12月のある夜、夫が帰ってくるなり「4月から転勤になりそう」と言いました。行き先は、今の家から電車で2時間かかる隣の県の街。よかったね、と返しながら、頭の中ではすぐに別の計算が始まります。担任している0歳児クラスは、年度末まで見届けられるのか。向こうで保育士の仕事は見つかるのか。そもそも、部屋が決まらないと通える園が分からないし、仕事が決まらないと部屋も決められない。
引っ越しを伴う転職は、ふつうの転職に「住まい探し」と「引っ越しの手続き」が重なるぶん、やることが一気に増えます。順番を間違えると、早番に通えない場所に部屋を借りてしまったり、入職日に引っ越しが間に合わなかったりします。忙しい年度末と重なれば、なおさらです。
この記事では、引っ越しと転職を同時に進める保育士のために、住まいと仕事を決める順番、入職までの予定の立て方、離れた土地での仕事の探し方、退職から入職までの手続きを、一つの流れにまとめました。
この記事でわかること
- 住まいと仕事、どちらを先に決めるかの考え方
- 入職の4か月前から逆算する、引っ越し転職の予定表
- 離れた土地で保育士の仕事を探す方法と、部屋を決める前の確認項目
- 退職日と入職日の間に空白ができたときの届け出
結論
引っ越しを伴う転職では、住むエリアを2〜3か所に絞ってから仕事探しを始め、勤務先が決まってから部屋を最終決定する順番が、失敗しにくい進め方です。退職の申し出、有給休暇の消化、引っ越し、入職日を一つの予定表に並べ、入職のおよそ4か月前から逆算して動きます。住宅手当や借り上げ社宅のある園なら住まいの条件も仕事と一緒に決まるため、内定の前に対象者と金額を確かめておきます。退職日と入職日の間に空白ができる場合は、健康保険と年金の届け出も予定に入れておくと安心です。
01住まいと仕事、どちらを先に決めるか
要点:迷ったら「エリアを絞る→仕事を決める→部屋を決める」の順番が基本です。部屋を先に決めると通える園が限られ、仕事を先に決めると部屋探しと引っ越しが慌ただしくなるため、その間を取る進め方です。
引っ越しを伴う転職で、多くの人が最初につまずくのが「卵が先か、鶏が先か」という問題です。部屋を決めてから仕事を探せば、通勤のしやすさは保証されません。仕事を決めてから部屋を探せば、入職日までの短い期間で、内見、契約、引っ越しを詰め込むことになります。どちらにも理由があるので、まずは順番ごとの違いを並べてみます。
図1
| 決める順番 | 良いところ | 気をつけること |
|---|---|---|
| 部屋を先に決める | 新生活の準備が早く進み、転居の届け出も早く済む | 通える範囲の求人が少ないと、条件を下げて園を選ぶことになりやすい |
| 仕事を先に決める | 勤務先の場所を見て、通勤しやすい部屋を選べる | 入職日までに部屋探しと引っ越しを急ぐことになる |
| エリアを絞って同時に進める | 通勤と住まいの両方を比べながら決められる | 候補のエリアを2〜3か所に絞る下調べが必要 |
おすすめの「エリアを絞って同時に進める」方法は、部屋と仕事のあいだに「住む範囲」という中間の目標を置く考え方です。範囲が決まれば、その中の求人を探せます。勤務先が決まれば、範囲の中から園に通いやすい部屋を選べます。
部屋を先に決めてもよいケース
次のような場合は、部屋を先に決めても困ることは少なくなります。
- 家族の社宅や実家など、住む場所がすでに決まっている
- 引っ越し先の地域に、通える範囲の園が多いと分かっている
- 退職後に少し休み、引っ越してから落ち着いて仕事を探すつもりでいる
仕事を先に決めてもよいケース
反対に、どうしても働きたい園や法人が決まっている場合は、仕事を先に決めても構いません。たとえば「この保育方針の園で働きたい」「この法人の園なら引っ越し先にもある」と分かっているなら、園の場所を中心に部屋を探すほうが自然です。その場合は、入職日を少し遅めに設定してもらえないか、内定の段階で相談しておくと、部屋探しに余裕が生まれます。
「住む範囲」の絞り方
住む範囲は、家族の通勤や通学から先に考えます。配偶者の勤務先から電車で何分以内か、子どもの学校をどうするか。そのうえで、早番の時刻に間に合う交通手段があるか、家賃の相場が予算に合うか、範囲の中に保育園がいくつあるかを確かめます。候補を2〜3か所に絞るのは、それ以上あると求人を比べきれず、1か所だけだと条件の合う求人がなかったときに動けなくなるからです。
02入職の4か月前から逆算する予定表
要点:4月に入職するなら、前の年の11月ごろから動き始めると、退職の申し出、見学と面接、部屋探し、引っ越しを無理なく並べられます。年度の途中で引っ越す場合も、入職日から逆算する考え方は同じです。
図2
- 11月住むエリアを2〜3か所に絞り、家賃の相場や通勤手段を調べる
- 12月候補エリアの求人を集め、オンラインで相談や面接ができるかを確かめる
- 1月見学と面接。遠方なら1回の訪問で2〜3園をまとめて回る
- 1月下旬内定を受けたら、今の園の園長に退職の意思を伝える
- 2月勤務先の場所を見て部屋を決め、引っ越し業者を手配する
- 3月引き継ぎ、有給休暇の消化、引っ越し、転居の届け出
- 4月1日新しい園に入職
冬のうちに動き始めるのには理由があります。保育士の有効求人倍率は年度の中で変わり、2026年1月は3.88倍、2026年7月は2.80倍でした[1][2]。4月入職に向けた求人が出そろう冬は、候補エリアの求人を比べやすい時期です。
退職の申し出は、引っ越しの予定と合わせて考える
期間の定めのない雇用であれば、法律上は退職の申し入れから2週間で雇用が終わります[3]。ただ、担任を持っていれば引き継ぎがあり、就業規則で申し出の時期が決められていることもあるため、1〜3か月前に伝えるのが現実的です。引っ越しの可能性が出た段階で、園長に「春に転居するかもしれない」とだけ伝えておくと、次年度のクラス編成を考えてもらいやすくなります。退職前後にやることの全体像は、退職手続きのチェックリストで確認できます。
有給休暇は、引っ越しの準備にあてられる
残っている有給休暇は、引っ越しの荷造りや、転居先での部屋探し、役所の手続きにあてられます。退職前に残りの年休をまとめて取りたいと申請した場合、使用者は時季変更権を行使できないとされています[4]。とはいえ、引き継ぎの時間がなくなると残る職員が困るので、最終出勤日と有給の使い方は、早めに園長と相談して決めておくと気持ちよく送り出してもらえます。
お金の出入りも、同じ予定表に書く
引っ越し転職では、出ていくお金が一時期に集中します。部屋の初期費用、引っ越し代、家具や家電の買い足し、見学のための交通費。一方で、新しい園の最初の給料が入るのは、入職した月の末か翌月になることが多いものです。予定表の横にお金の欄を作り、「いつ、何に、いくら出ていくか」「最初の給料はいつ入るか」を書き込んでおくと、手元のお金が足りなくなる時期が前もって分かります。
年度の途中で引っ越す場合
家族の転勤は、4月とは限りません。10月や1月の転居なら、引っ越し先では欠員を埋めるための求人が中心になります。入職日について相談に応じてもらえることもあるので、「○日に引っ越すため、○日から勤務できます」と、具体的な日付を添えて応募すると話が進みやすくなります。
03転居先で保育士の仕事を探す方法
要点:離れた土地の求人は、現地の情報が少ないぶん、探し方を組み合わせることが欠かせません。転居先の保育士・保育所支援センター、求人サイトやハローワーク、自治体の公式サイト、オンラインでの相談や面接を使い分けます。
図3
- 1
転居先の窓口に聞く
転居先の都道府県などが設置する保育士・保育所支援センターに、地域の求人と事情を問い合わせる
- 2
オンラインを使う
最初の相談や一次面接をオンラインで受けられるかを、応募の前に確かめる
- 3
訪問をまとめる
見学と面接の日程を寄せて、1回の訪問で2〜3園を回る
- 4
暮らしの情報も集める
自治体の公式サイトで、子育てや住まいの支援、保育士向けの支援を調べる
転居先の保育士・保育所支援センターに問い合わせる
保育士・保育所支援センターは、都道府県や指定都市・中核市が設置する窓口で、全国に75か所あります(2025年12月時点)[5]。2025年10月からは、都道府県に保育人材の確保の拠点となる体制を整えることが義務付けられました[6]。地元の園の事情に詳しいので、「この地域は車通勤が多いか」「早番は何時からの園が多いか」といった、求人票には書かれていない暮らしの情報も聞いてみてください。
遠方からの見学と面接は、1回の訪問にまとめる
離れた土地に何度も通うと、交通費も有給休暇も足りなくなります。午前にA園を見学し、午後にB園の面接を受け、翌日にC園を見学する、というように日程を寄せると効率的です。見学の合間には、候補エリアの駅前やスーパー、バス停を歩いてみると、住む範囲の判断にも役立ちます。
地図だけで通勤を判断しない
地図アプリで「自転車10分」と出ても、坂道の多い街ではもっとかかります。バスが1時間に1本しかない地域や、冬は雪で自転車が使えない地域もあります。早番7時に間に合う便があるかは、時刻表で必ず確かめてください。
面接では、引っ越しの事情を短く正直に伝える
引っ越しを伴う転職では、面接で「なぜこの地域で働きたいのか」をほぼ必ず聞かれます。家族の転勤や結婚など、事情はそのまま伝えて構いません。「夫の転勤で3月に転居します。長く働ける園を探していて、0歳児の経験を生かしたいと考えています」のように、転居の事情と、この地域で長く働くつもりであることを一緒に伝えると、園も安心して受け止められます。転居の時期が確定していない場合も、見通しを正直に話しておくほうが、あとで入職日を調整しやすくなります。
いったん保育の仕事を離れてから探す場合
引っ越しを機に少し休み、落ち着いてから再就職する人もいます。都道府県などでは、潜在保育士が再就職するときに就職準備金(上限40万円)を貸し付け、再就職後に貸付を受けた都道府県等の施設で2年間働くと返還が免除される事業があります[7]。対象になる条件は地域ごとに定められているため、転居先の都道府県の案内で確かめてください。
04部屋を決める前に確かめたい、保育士ならではの条件
要点:保育士の住まい選びでは、家賃や間取りだけでなく、早番・遅番の時刻に通えるか、勤務先の住宅手当や借り上げ社宅が使えるかをあわせて確かめます。部屋は、勤務先が決まってから最終決定するのが安全です。
図4
- 早番の開始時刻に間に合う電車やバスがあるか始発が遅い路線やバスの少ない地域では、早番に通えないことがあります
- 遅番のあとに帰れる交通手段があるか夜はバスの本数が減る地域もあります
- 自転車や車で通えるか、駐輪・駐車できるか園の駐車場の有無で、住める範囲が大きく変わります
- 勤務先の住宅手当の支給条件世帯主であること、契約名義が本人であることなどの条件がある場合があります
- 借り上げ社宅の対象になるか採用からの年数や常勤であることなど、対象者の条件があります
- 家賃と通勤費の合計家賃が安くても、通勤費の自己負担が増えると差が縮まります
- 家族の通勤や通学とのバランス自分だけ近くても、家族の負担が大きくなっては続きません
特に見落としやすいのが、住まいに関する勤務先の制度です。国の保育士宿舎借り上げ支援事業は、令和8年度は「保育士として採用された日から起算して5年以内の常勤の保育士」が対象です[8]。保育士歴が長い人や、パートで働く予定の人は、園に借り上げ社宅があっても対象にならないことがあります。制度の仕組みと退職時の扱いは保育士の借り上げ社宅と自治体の制度、手当の条件は住宅手当・家賃補助の条件と確認方法で詳しく紹介しています。
住宅手当は、配偶者の社宅に住む場合や、配偶者が世帯主になる場合に、支給の対象外になることがあります。家族の転勤に伴う引っ越しでは、誰の名義で部屋を借りるかによって手当が変わることもあるため、内定の前に支給条件を書面で確かめておくと安心です。
05相談事例:夫の転勤で隣の県へ。引っ越しから12日で入職した進め方
要点:ここでは、住まいと仕事の順番を整えたことで、年度末の引っ越しと転職を両立できたモデルケースを紹介します。「住む範囲」を決めたところから話が動き出す流れに注目してください。
「住む範囲」を先に決めたら、仕事探しが動き出した
相談事例(モデルケース)
- お名前
- かえでさん(仮名)・29歳
- 保育士歴
- 7年目
- 勤務先
- 相談前は私立の認可保育園(定員約70名)、0歳児クラス担任
- 家族
- 夫(会社員、4月から隣の県へ転勤)
- 変化
- 引っ越しから初出勤まで 12日、遠方への見学・面接の訪問 2回で3園
編集部引っ越しが決まったとき、まず何に困りましたか。
12月に夫の転勤が分かって、4月から隣の県です。最初に思ったのは「部屋が決まらないと仕事が探せない、仕事が決まらないと部屋が決まらない」ってこと。頭の中でぐるぐるして、1週間くらい何も手につきませんでした。
編集部どうやって動き出したのですか。
相談したら、「部屋じゃなくて、まず住む範囲を決めましょう」と言われたんです。夫の勤務先から電車で30分以内、駅から歩ける、家賃の相場が今と同じくらい。それで候補が2つの駅の周辺に絞れて。その範囲で求人を探したら、急に話が具体的になりました。
編集部遠方での見学や面接は大変でしたか。
1月に2回だけ行きました。1回目は2園を見学して、2回目に別の園の見学と面接。オンラインで先に話を聞いてくれた園もあって、移動は思ったより少なく済みました。0歳児の経験が長いことを、午睡チェックや離乳食の進め方の話で伝えたら、すぐに通じたのもうれしかったです。
編集部今の園には、いつ伝えましたか。
内定が出た1月の終わりです。でも実は、12月のうちに園長には「春に引っ越すかもしれない」とだけ話してありました。0歳児の子たちは年度末まで見届けたかったので、3月20日まで出勤して、残りは有給休暇で引っ越しにあてました。
部屋より先に「住む範囲」を決めたら、止まっていた仕事探しが一気に動き出しました。
かえでさん(仮名)
かえでさんは3月20日に引っ越し、4月1日に新しい園の1歳児クラスで働き始めました。部屋は内定が出てから、勤務先まで自転車で10分の場所に決めています。退職日の翌日に入職したため、健康保険や年金の届け出で慌てることもありませんでした。
このケースのポイントは、部屋と仕事のどちらかを先に決めるのではなく、「住む範囲」という中間の目標を置いたことです。範囲が決まると求人が絞れ、勤務先が決まると部屋が絞れる。順番を整えるだけで、同時進行の負担はぐっと軽くなります。
※相談で多く寄せられる状況をもとに再構成したモデルケースです。特定の個人ではなく、数値は一例です。
かえでさんのように、退職日の翌日に入職できればいちばん手続きが少なく済みます。けれど、引っ越しの日程や家族の事情で、退職から入職までに空白ができることも珍しくありません。次の見出しで、そのときの届け出を整理します。
06退職日と入職日の間に空白があるときの届け出
要点:退職日の翌日から次の園の入職日までに空白がある場合は、その間の健康保険と年金の手続きが必要になります。引っ越しと重なると忘れやすいので、予定表に期限を書き込んでおきます。
図5
| 手続き | 期限 | 届け出先 |
|---|---|---|
| 国民健康保険に入る | 資格を得てから14日以内[9] | 住所地の市区町村 |
| 健康保険の任意継続を選ぶ | 退職日の翌日から20日以内[10] | 協会けんぽの場合は住所地の支部 |
| 国民年金の第1号被保険者になる | 退職日の翌日から14日以内[11] | 住所地の市区町村役場 |
国民健康保険と任意継続は、どちらか一方を選びます。任意継続は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることが条件です[10]。引っ越しのあとに届け出る場合は、転入先の市区町村が届け出先になるので、転入の届け出と同じ日にまとめて済ませると手間が減ります。
退職日の翌日以降は、前の園で使っていた健康保険の資格では受診できません[12]。引っ越しの疲れで体調を崩しやすい時期なので、空白期間の保険の手続きは後回しにしないでください。
書類の送り先を、新しい住所に切り替えておく
退職後に届く書類は、引っ越しで行き違いになりやすいものです。離職票は、条件を満たせばマイナポータルで直接受け取れますが、条件を満たさない場合はこれまでどおり事業所から送られてきます[13]。源泉徴収票は、年の途中で退職した人には退職の日以後1か月以内に交付されることになっています[14]。退職の手続きのときに、新しい住所と転居日を園に伝えておきます。
住民税は、6月1日から12月31日までに退職すると、残りの税額が本人の納付に切り替わります[15]。納付書がどこに届くかも、あわせて確かめておくと安心です。届け出の詳しい流れは、退職後の健康保険と年金の手続きにまとめています。
家族の転勤や結婚などで引っ越し、通勤が難しくなって退職する場合、失業給付の扱いが変わることがあります。結婚などに伴う転居で通勤が困難になった場合は、正当な理由のある自己都合離職として「特定理由離職者」に含まれます[16]。正当な理由のない自己都合退職には原則1か月の給付制限がありますが[17]、自分のケースがどちらに当たるかはハローワークが判断します。手続きのときに、引っ越しの事情を具体的に伝えてください。
保育士登録証の書き換えが必要な場合
保育士登録証の記載事項に変更が生じたときは、登録を行った都道府県知事に書き換え交付を申請しなければなりません[18]。引っ越しそのもので手続きが必要になるとは限りませんが、結婚で姓が変わった場合などは対象になります。自分の登録証にどんな事項が書かれているかを、一度確かめておいてください。
07引っ越し転職で、急がないでほしい2つのこと
要点:一つは、「部屋の近く」という理由だけで仕事を決めないこと。もう一つは、新しい土地に慣れる時間を予定に入れておくことです。どちらも、期限に追われているときほど抜け落ちやすい点です。
1. 部屋の近くという理由だけで、園を決めない
引っ越しの期限が迫ると、「とりあえず部屋から通える園」で決めたくなります。けれど、保育方針や人間関係が合わなければ、新しい土地でもう一度転職を考えることになりかねません。急いでいるときほど、譲れない条件を3つに絞り、近さはそのうちの一つとして扱ってください。通勤と転職の考え方の全体像は、通勤時間が長いときの転職ガイドにまとめています。
2. 新しい土地に慣れる時間を、予定に入れておく
新しい職場に慣れるだけでも、最初の1か月は気力を使います。そこに、知らない街での買い物、病院探し、通勤経路の試行錯誤が重なります。引っ越しから入職までに、数日でも街を歩く時間があると、初出勤の朝の緊張がずいぶん違います。眠れない日が続く、食欲が落ちたといった不調があれば、無理をせず早めに医療機関に相談してください。
引っ越し先がまだはっきりしない段階で、どこから手をつければいいか迷う人も少なくありません。相談の進め方は引っ越し前の転職相談で紹介しています。ほいくの相談室では、転居の時期や住む範囲が決まりきっていない段階でも、予定表を一緒に組み立てるところから相談できます。
よくある質問
引っ越し前に、転居先の園の面接を受けられますか?
受けられます。オンラインで最初の面談をしてくれる園もあるので、応募の際に確かめてみてください。採用の前に一度は現地で見学したいという園も多いため、訪問の日程を1〜2回にまとめ、その中で見学と面接を済ませると負担が軽くなります。
引っ越しの時期がはっきりしなくても、仕事探しを始めていいですか?
始めて構いません。住む範囲の候補を絞り、地域の求人や園の数を調べるところまでは、時期が決まっていなくても進められます。応募の段階では、入職できる時期の見通しを正直に伝えると、園も判断しやすくなります。
家族の転勤で退職する場合、失業手当はどうなりますか?
結婚などに伴う転居で通勤が困難になった場合は、特定理由離職者に含まれます[16]。家族の転勤による引っ越しが当たるかどうかも含めて判断するのはハローワークなので、離職の理由を具体的に伝えて確かめてください。すぐに次の園で働く場合は、失業給付を受けないこともあります。
引っ越しをしたら、保育士登録の手続きは必要ですか?
登録証の記載事項に変更が生じたときは、登録を行った都道府県知事に書き換え交付を申請する必要があります[18]。引っ越しだけで必要になるとは限らないので、登録証の記載事項を確かめ、結婚で姓が変わった場合などは手続きを進めてください。
有給休暇を引っ越しの準備に使ってもいいですか?
年次有給休暇を何に使うかは本人の自由です。退職前に残りの年休をまとめて取りたいと申請した場合、使用者は時季変更権を行使できないとされています[4]。引き継ぎとのバランスを考え、最終出勤日と有給の使い方を早めに園長と相談しておくと安心です。
引っ越し先が決まる前に、今の園を退職してもいいですか?
退職して引っ越しの準備に集中する人もいます。その場合は、退職から入職までの健康保険と年金の届け出が必要になり、収入のない期間の生活費も見込んでおく必要があります。何か月暮らせるかを計算してから、退職日を決めてください。
参考にした資料
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.1)」
- こども家庭庁「保育士有効求人倍率(R8.7)」(出典:厚労省 職業安定業務統計)
- e-Gov法令検索「民法」
- 確かめよう労働条件「年次有給休暇」
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」令和8年3月版
- こども家庭庁「児童福祉法等の一部を改正する法律(令和7年法律第29号)の概要」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算の概要」
- e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則」
- 協会けんぽ「任意継続」
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
- 協会けんぽ宮城支部「マイナ保険証や資格確認書の使用について」
- 厚生労働省リーフレット「離職票」のマイナポータル直接送付
- 国税庁 タックスアンサーNo.7411
- 東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」
- ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
- ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
- 児童福祉法施行令 第17条
※制度や数値は記事の更新時点で公的機関の資料により確認しています。最新の情報は各リンク先でご確認ください。