日曜の夜、スマホに保存した求人をもう一度開く。通勤は今より15分短く、「持ち帰りなし」と書いてある。応募のボタンまで進んでは画面を閉じる。そんな夜を、もう2か月くり返している人もいるはずです。
応募できない理由を聞かれても、うまく答えられません。今の園が嫌いなわけではない。朝の受け入れで「せんせい、きょうね」と話しかけてくる子がいて、困ったときに声をかけてくれるパートさんもいる。それでも、週案を書き終えるのが夜11時になった日や、主任とのぎくしゃくした会話を思い出すと、このままでいいのかと考えてしまう。転職に迷うのは、どちらにも手放したくないものがあるからです。
この記事では、「転職しない」という選択肢を、我慢ではなく検討する選択肢の一つとして扱う方法をまとめました。残る場合に何を変えればいいか、いつ見直せばいいかまで書いています。読み終えるころには、「残るか、移るか」ではなく「何がそろえば残れるか」という形で考えられるようになるはずです。
この記事でわかること
- 転職に迷い続けてしまうときに起きていること
- 「転職しない」を選択肢として検討する3つのステップ
- 今の園に残る場合に変えること、園への伝え方
- 残ると決めたあとの見直しのタイミング
結論
保育士が転職に迷うときは、「転職しない」を消極的な選択ではなく、検討する価値のある選択肢の一つとして扱うと判断しやすくなります。迷いが長引くのは、今の園にも手放したくないものがあり、負担と比べる物差しがないからです。まず残る理由と負担を同じ細かさで書き出し、負担のうち園に伝えれば変わりそうなものを1つ選んで交渉します。そのうえで「3か月後にこれが変わっていれば残る」という条件と期限を決めておけば、迷いは判断に変わります。期限までに変わらなければ、そのときに転職へ進めばよいのです。
01迷いが長引くのは、今の園にも手放したくないものがあるから
要点:転職に迷う人の多くは、今の園が「全部嫌」なわけではありません。手放したくないものと離れたいものが同じくらいの重さで引っ張り合っているため、どちらにも決めきれなくなっています。
辞めたい理由は、たいてい具体的です。「昨日の職員会議で、主任に皆の前で注意された」「今週も3日、21時まで連絡帳を書いた」。場面も時間もはっきり思い出せます。ところが残りたい理由のほうは、「なんとなく居心地がいい」「子どもがかわいい」のように、ぼんやりしていることが多いものです。具体的な理由とぼんやりした理由を比べると、具体的なほうが重く見えます。迷っているのに、気持ちが少しずつ「辞める」側に傾いていくのは、そのためです。
図1
- 1
担任している子どもと保護者
1年かけて築いた関係や、成長を最後まで見届けたいという気持ち
- 2
頼れる同僚
困ったときに声をかけてくれる人、言わなくても動きが分かる仲間
- 3
通いやすさと生活リズム
通勤時間、シフトの組み方、家庭とのやりくりの形
- 4
積み上げてきた立場
リーダーや行事の担当など、任されてきた役割と信頼
- 5
「次も同じかも」という不安
移った先がもっと大変だったらどうしよう、という気持ち
この5つのうち、最後の一つだけは性質が違います。ほかの4つは「今の園にある良いもの」ですが、最後の一つは「まだ起きていないことへの不安」です。不安を理由に残るのと、良いものを理由に残るのとでは、同じ「残る」でも納得感がまったく違います。自分の残りたい理由がどちらに近いかを、一度見分けてみてください。
保育の仕事を続けたい気持ちがあるのは、あなただけではありません。東京都の調査では、現在保育士として働いている人の78.7%が「今後も保育士として働き続けたい」と答えています[1]。多くの人にとって迷いの中心は「保育士を続けるか」ではなく「この園で続けるか」です。だからこそ、今の園で続ける道を一度きちんと検討する意味があります。転職するべきかの判断基準を全体から見たい人は、保育士が転職するべきかの判断基準も参考にしてください。
決めないまま迷い続けることにも、負担がある
迷っている間は、何も決めていないぶん楽なように思えます。けれども実際には、毎晩求人を見て、毎朝「今日こそ」と思って出勤する、という状態そのものが体力を使います。迷いをなくす必要はありませんが、「いつまでに、何をもとに決めるか」だけは決めておくと、毎日の消耗はかなり減ります。
「残りたい理由」が一つも浮かばないとき
反対に、残りたい理由を書こうとしても手が止まり、何も浮かばないという人もいます。その場合は、無理にひねり出す必要はありません。「残りたい理由が見つからない」ということ自体が、今のあなたの大事な答えです。ただ、疲れがたまっていると、良いことが目に入らなくなっている場合もあります。数日休んだあとにもう一度書いてみて、それでも浮かばないなら、転職を具体的に考える段階に来ていると受け止めてよいはずです。
02「転職しない」を選択肢として検討する3つのステップ
要点:「転職しない」を選ぶかどうかは、①残る理由と負担を書き出す、②負担を「園が変えられるもの」と「変えにくいもの」に分ける、③変えられるものを1つ選び期限を決めて試す、の3ステップで確かめます。
図2
- 書き出す残る理由と負担を、具体的な場面で紙に書き出す
- 仕分ける負担を「園が変えられるもの」と「変えにくいもの」に分ける
- 試す変えられそうなものを1つ選び、期限を決めて園に伝える
ステップ1:残る理由と負担を、同じ細かさで書き出す
紙を縦に半分に折り、左に「残りたい理由」、右に「しんどいこと」を書きます。こつは、両方を同じ細かさで書くことです。右側に「週3日、21時まで週案と連絡帳を書いている」と書いたなら、左側も「子どもがかわいい」ではなく「4月は毎朝泣いていた子が、今は自分から手を振って保護者を見送れるようになった」のように、場面で書きます。
左側には、人だけでなく条件も書いてください。「自転車で12分で通える」「シフトが1か月前に出るので家庭の予定を立てやすい」「休憩室で同期と話せる時間がある」。当たり前になっていて普段は意識しない条件ほど、転職すると失いやすいものです。
ステップ2:負担を「園が変えられるもの」と「変えにくいもの」に分ける
右側に書いた負担を、もう一度見直します。書類の時間、行事の分担、早番と遅番の偏り、来年度の担当クラス、困ったときの相談先。こうしたものは、園の判断で変えられる可能性があります。一方で、園の保育方針、経営の方針、給与体系の大枠、特定の人の性格、園の場所といったものは、一人の職員の働きかけでは変わりにくいものです。
迷ったものは「変えられるかもしれない」に入れておきます。たとえば人手不足は、園の努力だけでは限界がありますが、保育補助の方を入れる、パートの時間帯を見直すといった工夫で軽くなることがあります。変えにくいものが負担の大部分を占めているなら、残る道は狭いと考えてよいでしょう。逆に、変えられるものが多いなら、転職の前に試せることが残っています。
ステップ3:1つだけ、期限を決めて試す
変えられそうなもののうち、いちばん負担が大きいものを1つだけ選びます。いくつも同時にお願いすると、園長や主任も何から手をつければいいか分からず、結局どれも進まないことがよくあります。1つに絞れば、相手は動きやすくなり、あなたも結果を確かめやすくなります。
期限は1〜3か月が目安です。短すぎると園が対応する時間がなく、長すぎると迷いの期間がまた延びてしまいます。期限までに変われば、それは今の園に残る根拠になります。変わらなければ、それは転職に進む根拠になります。どちらの結果でも、あなたの判断材料が一つ増えます。
03残るなら、何を変えるか:園に伝えたい5つのこと
要点:残る場合に変える候補は、書類と持ち帰り、シフトと担当、人手、給与の内訳、相談のしかたの5つです。園が改善に使える国の仕組みもあるので、「言っても無理」と決めつけずに伝えてみる価値があります。
保育士が今の職場に何を変えてほしいと思っているかは、調査からも見えてきます。東京都が2022年に行った保育士実態調査では[2]、現在の職場で改善を希望する項目として、給与・賞与等の改善、職員数の増員、事務・雑務の軽減が上位に並びました[3]。
図3
現在の職場で改善を希望する項目(東京都保育士実態調査〔令和4年度〕・複数回答の上位5項目)[3]
給与や人数は園だけでは決めにくい部分もありますが、事務・雑務やシフト、コミュニケーションは、園の工夫で変わる余地が比較的大きい項目です。ここでは、残る場合に伝える候補を5つに分けて紹介します。
1. 書類と持ち帰り
国の「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」(2021年3月)では、ICTの活用、記録・書類の見直し、働き方の見直しなどの事例が示されています[4]。園のICT化も進んでおり、登降園管理・計画や記録・保護者連絡・キャッシュレス決済のいずれかを導入している施設は80.8%ですが、4つすべてを導入している施設は11.7%にとどまります(2024年9〜10月の調査)[5]。今の園にある仕組みを使い切れていない、ということもあります。「連絡帳をアプリで書けるようにしてほしい」「月案の様式を簡単にしてほしい」「午睡の時間に書類の時間をもらいたい」といったお願いは、決して無理な要求ではありません。
2. シフトと担当クラス
早番や遅番が特定の人に偏っている、同じ年齢のクラスが何年も続いている、といった負担は、シフトや担当の決め方を変えれば軽くなることがあります。来年度の担当は、多くの園で年度末の前に話し合われます。希望があるなら、決まってから伝えるのではなく、決まる前に伝えるのがこつです。
伝えるときは、「遅番が多くてつらい」より「この3か月で遅番が月10回ありました。家庭の事情で、月6回までにしてもらえると続けやすいです」のように、回数と理由を添えます。乳児クラスが続いて腰がつらい、幼児クラスで行事の中心を担う年が続いている、といった偏りも、記録を見せながら話すと、感情的な訴えではなく調整のお願いとして受け止めてもらいやすくなります。
3. 人手と保育補助
人手が足りないことは、園の努力だけでは解決しにくい問題です。ただ、国には保育士の業務を補助する人の雇い上げを支援する「保育補助者雇上強化事業」があり[6]、保育士資格のない保育支援者の配置を支援する「保育体制強化事業」もあります[7]。実施するかどうかは自治体や園によって異なりますが、「こうした事業を使えないでしょうか」と聞いてみることはできます。
4. 給与の内訳
給与そのものを上げてもらうのは簡単ではありませんが、内訳を確かめることはできます。2025年度から、保育士の処遇改善の加算は「処遇改善等加算」に一本化され、区分1〜3に整理されました[8]。自分の給与のどの部分が処遇改善にあたるのか、今後どういう条件で上がるのかを知るだけでも、「この園で続けて報われるのか」の判断材料になります。
5. 相談のしかたと人間関係
人間関係の悩みは、相手を変えるのは難しくても、関わり方を変えることはできます。主任と話すのがつらいなら、書類の確認は園長に回してもらう、クラスの相談は副主任を通す、といった相談ルートの変更をお願いする方法があります。同じ法人に複数の園があるなら、法人内の異動も「残る」の一つの形です。伝え方は人間関係を理由に異動を希望するときの伝え方が参考になります。
伝えるときは「お願い1つ、数字1つ、期限1つ」
園に伝えるときは、お願いを1つに絞り、今の状況を数字で示し、いつまで試すかを添えます。たとえば次のような形です。
「週案と月案を家で書く日が週3日あります。来月から、午睡の時間に週2回、30分ずつ書類の時間をもらえないでしょうか。1か月やってみて、また相談させてください。」
「つらいです」とだけ伝えると、相手は励ますことしかできません。数字があると状況が伝わり、期限があると「試しにやってみよう」と言いやすくなります。言い方に迷う人は仕事を減らしてほしいと伝えるときの言い方も読んでみてください。
04相談事例:転職をやめて「条件つきで残る」と決めた
要点:転職するつもりで相談に来て、最終的に今の園に残ると決めたモデルケースです。残る理由と負担を書き出し、1つだけ交渉したことで、迷いの形が変わりました。
残ることを「あきらめ」ではなく「選んだこと」にした
相談事例(モデルケース)
- お名前
- ふじこさん(仮名)・43歳
- 保育士歴
- 17年目(途中に子育てのブランク3年)
- 勤務先
- 社会福祉法人の認可保育園(定員約80名)、1歳児クラス担任
- 家族
- 夫、高校生と中学生の子ども
- 変化
- 家での書類作業 週3日 → 月2日程度
編集部相談に来たときは、どんな気持ちでしたか。
もう転職するつもりでした。4月に主任が替わって、指導計画の様式も全部変わって。家で書類をやる日が週3日になって、主任には何を出しても直されるし。近所に通勤10分の園の求人があったので、そこに応募しようかなって。ただ、踏ん切りがつかなくて、半年くらいずるずるしていました。
編集部相談では、どんな話をしたのですか。
意外だったのが、求人の話より先に「今の園に残りたい理由は何ですか」って聞かれたことです。書き出してみたら、残りたい理由が12個、しんどいことが7個でした。1歳児の担任で、保護者さんとの関係もできていたし、パートさんたちとも息が合っていて。しんどいことは、ほとんどが書類と主任の話だったんです。
編集部そこから、何を変えたのですか。
書類のほうだけ、園長に1つお願いしました。午睡の時間に週2回、30分の書類の時間をもらうことです。家で書いている時間をメモして持っていったら、「そんなにやってたの」と驚かれて、翌月から時間をもらえることになりました。主任との関係は正直あまり変わっていないんですけど、書類の確認だけは園長が見てくれることになって、ずいぶん気が楽になりました。
編集部「残る」と決めたのはいつですか。
お願いしてから3か月後です。最初に「3か月たって家での書類が月に数日になっていたら残る」と決めていたので、そのとおりになったから残る、と。相談員さんには、転職を勧められたことは一度もなかったです。かといって「残りなさい」とも言われなくて、決めるのはずっと私でした。
残るって、あきらめることだと思っていたんです。条件をつけて残るなら、自分で選んだことになるんですね。
ふじこさん(仮名)
ふじこさんは今も同じ園で1歳児クラスを担任しています。次の見直しは来年度の担当が決まる前と決めていて、そのときには「書類の時間が続いているか」「主任との関係が今より悪くなっていないか」の2点を確かめるそうです。求人サイトを毎晩見ることはなくなりましたが、気になる求人を月に1回だけ確認する習慣は残しています。
このケースから持ち帰りたいのは、ふじこさんが負担を全部解決しようとしなかったことです。主任との関係という変えにくいものはいったん置き、書類という変えられるものに絞ったからこそ、3か月で結果を確かめられました。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
図4
家での書類作業
家で書類にかける時間
求人サイトを見る回数
主任と話すのがつらい日
05残ると決めたあとの見直しのタイミング
要点:残ると決めたら、見直す日を最初から決めておきます。目安は、園に伝えてから1か月後、3か月後、そして来年度の担当が決まる前の3回です。
「残る」と決めたあとに、ずっとそのまま考えなくていいわけではありません。むしろ、見直す日を決めずに残ると、また少しずつ不満がたまり、以前と同じ迷いに戻ってしまいます。最初に決めた条件と期限を手帳に書き、その日が来たら淡々と確かめる。それだけで、残っている毎日の気持ちはかなり安定します。
図5
- 決めた日残る理由と、変えてほしいことを1つ書く。見直しの日を手帳に入れる
- 1週間以内園長や主任に面談をお願いし、変えてほしいことを伝える
- 1か月後何が変わったか、変わらなかったかを書き出す。小さな変化も記録する
- 3か月後最初に決めた条件と比べる。満たしていれば継続、足りなければ追加の相談か転職の準備
- 来年度の担当が決まる前来年度に向けた希望を伝え、続けるかどうかを改めて決める
見直しの日に確かめる3つの問い
見直しの日には、次の3つを自分に聞いてみてください。
- 最初に決めた条件は、満たされているか
- 体と気持ちは、決めた日より楽になっているか
- 来年度もこの園で働いている自分を、無理なく想像できるか
3つとも「はい」なら、残る選択は今のあなたに合っています。1つでも「いいえ」があれば、追加で相談するか、転職の準備を少しずつ始める時期です。迷ったときに見返せる項目を増やしたい人は、転職に迷ったときのチェックリストも使ってみてください。
「残る」と決めても、情報収集はやめなくていい
残ると決めたからといって、求人を一切見てはいけないわけではありません。月に1回だけ見る、気になる園を1つだけ覚えておく、という程度なら、むしろ「いざとなれば動ける」という安心につながります。大事なのは、毎晩見て落ち込むのではなく、見る日と見る量を自分で決めておくことです。
06残ることが答えにならない場合もある
要点:今の園に残る選択が合わないケースもあります。心身に不調が出ているとき、ハラスメントや法律に反する働き方が続いているとき、期限のない約束を待ち続けているときは、我慢して残ることを前提にしないでください。
1. 心と体が悲鳴をあげているとき
眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出る、休みの日も園のことが頭から離れない。こうした状態が2週間以上続いているなら、残るか移るかを考える前に、休むことと受診を優先してください。言葉にして話すのがつらいときは、LINEで相談できる「こころの耳SNS相談」もあります(平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日・年末年始は受付なし)[9]。
2. ハラスメントや、休憩がない状態が続いているとき
職場のパワーハラスメントは、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、働く環境が害されるものとされています[10]。また、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えることが法律で決められています[11]。こうした問題は、あなたが我慢すれば解決するものではありません。都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーでは、無料・予約不要で相談できます[12]。相談先の選び方は労働条件の相談窓口にまとめています。
3. 「来年こそ変わる」を何年も待っているとき
「来年度は人が増えるから」「新しい園長になれば変わるから」。そう言われて、同じ約束を2年、3年と待ち続けている人もいます。約束そのものが悪いわけではありませんが、期限のない約束は、あなたの迷いの期間を延ばすだけになりがちです。こうした場合こそ、「来年度の4月に人が増えていなければ動く」のように、自分の側で期限を決めてください。待つかどうかを決めるのは園ではなく、あなたです。
残るか移るかを考えるとき、一人で書き出していると、どうしても「しんどいこと」の欄ばかり埋まっていきます。保育の現場を知っている人と一緒に「残りたい理由」の欄を埋めてみると、自分では当たり前すぎて気づかなかった良さが見えてくることもあります。ほいくの相談室では、転職するかを決めていない段階の相談や、「残る」を選ぶための相談も受けています。
よくある質問
「転職しない」と決めたら、もう転職を考えてはいけませんか?
そんなことはありません。残ると決めたのは、その時点の条件で判断した結果です。見直しの日に条件が満たされていなければ、改めて転職を考えてかまいません。決めたことに縛られすぎず、見直しの日を決めておくことが、残る選択を続けやすくします。
残ると決めたことを、園長に伝えたほうがいいですか?
「転職を考えていた」とまで伝える必要はありません。ただ、変えてほしいことを伝えるときに「この園で長く続けたいので」と添えると、前向きな相談として受け止めてもらいやすくなります。
迷っているうちに年度末が近づいてしまいました。
年度末に退職するなら、就業規則の申し出期限から逆算する必要があります。期限までに決めきれない場合は、今年度は残ると決め、来年度の担当が決まる前に見直す日を置くのも一つの方法です。迷ったまま期限が過ぎるより、「今回は残る」と自分で決めたほうが気持ちは楽になります。
残ると決めたのに、また辞めたくなりました。
一度決めても揺れるのは自然なことです。まず、最初に書き出した「残りたい理由」と、決めたときの条件を読み返してみてください。条件が満たされていないなら見直しの時期ですし、満たされているなら一時的な疲れかもしれません。
同じ法人内の異動は「残る」に入りますか?
入ります。法人が同じなら、勤続年数や給与の仕組みをそのまま引き継げる場合があり、人間関係や通勤だけを変えられることもあります。扱いは法人によって違うため、異動の制度があるかどうか、希望を出す時期はいつかを、就業規則や園長に確かめてみてください。
参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 調査結果の概要」
- 保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン(こども家庭庁掲載)
- こども家庭庁「省力化投資促進プラン―保育―」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- こども家庭庁「基礎資料(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善)」令和8年3月版
- こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」
- 厚生労働省 パワーハラスメント対策リーフレット
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。