保育士の退職時の有給消化|最終出勤日とボーナスの考え方

給与明細の端に印字された「有給残 17.0日」という数字を、退職を考え始めてから初めてじっくり見ました。入職して5年、自分の希望で取れた有給休暇は、年に3日か4日。あとは運動会の代休と、子どもの発熱で急に休んだ日くらいです。辞めるとしたら、この17日はどうなるのだろう。「うちの園で、有給を全部使ってから辞めた人なんて見たことがない」という先輩の言葉が、頭から離れません。

保育の現場では、日々のシフトを回すだけで精一杯で、有給休暇は「余裕があるときに少しずつ取るもの」になりがちです。そのため、退職のときにまとめて使うことに、後ろめたさを感じる人が少なくありません。そこにボーナスの時期が重なると、「もらってから辞めたら印象が悪いのでは」という迷いも加わります。

この記事では、退職前の有給消化が法律でどう扱われているかを確かめたうえで、残日数の数え方、最終出勤日の決め方、そしてボーナスをもらってから辞められるかを確かめる手順をまとめました。数字と規程で整理すると、後ろめたさの多くは、思い込みだったと気づけるはずです。

この記事でわかること

  • 退職前の有給消化が、法律上どう扱われているか
  • 自分の有給休暇の残日数を確かめる方法(パートの比例付与も含む)
  • 退職日から逆算して最終出勤日を決める手順
  • ボーナスをもらってから辞められるかを確かめる3つの規程

結論

保育士が退職前に残っている有給休暇を使い切ることは、法律で認められた権利です。年次有給休暇は働く人が指定した時季に与えるのが原則で、退職前に残りの年休をすべて取りたいと申請された場合、使用者は時季変更権を行使できないとされています[1]。年休の権利は退職日で消えるため[1]、退職日から残日数をさかのぼって最終出勤日を決め、退職を申し出るときに有給消化の希望もあわせて伝えます。ボーナスを受け取ってから辞められるかは、園の賃金規程に書かれた支給日や在籍の条件しだいなので、申し出の前に規程を確かめておきます。

01退職前の有給消化は、法律で守られた権利

要点:有給休暇は、働く人が取りたい時季を指定して取るのが原則です。園が時季を変えてほしいと言えるのは「事業の正常な運営を妨げる」場合に限られ、退職前にまとめて取る場合には、その変更もできないとされています。

年次有給休暇は、雇い入れから6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤した人に10日与えられ、その後は勤続年数に応じて増えていきます[2]。6年6か月以上働いていれば、1年に20日です。

図1

勤続年数ごとの年次有給休暇の付与日数(フルタイムの場合)[2]

6か月10日
1年6か月11日
2年6か月12日
3年6か月14日
4年6か月16日
5年6か月18日
6年6か月以上20日
図1 勤続年数ごとの年次有給休暇の付与日数(フルタイムの場合)[2]

有給休暇は、働く人が「この日に休みます」と指定した時季に与えるのが原則です。使用者が別の日に変えてほしいと言える「時季変更権」は、事業の正常な運営を妨げる場合に限られています[1]。そして、年休の権利は退職日をもって消えるため、退職前に残りの年休をすべて取りたいと申請された場合には、使用者は時季変更権を行使できないとされています[1]。退職日より後には、変更先の日がないからです。

さらに、有給休暇を取ったことを理由に、賃金を減らしたり評価を下げたりといった不利益な取扱いをすることは禁止されています[3]。年10日以上の有給休暇が与えられている人については、使用者が1年に5日を確実に取らせる義務もあり、園は年次有給休暇管理簿を作って3年間保存することになっています[4]。

「年5日の取得義務」と退職前の有給は別の話

2019年4月から、年10日以上の有給休暇が与えられる人については、園が1年に5日を取らせる義務を負っています[4]。ときどき「年5日は取らせたのだから、残りは取らせなくてよい」と受け止められていることがありますが、これは最低限取らせなければならない日数の決まりで、残りの日数を取る権利がなくなるわけではありません。退職前に残りをまとめて取ることとは、別に考えてください。

「有給消化して辞めた人を見たことがない」園でも

これまでに有給を使い切って辞めた人がいない園だとしても、それは「取れない」ことを意味しません。多くの場合、取る人がいなかったか、引き継ぎを優先して自分から取らなかっただけです。前例がないことと、権利がないことは別の話です。ただし、前例がない園ほど、伝え方とタイミングに気を配ることで話がスムーズに進みます。そのコツは、このあとの「最終出勤日の決め方」で紹介します。

02自分の残日数を、正しく数える

要点:残日数は、給与明細や勤怠システム、事務担当への確認で分かります。前の年度に使い切れなかった分も、時効の2年以内なら残っています。パートの人は、週の勤務日数に応じた日数(比例付与)になります。

最初にやることは、自分の有給休暇が今いくつ残っているかを、正確に知ることです。給与明細に残日数が印字されている園もあれば、勤怠システムで見られる園、事務担当に聞かないと分からない園もあります。園は年次有給休暇管理簿を作ることになっているので[4]、「残日数を確認したいのですが」と事務担当に尋ねれば、教えてもらえるはずです。退職を考えていることを話す必要はありません。

前の年度の残りも、2年以内なら使える

有給休暇の権利の時効は2年です[3]。つまり、前の年度に使い切れなかった分は、次の年度に繰り越されます。例:勤続5年目で、今年度に16日が付与され、前年度の残りが6日あった場合、今年度にまだ1日も使っていなければ、残日数は22日です。今年度すでに4日使っていれば、残りは18日になります。

パートの人は「比例付与」を確かめる

週の所定労働時間が30時間未満で、週の勤務日数が4日以下のパートなどは、勤務日数に応じた日数が付与されます[5]。

図2

週の所定労働日数勤続6か月の時点勤続6年6か月以上
週4日7日15日
週3日5日11日
週2日3日7日
週1日1日3日
図2 パートの年次有給休暇(比例付与)の日数[5]

週3日勤務のパートでも、長く勤めていれば年に11日の有給休暇があります。パートだから有給はない、ということはありません。パートの有給休暇の取り方はパート保育士の有給休暇でも詳しく紹介しています。

03最終出勤日は、退職日から逆算して決める

要点:退職日と最終出勤日は別の日です。退職日から、残っている有給休暇の日数(勤務日の数)をさかのぼった日が最終出勤日になります。その前に引き継ぎの期間を置いて、申し出の時期を決めます。

図3

  1. 12月〜1月退職を申し出るときに、有給休暇を使い切りたいことも伝える
  2. 1月残日数を事務担当と確認し、最終出勤日の案を園長に出す
  3. 2月最終出勤日から逆算して、引き継ぎの日程を組む
  4. 3月上旬最終出勤日。返却物を返し、職員に挨拶をする
  5. 3月中旬〜下旬有給休暇の消化期間。勤務日だった日を有給休暇に充てる
  6. 3月31日退職日。この日まで園の職員として在籍する
図3 有給休暇を使い切って3月末に退職する場合の流れ(例)

有給休暇の日数は、カレンダーの日数ではなく、もともと勤務する予定だった日の数で数えます。月曜から金曜まで勤務する人なら、残り15日はおよそ3週間分です。土曜保育の当番がある園では、当番が入る予定だった土曜も勤務日に含まれるので、シフト表をもとに数えます。

例:月曜から金曜まで勤務する人が、残り18日の有給休暇を使い切って3月31日に退職する場合、18日は3週間と3日分です。退職日から勤務日を18日さかのぼると、最終出勤日はおおよそ3月の上旬になります。そこから2〜3週間の引き継ぎ期間をさらにさかのぼると、引き継ぎは2月の中旬には始めたい計算です。祝日や園の休園日があれば、その日は勤務日に数えないので、最終出勤日は少し後ろにずれます。正確な日付は、園のシフト表と年間行事予定を手元に置いて、事務担当と一緒に数えると間違いがありません。

「最終出勤日」と「退職日」は役割が違う

最終出勤日は、実際に園で働く最後の日です。退職日は、雇用が終わる日です。最終出勤日のあと、有給休暇を使っている間も、退職日までは園の職員として在籍しています。そのため、この期間も給与は支払われ、園の健康保険も使えます。反対に、退職日の翌日からは在職時の健康保険の資格で受診できなくなり、使ってしまうと医療費の返還が必要になります[6]。歯医者や病院の予約は、退職日までに済ませておくと安心です。

申し出のときに、有給の希望も一緒に伝える

有給消化で揉める原因の多くは、伝えるタイミングです。退職日を決めたあとで「実は有給が20日残っているので」と切り出すと、園はすでに組んだシフトや引き継ぎの計画を組み直さなければなりません。退職を申し出る面談で、「残っている有給休暇は、引き継ぎを終えたあとに使わせていただきたいと考えています」と一緒に伝えておくと、園もそれを前提に計画を立てられます。申し出の時期の考え方は退職は何か月前に伝えるかで紹介しています。

全部使うか、一部を引き継ぎに充てるかは自分で選ぶ

有給休暇を全部使うことは権利ですが、全部使わなければいけないわけでもありません。行事の引き継ぎに立ち会いたい、最後の日を子どもたちと過ごしたい、という理由で、一部を残して出勤する人もいます。大事なのは、園に言われて仕方なくあきらめるのではなく、自分で選ぶことです。

一部を出勤に充てる場合は、「有給休暇は20日残っていますが、卒園式の準備と当日は出勤し、残りの16日を3月後半に使わせてください」のように、出勤する日と使う日数をはっきり分けて伝えます。あいまいに「できるだけ使いたい」と伝えると、結局ほとんど使えないまま退職日を迎えることがあります。決めた内容は、申請書やメールで日付つきの形に残しておきましょう。

04「有給は使わせられない」と言われたら

要点:まず残日数と希望日を書面で申請し、話し合いで代案を探ります。それでも認められない場合は、記録を残したうえで、労働局などの相談窓口を頼ります。

人手が足りない園では、「最後に何日も休まれると困る」「今まで誰も取っていない」と言われることがあります。そのときは、感情的に言い返すのではなく、次の順番で進めると話がこじれにくくなります。

図4

  1. 残日数と規程を確かめる残日数、就業規則の休暇の申請方法、退職日を手元にそろえる
  2. 書面で取得日を申請する「○月○日から○月○日まで、残りの有給休暇○日を取得します」と、日付を入れて申請する
  3. 話し合いで代案を出す引き継ぎの資料を前倒しでつくる、行事の日だけ出勤するなど、園の不安を減らす案を示す
  4. 相談窓口を使う話し合いで解決しないときは、総合労働相談コーナーや労働条件相談ほっとラインに相談する
図4 有給消化を認めてもらえないときの進め方

総合労働相談コーナーは、全国の労働局や労働基準監督署などにあり、無料・予約不要で相談できます[7]。夜間や週末なら、労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610)も使えます[8]。有給休暇を取らせてもらえないときの考え方は、有給休暇を取らせてもらえないときで詳しく説明しています。

なお、使い切れなかった有給休暇を退職時に買い取ってもらえるかどうかは、園の規程や話し合いによって扱いが分かれるため、この記事では一律に言い切れません。買い取りを当てにするより、まず消化の日程を組むことを優先してください。

「引き継ぎが終わらないから」と言われたとき

有給消化を断られる理由でいちばん多いのは、「引き継ぎが終わらない」というものです。この場合は、引き継ぎの中身を具体的に書き出し、何を、いつまでに、誰に渡すかを一覧にして園長に見せると、話が前に進みやすくなります。たとえば、クラスの子ども一人ずつの配慮事項、保護者とのやりとりの経緯、月案や週案の進み具合、行事の準備物の置き場所、といった項目です。終わりが見える計画を示せば、園長も「最終出勤日までに終わる」と判断しやすくなります。それでも決まらないときは、一覧と申請の記録を持って、相談窓口に行けば話が早く進みます。

05ボーナスをもらってから辞められる?確かめる3つの規程

要点:賞与を受け取ってから辞められるかどうかは、法律ではなく、園の就業規則や賃金規程の定めで決まります。支給日と在籍の条件、算定の対象期間、退職予定者の扱いの3つを確かめてから、申し出の時期を決めます。

図5

  • 1

    支給日と在籍の条件

    「支給日に在籍している者に支給する」などの条件が書かれていないか

  • 2

    算定の対象期間

    何月から何月までの勤務や出勤率をもとに計算するのか

  • 3

    退職予定者の扱い

    退職が決まっている人の支給について、別の定めがないか

図5 賞与の規程で確かめる3つのこと

保育園の賞与は、夏と冬の年2回という園が多く、支給の条件は園ごとの規程で決まっています。規程に「支給日に在籍している者に支給する」と書かれていれば、支給日に在籍していることが条件になります。有給休暇の消化中も雇用は続いているので、退職日が支給日より後であれば、支給日に在籍しているという条件は満たすと考えられます。規程の書き方に不安があれば、事務担当に確かめておくと安心です。

図6

項目支給日より前に申し出る支給日より後に申し出る
引き継ぎの期間長く取れる短くなりやすい
賞与への影響規程に退職予定者の定めがあれば、影響することもある支給後なので、影響を受けにくい
園の受け止め方早めの相談として受け止められやすい「もらってから辞める」と思われることもある
向いている人規程に退職予定者の定めがなく、年度末に辞めたい人規程に在籍条件があり、退職日まで余裕がある人
図6 退職の申し出は、賞与の支給日の前か後か

「ボーナスをもらってから辞めるのは失礼」と感じる人もいますが、賞与の多くは、規程で決められた一定の期間の勤務をもとに計算されるものです。規程の条件を満たしているなら、受け取ることに後ろめたさを感じる必要はありません。

年度末に辞めるなら、冬の賞与との関係を見ておく

3月末に退職する保育士の場合、関わってくるのは冬の賞与です。冬の賞与の支給日が12月中旬なら、退職の申し出をその前の11月〜12月上旬にするか、支給後の12月下旬〜1月にするかで迷うことになります。規程に退職予定者の定めがなく、在籍の条件だけなら、どちらでも受け取れる可能性が高いので、引き継ぎの期間を長く取れる早めの申し出を選ぶ人もいます。反対に、算定の対象期間に「退職予定者は除く」といった定めがある場合は、支給日を過ぎてから申し出るほうが確実です。どちらの場合も、規程の文言を自分の目で確かめてから決めてください。賞与の仕組みそのものについては保育士のボーナスが少ないと感じるときも参考になります。

最後の給与については、退職する人が請求すれば、園は7日以内に賃金を支払わなければならないと定められています[9]。通常は園の給与支払日にまとめて支払われますが、支払われていない賃金がある場合の請求権の時効は、当分の間3年とされています[10]。

06相談事例:「2日なら」と言われた有給が、26日になるまで

要点:残っていた有給休暇31日のうち、園長から「2日くらいなら」と言われたモデルケースです。夏の賞与の規程と有給の残日数を並べて、退職日を組み直したことで、何が変わったのかを見てみてください。

退職日を1か月後ろにずらしたら、賞与も有給も守れた

相談事例(モデルケース)

お名前
なおさん(仮名)・41歳
保育士歴
15年目(相談当時)
勤務先
社会福祉法人の認可保育園(定員約100名)、2歳児クラス担任・正職員
家族
夫、中学生の子ども1人
変化
使える見込みの有給休暇 2日 → 26日

編集部退職を考え始めたとき、どんな状況でしたか。

なおさん

早番と遅番の繰り返しが体にこたえるようになって、日勤だけの職場に移りたいと思ったんです。6月末に夏のボーナスが出るので、それをもらってから7月末で辞めよう、と。就業規則は1か月前の申し出なので、ボーナスが出た翌日に言うつもりでした。

編集部そのとき、有給休暇はどうするつもりでしたか。

なおさん

31日残っていたんですけど、正直あきらめていました。試しに園長に「最後に少し有給を使えますか」と聞いたら、「2日くらいなら」と言われて。それが普通なんだと思っていたんです。

編集部どこで考え方が変わったのですか。

なおさん

相談したときに、賃金規程を一緒に読んでもらったんです。そうしたら、書いてあったのは「支給日に在籍していること」だけで、退職予定者を減額するような定めはなかった。だったら、ボーナスの前に退職を伝えて、退職日を後ろにずらせば、有給も使えるし、支給日にもちゃんと在籍している。言われてみれば当たり前なのに、自分では全然気づけませんでした。数字を並べて見せてもらえたのが、すごく分かりやすかったです。

編集部実際には、どう進めたのですか。

なおさん

5月の半ばに園長に伝えて、退職日は8月31日にしてもらいました。7月半ばまでは普通に勤務して引き継ぎ、そこから有給を使う形です。8月の夏祭りだけは自分から「出ます」と言って、その分を含めて5日は出勤することにしました。残りの26日を使って、新しい職場の準備もできました。

我慢するのが円満だと思っていたけど、規程を読んだら、我慢しなくても円満にできたんです。

なおさん(仮名)

なおさんは、6月末の夏の賞与を通常どおり受け取り、7月半ばの最終出勤日までに、2歳児クラス12人分の個別メモと、夏祭りの準備物の一覧を後任の先生に渡しました。退職日の翌日から日勤のみの職場で働いており、健康保険も途切れずに切り替えられたそうです。

このケースのポイントは、「ボーナス」と「有給」と「退職日」を別々に考えず、一枚の紙に並べたことです。三つを同時に見ると、退職日を少し後ろにずらすだけで、どれもあきらめずに済む組み合わせが見つかることがあります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

図7

最初の計画組み直した計画

使える見込みの有給休暇

2日
26日

引き継ぎに使える期間

約3週間
約8週間

夏の賞与

支給後に申し出る前提
規程を確認して申し出
図7 なおさんが退職日を組み直す前と後

07有給消化の前に、知っておいてほしい2つのこと

要点:一つは、権利を使うことと、職場への配慮は両立できるということ。もう一つは、有給消化中も「まだ園の職員」であることを忘れないことです。

1. 権利と配慮は、どちらかを選ぶものではない

有給休暇を使い切ることは権利です。一方で、人手の少ない園で突然長く休むと、残る同僚の負担が増えるのも事実です。この二つは、どちらかを選ぶものではありません。早めに伝える、引き継ぎを前倒しで進める、資料を形に残す。そうした準備をしたうえで有給を使えば、権利と配慮は両立できます。反対に、配慮のつもりで有給をすべてあきらめても、それが評価されるとは限りません。自分が納得できる線を、自分で引いてください。

2. 有給消化中は、まだ園の職員

有給消化中は、まだ園との雇用が続いています。退職日までは園の健康保険を使えますが、退職日の翌日以降は使えません[6]。また、転職先の入職日が決まっている場合は、退職日より前に入職日が来ないよう、両方の職場と日付をそろえておく必要があります。日付の組み方に迷ったら、最初に転職先の入職日を確認し、そこから退職日、最終出勤日の順に逆算すると整理しやすくなります。消化期間中に、離職票や源泉徴収票の送り先、返し忘れた物の確認などで園から連絡が来ることもあるので、連絡のつく方法を事務担当に伝えておくと、退職後の手続きが滞りません。

有給休暇やボーナスのことは、一人で考えていると「言い出したら嫌な顔をされるかも」という不安が先に立ちます。ほいくの相談室では、規程の読み方や日付の組み方の整理も含めて、転職を決めていない段階から相談を受けています。退職全体の手順は退職手続きのチェックリストで確認できます。

よくある質問

パートでも、退職前に有給休暇を消化できますか?

できます。週の勤務日数が少ないパートでも、勤務日数に応じた有給休暇が付与されます[5]。正職員と同じように、退職を申し出るときに残日数と取得の希望を伝えておきます。

有給休暇の残日数が分からないときは、どうすればいいですか?

給与明細や勤怠システムで確認できない場合は、事務担当に尋ねます。園は年次有給休暇管理簿を作って3年間保存することになっているので[4]、残日数を確かめることはできるはずです。

有給休暇をまとめて取ると、評価や賞与を下げられませんか?

有給休暇を取ったことを理由とする不利益な取扱いは禁止されています[3]。もしそのような扱いを受けた場合は、記録を残したうえで、総合労働相談コーナーなどに相談してください[7]。

ボーナスの支給日の直後に退職を伝えるのは、失礼ですか?

規程の条件を満たして受け取った賞与なので、失礼にあたるものではありません。ただ、支給直後に伝えると引き継ぎの期間が短くなりやすいので、規程を確かめたうえで、支給日より前に伝えて退職日を後ろに置くという方法も検討してみてください。

最終出勤日の挨拶は、どうすればいいですか?

職員には、朝礼や終礼の時間をもらって短く挨拶し、お世話になったお礼を伝えます。子どもや保護者への伝え方は園の方針に合わせ、自分から先に個別に伝えるのは避けます。お菓子などを配るかどうかは、園の慣習に合わせれば十分です。

参考にした資料

  1. 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
  2. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  3. 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
  4. 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
  5. 厚生労働省 FAQ「年次有給休暇とはどのような制度ですか…」
  6. 協会けんぽ宮城支部「マイナ保険証や資格確認書の使用について」
  7. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
  8. 確かめよう労働条件「労働条件相談ほっとライン」
  9. e-Gov法令検索「労働基準法」
  10. 確かめよう労働条件Q&A「賃金請求権の消滅時効は…」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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