書面の書き方を基準にして、分からないところを質問に回します。転職サービスを使っている場合は、担当者が面接の内容や求人の条件を記録していることもあるので、確認をお願いしてみる方法もあります。
これから面接を受ける段階なら、聞いた答えをその場でメモし、帰りの電車で整理しておく習慣をつけておくと、内定後の照らし合わせがぐっと楽になります。
食い違いがあったときの考え方
求人の段階で示した労働条件を変える場合は、その変更内容を明示することになっています[4]。書面の条件が求人票や面接の説明と違っていたら、まずは「どちらが正しいのか」「なぜ変わったのか」を質問してください。単純な記載漏れのこともあれば、面接官の説明が正確でなかったこともあります。
それでも納得できない場合は、承諾の前であれば、条件の調整をお願いしたり、承諾しないという判断をしたりすることができます。なお、入職したあとに、明示された労働条件が事実と違っていた場合、労働者は即時に労働契約を解除できると法律で定められています[9]。ただし、そうした事態にならないよう、承諾の前に確かめておくことがいちばんの予防です。
04聞きにくいことを確かめる伝え方
要点:質問は、承諾の意思を示したうえで、確認したい項目を番号付きでまとめ、メールで送るのが角の立たない方法です。回答が文章で残るので、あとで見返すこともできます。
「細かいことを聞いたら、面倒な人だと思われないか」。そう心配する人は多いものです。けれども、聞き方を工夫すれば、確認の質問はむしろ「きちんとした人」という印象につながります。こつは3つあります。
- 入職への前向きな気持ちを先に伝える
- 確認したい項目を番号付きで、短くまとめる
- 電話で聞いた場合も、内容をメールで送り返して残す
メールの例(件名:労働条件についての確認のお願い)
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。貴園で働けることを楽しみにしております。お返事の前に、いただいた労働条件通知書について3点確認させてください。
- 就業場所の変更の範囲が「法人が運営する保育施設」となっていますが、異動はどのくらいの頻度で、どのように決まるのでしょうか。
- 試用期間中は担任手当が支給されないと読み取れましたが、その理解で合っていますか。
- 年次有給休暇の付与時期について、面接では入職時に一部付与と伺いましたが、通知書では6か月後となっています。どちらが正しいか教えていただけますか。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
ポイントは、相手を責める言い方をせず、「自分の読み方が合っているか」を確かめる形で聞くことです。回答が届いたら、メールは入職後もしばらく保存しておいてください。面接で聞いておきたかったことを確認し忘れた場合も、同じ形で質問できます。面接での聞き方は面接で残業や業務量を数字で聞く方法も参考になります。
05相談事例:「この園だけ」のはずが、書面には違うことが書いてあった
要点:通知書の「変更の範囲」の一行に気づき、承諾前にメールで確認した保育士のモデルケースです。何に気づき、どう確かめ、どう決めたのかを追ってみてください。
承諾の前の3日間で、7つの「?」を0にした
相談事例(モデルケース)
- お名前
- はるみさん(仮名)・37歳
- 保育士歴
- 12年目(相談当時)
- 内定先
- 社会福祉法人の認定こども園(定員約130名)、2歳児クラス担任の予定
- 家族
- 夫と小学2年生・年中の子どもの4人暮らし
- 変化
- 書面で確認できていなかった項目 7つ → 0、承諾までの日数 3日
編集部労働条件通知書を受け取ったとき、どんなことに気づきましたか。
求人票と面接のメモを横に並べて見たら、合わないところが7つもあったんです。いちばん驚いたのは「就業場所の変更の範囲」で、「法人が運営する保育施設」と書いてあって。面接では「この園での勤務です」って言われていたので、え、異動あるの?って。下の子の送り迎えがあるので、遠くの園に行くことになったら続けられないと思いました。
編集部確認するのに、ためらいはありませんでしたか。
ありました。せっかく内定をもらったのに、7つも質問したら嫌がられるんじゃないかって。でも、入ってから「話が違う」と思いながら働くほうがつらいと思ったんです。それで、最初に「働けるのを楽しみにしています」と書いてから、7つを番号付きでまとめてメールしました。
編集部園からは、どんな返事がありましたか。
翌日、園長先生から電話があって、すごく丁寧に説明してもらえました。異動は法人の規則として書いているけれど、実際には本人と面談して希望を聞いたうえで決めていて、子育て中の職員を遠くの園に異動させたことはない、と。試用期間中に担任手当が出ないのは本当でした。電話のあとに、話した内容をまとめたメールも送ってくださって、それで安心できました。
編集部最終的に、どう判断しましたか。
担任手当の分、最初の3か月は月に5千円ほど少なくなるんですけど、理由も期間もはっきりしたので納得して承諾しました。逆に、もし聞かずに入っていたら、最初の給料明細を見て「なんで?」ってもやもやしていたと思います。
「聞いたら嫌われるかも」より、「聞かずに入ってもやもやする」ほうが、ずっと怖かったんです。
はるみさん(仮名)
はるみさんは入職して半年がたちました。異動の話は今のところなく、年に1回の面談で、子どもが小学校高学年になるまでは今の園で働きたいと伝えてあるそうです。最初の給与明細も、確認したとおりの金額でした。
このケースのポイントは、書面を「読む」だけでなく、求人票と面接のメモと「並べた」ことです。並べたから7つの違いに気づき、承諾の前に一つずつ確かめることができました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図4
未確認の項目
異動への不安
試用期間中の給与
06書類以外に、入職前に確かめておくこと
要点:承諾したあとは、担当クラス、初日の流れ、提出書類、通勤と家庭の段取りを確かめます。保育士証の記載が今の氏名や本籍地と違う場合は、書換えの手続きが必要なことも覚えておきましょう。
図5
- 1
担当クラスと初日の流れ
何歳児クラスで、担任か副担任か。初日は何時に誰を訪ねればいいか
- 2
提出書類
保育士証の写し、前の職場の源泉徴収票、年金の番号が分かる書類など
- 3
制服と持ち物
エプロンや上履き、名札、筆記用具など、自分で用意するものがあるか
- 4
研修と引き継ぎ
入職前や初週に研修があるか、前任者からの引き継ぎはいつか
- 5
通勤と家庭の段取り
朝の時間帯に通勤経路を試し、子どもの預け先やお迎えの段取りを決める
提出書類で慌てやすいもの
保育士として働くには、都道府県の保育士登録簿に登録を受け、保育士登録証の交付を受けていることが必要です[10]。入職時には保育士証の写しを求められることが多いので、手元にあるかを早めに確かめておきましょう。結婚などで氏名が変わったのに保育士証の書換えをしていない場合は、登録を行った都道府県に書換え交付を申請する必要があります[11]。手続きには時間がかかることもあるので、気づいた時点で早めに動いてください。
年の途中で前の職場を辞めた場合、前の職場は退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付することになっています[12]。届かないときは、前の職場に早めに問い合わせてください。新しい職場での年末調整に使うので、届いたら大切に保管しておきます。年金については、2022年4月以降に初めて年金制度に加入した人には年金手帳に代わって基礎年金番号通知書が発行されていて、それ以前から加入している人は年金手帳を引き続き保管することになっています[13]。どちらを持っているかを確かめておきましょう。
初日の前に、聞いておくと気持ちが軽くなること
書類のほかに、初日の不安を小さくしてくれる質問もあります。「初日は何時に、どの入口から入ればいいですか」「最初の1週間は、誰について仕事を覚えればいいですか」「お昼ごはんは給食ですか、持参ですか」。どれも小さなことですが、前の日の夜に「明日どうすればいいんだろう」と眠れなくなる原因になりやすい項目です。承諾後に担当者と連絡を取る機会があれば、まとめて聞いておくと安心です。
07書面で確かめても残ること
要点:書面の確認は入職後のトラブルを大きく減らしますが、すべてを防げるわけではありません。実際の働き方が書面と違うと感じたときの相談先を知っておくと、一人で抱え込まずにすみます。
書面どおりでも、実態がずれることはある
労働条件通知書に「休憩60分」と書かれていても、実際には子どものそばで連絡帳を書きながらの休憩になっている。そんなことも起こりえます。入職後1か月ほどは、書面の内容と実際の働き方を見比べる期間と考えてください。気になることがあれば、まずは園長や主任に「書面ではこうなっていますが、実際はどう考えればいいですか」と聞いてみましょう。
困ったときの相談先を知っておく
園と話し合っても解決しないときは、外部の相談先があります。総合労働相談コーナーは、各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などにあり、労働問題についての相談を無料・予約不要で受け付けています[14]。平日の夜や土日に電話で相談したい場合は、厚生労働省の委託事業である労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)も利用できます[15]。労働条件の相談窓口については労働条件の相談窓口の使い方で詳しく紹介しています。
確認は、園との信頼関係づくりでもある
入職前の確認を「園を疑うこと」と感じる必要はありません。丁寧に聞き、丁寧に答えてもらうやりとりは、これから一緒に働く人との最初の信頼関係づくりでもあります。はるみさんのように、質問への答え方そのものが、園を信じる理由になることもあります。働きやすい園の全体の見分け方は働きやすい園の見分け方にまとめています。
書面の読み方に自信がない、何を聞けばいいか整理できないというときは、保育の転職事情を知っている人と一緒に確かめるのも一つの方法です。ほいくの相談室では、内定を承諾するかどうか迷っている段階でも、書面の確認や質問の整理の相談を受けています。
よくある質問
労働条件通知書をまだもらえていません。承諾してもいいですか?
できれば、書面を受け取って内容を確かめてから承諾するのが安心です。「承諾のお返事の前に、労働条件を書面で確認させていただけますか」とお願いしてみてください。すぐに用意できない場合は、主な条件をメールで送ってもらうだけでも、確認の材料になります。
労働条件通知書と雇用契約書は、何が違うのですか?
呼び方は園によって違い、働く条件が書かれている点は同じです。一般的には、園が条件を示す書面を労働条件通知書、園と本人の双方が署名や押印をして取り交わす書面を雇用契約書と呼ぶことが多いです。どちらの場合も、確認する項目は変わりません。
質問の項目が多くなってしまいました。全部聞いても大丈夫ですか?
番号付きで短くまとめれば、項目が多くても失礼にはなりません。ただし、求人票や書面を読めば分かることは先に自分で確かめておき、本当に分からないことや食い違いだけに絞ると、相手も答えやすくなります。
承諾したあとに、条件が書面と違うと気づいたらどうすればいいですか?
まずは園長や採用の担当者に、書面のどこと何が違うのかを具体的に伝えて確認してください。話し合っても解決しない場合は、総合労働相談コーナーなどの外部の窓口に相談できます。やりとりはメモやメールで残しておくと、相談するときに役立ちます。
入職前に園へ行って、準備や引き継ぎをするよう言われました。
入職前の出勤があるかどうかや、その時間の扱いは、事前に確かめておきたい点です。「入職前にお伺いする日は、勤務として扱われますか」と聞いておくと、あとで迷わずにすみます。前の職場の勤務と重ならないよう、日程も相談してください。
参考にした資料
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
- 厚生労働省「職業安定法施行規則改正|労働条件明示等」
- 厚生労働省 求職者向けリーフレット(2024年4月)
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
- 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」
- 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
- 児童福祉法 第18条の18
- 児童福祉法施行令 第17条
- 国税庁 タックスアンサーNo.7411
- 日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。