大規模保育園で働くメリット|保育士に向いている人と人間関係

求人票の「定員150名・職員数45名」という数字に、一瞬ひるんだことはありませんか。今の園の職員が10人ほどなら、なおさらです。名前と顔を覚えるだけで大変そう、派閥がありそう、運動会や発表会が大がかりで準備に追われそう。大きな園には、そんなイメージがつきまといます。

一方で、大きな園で働いた経験のある保育士からは、「相談できる人が必ず誰かいた」「休みを取っても保育が回る安心感があった」という声も聞かれます。人が多いことは、しんどさの原因にもなれば、支えにもなるのです。どちらに転ぶかは、園の仕組みと、あなたが職場に何を求めているかによって変わります。

この記事では、大規模保育園で働くメリットとデメリットを具体的な場面で整理し、向いている人の特徴を確認リストにしました。あわせて、公立・私立・小規模・企業内など、園の種類によって人間関係がどう違うのかも比べます。

この記事でわかること

  • 大規模保育園で働く6つのメリットと、人が多い職場ならではのデメリット
  • 大規模保育園に向いている人の特徴(確認リスト付き)
  • 公立・私立・小規模・企業内など、園種別の人間関係の違い
  • 大規模園で人間関係をこじらせないための、入職後の動き方

結論

大規模保育園で働く主なメリットは、①相談できる先輩や同僚を選べること、②複数担任やシフトの層が厚く、休みや急な欠勤を調整しやすいこと、③行事・研修・クラス運営の経験を幅広く積めること、④役割分担が進み、一人に仕事が集中しにくいことです。向いているのは、人に頼りながら経験を積みたい人や、決まった手順やルールの中で動くのが苦にならない人です。反対に、職員が多い分、情報共有に時間がかかり、職員同士のグループが生まれやすい面もあります。大規模かどうかより、分担と相談の仕組みが実際に機能しているかを見て選ぶことが、人間関係で後悔しないためのかぎになります。

01大規模保育園で働く6つのメリット

要点:大規模保育園のメリットは、人の多さと仕組みの厚さから生まれます。相談相手の選びやすさ、休みの取りやすさ、経験の幅、役割の分担、研修の機会、心の負担への対策の6つが代表的です。

図1

  • 1

    相談相手を選べる

    同じ年齢のクラスを担当した先輩が何人もいて、相性のよい人に相談できます

  • 2

    休みを調整しやすい

    職員の数に余裕があれば、有給休暇や急な欠勤もシフトで吸収しやすくなります

  • 3

    経験の幅が広がる

    0歳から5歳まで全年齢のクラスがあり、異動のたびに新しい経験を積めます

  • 4

    役割が分かれている

    行事、保健、食育、環境整備などの係が分かれ、一人に仕事が集中しにくくなります

  • 5

    研修や学びの機会が多い

    園内研修や公開保育など、ほかの保育士の実践を見て学ぶ場が多くなります

  • 6

    職場の仕組みが整いやすい

    職員の数が多い事業場には、心の負担を確かめる仕組みの義務もあります

図1 大規模保育園で働く6つのメリット

相談相手を「選べる」ことの大きさ

小さな職場では、相談できる相手が施設長と一人の先輩だけ、ということもあります。その人と考え方が合えば心強いのですが、合わなかったときに行き場がなくなります。大規模保育園では、同じ2歳児クラスを経験した先輩が5人、10人といることも珍しくありません。保育の悩みはこの先輩に、保護者対応はあの先輩に、と相談先を使い分けられるのは、大きな園ならではの安心です。

人手の厚さが、休みやすさにつながる

大きな園では、クラスごとに複数の担任がいて、さらにフリーの保育士がいることもあります。誰かが急に休んでも、ほかのクラスから応援を回せるため、「自分が休んだら保育が回らない」というプレッシャーが小さくなります。保育士の業務を補助する人の雇い上げを支援する国の事業でも、補助基準額は定員121人未満の施設で1,963千円〜3,272千円、121人以上の施設で3,926千円〜6,544千円と、規模の大きな施設ほど高く設定されています[1]。こうした支援を活用して、保育補助者を手厚く配置している園もあります。

心の負担への対策が、仕組みとして用意されている

働く人の心の負担を確かめるストレスチェックは、現在、常時50人以上の労働者を使用する事業場に年1回の実施義務があります[2]。職員の多い大規模園や、複数の園を運営する法人の本部などでは、この仕組みが用意されていることがあります。受けるかどうかは本人が決められ、結果が本人の同意なく園に伝わることもありません[2]。2025年の法改正で、50人未満の事業場も2028年4月1日から義務の対象になります[3]。

02人が多い職場ならではのデメリット

要点:大規模保育園のデメリットは、人の多さがそのまま裏返ったものです。情報共有の難しさ、職員同士のグループ、行事の大がかりさ、一人の裁量の小ささ、配置替えの多さの5つは、入職前に知っておきたい点です。

メリットとデメリットは、表と裏の関係にあります。相談相手を選べる環境は、裏を返せば、自分から動かないと誰とも深く関われない環境でもあります。役割が分かれている仕組みは、自分の担当以外が見えにくい仕組みでもあります。デメリットを知っておくのは、大規模園を避けるためではなく、入職後にどこでつまずきやすいかを先に知っておくためです。

情報が伝わるまでに時間がかかる

職員が40人を超えると、全員が同じ時間にそろうことはほとんどありません。早番7時から遅番19時までのシフトで、朝の申し送りに出られる人と出られない人が分かれ、「聞いていなかった」が起きやすくなります。連絡ノートやICTの連絡ツールを使っている園も多いですが、仕組みがあっても読む時間が取れなければ同じことです。情報共有をどの時間に、どの方法でしているかは、大規模園を選ぶときの大切な確認点です。

職員同士のグループができやすい

人数が多いと、同じクラスを担当する人、同期、勤続年数の近い人など、自然と小さなまとまりができます。それ自体は悪いことではありませんが、グループ同士の距離が開くと、いわゆる派閥のような雰囲気になることもあります。派閥の中で疲れたときの考え方は保育士の派閥がしんどいときの対処法にまとめています。

行事が大がかりになりやすい

子どもが多い園では、運動会や発表会も規模が大きくなります。会場の手配、保護者席の誘導、衣装や小道具の準備など、保育以外の仕事が増えるのは避けられません。行事の係が分かれている園なら負担は分散されますが、毎年同じ人に係が回ってくる園では、その人に負担が集中します。

一人の裁量が小さくなる

大きな園では、保育の進め方や環境の作り方に園全体のルールがあることが多く、新しい工夫を試すには会議を通す必要があります。決まった手順の中で安心して動ける人には働きやすい環境ですが、「自分の考えで保育を組み立てたい」という人には、窮屈に感じられることもあります。

担当クラスや組む相手が、毎年変わる

職員が多い園では、年度ごとにクラス替えや担任の組み合わせの見直しがあります。新しい年齢のクラスを経験できるのはメリットですが、ようやく息が合ってきた相手と1年で離れることもあります。4月のたびに新しい人間関係を一から作り直すのは、思った以上にエネルギーを使います。毎年の組み合わせをどう決めているのか、希望を伝える機会はあるのかを、面接で聞いておくと安心です。

03大規模保育園に向いている人

要点:大規模保育園に向いているのは、人に頼ることができ、ルールの中で動くのが苦にならず、幅広い経験を積みたい人です。次の確認リストで、当てはまるものを数えてみてください。

図2

  • 困ったときに、自分から人に相談できる相談相手が多い環境の良さを、いちばん活かせます
  • 決められた手順やルールに沿って動くのが苦にならない大きな園ほど、全体で決めたやり方が多くなります
  • いろいろな年齢のクラスを経験したい異動やクラス替えで、全年齢の保育を経験できます
  • 行事の準備や当日の運営に、やりがいを感じる大がかりな行事の中で、自分の役割を果たす喜びがあります
  • 同期や同世代の仲間がほしい職員が多いと、同じ時期に入った人や同世代と出会いやすくなります
  • 人の名前や顔を覚えるのが、比較的得意最初の1か月は、職員と子どもの名前を覚えることが大きな仕事になります
  • 適度な距離を保った人間関係のほうが楽全員と深く付き合わなくても、仕事は回ります
  • 将来、リーダーや主任の役割を経験したい役職や係が多く、段階を踏んで経験を積みやすい環境です
図2 大規模保育園に向いている人の確認リスト

5つ以上当てはまるなら、大規模保育園の働き方と相性がよいと考えられます。特に1つ目の「自分から相談できる」は、大きな園で働きやすさを感じられるかどうかを大きく左右します。人が多くても、誰にも頼れなければ、その良さは活かせないからです。

当てはまる数が少なくても、心配しすぎる必要はありません。大きな園の中にも、乳児クラスだけの棟や、少人数で動くフリーの役割など、比較的落ち着いて働ける場所があることもあります。

大規模園で苦労しやすい人の傾向

反対に、次のような人は、大規模保育園で疲れやすいことがあります。

  • 一人ひとりの子どもと、時間をかけてじっくり関わりたい人
  • 自分の工夫をすぐに保育に取り入れたい人
  • 大勢の中にいると、それだけで気疲れしてしまう人
  • 人に頼るより、自分で抱えて片づけるほうが楽な人

ただし、これは「向いていない」という意味ではありません。たとえば4つ目に当てはまる人でも、相談役の仕組みがある園なら、少しずつ人に頼ることに慣れていけます。苦労しやすい点が分かっていれば、それを補う仕組みのある園を選べばよいのです。

04園種別に見る人間関係の違い

要点:人間関係の悩みは、園の規模や運営の形によって起きやすいパターンが違います。自分が苦手なパターンが起きにくい園種を選ぶと、同じ悩みを繰り返しにくくなります。

図3

園の種類職員の構成人間関係で起きやすいこと見学で確かめたいこと
大規模の私立認可園人数が多く、年齢や経験に幅があるグループや派閥、情報の行き違い情報共有の方法、係の決め方
公立保育園正規と非常勤が一緒に働き、異動がある数年ごとに顔ぶれが変わる。正規と非常勤の間の距離異動の周期、非常勤との役割分担
小規模保育園数人の少人数。施設長との距離が近い合わない人との逃げ場がない。施設長の影響が大きい話し合いの時間、施設長との面談
企業内・院内保育少人数。運営会社と母体の担当者も関わる園の外の関係者との調整。職員の入れ替わり運営会社と母体企業の役割分担
認可外保育施設施設によって大きく違う経営者の方針がそのまま職場の空気になる経営者と職員の話し合いの場
図3 園の種類ごとの人間関係の傾向

公立と私立では、「顔ぶれの変わり方」が違う

公立保育園では、正規職員が自治体内の園を数年ごとに異動するため、人間関係がリセットされる機会があります。合わない人がいても「あと1年」と思える一方、せっかく築いた関係が異動で途切れることもあります。少し古いデータですが、平成29年の調査では、保育所の常勤保育士の離職率は公営5.9%、私営10.7%でした[4]。公立と私立の違いをさらに詳しく知りたいときは、公立保育園と私立保育園の比較を参考にしてください。

小規模と大規模では、「距離の取り方」が違う

小規模保育園は、距離が近い分、相談はしやすいものの、合わない人と離れることができません。大規模保育園は、距離を選べる分、自分から関わりにいかないと孤立することがあります。少人数の職場の人間関係については、小規模保育園に向いている人と人間関係で詳しく整理しています。

企業内・院内や認可外は、「園の外の人」との関係も加わる

企業内保育や院内保育では、園の職員に加えて、運営を任されている会社の担当者や、母体の企業・病院の担当部署とのやりとりが生まれます。園の中の人間関係が良くても、行事の日程や開所時間の変更が園の外で決まり、現場が振り回されることもあります。認可外保育施設では、経営者の考え方がそのまま職場の空気になりやすい傾向があります。園の外にいる人との関係まで含めて、誰がどこまで決めているのかを確かめておくと、入職後の戸惑いを減らせます。

05大規模園で人間関係をこじらせない、入職後の動き方

要点:大規模保育園では、入職後の半年の動き方で、その後の人間関係が大きく変わります。最初から全員と仲よくなろうとせず、時期ごとにやることを決めておくと気持ちが楽になります。

図4

  1. 入職初日〜1週間同じクラスの担任と、フリーの保育士の名前を最初に覚える。全員の名前は急がない
  2. 1か月目分からないことを聞く相手を、クラス内に1人、クラス外に1人決めておく
  3. 2か月目園全体の決まりごとを、メモにまとめる。暗黙のルールは担任の先輩に確かめる
  4. 3か月目担当の係や行事の役割を一つ、責任を持ってやり切る
  5. 半年自分の得意なことを一つ、園の中で言葉にして伝える。相談される側にも回る
  6. 1年1年間の振り返りを主任や園長と話し、次の年度の希望を伝える
図4 大規模保育園に入職してからの動き方の目安

「全員と仲よく」を目標にしない

大きな園で疲れてしまう人の多くは、40人を超える職員全員とうまくやろうとしています。けれども、それは誰にとっても難しいことです。大規模園の良さは、合う人とは深く、そうでない人とはほどよい距離で関われることにあります。挨拶とお礼をきちんとしていれば、全員と親しくならなくても仕事は回ります。

質問の相手を、意識して増やしていく

入職したばかりのころは、同じクラスの先輩一人にすべてを聞きがちです。ところが、その先輩も忙しく、質問するたびに申し訳なさが募っていきます。1か月目のうちに、クラスの外にも質問できる相手をつくっておくと、一人に頼りすぎずに済みます。質問しにくい雰囲気に悩んだときの考え方は、質問できない職場での対処法も参考になります。

最初の行事で、自分の役割を早めに確かめる

大きな園に入って最初につまずきやすいのが、運動会や発表会の準備です。前の園では担任が全部やっていたことが、ここでは係ごとに分かれていたり、反対に、前の園では係がやっていたことを担任がやっていたりします。行事の1か月前までに、自分がどの係で、いつまでに何を準備するのかを、係のリーダーに確かめておきましょう。「何をすればいいか分からないまま当日を迎える」ことが、大規模園で自信をなくす原因になりやすいからです。

06相談事例:小規模園から大規模園へ移ったはづきさん

要点:ここでは、少人数の職場で相談相手がいないことに悩み、大規模保育園を選んだモデルケースを紹介します。不安だった派閥の問題を、見学でどう確かめたかに注目してください。

相談できる人が「一人」から「五人」になった

相談事例(モデルケース)

お名前
はづきさん(仮名)・26歳
保育士歴
5年目(相談当時)
勤務先
小規模保育園(定員12名、職員6名)→ 私立の認可保育園(定員約140名)、2歳児クラスの複数担任
暮らし
実家暮らし、地方の中核市在住
変化
相談できる先輩 1人 → 4〜5人、園内研修 年1回 → 年4回

編集部転職を考えたきっかけは何でしたか。

はづきさん

新卒で小規模園に入って、ずっと施設長と先輩一人に教わってきました。最初はそれでよかったんですけど、食事の進め方で先輩と考えが合わなくなったとき、ほかに聞ける人が誰もいなくて。施設長も先輩と同じ考えだったので、私が間違っているのかなって、1年くらいずっと悩んでいました。

編集部大規模園を選ぶとき、不安はありましたか。

はづきさん

ありました。大きい園は派閥があるって、養成校の友達から散々聞いていたので。人の名前を覚えるのも得意じゃないし、行事も大変そうだし。でも、いろんな先生のやり方を見てみたい、っていう気持ちのほうが強かったんです。

編集部見学では、何を確かめましたか。

はづきさん

2つの園を見学して、どちらでも「新しく入った人は、誰に質問すればいいですか」と聞きました。1つ目の園は「クラスの先輩に聞いてね」で終わり。2つ目の園は、主任の先生が「入職して半年は、クラスの外の先輩を一人、相談役としてつけています」と教えてくれました。乳児と幼児の合同の会議も月に1回あって、クラスを越えて話す場があるんだって分かりました。

編集部実際に入ってみて、どうでしたか。

はづきさん

最初の1か月は、職員45人の名前を覚えるだけでくたくたでした。でも、相談役の先輩が「全員の名前は3か月かけて覚えればいいよ」って言ってくれて、すごく気が楽になったんです。今は、食事のことはこの先輩、保護者対応はあの先輩、という感じで、相談できる人が4〜5人います。

私が間違っていたんじゃなくて、比べる相手がいなかっただけなんだと分かりました。

はづきさん(仮名)

はづきさんは今、2歳児クラスを4人の担任で受け持ち、園内研修では年に4回、ほかのクラスの保育を見学しています。行事の準備は係ごとに分かれていて、発表会の前の残業は月に5時間ほどだったそうです。

このケースのポイントは、「派閥があるかどうか」を直接聞くのではなく、「新しく入った人は誰に質問すればいいか」という具体的な質問で、人間関係の仕組みを確かめたことです。仕組みの答えが具体的な園ほど、人が多い良さを活かしやすくなります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図5

小規模園のころ大規模園に移って

相談できる先輩

1人
4〜5人

園内研修で他クラスを見学

年1回
年4回

一緒に働く職員

6人
45人
図5 はづきさんの働き方の変化(モデルケース)

07「大きい園なら安心」とは限らない理由

要点:大規模保育園には多くのメリットがありますが、規模の大きさそのものが働きやすさを約束してくれるわけではありません。選ぶ前に知っておきたい点を三つ伝えます。

1. 人が多くても、仕組みが動いていなければ意味がない

職員が多い園でも、相談役の制度が名前だけになっていたり、会議がいつも園長の話だけで終わったりすることがあります。人数の多さが良さとして働くのは、分担と相談の仕組みが実際に動いているときだけです。求人票の「職員数」の数字よりも、見学で「新しく入った人がどう過ごしているか」を見るほうが、ずっと多くのことが分かります。

2. 同じ法人でも、園によって雰囲気は違う

複数の大規模園を運営する法人では、園ごとに園長も職員の構成も違います。同じ法人の中で異動があれば、入職した園と数年後に働く園の雰囲気がまったく違うこともあります。2024年4月からは、労働契約を結ぶときに、就業場所や業務の「変更の範囲」も明示されることになりました[5]。異動の可能性がある園では、どの範囲の園に移る可能性があるのかを、契約の前に確かめてください。

3. 規模より、園長の姿勢が空気を決めることもある

同じ定員150名の園でも、園長が職員の声を聞く場を大切にしている園と、上から決めたことを伝えるだけの園とでは、働きやすさがまったく違います。人数が多いほど、園長の姿勢が職員一人ひとりに届くまでに時間がかかり、その分、仕組みとして声を拾う場があるかどうかが重要になります。見学で園長と話す機会があれば、「職員から出た意見で、最近変わったことはありますか」と聞いてみてください。具体的な例がすぐに出てくる園は、声が届く仕組みが動いていると考えられます。

大きな園と小さな園のどちらが合うか、規模以外の軸も含めて比べたいときは、保育士の職場タイプの選び方で全体を整理できます。「人が多い職場で、自分は埋もれずにいられるだろうか」。そんな不安も、口に出してみると、見学で確かめるべき質問に変わっていきます。ほいくの相談室では、転職を決める前の段階から、今の園での人間関係の悩みと、規模を変えたときに変わることを一緒に整理しています。

よくある質問

大規模保育園は、新人にも向いていますか?

向いている面があります。同じ年齢のクラスを経験した先輩が多く、さまざまな保育のやり方を見て学べるからです。ただし、自分から質問しないと埋もれてしまうこともあるので、入職後は質問できる相手を早めに見つけてください。

大規模保育園は、行事の負担が大きいですか?

子どもの人数が多い分、行事が大がかりになりやすい傾向はあります。ただ、係が分かれていて準備が分担されている園なら、一人あたりの負担はかえって小さいこともあります。見学のときに、行事の係の決め方と、準備をいつ行っているかを聞いてみてください。

大規模保育園の派閥は、どうやって見分ければいいですか?

見学のときに、休憩室や職員室の雰囲気、クラスを越えた職員同士の声かけに注目してください。「新しく入った人は誰に質問すればいいですか」と聞き、答えが具体的かどうかも判断材料になります。クラスを越えて話し合う会議があるかどうかも確かめておきましょう。

大規模保育園で働くと、給料は高くなりますか?

園の規模だけで給料は決まりません。給料は運営法人の給与規程や手当、賞与の実績によって決まるため、規模の小さな園のほうが高いこともあります。気になる園では、月給の内訳と昨年度の賞与の実績を確かめてください。

大規模保育園で、職員の名前を覚えきれるか不安です。

最初から全員を覚える必要はありません。まずは同じクラスの担任と、よく関わるフリーの保育士から覚え、全員は3か月ほどかけて覚えるつもりで十分です。職員の写真付きの一覧や座席表を用意している園もあるので、入職時に聞いてみてください。

大規模保育園でパートとして働く場合、社会保険に入れますか?

短時間で働く人の社会保険の加入は、園の規模ではなく、運営する法人や会社の規模や働く時間で決まります。2026年10月からは月8.8万円以上という賃金の要件がなくなり、週の所定労働時間が20時間以上であることなどが要件になりました[6]。企業の規模の要件は、2027年9月までは従業員51人以上です[7]。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
  2. 確かめよう労働条件「ストレスチェックってな〜に?」
  3. こころの耳「ストレスチェック制度について(労働者数50人未満の事業場)」
  4. 厚労省「保育士の現状と主な取組」(2020年8月24日 検討会参考資料1)
  5. 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
  6. 日本年金機構「2026(令和8)年10月に…賃金要件が撤廃されました」
  7. 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト「社会保険加入の要件」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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