保育士を辞めて後悔する人・しない人|その後と立て直し方

休憩室でお弁当を広げたまま、スマホで「保育士 辞めた 後悔」と検索する。「辞めて本当によかった」という体験談を読んで少し勇気が出たと思ったら、次に開いた記事には「子どもたちの顔が忘れられず、辞めたことを毎日後悔している」と書いてある。読めば読むほど、自分がどちらになるのか分からなくなっていく。

辞めたい。でも、辞めたあとで「やっぱり続ければよかった」と思うのが怖い。保育士の仕事は、子どもの成長を間近で見られる仕事です。どれだけつらくても、心のどこかにやりがいが残っているからこそ、後悔への不安も大きくなります。

ただ、後悔するかどうかは、運や性格だけで決まるものではありません。後悔しやすい辞め方と、後悔しにくい辞め方には、はっきりした違いがあります。そして、たとえ後悔したとしても、そこから立て直す道はいくつも残っています。この記事では、辞めた人のその後によくあるパターンと、後悔しないための準備、後悔したときの立て直し方を順にまとめました。

この記事でわかること

  • 辞めて後悔しやすいケースと、後悔しにくいケースの違い
  • 保育士を辞めた人のその後によくある4つの道
  • 「後悔」の中身を見分ける方法と、それぞれの次の一手
  • 辞めて後悔したときの立て直しの手順と、保育に戻るときの支援
  • 「後悔しない選択」がないことを前提にした考え方

結論

保育士を辞めて後悔しやすいのは、つらい出来事の直後に勢いで辞めたとき、辞める理由を自分の言葉で説明できないまま辞めたとき、次の職場で譲れない条件を決めずに選んだとき、お金の見通しがないまま辞めたときです。反対に、辞める理由が具体的で、一度は今の園で変える努力をし、次に何を変えたいかが決まっている人は、辞めたあとに気持ちが揺れても「自分で決めた」と立ち戻れます。後悔したとしても、保育士資格は登録をしていなくても消えるわけではなく[1]、保育士の求人は全職種の平均より多い状況が続いているため[2]、保育の仕事に戻る道は残っています。

01後悔しやすい辞め方、後悔しにくい辞め方

要点:後悔するかどうかを分けるのは、辞めたこと自体より、辞めるまでの過程です。決めたタイミング、理由の具体さ、今の園での行動、次の条件、お金の見通しの5つで、後悔のしやすさが変わります。

「辞めて後悔した」という人の話をよく聞くと、多くの場合、後悔しているのは「辞めたこと」そのものではありません。「あのとき、もう少し考えてから決めればよかった」「辞める前に一度、園長に相談しておけばよかった」「次の職場をもっとよく見てから決めればよかった」。後悔の矛先は、辞めるまでの過程に向いています。

図1

比べる点後悔しやすい後悔しにくい
決めたタイミング強く叱られた日の夜や、行事の直後など、気持ちが大きく揺れているとき一晩以上おいて、休日をはさむなど、落ち着いた状態で決めた
辞める理由「とにかく全部いや」で、何がつらいのか説明できない「持ち帰りが月20時間」など、具体的な理由を言葉にできる
今の園での行動一度も相談せずに辞めた変えてほしいことを一度は伝え、変わらないことを確かめた
次の職場の条件「今の園から離れられればどこでも」で選んだ譲れない条件を3つ決め、見学で確かめてから選んだ
お金の見通し退職後の生活費を計算していなかった住民税や保険料も含めて、何か月暮らせるかを把握していた
図1 後悔しやすい辞め方と、後悔しにくい辞め方

この表の右側の列は、どれも特別なことではありません。少し時間をかけて、気持ちと条件を整理するだけです。それでも、右側を一つずつ埋めてから辞めた人は、辞めたあとにつらいことがあっても、「あのときの自分は、できることをやって決めた」と思えます。その感覚が、後悔に飲み込まれないための支えになります。

勢いで辞めた人ほど、同じ悩みをくり返しやすい

勢いで辞めると、次の職場を選ぶ基準も「とにかく今の園から離れたい」になりがちです。すると、今の園で何がつらかったのかが整理されないまま、似た働き方の職場を選んでしまうことがあります。半年後に同じ悩みを抱えたとき、「辞めなければよかった」という後悔と、「また辞めたい」という気持ちが重なり、いっそう苦しくなります。辞める前に、理由を一行で書けるかを確かめてみてください。辞めるかどうかの判断の手順は辞めるべきか迷ったときの判断基準で詳しく紹介しています。

02辞める前にできる、後悔を小さくする準備

要点:後悔を小さくする準備は、理由を書く、一度は相談する、条件を決める、お金を計算する、辞め方を整える、の5つにまとめられます。全部が完ぺきでなくても、確かめた項目が多いほど、辞めたあとに迷ったときの支えになります。

後悔しにくい辞め方を、実際の行動に落とし込んだのが次のリストです。辞めると決める前に、一つずつ確かめてみてください。チェックが少ない項目があっても、それは「辞めてはいけない」という意味ではありません。「辞めるまでに、ここを埋めておこう」という目印です。

図2

  • 辞めたい理由を一行で書ける理由があいまいなまま辞めると、辞めたあとに「本当に辞める必要があったのか」と迷いやすくなります
  • 理由を時間や回数で説明できる「持ち帰りが月20時間」のように具体的だと、自分にも家族にも説明できます
  • 今の園で一度は相談した相談して変わらなかったという事実が、「言えばよかった」という後悔を防ぎます
  • 決めたのはつらい出来事の直後ではない強く叱られた日の夜などに決めた結論は、翌朝には違って見えることがあります
  • 次の職場で譲れない条件を3つ決めた条件があると、次の職場を選ぶときに同じ悩みをくり返しにくくなります
  • 次の職場を見学で確かめた求人票だけでは分からない雰囲気や働き方を、自分の目で確かめられます
  • 退職後の生活費を計算した住民税や保険料も含めて、何か月暮らせるかが分かっていると焦らずにすみます
  • 引き継ぎと退職の時期を考えた子どもや同僚への申し訳なさが残りにくい時期と方法を選べます
図2 辞める前に確かめたい、後悔を小さくするためのリスト

リストの最後の項目は、見落とされがちですが大切です。辞めたあとの後悔には、「辞めたこと」ではなく「辞め方」に向くものも少なくありません。年度の途中に慌ただしく辞めて、子どもにさよならを言えなかった。引き継ぎが十分にできず、同僚に負担をかけてしまった。こうした後悔は、時期と段取りを整えることで小さくできます。退職の時期の考え方は退職時期と退職日の決め方でまとめています。

「辞めない」という結論も、準備の成果

リストを埋めていく途中で、「今の園で相談したら、思ったより変わった」「条件を書き出したら、今の園で満たせていた」と気づくこともあります。それは準備が無駄になったのではなく、準備をしたからこそ見えた答えです。辞めるにしても、続けるにしても、自分で確かめてから選んだという事実が、あとからの後悔を小さくします。

03保育士を辞めた人の、その後によくある4つの道

要点:保育士を辞めた人のその後は、別の保育園で働く、保育園以外で子どもに関わる、保育以外の仕事に移る、いったん休んでから戻る、の4つに大きく分けられます。どの道を選んでも、後悔する人もしない人もいます。

「辞めた人がその後どうしているか」は、気になるけれど見えにくいものです。まず、保育士の資格を持つ人の全体像を見てみましょう。

図3

保育士登録者と、社会福祉施設等で働く保育士の数(2024年10月1日時点)[3]

保育士登録者数約190.5万人
社会福祉施設等で従事していない約123.0万人
社会福祉施設等で従事している約67.5万人
図3 保育士登録者と、社会福祉施設等で働く保育士の数(2024年10月1日時点)[3]

2024年10月1日時点で、保育士の登録者は約190.5万人いますが、保育所などの社会福祉施設等で働いている保育士は約67.5万人です[3]。従事していない約123.0万人には、認可外保育施設や幼稚園で働く人、すでに亡くなった人なども含まれるため、すべてが「保育から離れた人」ではありません。それでも、保育士の資格を持ちながら、さまざまな形で別の道を歩んでいる人が多いことは分かります。

一方で、東京都の調査では、過去に保育士として働いた経験がある人のうち59.0%が「雇用の条件さえ合えば働きたい、または保育の仕事に転職したい」と答えています[4]。辞めた人の中にも、条件次第で保育に戻りたいと考える人が少なくないということです。

図4

  • 1

    別の保育園で働く

    規模や園種、保育方針の違う園に移る。「保育は好きだけど、今の園が合わなかった」人に多い道

  • 2

    保育園以外で子どもに関わる

    学童保育、児童発達支援、子ども向けの教室など。働く時間帯や子どもの年齢が変わる

  • 3

    保育以外の仕事に移る

    事務、接客、営業など。保育で身につけた段取り力や対人の力を活かす

  • 4

    いったん休んでから戻る

    体と気持ちを立て直してから、パートや短時間勤務などで保育に戻る

図4 保育士を辞めた人のその後によくある4つの道

どの道にも、後悔した人と、後悔していない人がいます。たとえば、保育以外の仕事に移って「土日休みで、持ち帰りもなく、生活が整った」と感じる人もいれば、「子どもと関わらない毎日が物足りない」と感じる人もいます。大切なのは、道の良しあしではなく、自分が何を変えたくて、何を手放したくないのかを分かったうえで選ぶことです。

04後悔の中身を見分ける

要点:辞めたあとの「後悔」には、子どもが恋しい、保育の仕事に戻りたい、新しい職場が合わない、お金が苦しい、辞め方を悔やんでいる、などいくつかの種類があります。中身によって、次にとるべき行動はまったく違います。

辞めたあとに後悔の気持ちが出てきたら、まず「何を後悔しているのか」を言葉にしてみてください。「辞めなければよかった」という一言の中には、いくつもの気持ちが混ざっています。

図5

何を後悔しているのか

  1. 子どもと関わる時間が恋しい保育園に戻る以外にも、学童保育や子ども向けの教室、ボランティアなど、子どもと関わる方法を探す
  2. 保育の仕事そのものに戻りたい前の園で何がつらかったかを書き出し、それを避けられる条件で保育の求人を探す
  3. 新しい職場が合わない合わない理由が、慣れの問題か、職場の問題かを3か月ほど様子を見て見きわめる
  4. お金が苦しい生活費を計算し直し、働き方や収入の見通しを立て直す
  5. 辞め方を悔やんでいる引き継ぎや伝え方の後悔は、次の職場での辞め方・働き方に活かす材料にする
図5 「辞めなければよかった」と感じたときの見分け方

「懐かしい」と「戻りたい」は違う

辞めて数か月たつと、つらかったことより、子どもたちの笑顔や行事の達成感のほうを思い出しやすくなります。それ自体は自然なことで、悪いことではありません。ただ、「懐かしい」気持ちと、「今の生活を手放してでも戻りたい」気持ちは別のものです。前の園の写真を見て胸が苦しくなったときは、辞める前に書き出した理由を読み返してみてください。それでも戻りたいと思えるなら、その気持ちは本物です。

新しい職場が合わないと感じたら

新しい職場に移ってすぐは、仕事の進め方も人間関係も分からず、「前の園のほうがよかった」と感じやすい時期です。慣れの問題であれば、3か月ほどで変わってくることもあります。一方で、働き方の条件が聞いていた話と違う、心身の不調が出ているといった場合は、無理に続ける必要はありません。明示された労働条件が事実と違う場合は、すぐに労働契約を解除できるとされています[5]。短い期間での転職についてはすぐ辞めてしまいたいときの考え方も参考にしてください。

05辞めて後悔したときの立て直し方

要点:後悔したときは、後悔の中身を書き出し、辞めた理由と照らし合わせ、今の場所で変えられることを確かめてから、必要なら次の道を選び直します。保育に戻る場合は、条件を決め直し、公的な支援も活用します。

後悔の気持ちに飲み込まれているときは、つい「全部自分のせいだ」「取り返しがつかない」と考えてしまいます。けれど、ほとんどの後悔は、立て直すことができます。順番に進めてみてください。

図6

  1. 後悔の中身を書き出す

    何を後悔しているのかを、「子どもが恋しい」「お金が苦しい」など具体的に書き出します

  2. 辞めた理由を読み返す

    辞める前に書いた理由や、当時の状況を思い出し、今の後悔と照らし合わせます

  3. 今の場所で変えられることを確かめる

    今の職場や生活の中で、後悔を小さくできることがないかを考えます

  4. 戻るなら条件を決め直す

    保育に戻る場合は、前の園でつらかったことを避けるための条件を3つ決めます

  5. 情報と支援を集める

    求人の状況や、保育士・保育所支援センターなどの公的な支援を調べます

  6. 小さく動く

    見学や短時間の仕事など、負担の小さいところから動き始めます

図6 辞めて後悔したときに立て直す手順

保育に戻るときに使える支援

保育の仕事に戻りたいと思ったら、都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターに相談できます。保育士の再就職の相談や就職のあっせん、求人情報の提供などを行っていて[6]、全国に75か所あります[7]。センターに登録した人のうち、就職につながった件数は2024年度で4,708件でした[8]。

いったん保育の仕事を離れてから再就職する人には、就職準備金を貸し付け、再就職後に2年間働くと返還が免除される制度もあります[9]。未就学の子どもを育てている人には、保育料の一部を貸し付ける制度もあります。実施の有無や条件は都道府県によって違うので、住んでいる地域の窓口で確かめてください。ブランクがあっての復職の進め方は保育士に復職するとき何から始めるかでまとめています。

前の園に戻るという選択

辞めた園に戻ることを考える人もいます。辞め方が丁寧で、園との関係が良好であれば、受け入れてもらえることもあります。ただし、辞めた理由がその園の働き方や人間関係にあったなら、戻ったときに同じ悩みに直面する可能性が高いことは覚えておいてください。戻る場合は、辞めたときから何が変わったのかを、見学や面談で確かめてからにすると安心です。園長や職員の顔ぶれ、担当するクラス、持ち帰りや行事の進め方など、辞めた理由に関わる点を具体的に聞いてみてください。「知っている園だから」という安心感だけで決めず、新しい職場を選ぶときと同じ目線で確かめることが、二度目の後悔を防ぎます。

06相談事例:辞めて1年、外に出たから分かったこと

要点:保育以外の仕事に移って後悔した元保育士が、後悔の中身を見分けたことで、条件を変えて保育に戻ったモデルケースです。

「辞めなければよかった」の中身を分けてみた

相談事例(モデルケース)

お名前
さらさん(仮名)・34歳
保育士歴
10年(相談当時は事務職に転職して1年目)
勤務先
私立の認可保育園(定員約80名)で10年勤務 → 一般事務に転職 → 小規模保育園(定員19名)へ復帰
変化
後悔で眠れない夜 週2〜3日 → ほとんどなし、保育園での持ち帰り 月15時間 → ほぼなし

編集部保育士を辞めたとき、どんな理由だったのですか。

さらさん

持ち帰りの仕事が月に15時間くらいあって、行事の前は休みの日も制作で潰れていました。10年続けて、「もう保育はいいかな」って。地元の会社の事務の仕事が決まって、土日休みで定時に帰れるのは、最初は本当に夢みたいでした。

編集部後悔を感じ始めたのは、いつごろですか。

さらさん

半年くらいたったころです。通勤の途中で、お散歩中の保育園の子たちとすれ違ったときに、急に涙が出てきて。それから、夜になると「辞めなければよかった」って考えて、週に2、3日は眠れなくなりました。でも、前の園に戻りたいかと聞かれると、それも違う気がして。自分でもよく分からなかったんです。

編集部その気持ちを、どう整理しましたか。

さらさん

相談で「何を後悔しているのか、全部書き出してみましょう」と言われて書いたら、「子どもと過ごす時間」「子どもの成長を見る喜び」は恋しいのに、「持ち帰り」「行事の制作」は一つも恋しくなかったんです。後悔していたのは保育を辞めたことじゃなくて、子どもと関わる時間を手放したことだったんだって、そこでやっと分かりました。相談員さんは「戻ったほうがいい」とは一度も言わなくて、事務の仕事を続ける道も一緒に考えてくれました。

編集部そこから、どう動きましたか。

さらさん

戻るなら、持ち帰りがないこと、行事の制作が少ないこと、通勤30分以内、の3つを条件にしました。小規模保育園を3か所見学して、0〜2歳児だけの小さな園に決めました。行事はこぢんまりしていて、書類は勤務時間内に書く時間があるんです。前の園にいたときは、そんな園があることすら知りませんでした。

辞めたことは失敗じゃなかったんです。一度外に出たから、保育の何が好きで、何がつらかったのかが分かりました。

さらさん(仮名)

さらさんは事務の仕事を1年4か月続けたあと、小規模保育園に正社員として戻りました。持ち帰りの仕事はほとんどなく、休日に制作をすることもなくなったそうです。事務の仕事で覚えたパソコンの使い方が、園の書類づくりで役に立っているといいます。

このケースから持ち帰れるのは、後悔の中身を分けると、戻る道を選ぶ場合でも「前と同じ場所に戻る」のではなく、「条件を変えて戻る」ことができるという点です。後悔は、次の選択をよりよくするための材料にもなります。

※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。

07「後悔しない選択」はない、と知っておく

要点:辞めても、続けても、後悔する可能性はゼロにはなりません。だからこそ、後悔しないことを目指すより、後悔しても立て直せる準備をしておくことが現実的です。心身の不調があるときは、後悔の心配より回復を優先してください。

続けることにも、後悔はある

「辞めて後悔するのが怖い」と考えるとき、見落としがちなのが、「続けて後悔する」可能性です。つらい職場で無理を重ねて体を壊した人が、「もっと早く辞めればよかった」と後悔することもあります。東京都の調査でも、保育士として働く人の78.7%が「今後も保育士として働き続けたい」と答える一方、19.4%は「保育士を辞め、保育士以外の職種で働きたい」と答えています[10]。続ける人にも、辞めたい人にも、それぞれの事情と迷いがあります。どちらを選んでも、迷いや後悔がゼロになることはありません。

後悔しても、選び直せる

保育の仕事は、一度離れても戻ることができる仕事です。保育士の有効求人倍率は2026年7月時点で2.80倍と、全職種平均の1.15倍を上回っていて[2]、戻る道は開かれています。異業種に移ったあとで保育に戻る人もいれば、保育に戻ったあとでまた別の道を選ぶ人もいます。選び直せると知っているだけで、「一度の決断で人生が決まる」という重さから少し解放されます。転職したあとの後悔については転職して後悔したときの考え方も参考になります。

心身がつらいときは、後悔より回復を先に

眠れない、食欲がない、涙が出るといった状態が続いているなら、「辞めたら後悔するかも」と考える前に、まず受診を考えてください。後悔するかどうかを冷静に考えられるのは、心と体にある程度の余裕があるときです。電話で話すのが苦手なら、LINEで相談できる「こころの耳SNS相談」(平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日と年末年始は休み)もあります[11]。

後悔するかどうかが不安で動けないときは、誰かと一緒に「後悔しにくい辞め方」の条件を一つずつ確かめていくのも一つの方法です。ほいくの相談室では、辞めると決めていない段階でも、後悔しないための整理や、辞めたあとに保育へ戻るかどうかの相談を受けています。どちらに進むにしても、自分で選んだと思える道を一緒に探していきましょう。

よくある質問

辞めた保育園に、もう一度戻ることはできますか?

園の方針や人員の状況によって違うため、戻れるかどうかは一概には言えません。辞め方が丁寧で、園との関係が良好であれば、受け入れてもらえることもあります。辞めた理由がその園の働き方にあった場合は、戻る前に、何が変わったかを確かめておくと安心です。

異業種に転職して後悔しています。保育に戻るのは遅いでしょうか?

保育の仕事は、異業種での経験のあとに戻る人もいる仕事です。保育士資格は、登録の手続きの有無にかかわらず消えるわけではないと東京都は案内しています。ブランクが気になる場合は、保育士・保育所支援センターなどで再就職の相談をしてみてください。

辞めてすぐに後悔しています。すぐに次を探すべきですか?

辞めた直後は、疲れや環境の変化で気持ちが不安定になりやすい時期です。後悔の中身を書き出し、それが「戻りたい」のか「不安なだけ」なのかを、2〜4週間ほどかけて見きわめてから動いても遅くはありません。焦って決めると、同じ悩みをくり返すことがあります。

辞める前に、後悔しないためにできることはありますか?

辞めたい理由を具体的に書き出すこと、一度は今の園で変えてほしいことを伝えること、次の職場で譲れない条件を3つ決めること、退職後の生活費を計算することの4つが、後悔を小さくする準備になります。決めるのは、つらい出来事があった日の夜ではなく、一晩以上おいてからにしてください。

年度の途中で辞めたことを、今も後悔しています。

子どもや同僚への申し訳なさが残るのは、それだけ大切に関わってきたからです。辞め方の後悔は、次の職場での引き継ぎや伝え方に活かすことができます。どうしても気持ちが晴れないときは、信頼できる人や相談窓口に話して、気持ちを言葉にしてみてください。

参考にした資料

  1. 東京都福祉局「保育士に関すること」
  2. こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
  3. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  4. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  5. 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」(厚生労働省)
  6. こども家庭庁 令和7年度行政事業レビュー公開プロセス説明資料
  7. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  8. こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
  9. こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
  10. 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
  11. こころの耳「働く人の『こころの耳SNS相談』」

※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。

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